語の頭に「接頭辞」、語のお尻に「接尾辞」
《接頭辞》や《接尾辞》とは、単語の前や後ろにくっついて、もとの単語の意味を補助し、別の意味に変えてしまう語を指します。「接頭語、接尾辞」とも言います。
日本語では、「お」や「非」などが《接頭辞》、「的」や「さ」などが《接尾辞》です。
「接頭辞」と「接尾辞」は単語の意味を変化させる
英語にも《接頭辞》や《接尾辞》があります。たいてい、単語の前や後ろにくっついて、元の単語の意味を変化させます。場合によっては、まったく別の品詞を作り上げます。
単語の前後にくっつく《接頭辞》や《接尾辞》がどんな意味を付け加えるのかパターンを知っていると、一つの単語を基に芋づる式に派生語を覚えることができます。あるいは、見たこともない単語に出くわしたとき、その単語の《接頭辞》や《接尾辞》をチェックして、知っている単語から意味を推測することもできます。
【例】:act(行動する) → actor(俳優) → actress(女優) → active(活発な) → actuate(作動させる)
"or"は「人」を表わす接尾辞、"ess"は「女性」を表わす接尾辞、"ive"は形容詞を作る《接尾辞》、"ate"は動詞を作る《接尾辞》です。"actuate"はあまり見かけない単語ですが、"ate"が動詞を作る《接尾辞》だとわかれば、意味の推測は可能です。
【例】:perfect(完璧な) →imperfect(不完全な) →imperfectly(不完全に) →imperfection(不完全)
"im"は「反対」を表わす《接尾辞》、"ly"は副詞を作る《接尾辞》、"ion"は名詞を作る《接尾辞》です。"imperfection"は綴りが長いので何やら難語に見えますが、《接頭辞》"im"と《接尾辞》"ion"を知っていれば、"perfect"の反意語であろうと推測可能です。
接頭辞の実際
日本語でも、単語の頭に別の語をくっつけて意味を変化させることがあります。【例】:友好的な→非友好的な(※意味が逆さになる)、白い→真っ白な(※意味を強調する)。
英語でも同じように、単語の頭に《接頭辞》をくっつけて意味を変化させます。
接尾辞の実際
日本語でも、単語のお尻に別の語をくっつけて、あるいは、語尾を変化させて別の品詞を作り上げることがあります。【例】:聞こえる【動詞】→聞こえ【名詞】、美しさ【名詞】→美しい【形容詞】→美しく【副詞】。
英語でも同じように、単語のお尻に《接尾辞》をくっつけて別の品詞を作り上げます。あるいは、品詞は変化させずに意味のみを変えてしまうこともあります。
接頭辞と接尾辞の実際
日本語でも、一つの単語に対して《接頭辞》と《接尾辞》の両方がくっつきます。【例】:道徳【名詞】→道徳的【形容詞】→非道徳的【形容詞】、黒い【形容詞】→真っ黒【形容動詞】→真っ黒け【形容動詞】。
英語でも同じように、一つの単語に《接頭辞》と《接尾辞》の両方がくっついて、複数の意味に変化することもあります。似た意味に変化するとは限りません。
接頭辞や接尾辞は「語幹」にくっつける
単語から《接頭辞》や《接尾辞》を取り去った残りの「部分」を文法用語で「語幹」(= root)と言います。たとえば、"receive"(受け取る)の場合、"re"が《接頭辞》、"ceive"が「語幹」です。"ceive"を基にして前後に《接頭辞》や《接尾辞》を置き、意味を様々に変化させます。
「語幹」の語源はほとんどがラテン語や古フランス語などです。なので、たいていの「語幹」は英語とはまったく異なる綴りと意味を持ちます。【例】:語幹"ceed"の語源はラテン語の"cedere"、意味は"go"(行く)
動詞の意味を持つ「語幹」を中心に、よく見かけるものをまとめます。「接頭辞 + 語幹 + 接尾辞」のパターンで「語幹」から複数の品詞を作り出します→【参照】:接尾辞で品詞を変化させる
単独で動詞として使える「語幹」はごく少数ですが、《接頭辞》や《接尾辞》と結合して出来上った単語はよく見かけるものが多数あります。
接頭辞の意味別の一覧
《接頭辞》を意味ごとに分類した一覧をまとめます。綴りが同じでもまったく違う意味を表わす《接頭辞》もあります。たとえば、"re"は「後方」、「数量(二回)」、「強調」の複数の意味を表わします→【参照】:複数の意味を表わす主な接頭辞
語学的に正確な分類というよりは、意味的に似た系統の単語を並べて芋づる式に覚えることを目標としています。原則として、各単語はアルファベット順ですが、特に意味が近い単語や反意語はまとめて並べることもあります。
綴りは同じ、意味は違う
