「挿入句」とは割り込んで来る語句
《挿入句》は日本語でもよく使います。
【例文】:「戦争のない世の中は、私見だが、絶対に来ないと思う」
【例文】:「日本だって、その気になりゃあ、月ロケットぐらいすぐに打ち上げるさ」
【例文】では、読点(、)ではさんだ部分が《挿入句》です。日本語の場合、《挿入句》は特に会話でよく使います。
英語では書き言葉でもよく使います。日本人から見ると、センテンスの途中にいきなり「関係のない語句」が乱入したように見えますが、センテンスの流れに変化を与える目的でよく使います。
【例文】:I must after all have a dental checkup.
【和訳】:結局、歯科検診を受けなければならない。
"after all"が《挿入句》として、助動詞"must"と動詞"have"の間に割り込んでいます。"after all"を文頭や文末に置いても文全体の意味はほとんど変化しませんが、"must"の次に置くと"after all"自体の意味をやや強調します。
どこにでも置けるわけではない
《挿入句》としてよく使う"I think"を例に《挿入句》を文の中のどこに置くのか、よく見かけるパターンをまとめます。《挿入句》としての"I think"はたいてい副詞句として機能して文全体の意味を補足します。
名詞や代名詞の次に置く《挿入句》はたいてい直前の名詞や代名詞の補足説明を行ないます。
動詞の次に割り込む挿入句
動詞のすぐ後ろに《挿入句》が割り込むことがあります。たいてい《挿入句》の前後にコンマ(,)を置きます。
【例文】:You should take, I think, cold medicine.
【和訳】:風邪薬を飲んどいたほうがいいと思うよ。
→コンマ(,)ではさんだ"I think"は挿入句
【例文】:Oil depletion is, anybody agrees, one of the most serious problems.
【和訳】:誰もが認めるように、石油資源の枯渇は最も深刻な問題の一つだ。
→コンマ(,)ではさんだ"anybody agrees"は挿入句
上記の二つの【例文】では、"I think"や"anybody agrees"を文頭に置いても文全体の意味はほとんど変化しません。文章の流れに変化をつけるため、動詞のすぐ後ろに《挿入句》として割り込むことがあります。
【例文】:I think you should take cold medicine.
(= You should take, I think, cold medicine.)
【和訳】:風邪薬を飲んどいたほうがいいと思うよ。
【例文】:Anybody agrees that oil depletion is one of the most serious problems.
(= Oil depletion is, anybody agrees, one of the most serious problems.)
【和訳】:誰もが認めるように、石油資源の枯渇は最も深刻な問題の一つだ。
主語と動詞の間に割り込む挿入句
主語と動詞の間に《挿入句》が割り込むことがあります。たいてい《挿入句》の前後にコンマ(,)を置きます。
【例文】:Hay fever, to be sure, is not a disease specific in Japanese people.
【和訳】:確かに、花粉症は日本人特有の病気というわけではありません。
→コンマ(,)ではさんだ"to be sure"は挿入句
【例文】:The lockdown, I understand, is going to be extended for another two weeks.
【和訳】:都市封鎖(ロックダウン)はあと二週間延長されると聞きました。
→コンマ(,)ではさんだ"I understand"は挿入句
上記の二つの【例文】では、"to be sure"や"I understand"を文頭に置いても文全体の意味はほとんど変化しません。文章の流れに変化をつけるため、主語のすぐ後ろに《挿入句》として割り込むことがあります。
【例文】:To be sure, hay fever is not a disease specific in Japanese people.
(= Hay fever, to be sure, is not a disease specific in Japanese people.)
【和訳】:確かに、花粉症は日本人特有の病気というわけではありません。
【例文】:I understand the lockdown is going to be extended for another two weeks.
(= The lockdown, I understand, is going to be extended for another two weeks.)
【和訳】:都市封鎖(ロックダウン)はあと二週間延長されると聞きました。
助動詞と動詞の間に割り込む挿入句
助動詞と動詞の間に《挿入句》が割り込むことがあります。たいてい、《挿入句》の前後のコンマ(,)を置きます。
【例文】:We must, if possible, have a dental checkup once or twice a year.
