英単語の「難語・奇語・珍語」を集めた辞典。大きな英和・英英辞典に載っていない場合、このタイプの辞典をあたると見つかるかも。方言や訛りとは違う種類の言葉を集めています。古語や廃語、一時期のみ使われすぐにすたれた語句、学術論文や錬金術、占星術など特定の分野のみで使われる語句、比較的古くからあるもので綴りが長く複雑な意味を持つ単語などが掲載されています。
よくこのタイプの辞書は「クロスワードパズル愛好者向け」や「言葉愛好家向け」という謳い文句が記されています。日本語で、もっとも多い画数の漢字は何か、読み方がもっとも長い漢字は何か、などを探る楽しみと共通のものがあるように感じられます。
比較的古くから存在する難語、奇語、珍語を掲載。特定の地域や部族のみで使う方言、占いや古い医術など特定の分野のみで使う専門用語、地名の異名や別名、現在では使わなくなった廃語などを積極的に拾っています。
大型の英英辞典でも決して見つからない語句の目白押し。見出し語は決して綴りがむつかしい語句ばかりではありません。二文字、三文字の単語も多数収録しています。発音についても、ほとんどすべての見出し語に発音記号が付いています。
【引用:"Mrs Byrne's Dictionary of Unusal, Obscure Preposterous Words" Josefa Heifetz Byrne [Grafton Books 1979]、42頁から、和訳は筆者】Chargoggagoggmanchauggagoggchaubunagungamaugg:【名詞】マサチューセッツ州の湖のインディアン名、「貴方は貴方のほうで、私は私のほうで釣りをして、二人の間で釣りをするものはいない」の意味
【引用:"Mrs Byrne's Dictionary of Unusal, Obscure Preposterous Words" Josefa Heifetz Byrne [Grafton Books 1979]、41頁から、和訳は筆者】cephalonamancy:【名詞】占いの一つ。ロバの頭をゆでておこなう
【引用:"Mrs Byrne's Dictionary of Unusal, Obscure Preposterous Words" Josefa Heifetz Byrne [Grafton Books 1979]、117頁から、和訳は筆者】lirp:【動詞】指をぱちんと鳴らす【名詞】指をぱちんと鳴らすこと
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻末に参考文献の記載あり |
主に、新聞や大衆雑誌、週刊誌などに登場する表現を集めたものです。収録語彙数は1万4,000以上。一般の辞書にはあまり載っていない専門用語や俗語を多数採録。網羅した具体的な分野は、病名や薬名などの医学関係の表現、生物学や遺伝学、コンピューター関係、財務の専門用語など。
見出し語のすべてが奇語、珍語、難語というわけではなく、一般の英英辞典、英和辞典で見つかる語句も多数収録しています。新聞や雑誌が好んで使う表現を積極的に集めている模様です。
【引用:"Bloomsbury Dictionary of Difficult Words" Laurence Urdang [Bloomsbury 1993]、56頁から、和訳は筆者】dasein:【名詞】自分自身のこれまでの経験を認識していること
【引用:"Bloomsbury Dictionary of Difficult Words" Laurence Urdang [Bloomsbury 1993]、108頁から、和訳は筆者】grigri:【名詞】アフリカ起源のお守り、魔除け
【引用:"Bloomsbury Dictionary of Difficult Words" Laurence Urdang [Bloomsbury 1993]、150頁から、和訳は筆者】lipaemia:【名詞】血液中に余分な脂肪が存在すること
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 特になし |
この辞書も古くから存在する言葉を集めています。昔は普通に使っていたがその後すたれてしまった廃語を中心に収録。起源が南アフリカ、フィリピン、スペイン、フランスなどの外来語も多数掲載。収録語彙数は1万5,000以上。
【引用:"A Dictionary of Difficult Words" Robert H. Hill [Gramercy Publishing Company 1990]、56頁から、和訳は筆者】babuina:【名詞】雌の竹
【引用:"A Dictionary of Difficult Words" Robert H. Hill [Gramercy Publishing Company 1990]、122頁から、和訳は筆者】dextrocular:【形容詞】左目より右目をよく使う
【引用:"A Dictionary of Difficult Words" Robert H. Hill [Gramercy Publishing Company 1990]、163頁から、和訳は筆者】halle(al):【名詞】中央市場
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 特になし |
この辞書も古くから存在する言葉を集めています。見出し語はアルファベット順。英和辞典では【古語】や【韻語】【廃語】などに分類される言葉や、学術・文化などの専門用語を収集。収録語彙数は約3,000。
このタイプの辞書は通常、例文を載せず、語句の定義と解説のみを記しますが、この辞書は見出し語のほとんどに例文、例句を付け、現実の会話や作文ですぐに使えるようにしてあります。
さらに、各アルファベットの先頭には"confusables"という項目を独立して設け、似た綴りで違う意味を持つ単語や、ほぼ同じ意味だけど微妙にニュアンスの違う単語、などをリストアップして、意味の違いを例文、例句付きでくわしく解説しています。「難語・奇語・珍語」辞典に「類義語・類似語」辞典がプラスされた形です。
序文に"a difficult word"について興味深い一文が載せられています。ごく一部を和訳してまとめてみます。
【引用:"The New American Dictionary of Difficult Words" Carol-June Cassidy & Paul Heacock [New American Library 2001] "What is a difficult word?"から、和訳は筆者、一部省略・編集】「難語」とは使うのがやっかいな言葉です。しょっちゅう意味を取り違え、別の単語とごっちゃになり、綴りを間違える言葉です。なので、なかなか日常生活で使うことができません。しかし、こんな「難語」の意味を熟知し、自在に使えるようになると、友人を煙に巻き、学校の先生や同級生から一目置かれるようになります。
巻頭に「綴りを間違えやすい単語」を149語をリストアップ。"calendar"や"changeable"は英語を母国語とする人々にとっても綴りを間違えやすいようです。また、「食物に関する言葉」や「海に関する言葉」など18の囲み記事が随所に掲載。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻頭に「難語とは」の一文と綴りを間違えやすい単語のリスト、本文中に囲み記事あり |