《接頭辞》の中には、綴りがまったく同じなのに全然違う意味を表わすものがあります【例】:recover(回復する) →《接頭辞》の"re"は「再び」の意味、reverse(逆にする) →《接頭辞》の"re"は「後ろに」の意味。
複数の意味を持つ主な《接頭辞》を一覧にまとめます。それぞれ《接頭辞》がどんな意味を持つ単語を作り上げるのか、チェックしてみて下さい。
接頭辞 | 意味:代表的な単語(意味) |
---|---|
a |
反対:apathy(無気力、無関心) 距離:aversion(嫌悪) 対象:admire(ほめる) 状態:asleep(眠っている) |
com |
共同:company(会社) 強調:compel(強制する、むりやりさせる) 反対:demerit(欠点) 下方:descend(下る) 距離:depart(出発する) 強調:define(定義する) |
di |
距離:differ(異なる) 数量:dilemma(ジレンマ、板ばさみ) |
dis |
反対:disobey(そむく) 距離:dismiss(解雇する) |
em/en |
内側:embrace(抱き締める) 変化:emphasize(強調する) |
ex |
外側:export(輸出、輸出する) 時間:ex-wife(前妻) |
in/im/ir |
反対:injustice(不正) 内側:income(収入) |
ob |
反対:object(反対する) 距離:obtain(獲得する) |
meta |
範囲:metaphor(比喩) 変化:metamorphose(変化させる) |
para |
範囲(範囲外の):paradox(逆説) 範囲(脇の):parallel(並行の) |
per |
移動:permit(許可する) 強調:perfect(完璧な) |
re |
後方:retreat(後退する) 数量:rebuild(再建する) 強調:rely(頼る) |
sur |
下方:surreptitious(秘密の、不正な) 特大:surplus(余剰) |
「一緒に、共同で、全体で、協力して」(= with, together)
「共同」を表わす接頭辞(1)
次に来る「音」に応じて綴りが"com"から"con/co/col/cor"に変化します。意味はいずれも同じ。
※接頭辞"com/con/cor"には「強調」の意味もある→【参照】:「強調」を表わす接頭辞"com"「一緒に、共同で、全体で、協力して」(= with, together)
「共同」を表わす接頭辞(2)
次に来る「音」に応じて綴りが"syn"から"sym/syl"に変化します。意味はいずれも同じ。
「反対の、逆の、非〜、反〜、不〜、無〜」(= against, not, reverse)
「反対」を表わす接頭辞(1)
「反対の、逆の、非〜、反〜、不〜、無〜」(= against, not, reverse)
「反対」を表わす接頭辞(2)
「反対の、逆の、非〜、反〜、不〜、無〜」(= against, not, reverse)
「反対」を表わす接頭辞(3)
「反対の、逆の、非〜、反〜、不〜、無〜」(= against, not, reverse)
「反対」を表わす接頭辞(4)
次に来る「音」に応じて綴りが"in"から"im/il/ir"に変化します。意味はいずれも同じ。
「反対の、逆の、非〜、反〜、不〜、無〜」(= against, not, reverse)
「反対」を表わす接頭辞(5)
「間違った、誤った、悪い」(= bad, badly, wrong, wrongly)
「誤り」を表わす接頭辞(1)
「偽の、偽りの」(= false, imitative)
「誤り」を表わす接頭辞(2)
# pseudo
「上の、表面の、上流の、上位の」(= up, upon, upward)
「上方」を表わす接頭辞
「下の、下流の、下位の、隠れた」(= under, down, downward)
「下方」を表わす接頭辞(1)
「下の、下流の、下位の、隠れた」(= under, down, downward)
「下方」を表わす接頭辞(2)
# sub/suc/suf/sug/sup/sur/sus/su
「中へ、中の、中に、内側の、内部の、内部へ」(= into, in)
「内側」を表わす接頭辞(1)
多くの単語は和訳すると「内、入」の字が入ります。"in"は次に来る「音」に応じて"im"や"ir"に変化します。意味は同じ。
「中へ、中の、中に、内側の、内部の、内部へ」(= into, in)
「内側」を表わす接頭辞(2)