※2014/03/24:綴りミスを修正→詳細
【和訳】:できることなら、年二一二回は歯科検診を受けるべきだ。
→コンマ(,)ではさんだ"if possible"は挿入句
【例文】:Although it is very rare, anaphylaxis might, after all, occur after vaccination.
【和訳】:非常に稀ではあるが、結局、ワクチン接種後にアナフィラキシーが起る可能性がないとは言えない。
→コンマ(,)ではさんだ"after all"は挿入句
【例文】はコンマ(,)が三つあるせいでパッと見はイヤに複雑な構文ですが、要は"after all"が《挿入句》です。"might"は"after all"を飛び越えて"occur"につながります。先に"after all"を「結局、」と和訳して、次に残りの部分を日本語にすれば問題ありません。
上記の二つの【例文】では、"if possible"や"after all"を文尾に置いても文全体の意味はほとんど変化しません。文章の流れに変化をつけるため、助動詞のすぐ後ろに《挿入句》として割り込むことがあります。
【例文】:We must have a dental checkup once or twice a year, if possible.
(= We must, if possible, have a dental checkup once or twice a year.)
【和訳】:できることなら、年二一二回は歯科検診を受けるべきだ。
→コンマ(,)ではさんだ"if possible"は挿入句
【例文】:Although it is very rare, anaphylaxis might occur after vaccination, after all.
(= Although it is very rare, anaphylaxis might, after all, occur after vaccination.)
【和訳】:非常に稀ではあるが、結局、ワクチン接種後にアナフィラキシーが起る可能性がないとは言えない。
主語と助動詞の間に割り込む挿入句
主語と助動詞の間に《挿入句》が割り込むことがあります。たいてい《挿入句》の前後にコンマ(,)を置きます。
【例文】:Advances in medical science, I believe, will conquer AIDS and cancer.
【和訳】:医学の進歩はエイズや癌を克服すると信じています。
→コンマ(,)ではさんだ"I believe"は挿入句
【例文】:Experiences we have in our childhood, good and bad, would affect our personality.
【和訳】:子供のころの体験は、良いものにせよ悪いものにせよ、個人の人格に影響を与えるだろう。
→コンマ(,)ではさんだ"good and bad"は挿入句
上記の二つの【例文】では、"I believe"や"good and bad"を文頭に置いても文全体の意味はほとんど変化しません。文章の流れに変化をつけるため、助動詞の前に《挿入句》として割り込むことがあります。
【例文】:I believe advances in medical science will conquer AIDS and cancer.
(= Advances in medical science, I believe, will conquer AIDS and cancer.)
【和訳】:医学の進歩はエイズや癌を克服すると信じています。
【例文】:Good and bad experiences we have in our childhood affect our personality.
(= Experiences we have in our childhood, good and bad, would affect our personality.)
【和訳】:良いものにせよ悪いものにせよ子供のころの体験は個人の人格に影響を与えるだろう。
文の最後にぶら下がる挿入句
文の最後尾に付け足しで《挿入句》が入り込むこともあります。たいてい《挿入句》の前にコンマ(,)を置きます。
【例文】:You are the fastest runner in our class, I think.
【和訳】:あなたがクラスで一番足が速いと思います。
→前にコンマ(,)がある"I think"は挿入句
文の最後尾なので厳密に言えば《挿入句》とは言えませんが、接続詞でつないだ文の途中に割り込むこともあります。
【例文】:This town is very rural, I admit, but no one has ever seen wild boars.
【和訳】:なるほど、この町はけっこうな田舎だけど、イノシシはいません。
→コンマ(,)ではさんだ"I admit"は挿入句
【例文】は"but"の前にコンマ(,)が二つあり、何やら複雑な構文に見えますが、要は接続詞の"but"の前に《挿入句》の"I admit"が付け足しで入り込んでいるだけです。"I admit"を先に「なるほど」と和訳して、それから"This town is very rural" =「この町はけっこうな田舎だ」とすれば問題ありません。
上記の二つの【例文】では、《挿入句》の"I think"や"I admit"を文頭に置いても、意味は文全体の意味はほとんど変化しません。文章の流れに変化をつけるため、文の末尾に《挿入句》として割り込むことがあります。
【例文】:I think you are the fastest runner in our class.
