「地名事典」で扱う「地名」とは、「東京」や「ロンドン」などの都市名から、国、島、半島、湾、湖沼、山河、著名な「通り」の名前までを含み、きわめて多岐に渡ります。さらに、事典によっては政治的、社会的、歴史的な見地から定義される「中東、小アジア、オセアニア」などの地域名をも含みます。
「人名事典」で扱う「人名」とは、「ワシントン」や「エジソン」などの実在の著名人のほか、事典によっては「ドラキュラ」や「アルセーヌ・ルパン」「フランケンシュタイン」などのフイクションの登場人物、「ヘラクレス」や「ノア」などの神話や伝説上の人物なども含みます。
初版は1977年(昭和52年)。ハンディサイズの地名辞典。大きさは小型の英和辞典ぐらいです。扱った項目は一般的な「地名」のほか、海溝・海嶺(海底の山脈)、主要な運河、ダム、鉱山、建物の名前まで収録。なお、日本の地名は扱っていません。
見出し語は日本語のカタカタ表記で五十音順に載っています。カタカナ表記は原語に近い発音で表記してありますが、日本語での慣用表記が存在する場合はこちらを先に記し、その次に原語に近い発音のカタカナ表記を列記しています。
カタカタ表記の次に原語での綴りを掲載し、地名によっては別名や旧称も追記。世界的に有名な地名の場合には、各国語の綴りを載せています。
巻末の索引は原則として原語の綴りをそのまま載せていますが、ギリシャ語、ロシア語(キリル文字)などはラテン文字(英語、ドイツ語、フランス語などで通常使うアルファベット)の綴りに置き換えたものを記しています。
見出し | 日本語(カタカナ表記):五十音順 |
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索 引 | ラテン文字:アルファベット順 |
その他 | 世界の国の国名一覧(アルファベット順)、各国の大使館一覧 |
初版は1976年(昭和51年)。上記の「コンサイス外国地名事典 改訂版」[1985]の事実上の姉妹書。こちらは人名事典。ただし、日本人は扱っていません。
見出しはカタカナ表記で五十音順に載っています。原則として「姓」を見出し語として立てています。「姓」がない場合は、原語のカタカナ読みを掲載。また、歴史的に見て色々な名前を持つ人物の場合は、もっとも有名なものを見出し語として採用。また、本名ではなく通称のほうが有名な場合は、通称のほうを優先して載せています。
巻末の索引はラテン文字(英語、ドイツ語、フランス語などで通常使うアルファベット)、ロシア(キリル)文字、漢字の三種類を用意しています。また、巻末に人名の六カ国語対照表があります。たとえば、英語の"Arnold(アーノルド)"に対して、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語でどのように綴るのかを列記しています。
見出し | 日本語(カタカナ表記):五十音順 |
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索 引 | ラテン文字、ロシア(キリル)文字、漢字 |
その他 | 民族運動・民族解放闘争関係年表、人名の六カ国語対照表 |
広辞苑サイズの大型人名事典。初版は1956年(昭和31年)。見出し語はカタカナ表記で五十音順。巻頭に二十三の言語の簡単な発音解説が付属。ギリシャ語やルーマニア語はもとより、ラテン語や古代エジプト語、サンスクリット語の発音まで扱っています
索引は欧文索引と漢字索引が付属。付録として英語を基本とした各国人名対照表、地名対照表、各国元首表、ノーベル賞受賞者一覧を掲載。
見出し | 日本語(カタカナ表記):五十音順 |
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索 引 | ラテン文字、漢字 |
その他 | 各国・地名人名対照表、各国元首表、ノーベル賞受賞者一覧 |
地名の語源を解説した辞典。たとえば、「アイスランド」はなぜ"Iceland"と呼ばれるようになったか、「カナダ」はなぜ"Canada"なのかその理由がはっきりとわかります。
見出し語はまず地域によって、ヨーロッパ、北アメリカ、中・南アメリカ、アジア、オセアニアの五つに分類して、さらに、各地域の国と都市名、自然地名(海や山の名前)に分けています。
巻末には五十音順のカタカナ表記の総索引のほか、都市名、国名、山や河などの事項別に分類した事項索引もあり。都市名や国名などを連続して捜し出すことができます。また、本文には囲み記事として「地理用語になった地名、地名接尾辞」などを随所に挿入。
特集として巻末に「漢字表記の国家名、都市名」も紹介。「愛蘭(アイルランド)、伯林(ベルリン)」などの古い表記法をリストアップしています。さらに、表紙の見開きには「世界の主な国家の国花と国鳥」、裏表紙の見開きには「プトレマイオスの世界地図」を掲載。ぱらぱらとめくっても楽しい辞書です。
見出し | 日本語(カタカナ表記):五十音順 |
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索 引 | 総索引、事項索引 |
その他 | 地理用語になった地名、地名接尾辞、漢字表記の国家名・都市名、世界の主な国家の国花と国鳥、プトレマイオスの世界地図 |
