「コロケーション」とは英語で"collocation"と綴ります。和訳は「語の配列」「連語」などですが、要するに「どの単語がどの単語とくっつくか」ということです。
たとえば、動詞+前置詞の型だと、辞書に載っている熟語表現として look at, look into, look for とは言えるけど、look of, look between とは通常言いません。
また、形容詞+名詞の型だと、「親しい友達」を英訳しようとして、a good friend, a close friend とは言えるけど、a near friend, a familiar friend とは通常言いません。
日本語で考えてみると、たとえばほめ言葉として、「うまいラーメン」「おいしいカレーライス」とは言えるけど、「うまいバイク」「おいしいテレビ」とは、なんらかの比喩表現ならともかく、通常は“変な言い方”です。
実際に英作文をするとき、"hope"(望む)の意味を強調するのは"very"か"very much"か、「夢を見る」は"see a dream"か"have a dream"か、迷ったときにはコロケーション辞典を引くと、的確な答えが見つかります。コロケーション辞典はこういった例文や例句をたくさん集めた辞書です。
ちなみに、"hope"の強調は very much"を使います。"see a dream"は日本語の機械的な直訳で英語では不可。"have a dream"と言います。
見出し語のほとんどは動詞、名詞、形容詞。たとえば、動詞の"drive"はどんな副詞が修飾するのか、目的語にはどんな名詞が来るのか、どんな前置詞が付いて熟語になるのか、名詞の"trouble"はどんな形容詞が修飾するのか、どんな動詞の目的語になるのか、形容詞の"difficult"はどんな副詞が修飾するのか、などが多数示してあります。
薄型の手軽に引ける辞書です。特に、英作文のときにはあると非常に便利。なお、書名の"BBI"は著書三人のイニシャルです。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻頭に"collocation"のくわしい解説あり |
書名がかなり違いますが、上記の"The BBI Combinatory Dictionary of English" [1986]の改訂第二版です。見出し語は約3,000語、コロケーションは約1万5,000を追加収録。合計9万以上のコロケーションを集めています。
原書に日本語のカバーを付けたものが『BBI 英語連語活用事典 第二版』という書名で丸善(株)洋書センターから発売されています。解説の冊子などは付属せず。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻頭に"collocation"のくわしい解説あり |
2002年に出版された英英のコロケーション辞典。日常生活で比較的よく使われる名詞、動詞、形容詞をおよそ9,000語を見出し語とて選出し、それぞれの単語にどのような単語が結び付くのかリストアップしています。
たとえば、見出し語が【動詞】の場合――
たとえば、見出し語が【名詞】の場合――
たとえば、見出し語が【形容詞】の場合――
タイトルにあるとおり「英語学習者向け」の辞書なので、例文をたくさん収録しており、探し当てたコロケーションの実際の使用例をすぐに確認できます。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻頭に"collocation"の簡単な解説あり |
上記の"Oxford Collocations Dictionary for Students of English" [2002 first edition]の改訂版です。見た目の辞書サイズはまったく変わらないものの、内容は大幅に増えています。見出し語の総数は約9000、例文は2万以上を追加して合計約7万5000、コロケーションは約1万を追加して合計約2万5000を収録。
CD-ROM版の辞書が付属したものもあります。辞書ソフトの解説は別コーナーにあります→【参照】:辞書ソフト: Oxford Collocations Dictionary for Students of English [2009 second edition]。書籍版では見出し語として未登録の語句(形容詞、副詞、句動詞、変化形、派生語、その他)を多数収録。書籍版では見出し語として見つからない語句のコロケーションを、容易に捜し出すことができます。
見出し語に対するコロケーションの記述は、見出し語を「〜」で代用してかなりスペースを稼ぎ、その分旧版にはなかったエントリーを多数追加しています。
活字は見出し語と品詞名が薄いブルーになり、ページを開いたときにすぐに目につきます。随所に挿入される"Usage Notes"は、巻頭にページ番号と関係する見出し語がリストとしてまとめられています。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 辞書ソフトが付属 |
ポーランドの二人の研究者 Christian Douglas Kozlowska と Halina Dzierzanowska の研究を基に Jimmie Hill と Michael Lewis が辞書の形に仕上げたもの。
