意味と構文で分類する
英語で使う主な文をまとめます。
"not"があるかないかで肯定文か否定文
否定を表わす"not"が存在しない文を肯定文と言います。日本語では「〜である、〜する、〜であった、〜した」というニュアンスです。
一方、否定を表わす"not"が存在する文を否定文と言います。日本語では「〜ではない、〜しない、〜ではなかった、〜しなかった」というニュアンスを表わします。否定文を作る"not"は通例、副詞として機能し、文全体の述語に当たる動詞や助動詞の意味を否定します。
【肯定文】:Cats are clever.
【和訳】:猫は賢い。
【否定文】:Cats are not clever.
【和訳】:猫は賢くない
→"not"はbe動詞の意味を否定する
【肯定文】:You may go home.
【和訳】:帰ってよろしい。
【否定文】:You may not go home.
【和訳】:帰ってはいけない。
→"not"助動詞"may"の意味を否定する
"not"なしの否定文や移動する"not"など
意味的にややわかりにくい否定文のいろいろをまとめます。
意味的に否定を表わす語句(hardly, rarely, etc)
否定文アレコレ(1)
↑
"not"以外にも意味的に否定を表わす語句があります。これらの語句を含む文は意味的には否定文です→【参照】:『ゼロから始める副詞:否定を表わす副詞』
どの語句も付加疑問文の場合は否定文と見なし、文末の付加疑問はたいてい肯定を使います→【参照】:『付加疑問文の作り方:"never"や"hardly"などは否定と見なす』
"barely"は場合によっては肯定の「かろうじて〜である、ぎりぎり〜である」(= only just)の意味を表わすことがあります。
【例文】:The black box was nowhere to be found.
【和訳】:ブラックボックスはどこを探しても見つからなかった。
→"nowhere"の意味は「どこにも〜ない」
【例文】:Neither gas nor electricity is currently available.
【和訳】:現在、ガスも水道も使えない。
→"neither A nor B"の意味は「AもBも〜ではない
【例文】:We could find few pieces of the meteor.
【例文】:We could find hardly any pieces of the meteor.
【和訳】:隕石のかけらはほとんど見つからなかった。
→"few"と"hardly any"の意味は「ほとんどない」、形容詞として名詞"pieces"の意味を補足する
【例文】:There was little water in the dam.
【例文】:There was hardly any water in the dam.
【和訳】:ダムには水がほとんどなかった。
→"litte"と"hardly any"の意味は「ほとんどない」、形容詞として名詞"water"の意味を補足する
【例文】:Our car could hardly move because of the dense crowd.
【例文】:Our car could scarcely move because of the huge crowd of sheep.
【例文】:Our car could barely move because of the huge crowd of sheep.
【和訳】:巨大な羊の群れのせいで車はほとんど動かせなかった。
→"hardly"と"scarcely"の意味は「ほとんど〜ない」、副詞として動詞"move"の意味を補足する
【例文】:I rarely use a taxi.
【例文】:I seldom use a taxi.
【例文】:I hardly ever use a taxi.
【例文】:I scarcely ever use a taxi.
(= I almost never use a taxi.)
【和訳】:タクシーはめったに乗らない。
→"rarely, seldom, hardly ever, scarcely ever"の意味は「めったに〜ない」、副詞として動詞"use"の意味を補足する
【例文】:Everyone was yet to understand what was cyber risk and how we should deal with it.
(= Everyone was unable to understand what was cyber risk and how we should deal with it.)
【和訳】:ネットの脅威とは何か、それにどう対処すべきか全員がまだ理解できていなかった。
→"be yet to"の意味は「まだ〜でない」
【例文】:I have yet to decide which company I should join.
(= I have not decided which company I should join.)
【和訳】:どの会社に就職するかまだ決めていません。
→"have yet to"の意味は「まだ〜でない」
"not"があっても否定文ではない場合
否定文アレコレ(2)
↑
イディオムの一部として使う"not"や、文ではなく語句を直接否定する"not"を含む文は、通例否定文とは言いません。
【例文】:It seems the picture was taken not here but over there.
【和訳】:この写真はここではなく向こうで撮られたようだ。
→"not"はイディオム"not A but B"(AではなくB)の一部、否定文ではない
イディオム"not A but B"(AではなくB)の"not"を前に出すことがあります。意味的な変化はありません→【参照】:『"not A but B"(AではなくB)』
【例文】:It seems that the picture wasn't taken here but over there.
(= It seems that the picture was taken not here but over there.)
【和訳】:この写真はここではなく向こうで撮られたようだ。
→"wasn't"の"not"はイディオム"not A but B"(AではなくB)の一部、"not"を前に出した
【例文】:Life may evolve not only on Earth but on other planets.
【和訳】:生命は地球上だけではなくほかの惑星でも進化しているかもしれない。
→"not"はイディオム"not only A but B"(AだけではなくBも)の一部、否定文ではない
【例文】:Not a single customer has come in.
【和訳】:お客様は一人も来ていません。
→"not"は形容詞の"single"を否定する、否定文ではない
【例文】:Not everyone has the same opinion.