(= You are the fastest runner in our class, I think)
【和訳】:あなたがクラスで一番足が速いと思います。
【例文】:I admit this town is very rural, but no one has ever seen wild boars.
(= This town is very rural, I admit, but no one has ever seen wild boars.)
【和訳】:なるほど、この町はけっこうな田舎だけど、イノシシはいません。
名詞に追加説明を付ける挿入句
名詞の次に追加説明として《挿入句》を置くことがあります。たいてい《挿入句》の前後にコンマ(,)を置きます。
【例文】:Tokyo, the capital of Japan, has been annihilated by Godzilla several times.
【和訳】:日本の首都東京はゴジラに数度、破壊されました。
→コンマ(,)ではさんだ"the capital of Japan"は挿入句
"the capital of Japan"は《挿入句》です。"Tokyo"の追加説明です。和訳のときは、先に《挿入句》の"the capital of Japan"を和訳して、あとは前から順々に日本語に直していけばOK。
【例文】:Jupiter, the largest planet in the solar system, has sixty satellites or more.
【和訳】:太陽系最大の惑星木星は六十以上の衛星を持っている。
→コンマ(,)ではさんだ"the largest planet in the solar system"は挿入句
"the largest planet in the solar system"は《挿入句》です。"Jupiter"の追加説明です。和訳のときは、先に《挿入句》の"the largest planet in the solar system"を和訳して、あとは前から順々に日本語に直して行けばOK。
挿入句を見落としやすい場合
《挿入句》を見落として和訳が不正確になりやすい例をまとめます。
主語や目的語が長い場合
和訳しにくい挿入句(1)
↑
主語や目的語が長くなると、《挿入句》はどこまでか、文全体の主語はどれか、動詞はどれか、迷いがちです。
【例文】:Office workers and students must, if they will, have a dental checkup which will take them about a few minutes.
(= Office workers and students must have a dental checkup which will take them about a few minutes, if they will.)
【 × 】:サラリーマンや学生も、もし歯科検診を受けることになれば、それは二三分しか掛からない。
【 ○ 】:その気になったら、サラリーマンや学生も歯科検診を受けるべきです。歯科検診は数分で終ります。
【例文】の場合、"if they will"を"have a dental checkup"以下につなげて「もし歯科検診を受けることになれば」と誤訳しがちです。ところが、"will"を"have"につなげてしまうと、助動詞の"must"がどの動詞にも掛からす宙ぶらりんになります。
「主語 + 助動詞 + 挿入句 + 動詞」の語順が可能であること知っていると、コンマ(,)ではさんだ"if they will"が《挿入句》であることがわかります。また、"will"の次にコンマ(,)があるので、"will"が"have"には意味的につながらないこともわかります。
"if they will"は前後にコンマ(,)があるので《挿入句》です。最初に「その気になったら、」と和訳します。あとは残りの部分を和訳していけばOKです。助動詞の"must"は"if they will"を飛び越えて"have"につながります。
もう一つ例文を。
【例文】:Japanese people don't have, I take it, the superstition that black cats are bad luck.
【 × 】:日本人は私がそれを取って黒猫は運が悪いという迷信を持っていない
【 ○ 】:私が思うに、日本には黒猫は運が悪いという迷信がありません。
【例文】の場合、"I take it"で意味を区切り「それを取って」と誤訳しがちです。ところが、"I take it"は一種のイディオムです。意味は「私が思うに〜」「〜だと思う」です。
「主語 + (助動詞) + 動詞 + 挿入句」の語順が可能であること知っていると、コンマ(,)ではさんだ"I take it"が《挿入句》であることがわかります。"the susperstiton 〜 luck"は動詞"have"の目的語です。
"I take it"は前後にコンマ(,)があるので《挿入句》です。最初に「私が思うに、」と和訳します。あとは残りの部分を和訳していけばOKです。
挿入句自体が長い場合
和訳しにくい挿入句(2)
↑
《挿入句》自体が長くなると、文全体の主語はどれか、動詞はどれか、迷いがちです。
【例文】:Some men in ski masks, I don't remember how many, rushed out of the shop and scattered away in different directions.