多くの単語は和訳すると「内、入」の字が入ります。"en"は次に来る「音」に応じて"em"に変化します。意味は同じ。
※接頭辞"en/em"には「変化」の意味もある→【参照】:「変化」を表わすの接頭辞"em/en"「内から外へ、外の、周辺部の」(= outside, out of, around)
「外側」を表わす接頭辞
"ex"は次に来る「音」に応じて"e"や"ef"や"ec"に変化します。意味は同じ。
「内から外へ、外の、周辺部の」(= outside, out of, around)
「外側」を表わす接頭辞(2)
「間の、相互の、お互いの、二者間の」(= among, between)
「相互」を表わす接頭辞
「前の、前に、前で」(= before, in front of, preceding)
「前方」を表わす接頭辞(1)
「前の、前に、前で」(= before, in front of, preceding)
「前方」を表わす接頭辞(2)
# pre, pro/por/pur
「後ろの、後ろに、後ろで、元へ、元に」(= after, backwards, behind)
「後方」を表わす接頭辞
「すべての、あらゆる」(= all, every)
「範囲」を表わす接頭辞(1)
「範囲内の、内部の、範囲内で、内部で」(= inside, within)
「範囲」を表わす接頭辞(2)
「範囲外の、桁外れの、超〜」(= outside, beyond)
「範囲」を表わす接頭辞(3)
# extra/extro, meta, para
「脇の、副次的な、側の」(= near, by, beside, secondary)
「範囲」を表わす接頭辞(4)
# by
「同等の、同じの、等しい、同位の」(= even, equal)
「程度」を表わす接頭辞(1)
「小さい、小型の、短い、小規模の」(= small, little)
「程度」を表わす接頭辞(2)
「中くらいの、中間の、真ん中の」(= middle, half, medium)
「程度」を表わす接頭辞(3)
# mid, medio/medi
「大きい、巨大な」(= large, great)
「程度」を表わす接頭辞(4)
「最高位の、度を超えた、特大の、超〜」(= chief, over, beyond)
「程度」を表わす接頭辞(5)
# arch, hyper, maxi, super, sur, over, ultra
「半分の」(= half, partially)
「数量」を表わす接頭辞(1)
「一つの、単独の、一種類の」(= only one, single, alone)
「数量」を表わす接頭辞(2)
「二の、二回の、二倍の、両方の、再度」(= two, twice, both, again)
「数量」を表わす接頭辞(3)
# ambi, bi, di, du/duo, re, twi
「三つの」(= three)
「数量」を表わす接頭辞(4)
# tri
「四つの」(= four)
「数量」を表わす接頭辞(5)
# quadr/quadri/quadru, quart, tetra
「五つの」(= five)
「数量」を表わす接頭辞(6)
「六つの」(= six)
「数量」を表わす接頭辞(7)
「七つの」(= seven)
「数量」を表わす接頭辞(8)
# hept/hepta, sept
「八つの」(= eight)
「数量」を表わす接頭辞(9)
「九つの」(= nine)
「数量」を表わす接頭辞(10)
「十の」(= ten)
「数量」を表わす接頭辞「十の」(= ten)(11)
# deca
「百の」(= one hundred)
「数量」を表わす接頭辞(12)
「百万の」(= one million)
「数量」を表わす接頭辞(13)
# mega
「複数の、たくさんの、大量の」(= many, multiple, much)
「数量」を表わす接頭辞(14)
「離れて、離れた、遠ざかる」(= off, away, apart, far)
「距離」を表わす接頭辞(1)
「離れて、離れた、遠ざかる」(= off, away, apart, far)
「距離」を表わす接頭辞(2)
「横断して、越えて」(= across, beyond, through)
「移動」を表わす接頭辞(1)
「通過して、経由して」(= through)
「移動」を表わす接頭辞(2)
# per
「向かって、向こうへ、こちらへ」(= to, toward)
「対象」を表わす接頭辞(1)