分類すれば「人名・地名事典」ですが、特に、ある一つの人名や地名について、英語やドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、日本語の六カ国語での「表記」について焦点をしぼった辞書です。
見出し語は人名、地名ともに英語。ページを開くとまず左の端に見出し語の英語表記を発音記号付きで掲載。その右隣に今度は同じ語句のドイツ語の表記、さらにその右にフランス語、ページを渡ってさらにその右にイタリア語、スペイン語、そして日本語と見開き二面を使って各国語での表記を横一列に並べています。さらに、右端の日本語の部分には見出し語の簡単な解説を掲載。
発音記号が付記してあるのは英語のみです。英語以外の言語には付いていません。ただし、巻頭に「発音の手引き」としてドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語の簡便な発音規則が記してあります。巻末には各国語の参考文献をまとめています。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻頭に発音の手引き、巻末に参考文献の記述あり |
古今東西の「幻想の美学」に関係する芸術家を集めて、その人物像と発表作品を紹介した事典。初版は1979年(昭和54年)。芸術家の範疇は文学者のほかに、芸術家、思想家、出版家などを含みます。ただし、日本人は除外。特に、一般にはあまり知られていないマイナーな作家について、重点的に解説してあります
実際のエントリーはいわゆる「怪奇小説、恐怖小説」の作家がかなりの数を占めます。また、同じ文学でも純文学やSFなどの他のジャンルで有名な作家、たとえば、ルイス・キャロルやマーク・トゥエイン、ツルゲーネフなども「幻想の美学」の観点から紹介しています。
巻末に、本書の校正作業中に出た書物を参照して追加した「人物増補ページ」と「訂正/翻訳追加ページ」が付属します。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | 日本語(カタカナ表記):五十音順 |
その他 | 増補ページ1(人名) 増補ページ2(訂正/翻訳追加) |
古今東西の文学について、純文学を中心として様々なジャンルの作家と有名な作者不詳の作品を集め、紹介した辞典。見出し語のほとんどは作家名ですが、説明文の部分で文学に関する種々の事項を網羅し、詳説しているので「人名辞典」というよりは「小型百科事典」に近いものです。また、この辞典の場合「作者不詳作品」とは、宗教の聖典や神話などを指す模様。ジャンルはSF、ミステリーなどいわゆるエンタテイメントも含みます。
巻末に世界文学年表、世界の文学賞、登場人物案内、翻訳個人全集一覧が付属。翻訳個人全集は明治時代から今日に至るものまでを収録。また、索引として和文人名索引、欧文人名索引、書名作品名索引、新聞・雑誌索引、事項索引が付属。欧文人名索引については、ロシア、モンゴル、ギリシャなどの文字はラテン文字(英語、ドイツ語、フランス語などで通常使うアルファベット)に転写してあります。
見出し | 日本語(カタカナ表記):五十音順 |
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索 引 | 和文人名索引(カタカナ表記):五十音順 欧文人名索引(ラテン文字:アルファベット順) 書名作品名索引(カタカナ表記):五十音順 新聞・雑誌索引(カタカナ表記):五十音順 事項索引(カタカナ表記):五十音順 |
その他 | 世界文学年表 世界の文学賞 登場人物案内 翻訳個人全集一覧 |
"Webster's New Biographical Dictionary" [1983]の事実上の姉妹辞書。収録語彙数は4万7,000以上。国名、都市名のほか、地域名、山や河などの自然物の名前までを網羅して解説を施し、さらに218枚の地図も併載しています。見出し語はすべてラテン文字(英語、ドイツ語、フランス語などで通常使うアルファベット)。ロシア(キリル)文字や漢字は使っていません。
すべての見出し語は発音記号付き。巻頭の発音記号解説表を参照すれば、ギリシャやロシアの地名の発音を知ることができます。また、巻頭には掲載した地図の説明や地図を載せたページのリスト、地図記号の解説、世界地図が付属します。
見出し | ラテン文字:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 掲載された地図の説明と全リスト、発音記号表、世界地図 |
上記の"Webster's New Geographical Dictionary" [1984]の事実上の姉妹辞書。こちらは人名を扱います。エントリーは実在の人物に限る模様。収録語彙数は3万以上。見出し語は「姓」を採用しており、発音記号も併載しています。巻頭に発音記号の説明が付属。もちろん、「湯川秀樹」や「伊藤博文」も載っています。
見出し | ラテン文字:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 発音記号の説明 |