【 × 】:目出し帽をかぶった数人の男が私は何軒か覚えていない店から突進して違う方向にバラバラに散った。
【 ○ 】:何名かは覚えていませんが、目出し帽をかぶった数人の男が店から飛び出して来るとそれぞれ違う方向へ散り散りに逃げて行きました。
【例文】の場合、"I don't remember how many"を"the shop"につなげて「私は何軒かは覚えていない」と誤訳しがちです。ところが、"the shop"は単数形なので店の数が一軒であることははっきりしています。
「主語 + 挿入句 + 動詞」の語順が可能であることを知っていると、コンマ(,)ではさんだ"I don't remember how many"が《挿入句》であることがわかります。また、"many"の次にコンマ(,)があるので"many"が意味的に"the shop"にはつながらないこともわかります。
"some men in ski masks"(目出し帽をかぶった数人の男)は動詞"rushed"の主語です。コンマ(,)ではさんだ"I don't remember how many"は《挿入句》です。"men"の人数が何人なのかわからないことを表わすので「何名かは覚えていませんが目出し帽をかぶった数人の男が、」と和訳します。
もう一つ例文を。
【例文】:Hokkaido and Barcelona are, believe it or not, almost on the same latitude.
【 × 】:北海道とバルセロナはそれを信じるかあるいはほとんど同じ経度にない。
【 ○ 】:北海道とバルセロナは、にわかには信じがたいが、ほぼ同じ緯度にある。
【 ○ 】:にわかには信じがたいが、北海道とバルセロナはほぼ同じ緯度にある。
【例文】の場合、"believe it or not"を"almost on the same latitude"につなげて「それを信じるかあるいはほとんど同じ経度にない」と誤訳しがちです。ところが、"believe it or not"はイディオムの一種です。一見うそのようだが実は事実であることを表わします。
「主語 + (助動詞) + 動詞 + 挿入句」の語順が可能であることを知っていると、コンマ(,)ではさんだ"believe it or not"が《挿入句》であることがわかります。"almost 〜 latitude"はbe動詞"are"の補語です。
"believe it or not"は前後にコンマ(,)があるので《挿入句》です。なので「にわかには信じがたいが」「うそのようだが実は」と和訳して文頭あるいは文の途中に置きます。
コンマ(,)を省略する場合
和訳しにくい挿入句(3)
↑
《挿入句》をはさむコンマ(,)はよく省略します。コンマ(,)を省略すると《挿入句》がどこからどこまでなのかわかりにくくなります。
【例文】:I can if I will travel overseas by myself.
(= I can travel overseas by myself, if I will.)
【 × 】:私はもし一人で海外旅行をするだろうならできる。
【 ○ 】:私だってその気になれば、一人で海外旅行できるさ。
→副詞句の"if I will"が割り込んでいる、コンマ(,)を省略している
【例文】の場合、コンマ(,)はありませんが"if I will"が《挿入句》です。"can"は"if I will"を飛び越えて"travel"につながります。"will travel"と解釈して和訳すると意味不明の日本語になります。
「主語 + 助動詞 + 挿入句 + 動詞」の語順が可能であることを知っていると、"can"と"travel"の間に何やら語句が入り込んでいることに気づきます。"if I will"を先に「その気になれば」と和訳して、残りを日本語に直していけばOKです。
もう一つ例文を。
【例文】:The biggest problem as I see it is that we can't predict when natural disasters will occur.
(= The biggest problem, as I see it, is that we can't predict when natural disasters will occur.)