# ad/ac/af/ag/al/an/ap/ar/as/at/a
次に来る「音」に応じて綴りが"ad"から"ac/af/ag/al/an/ap/ar/as/at/a"に変化します。意味はいずれも同じ。
「〜である、〜中だ」(= on, ongoing)
「状態」を表わす接頭辞(1)
「現実の、本当の」(= real, true)
「状態」を表わす接頭辞(2)
# ver
「人の、個人の」(= people, human)
「人間」を表わす接頭辞(1)
# demo
「手に関する」(= of a hand, of hands)
「人間」を表わす接頭辞(2)
「足に関する」(= of a food, of feet)
「人間」を表わす接頭辞(3)
# ped/pedi
「義理の、血縁関係ではない」(= by remarriage, not by blood)
「人間」を表わす接頭辞(4)
# step
「代理の、副〜」(= subordinate, next in rank)
「人間」を表わす接頭辞(5)
# vice
いずれも「科学」の一分野や、その分野における専門用語を表わします。「バイオ」(bio)や「エコ」(eco)は日本語としても使うことがあります。
bio, eco, hydro
「科学」を表わす接頭辞(1)
astro, geo, psycho/psych
「科学」を表わす接頭辞(2)
# astro, geo, psycho/psych
cyber, electr/electro, photo
「科学」を表わす接頭辞(3)
# cyber, electr/electro, photo
「新しい、最近の、今の」(= new, recent)
「新旧」を表わす接頭辞(1)
# neo
「元の、前の、古い、最初の、原初の」(= former, old, ancient)
「新旧」を表わす接頭辞(2)
「地域」
「地域」を表わす接頭辞
世界の「特定の地域」を表わします。「ユーロ」(Euro)や「アフロ」(Afro)は日本語でも使うことがあります。
「同種の、同一の、同じの」(= same, even)
「同異」を表わす接頭辞(1)
# homo
「別種の、異なる、違う」(= other, different)
「同異」を表わす接頭辞(2)
# hetero
「自分の、自分で、自ら、自動の」(= self)
「自己」を表わす接頭辞
「完全な、完璧に、まったく」(= completely, thoroughly)
「強調」を表わす接頭辞(1)
「完全な、完璧に、まったく」(= completely, thoroughly)
「強調」を表わす接頭辞(2)
「完全な、完璧に、まったく」(= completely, thoroughly)
「強調」を表わす接頭辞(3)
次に来る「音」に応じて綴りが"com"から"con/cor"に変化します。意味はいずれも同じ。
※接頭辞"com/con/cor"には「共同」の意味もある→【参照】:「共同」を表わす接頭辞"com"「〜にする、〜になる」(= change, transform)
「変化」を表わす接頭辞(1)
# meta
「〜にする、〜になる」(= change, transform)
「変化」を表わす接頭辞(2)
次に来る「音」に応じて綴りが"em"から"en"に変化します。意味はいずれも同じ。
※接頭辞"em/en"には「内側」の意味もある→【参照】:「内側」を表わす接頭辞"en/em"接尾辞の意味別の一覧
どんな品詞に変化させるのかを基準にして《接尾辞》を分類します。同じ《接尾辞》でも、元の単語を複数の品詞に変化させるものもあります。たとえば、"ly"は形容詞と副詞の両方を作ります【例】:friend → friendly[形容詞], happy → happily[副詞]→【参照】:複数の品詞を作る主な接尾辞
語学的に正確な分類というよりは、意味的に似た系統の単語を並べて芋づる式に覚えることを目標としています。原則として、各単語はアルファベット順ですが、特に意味が近い単語や反意語はまとめて並べることもあります。
接尾辞で動詞を名詞や形容詞や副詞に変える
《接尾辞》は単語の品詞を変化させることがあります。日本語でも、名詞に《接尾辞》「ぶる」を付けると動詞に変化します。【例】:「上品」【名詞】→「上品ぶる」【動詞】。また、形容詞に《接尾辞》「さ」を付けると名詞に変化します。【例】:「眠い」【形容詞】→「眠さ」【名詞】
英語でも《接尾辞》をくっつけて品詞を変化させることができます。《接尾辞》が動詞や形容詞を基にして単語の意味を変化させるパターンのなかで、よく見かけるものをまとめます。
接尾辞で動詞を名詞に変える