【和訳】:全員が同じ意見というわけではない。
→"not"は代名詞の"everyon"を否定する、否定文ではない
"not"が前に出て来る場合
否定文アレコレ(3)
↑
文の後ろにあった"not"が前に出て来て、否定文の形になることがあります。"not"が文のどの部分を否定するのか確認します。
考えを表わす動詞(think, expect, etc)
否定文アレコレ:"not"が前に出て来る場合(1)
↑
"think"などの考えを表わす動詞に続くthat節が否定文の場合、通例"not"を前に出して"don't think that 〜"と表現します。
英語はなるべく早く否定の意味を伝えようとするので、"I think A isn't 〜"(Aが〜ではないと思う)の"not"を前に出して、"I don't think A is 〜 "(Aが〜であるとは思わない)と表現するのが普通です→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、否定の意味を早目に伝える』
【例文】:そのデザイナーが盗作したとは考えていません。
(= そのデザイナーは盗作していないと考えています)
【 △ 】:We believe the designer didn't plagiarize.
【 ○ 】:We don't believe the designer plagiarized.
→"didn't"の"not"は前に出して"We don't"とするのが普通
【例文】:大規模な噴火が発生するとは予想していません。
(= 大規模な噴火は発生しないと予想しています。)
【 △ 】:We expect a massive eruption will not occur.
【 ○ 】:We don't expect a massive eruption will occur.
→"will not"の"not"は前に出して"We don't"とするのが普通
【例文】:先生がいい給料をもらっているとは思えません。
(= 先生はいい給料をもらっていないと思います)
【 △ 】:I imagine the teacher isn't paid a good salary.
【 ○ 】:I don't imagine the teacher is paid a good salary.
→"isn't"の"not"は前に出して"I don't"とするのが普通
【例文】:あなたを当てにできるとは思っていませんよ。
(= あなたは当てにできないと思っています)
【 △ 】:I suppose we cannot count on you.
【 ○ 】:I don't suppose we can count on you.
→"cannot"の"not"は前に出して"I don't"とするのが普通
【例文】:景気が回復したとは思えない。
(= 景気は回復していないと思う)
【 △ 】:I think business hasn't recovered.
【 ○ 】:I don't think business has recovered.
→"isn't"の"not"は前に出して"I don't"とするのが普通
"not A but B"(AではなくB)
否定文アレコレ:"not"が前に出て来る場合(2)
↑
イディオム"not A but B"(AではなくB)の"not"を前に出すことがあります。意味的な変化はありません。
【例文】:The explosion reportedly didn't occur in the cabin but in the cargo bay of the airplane.
(=The explosion reportedly occurred not in the cabin but in the cargo bay of the airplane.)
【和訳】:報道によると、旅客機の爆発は客室ではなく貨物室で発生した。
→"didn't"の"not"はイディオム"not A but B"(AではなくB)の一部、"not"を前に出した
"not because 〜"(理由は〜ではなく)
否定文アレコレ:"not"が前に出て来る場合(3)
↑
接続詞のbecauseを使う否定文は、"not"が何を否定するかによって二通りの解釈が可能となることがあります。
【例文】:I didn't come home because the subway had been stopped.
【和訳1】:地下鉄が止まっていたので家に帰れなかった。
→"not"が"come"を否定する場合の和訳
【和訳2】:家に帰ってきたのは地下鉄が止まっていたからではない。
→"not"が"because"以下を否定する場合の和訳
【例文】の場合、"not"が"come home"を否定すれば意味は【和訳1】です。しかし、"not"が"because"以下を否定すれば意味は【和訳2】です。
英語はなるべく早く否定の意味を伝えようとするので、"not because 〜"(〜だからではない)の"not"を前に出して【例文】のように"I didn't come home"とすることがよくあります→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、否定の意味を早目に伝える』
意味があいまいになるのを避けるには、"because 〜"を文頭に置くか、"because"の前にコンマ(,)を置きます。
【例文1】:Because the subway had been stopped, I didn't come home.
(= I didn't come home because the subway had been stopped.)
【例文2】:I didn't come home, because the subway had been stopped.
(= I didn't come home because the subway had been stopped.)
【和訳】:地下鉄が止まっていたので家に帰れなかった。
【例文3】:I came home not because the subway had been stopped.
(= I didn't come home because the subway had been stopped.)
【和訳】:家に帰ってきたのは地下鉄が止まっていたからではない。
ありのままを述べる平叙文
平叙文(1)
↑
平叙文は物事をそのまま表現します。平叙文は肯定文と否定文の二つが可能です。
肯定文
平叙文(1a)
↑
【例文】:Toy poodles are generally active and friendly with other pets.
【和訳】:一般的に言って、トイ・プードルは元気がよく、ほかのペットたちと仲良くできます。
【例文】:It is a mystery why dinosaurs became extinct.
【和訳】:なぜ恐竜が絶滅したかは謎である。
否定文
平叙文(1b)
↑
【例文】:I don't eat eggs and butter as well as meat since I'm a vegetarian.