【 × 】:それを見るときの最大の問題は私たちがいつ自然災害が発生するか予知できないことです。
【 ○ 】:個人的な意見ですが、最大の問題は自然災害がいつ発生するのか予見できないことです。
【例文】の場合、コンマ(,)はありませんが"as I see it"が《挿入句》です。"problem"は"as I see it"を飛び越えて"is"につながります。"as"を接続詞と解釈して和訳すると意味不明の日本語になります。
「主語 + 挿入句 + 動詞」の語順が可能であることを知っていると、"problem"と"is"の間に何やら語句が入り込んでいることに気づきます。"as I see it (= in my opinion)"を先に「個人的な意見ですが、」と和訳して、残りを日本語に直していけばOKです。
接続詞ifを含む挿入句の場合
和訳しにくい挿入句(4)
↑
条件や仮定を表わす接続詞の"if"を含むイディオムは、《挿入句》として使うと文の構造がわかりにくくなり誤訳しがちです。
if anything(どちらかといえば、むしろ)
和訳しにくい挿入句:接続詞ifを含む挿入句の場合(1)
↑
【例文】:Fossil fuel would, if anything, increase carbon dioxide emissions and would exacerbate global warming.
【 × 】:化石燃料はもしあらゆるものが二酸化炭素の排出を増やすと地球温暖化を悪化させるだろう。
【 ○ 】:化石燃料はむしろ二酸化炭素の排出量を増やして地球温暖化を悪化させてしまうだろう。
【例文】の場合、コンマ(,)ではさんだ"if anything"が《挿入句》です。"would"は"if anything"を飛び越えて"increase"につながります。"increase"の主語を"anything"と解釈して和訳すると意味不明の日本語になります。
「主語 + 助動詞 + 挿入句 + 動詞」の語順が可能であることを知っていると、"would"と"increase"の間に何やら語句が入り込んでいることに気づきます。"if anything"を先に「むしろ」と和訳して、残りを日本語に直していけばOKです。
if ever(もしそうであれば、もしそうだとしても)
和訳しにくい挿入句:接続詞ifを含む挿入句の場合(2)
↑
【例文】:I seldom if ever drink coffee, but I like cafe au lait.
【 × 】:もしこれまでにコーヒーをめったに飲まないとしたら、しかし私はカフェオレが好きだ。
【 ○ 】:機会があってもコーヒーはめったに口にしないが、カフェオレは好きだ。
【例文】の場合、コンマ(,)はありませんが"if ever"が《挿入句》です。"seldom"は"if ever"を飛び越えて"drink"につながります。"if ever"を"drink coffee"につなげて和訳すると意味不明の日本語になります。
「主語 + 挿入句 + 動詞」の語順が可能であることを知っていると、"I seldom"と"drink"の間に何やら語句が入り込んでいることに気づきます。"if ever"を先に「機会があっても」と和訳して、残りを日本語に直していけばOKです。
if necessary(もし必要なら、必要であれば)
和訳しにくい挿入句:接続詞ifを含む挿入句の場合(3)
↑
【例文】:In case of any kind of discomfort you should, if necessary, go to the hospital or clinic.
【 × 】:もし病院やクリニックに行く必要があるなら、いかなる不調もあなたは持つ場合だ。
【 ○ 】:何らかの不調を感じた場合は必要ならば病院や医院で受診すべきだ。
【例文】の場合、コンマ(,)ではさんだ"if necessary"が《挿入句》です。"should"は"if necessary"を飛び越えて"go"につながります。"if"以降をまとめて「もし〜ならば」と和訳すると意味不明の日本語になります。
「主語 + 助動詞 + 挿入句 + 動詞」の語順が可能であることを知っていると、"should"と"go"の間に何やら語句が入り込んでいることに気づきます。"if necessary"を先に「必要ならば」と和訳して、残りを日本語に直していけばOKです。
if possible(もし可能なら、できることなら)
和訳しにくい挿入句:接続詞ifを含む挿入句の場合(4)
↑
【例文】:When an earthquake strikes, hide under something sturdy and if possible protect your head with your arms.