接尾辞で品詞を変化させる(1)
↑
動詞の語尾に《接尾辞》くっつけて名詞に変化させる例をまとめます。名詞化する《接尾辞》を付けると、基の動詞の綴りも一部が変化することがあります。
例外がたくさんあるので、語尾が同じ動詞でも名詞に変換できない場合もたびたびあります。【例】:"confuse"の名詞形は"confusion"だけど、同じ語尾の"refuse"の名詞形は"refusion"ではなく"refusal"です。
同じ語尾の動詞で名詞→形容詞→副詞に変化する単語もあります→【参照】:接尾辞で動詞を→名詞→形容詞→副詞に変える
接尾辞で動詞を名詞や形容詞や副詞に変える
接尾辞で品詞を変化させる(2)
↑
動詞の語尾に《接尾辞》くっつけて名詞、形容詞、副詞に変化させる例をまとめます。《接尾辞》を付けると、基の動詞の綴りも一部が変化することがあります。
例外がたくさんあるので、同じ語尾の動詞でも名詞、形容詞、副詞に変換できない場合もたびたびあります。【例】:"operate"は→operation【名詞】→operative【形容詞】→operatively【副詞】と変換できるが、同じ語尾の"skate"はskation → skative → skativelyとは変換できない。
同じ語尾の動詞で形容詞や副詞には変化せず、名詞のみに変化する単語もあります→【参照】:接尾辞で動詞を→名詞に変える
接尾辞で形容詞を名詞に変える
接尾辞で品詞を変化させる(3)
↑
形容詞の語尾に《接尾辞》くっつけて名詞に変化させる例をまとめます。《接尾辞》を付けると、基の形容詞の綴りも一部が変化することがあります。
例外がたくさんあるので、同じ語尾の形容詞でも形容詞→名詞に変換できない場合もたびたびあります。【例】:"desperate"の名詞形は"desperation"だけど、同じ語尾の"fortunate"の名詞形は"fortune"。
綴りは同じ、作る品詞は違う
《接尾辞》の中には、綴りがまったく同じなのに違う品詞を作り上げるものがあります。
【例】:接尾辞の"al"は動詞の"disapprove"(不同意である)から、名詞の"disapproval"(不同意)を作る
【例】:接尾辞の"al"は名詞の"accident"(事故)から、形容詞の"accidental"(偶然の)を作る
複数の品詞を作る主な《接尾辞》を一覧にまとめます。それぞれの《接尾辞》がどんな品詞を作るのかチェックしてみて下さい。
接尾辞 | 品詞:代表的な単語(意味) |
---|---|
al | 名詞:denial(否定), 形容詞:trivial(取るに足りない) |
an | 名詞:musician(音楽家), 形容詞:Asian(アジアの) |
ate | 名詞:syndicate(シンジケート), 動詞:operate(作動する、操る、手術する), 形容詞:appropriate(適切な) |
ant/ent | 名詞:assistant(助手), 形容詞:absent(欠席した) |
en | 動詞:glisten(きらきら光る), 形容詞:golden(金色の) |
ful | 名詞:spoonful(スプーン一杯), 形容詞:bashful(恥ずかしがりやな) |
ly | 形容詞:heavenly(素晴しい), 副詞:sadly(悲しげに) |
y | 名詞:honesty(正直、誠実さ), 形容詞:healthy(健康な) |
綴りは同じ、元の品詞は違う
《接尾辞》の中には、綴りがまったく同じなのに違う品詞から作るものがあります。
【例】:接尾辞の"ery/ry"は動詞の"rob"(強奪する、略奪する)から名詞の"robbery"(強奪、略奪)を作る
【例】:接尾辞の"ery/ry"は名詞の"surgeon"(外科医)から名詞の"surgery"(手術)を作る
複数の品詞に付く主な《接尾辞》を一覧にまとめます。それぞれの《接尾辞》がどんな品詞に付くのかチェックしてみて下さい。
接尾辞 | 品詞:代表的な単語(意味) |
---|---|
ery/ry |
名詞から名詞を作る:machine(機械) → machinery(設備)
動詞から名詞を作る:bake(調理で焼く) → bakery(パン屋) 形容詞から名詞を作る:brave(大胆な) → bravery(勇気) |
ance/ancy |
動詞から名詞を作る:accetp(受け入れる) → acceptance(受け入れること) 形容詞から名詞を作る:arrogant(横柄な) → arrogance(横柄なこと) |
ence/ency |
