日頃、友人との雑談でよく出てくる言葉、雑談でしか使えない言葉、ある特定の年代、地域、人種、などだけで通用する(通用した)言葉、などを集めた辞典です。決して「エッチな言葉オンパレード!!」ではありません。そういう“楽しい”辞書もありますが。
いきなりですが(汗)、性に関する英語表現を集めた辞典です。収録語彙数は約1,800。アメリカの日常生活で日々当り前のように使う性表現を多数拾っています。例文は実際の会話や、映画やテレビで耳にしたものを採録。
すべての見出し語は「用法レベル」を四段階に分けてあるので、非常に便利。たとえば――
【引用:アメリカ性表現 あぶない英語辞典(学習研究社)[1990 第一版]、本辞典を編むにあたってv頁から、一部を抜粋】
- いやらしさのない中立語(医学用語など)
- 公の場ではややヒンシュクをかうもの
- 友人同士でしか使えないもの
- きわめてドギツイ表現
――これで、いざ会話で使うときも困らない(汗)。
ほとんどの見出し語には【解説】が付いています。見出し語の語源、成り立ち、語義の変遷、細かいニュアンスなどをわかりやすく説明。類義語や関連語を追記しているものもあり。また、【余聞】として、おとぎ話的な猥歌を随所に収録。いずれもリメリック(limerick)という五行詩の形式を取り、アメリカでは酒席などで作られ、同好会なども存在するそうです。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 特になし |
Eugen E. Landy による"The Underground Dictionary" [1971]の日本語訳版。これもいわゆる「俗語」を集めたもの。ただし、一つの見出し語に当てた日本語訳の数がとてつもなく多いものがあります。たった一つの英単語に対して、数ページに渡りぎっしりと訳語が並ぶものもあり。こんな言い方があったのかと、逆に日本語の勉強になります。また、こんなエッチな遊びがあったんだ、と感心することしきり…(笑)。
原著も訳書も、実際に俗語を使っている人々から使用例を直接耳にしてメモに起こし、膨大なサンプルから一冊の辞書にまとめ上げた。日本語版では特に大学生とその友人、知人、アルバイト先などから多数の俗語を収集したそうです。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 付録に「麻薬関係の法規名」「イギリス俗語」「スローガン、ステッカー、バッジ」 などの解説あり |
広い意味でのスラングを扱った辞書。見出し語は約8,500、同意語と同意表現を約1,500収録。スラングほど使用場面が限られるわけではないが、書き言葉よりは話し言葉でよく使う表現も多数拾ってあります。特定の集団、特定の時代や時期のみで使う表現も数多く登場。
多くの見出し語には例文を付けています。例文はほとんどが数行に渡る長文。見出し語の訳語は英和辞典で見かける一般的な日本語がほとんどです。一方、例文の和訳にはときどき、英和辞典では決して見つからないようなくだけた日本語が出て来ます。
すべての見出し語は"speech level"をアステリスク(*)の数で区別します。
(*)……主として書き言葉よりも話し言葉でも用いられる「くだけた口語表現」【引用:「米英俗語辞典」ドナルド・キーン、藤井章雄 編著(朝日出版社 1988)、まえがきxi-xii頁から】
(**)……親しい人々の間や、特定の集団の中などで、日常的に用いられる「きわめてくだけた表現」
(***)……セックスなど社会的にタブーとされていることを扱ったり、侮蔑的感情を強く含んでいるもので、きちんとした場所などでは口にすることをはばかるべき卑語・侮蔑語
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻頭に参考文献の記述あり |
初版は1960年。スラングのほかに、もっぱら話し言葉で使う表現(colloquialism)、特定のグループや仲間内だけで使う隠語(cant)、仕事仲間の間のみで使う専門用語(jargon)、泥棒やスリなどの主に裏世界で使う言葉(argot)、なども収録。
定義の解説文は比較的平易な英語。多くの見出し語には、小説やノン・フイクション、新聞、雑誌、歌詞などから採録した例文を併記。"speech level"は「口語の(colloquial)、すたれた(obsolete)、方言の(dialectal)、文学的な(literal)、けなして(derogatory)」などを表記しています。
使う範囲が限定される見出し語については、「学生、鉄道員、裏世界、第一次世界大戦中の陸軍、サーカス」など多種多様な分野を指定。使用年代を限定している見出し語もたくさんあります。筆者によれば、多くの見出し語について語源は自明、あるいは、不明なので省略した、とのこと。ただし、有用で面白い語源は載せているそうです。特に、数語からなるイディオム的な表現については積極的に語源を明示している模様。
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻頭に編者二人の簡単な紹介、Flexner による序文として「スラング」についての解説、辞書の内容についての説明、巻末に追補された語句のリスト、参考文献の記述あり |
上記の"Dictionary of AMERICAN SLANG" [1975]の英和版。訳者によれば、見出し語として収録しているスラングのほとんどはイギリス起源なので書名は「現代スラング英和辞典」に決めたそうです。なお、1980年代のスラングも見出し語として登場するので、特に記載はありませんが、原著にはない表現を追加で多数収録している模様です。
見出し語の訳語はほとんどが英和辞典で見かけるような一般的な日本語。一方、例文の和訳にはときどき、英和辞典では決して見つからないようなくだけた会話調の日本語が出て来ます。
原著の前書き(Preface)とスラングについての解説(Explanatory Notes)の和訳も収録。スラングについての定義や分類、成り立ちなどを日本語で読むことができます。
見出し | 日本語:五十音順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻末に語彙リストと出典概覧の記載あり |
スラングの中で特に黒人社会(Black Community)のみで日常的に用いる、あるいは、過去に用いた語句を集めたもの。使用した年代が指定してある語句もあります。他の辞書では見つからない表現の目白押しです。
【引用:"A Black Slang" Clarence Major [RKP 1971]、30頁から】Booty: a woman's body
【引用:"A Black Slang" Clarence Major [RKP 1971]、46頁から】Dime: ten-year prison term
【引用:"A Black Slang" Clarence Major [RKP 1971]、57頁から】Gander: (1940's)to walk
見出し | 英語:アルファベット順 |
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索 引 | なし |
その他 | 巻末に参考文献の記載あり |