全体は「名詞編」と「形容詞・動詞編」の二つのセクションに分かれ、「名詞編」では見出し語として名詞がアルファベット順に並び、よく一緒に使う動詞や形容詞、句動詞(phrasl verb)などが並べてあります。「形容詞・動詞編」ではよく一緒に使う副詞と副詞相当語句が並べてあります。「名詞編」だけで全ページのおよそ三分の二を占める。
巻末に付録のような形で「文修飾の副詞・副詞相当語句」を掲載。このセクションにはコロケーションは付いていません。なお、全編に渡り意味や語法の解説は一切なし。例文も一切載せていません。
見出し語と一緒に使う語句も、意味で分類などはせず、ただ単語がずらーっと並ぶだけなのでやや使いにくいかもしれません。ただし、収録したコロケーションの数自体はかなり多いので、取り敢えずこの名詞はこんな動詞とともに使うのか、とチェックするには便利な一冊です。
見出し | 英語:部門別にアルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻末に文修飾の副詞、副詞相当語句を掲載 |
主に英文を書くために編纂された辞書。
見出し語は4,500語以上。例文は20億ものコーパスから選んだもの。見出し語に選ばれた語句の品詞は名詞、動詞、形容詞のみ。副詞などはなし。"hide behind"や"look into"などの句動詞(phrasal verb)はごく少数あり。
各見出し語の次に意味が短くまとめられ、よくつながる語句を品詞ごとに箇条書きで掲載。さらに、つながる語句を似たような意味ごとにグループ分けして、次に例文を載せています。例文は主語、動詞を備えたフルセンテンスを収録。
たとえば、見出し語が"lunch"の場合、コロケーションとして「おいしい」を表わす単語は"delicious"や"superb"を掲載、「外で食べるサンドイッチなど」を表わす単語は"box"や"packed"、「飲酒込みの昼飯」を表わす単語は"boozy"や"liquid"を掲載、それぞれにフルセンテンスの例文を付けています。
各所に文法や語法、追加情報の囲み記事あり。不自然な表現に対する注意喚起や追加のイディオム的な表現などを載せています。
二色刷。見出し語は朱色、見出し語につながる品詞は丸の記号、各コロケーションと例文には三角の記号が文頭に付いている。記号も見出し語と同じ朱色。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 序文にコロケーションを学ぶ意義の解説あり |
コロケーションの中で特に「動詞+名詞」の型を集めた辞典です。見出し語はすべて名詞。しかも、日常会話で使われる比較的平易な単語ばかりです。これにどのような動詞が結び付くのか、例文を挙げて和訳を併記。さらに、実際に使う際の注意点や類似表現を付け加えて説明しています。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | 英語:アルファベット順 日本語:五十音順 |
その他 | 参考文献の記述あり |
上記の「動詞+名詞英語活用表現辞典」[1987]の新装版です。見出し語はやはりすべて名詞。結び付く動詞が一か所にまとめて示してあるので、かなり見やすくなっています。使用の際の注意の説明もかなりくわしくなり、高校生にもお薦めの一冊です。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | 日本語:五十音順 |
その他 | 参考文献の記述あり |
英和コロケーション辞典の決定版と言える辞典。初版は1939年(昭和14年)。サイズは大型の英和辞典並で、収録したコロケーションの数は約20万。見出し語はほとんどが名詞、動詞、形容詞。これらの単語にどのような単語が結び付くのか、品詞ごとに分けて、例文とその和訳を大量に掲載しています。近年、改訂第三版が出版され、CD-ROM版も発売されました。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻末にハイフンでつながり一語になった単語、などを収録 |
Rodale編纂の"The Word Finder"のリプリント版。国内の出版社から出ていますが、翻訳本ではなく、序文や本文はすべてオリジナルのままの英語です。原本の"The Word Finder"は1948年の出版。
見出し語は名詞、動詞、形容詞のみ。副詞や句動詞、イディオムは見出し語としては載せていません。語義の解説や例文は一切なし。少数の見出し語には、エントリーの最後にクロスレファレンスとして類義語や関連語をリストアップしています。
類書と比べると、日常的によく使うコロケーションの掲載数は少なめ。【例】:見出し語"happy"に"extremely, fairly"は載せていない、また、見出し語"headache"に"severe, terrible"は載せていない。使用頻度がやや低い単語や、ハイフン(-)でつないだ複合語、綴りが長いややむつかい単語などは豊富に収録しています。
この辞書自身の序文のほかに、"To the Original Adjective-Finder"とTo the Original Verb-Finder"という別に二つの序文を掲載。シソーラスと本辞典の違い、使い方の簡単な説明、形容詞と動詞が文章で果たす役割とその運用法、などについてまとめています。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 序文に形容詞と動詞が文章で果たす役割とその運用法を解説 |