動詞から名詞を作る:differ(異なる) → difference(相違) 形容詞から名詞を作る:absent(欠席の) → absence(欠席) |
名詞から名詞を作る(状態を表わす)
# ery/ry, ese, et, ette, ful, hood, pathy/path, ship
名詞から別の意味を持つ名詞を作る《接尾辞》のなかで、主に「物事の状態、様子」を表わすものをまとめます。元の単語が名詞ではないものも一部あります。
名詞から名詞を作る(名称を表わす)
# ary, cracy, ia, ics, ism, itis, logy, phobia, phone/phony, scope, sphere
名詞から別の意味を持つ名詞を作る《接尾辞》のなかで、主に「物事の名称、名前」を表わすものをまとめます。元の単語が名詞ではないものも一部あります。
名詞から名詞を作る(人間を表わす)
# an, ate, er/ar, ess, ist, ling, ster
名詞から別の意味を持つ名詞を作る《接尾辞》のなかで、主に「人間」を表わすものをまとめます。元の単語が名詞ではないものも一部あります。
動詞から名詞を作る(物事を表わす)
# age, al, ance/ancy, ence/ency, ery/ry, or, th, ure, y
動詞から名詞を作る《接尾辞》なかで、主に「物事」を表わすものをまとめます。元の単語が動詞ではないものも一部あります。どの《接尾辞》も意味的には「物事」を表わします。
動詞から名詞を作る(動作を表わす)
# ation/fication/zation, ition, tion, ption, ution, sion, ion, ment
動詞から名詞を作る《接尾辞》なかで、主に「動作」を表わすものをまとめます。元の単語が動詞ではないものも一部あります。どの《接尾辞》も意味的には「動作」を表わします。
動詞から名詞を作る(人間を表わす)
# ee, er/ar, or, ant/ent
動詞から名詞を作る《接尾辞》なかで、主に「人間」を表わすものをまとめます。元の単語が動詞ではないものも一部あります。どの《接尾辞》も意味的には「人間」を表わします。一部「人以外」を表わすものもあります。
形容詞から名詞を作る(物事を表わす)
# ability/ibility, acy/cy, ance/ancy, ence/ency
形容詞から名詞を作る《接尾辞》をまとめます。元の単語が形容詞ではないものも一部あります。
形容詞から名詞を作る(状態を表わす)
# dom, ery/ry, ity, ty, ness, tude
形容詞から名詞を作る《接尾辞》をまとめます。元の単語が形容詞ではないものも一部あります。
動詞を作る(動作の開始を表わす)
# ate, en, fer, form, fy/ify, ize/ise
動詞を作る《接尾辞》の中で特に「動作の開始」を表わすものをまとめます。一部、動詞以外の意味を持つ単語もあります。元になる単語の品詞は名詞か形容詞がほとんどです。
動詞を作る(動作の反復を表わす)
# er, le
動詞を作る《接尾辞》の中で「動作の反復」を表わすものをまとめます。一部、動詞以外の意味を持つ単語もあります。
動詞から形容詞を作る
# able/ible, ant/ent, fic, ive
動詞から形容詞を作る《接尾辞》まとめます。元の単語が動詞ではないものも一部あります。
名詞から形容詞を作る(一般的な様子や状態を表わす)
# al/ical, ar, ate, ful, ic, ly, ory, ous, some, y
名詞から形容詞を作る《接尾辞》のなかで、主に物事に対する「一般的な様子や状態」を表わすものをまとめます。元の単語が名詞ではないものも一部あります。
名詞から形容詞を作る(類似性や属性を表わす)
# an/ean/ian, ary, cratic, en, ese, esque, ile/il, ish, less, like, logical, ward
名詞から形容詞を作る《接尾辞》のなかで、主に物事に対する「類似性や属性」を表わすものをまとめます。元の単語が名詞ではないものも一部あります。
副詞を作る
# ly, s, ward/wards, wise/ways
副詞を作る《接尾辞》をまとめます。
たいてい、形容詞に《接尾辞》"ly"を付けます。ただし、《接尾辞》"ly"は形容詞を作ることもあります→【参照】:形容詞を作る接尾辞:名詞から形容詞を作る(一般的な様子や状態を表わす)