【 × 】:地震が発生した場合、もし両腕で頭を守ることことができるのなら、何か頑丈な物の下に隠れなさい。
【 ○ 】:地震発生時には何か頑丈な物の下に隠れて、可能ならば両腕で頭を防護して下さい。
【例文】の場合、コンマ(,)はありませんが"if possible"が《挿入句》です。"protect 〜 arms"は"hide 〜 sturdy"と同じく命令文です。"if"以降をまとめて「もし〜できるのなら」と和訳すると意味不明の日本語になります。
動詞の前に《挿入句》を置くことが可能であることを知っていると、"and"と"protect"の間に何やら語句が入り込んでいることに気づきます。"if possible"を先に「可能ならば」と和訳して、残りを日本語に直していけばOKです。
主格の関係代名詞の次の"I think"や"I know"
"the man who I think is good"の形(1)
↑
関係代名詞節の中に"I think"や"we believe"などが割り込んだように見えることがあります。この場合たいてい、"I think"や"we believe"の前後にコンマ(,)を置きません。
【例文】:The accident has occurred in the nuclear power plant which we believed was perfectly safe.
【 × 】:事故は私たちが信じた完璧に安全な原子力発電所で発生した。
【 ○ 】:絶対に安全だと信じられていた原子力発電所で事故は起りました。
【例文】の場合、"we believed"は文全体ではなく、"which"以下の関係代名詞節の補足説明です。意味は、"which"以下の事実を「私たちは信じていた」です。
【例文】を関係代名詞を使わずに書くと以下の通り。
【例文1】:The accident has occurred in the nuclear power plant.
【和訳1】:原子力発電所で事故は起りました。
【例文2】:We belived the nuclear power plant was perfectly safe.
【和訳2】:私たちはその原子力発電所が絶対に安全だと信じていました。
作り方を見てみます。"the nuclear power plant which we believed was 〜"の元は"the nuclear power plant"と"we believed the nuclear power plant was 〜"であることがわかります。
コンマ(,)付きの関係代名詞の場合
"the man who I think is good"の形(2)
↑
コンマ(,)付きの関係代名詞にも"I think"や"we believe"などが割り込んだように見えることがあります。
【例文】:It turned out that the colleague, who I thought was at least 10 years older than me, was actually the same age as me.
【 × 】:私の同僚は私が少なくとも十歳は年上であると思って、そして事実上私と同じ年であることがわかった。
【 ○ 】:十歳は年上と思っていた職場の同僚が、実は同い年であることがわかった。
【例文】の場合、"I thought"は文全体ではなく、"who"以下の関係代名詞節の補足説明です。意味は、"who"以下のことであると「私は思っていた」です。
【例文】を関係代名詞を使わずに書くと以下の通り。
【例文1】:It turned out that the colleague was actually the same age as me.
【和訳1】:職場の同僚が実は私と同い年であることがわかった
【例文2】:I thought the colleague was 10 years older than me.
【和訳2】:その同僚は十歳年上思っていた。
作り方を見てみます。"the colleague, who I thought was 〜"の元は"the colleague"と"I thought the colleague was 〜"であることがわかります。
ダッシュ(―)や丸括弧(())の挿入句
《挿入句》はコンマ(,)の代わりに、ダッシュ(―)や丸括弧(())を使うこともあります。意味はほぼ同じです。
コンマ(,)や丸括弧(())のときは通例、《挿入句》の前後にスペースを入れます。ダッシュ(―)のときは通例、スペースを入れません。ダッシュ(―)を使うと多少くだけたニュアンスになるので、英作文ではコンマ(,)や丸括弧(())を使うのが無難です。
【例文】:We must, if possible, have a dental checkup.
【例文】:We must―if possible―have a dental checkup.
【例文】:We must (if possible) have a dental checkup.
※2014/03/24:綴りミスを修正→詳細
【和訳】:できることなら、年二一二回は歯科検診を受けるべきだ。
【例文】:Tokyo, the capital of Japan, has been annihilated by Godzilla several times.
【例文】:Tokyo―the capital of Japan―has been annihilated by Godzilla several times.
【例文】:Tokyo (the capital of Japan) has been annihilated by Godzilla several times.
【和訳】:日本の首都東京はゴジラに数度、破壊されました。