★ ウイリアム・ホープ・ホジスン ★
William Hope Hodgson(1875?or1977?-1918)

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イギリスの作家。エセックス州の牧師の次男として生まれる。13才のときに船員になり、以後8年間世界中を船で旅して回った。第一時世界大戦前に結婚し、フランスに定住したが、大戦が始まると同時にイギリスへもどり、陸軍連隊の指揮官として活躍。その後、斥候の任務の際、流れ弾を受け戦死した。

ホジスン独特の世界観はH・P・ラヴクラフトやアーサー・マッケンに大きな影響を与えたと言われます。また、純粋なSF作家のオラフ・ステープルドンの「スター・メイカー」という作品は、ホジスンの影響が色濃く表われているとされます。

小柄だったホジスンは自分の身体を鍛えるのに熱心だったと言われます。伝説の奇術王ハリー・フーディニがイギリス巡業の際、縄抜けの術を披露するときホジスンに縛らせたばかりに、脱出にひどく時間がかかったことがあったそうです。「もう二度とあの男には縛らせたくない」とフーディニがこぼしたとか。

代表作はボーダーランド三部作と呼ばれる「本格怪奇小説」の長編3冊。うち2作目だけは「異次元を覗く家」というタイトルでハヤカワ文庫から翻訳が出ています。

【ボーダーランド三部作】

「海ふかく」 小倉多加志 訳 国書刊行会

船員として8年間生活したホジスンは、「海」がテーマとなった作品を数多く残しています。この本には短編が13作品収められています。

【収録作品】
  1. 海馬(The Sea Horses)
  2. 漂流船(The Derelict)
  3. 海藻の中に潜むもの(The Thing in The Weeds)
  4. 静寂の海から(From The Tideless Sea)
  5. ウドの島(The Island of The Ud)
  6. 闇の中の声(The Voice in The Night)
  7. 岬の冒険(The Adventure of The Headland)
  8. 漂流船の謎(The Mystery of The Derelict)
  9. 帰り船「シャムラーケン号」(The Shamraken Homeward-Bounder)
  10. 石の船(The Stone Ship)
  11. ランシング号の乗務員(The Crew of The Lancing)
  12. まんなか小島の住人たち(The Habitants of Middle Islet)
  13. 暁に聞こえる呼び声(The Call in The Dawn)
「夜の声」 井辻朱美 訳 創元推理文庫

これも海に関する「恐い話」を集めたもの。特に、正体不明の「船」が出て来る作品は、ホジスン風怪奇の独壇場です。

【収録作品】
  1. 夜の声(The Voice in The Night)【別の邦題:「闇の中の声」】
  2. 熱帯の恐怖(A Tropical Horror)
  3. 廃船の謎(The Mystery of The Derelict)【別の邦題:「漂流船の謎」】
  4. グレイケン号の発見(The Finding of Graiken)
  5. 石の船(The Stone Ship)
  6. カビの船(The Derelict)
  7. ウドの島(The Island of Ud)
  8. 水槽の恐怖(The Terror of The Water Tank)
「ナイトランド」上・下2巻 荒俣宏 訳 月刊ペン社

全体に怪奇色はそれほど強くはありませんが、ホジスン独特の世界観が堪能できます。上下2巻ですが抄訳です。出版社が無くなってしまったので、見つけるのがむつかしいかも。

「幽霊狩人カーナッキ」 今岡清 野村芳夫 鏡明 訳  角川ホラー文庫

ブラックウッドのサイレンス博士、レ・ファニのヘッセリウスらと並ぶ心霊探偵ものです。

【収録作品】
  1. 見えざるもの(The Thing Invisible)
  2. 魔物の門口(The Gateway of The Monster)
  3. 月桂樹に囲まれた館(The House among The Laurels)
  4. 悲響の部屋(The Whistling Room)
  5. 街外れの家(The Searcher of The End House)
  6. 見えざる馬(The Horse of The Invisible)
  7. ジャーヴィー号の怪異(The Haunted JARVEE)
  8. 発見(The Find)
  9. 外界の豚(The Hog)
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