【和訳】:菜食主義者なので肉類はもちろん卵やバターも口にしません。
【例文】:Technology cannot control nature.
【和訳】:科学技術が自然を制御することはできない。
疑問を表わす平叙文
平叙文(2)
↑
平叙文はそのままの形で疑問を表わすことができます。語順は平叙文のまま「主語 + 動詞 + 〜」で文尾に疑問符(?)を付けます。
# 意味が疑問を表わす平叙文の基本的な構文……「主語 + (助動詞) + 動詞 + 〜?」
【例文】:You've done your homework?
(= Have you done your homework?)
【和訳】:宿題は終わったの。
→平叙文の語順で文尾に疑問符(?)を付ける
【例文】:You haven't read Shakespeare?
(= Haven't you read Shakespear?)
【和訳】:シェークスピアを読んだことがないんでしょう。
→平叙文の語順で文尾に疑問符(?)を付ける
平叙文のままの疑問文は驚きや意外、疑問などの気持ちを強調することがあります。
【例文】:I wonder who took this picture?
【和訳】:この写真は誰が撮っただろう。
→平叙文の語順で文尾に疑問符(?)を付ける、疑念を強調する
わからないことを尋ねる疑問文
疑問文(1)
↑
疑問文はたいてい話し手の疑問を表わします。文末には必ず疑問符(?)を付けます。疑問文は肯定文と否定文の二つが可能です。
肯定文
疑問文(1a)
↑
【例文】:Is a tomato a vegetable?
【和訳】:トマトは野菜ですか。
→語順は「be動詞 + 主語 + 〜?」
【例文】:Do the tariffs protect domestic industries?
【和訳】:関税は国内産業を保護してくれるんですか。
→語順は「助動詞do + 主語 + 動詞 + 〜?」
否定文
疑問文(1b)
↑
【例文】:Isn't a tomato a vegetable?
【和訳】:トマトは野菜ではないんですか。
→語順は「be動詞 + not + 主語 + 〜?」
【例文】:Don't the tariffs protect domestic industries?
【和訳】:関税は国内産業を保護してくれないんですか。
→語順は「助動詞do + not + 主語 + 動詞 + 〜?」
疑問詞を使う
疑問文(2)
↑
"who"や"where"などの疑問詞を文頭に置いて疑問文を作ることができます。「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって」などの情報を入手するための疑問文です。
疑問詞については別のコーナーでくわしくまとめてあります→【参照】:『ゼロから始める疑問詞』
疑問詞の意味が「誰が」や「何が」のように主語を表わす場合、語順は「疑問詞 + (助動詞) + 主語 + 〜?」です。疑問詞が「誰を」や「どこで」のように主語以外を表わす場合、語順は「疑問詞 + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」です。
# 【語順】:疑問詞(主語) + (助動詞) + 動詞 + 〜?
# 【語順】:疑問詞(主語以外) + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?
【例文】:Who ate my pudding?
【和訳】:誰が私のプリンを食べたの。
→疑問詞"who"の意味は「誰が」、主語を表わす
【例文】:How many students study abroad?
【和訳】:留学している生徒は何人ですか。
→"how many students"の意味は「何人の生徒が」、主語を表わす
【例文】:Who should I ask about medical payment refund?
【和訳】:医療費還付について誰に聞けばいいのですか。
→疑問詞"who"の意味は「誰に」、目的語を表わす
【例文】:What don't you understand?
【和訳】:わからないことは何ですか。
→疑問詞"what"の意味は「何を」、目的語を表わす
複数の疑問詞を同時に使うこともできます。
【例文】:Where and when did you take this photograph?
【和訳】:いつどこでこの写真を撮ったのか。
→疑問詞"where"の意味は「どこで」、疑問詞"when"の意味は「いつ」
【例文】:Why and how did you become an engineer?
【和訳】:なぜそしてどうやってエンジニアになったんですか。
→疑問詞"why"の意味は「なぜ」、疑問詞"how"の意味は「どうやって」
オウム返しの疑問
疑問文(3)
↑
会話で相手の発言の一部をオウム返しにして疑問文にすることがあります。
わからないことを尋ねる以外に、驚きや意外などの感情や発言内容の確認を表わします。オウム返しの疑問は、肯定文の語順のまま文尾に疑問符(?)を付けることがあります→【参照】:『平叙文:疑問を表わす平叙文』『疑問文:疑問を表わす平叙文』
日本語でもよく「先生結婚したんだって」「先生結婚したの?」のように、オウム返しの疑問文で驚きや意外を表わします。
疑問詞を使わない場合
疑問文(3)オウム返しの疑問(1)
↑
【例文】:"My eyes are itchy." "Are they itchy? I'll take an eye drop."
【和訳】:「目がかゆい」「目がかゆいの?目薬を持って来ましょう」
→相手の発言の一部をそのまま疑問文にして確認を表わす
【例文】:"I hear the cafeteria will be reconstructed." "The cafeteria will be reconstructed?"
【和訳】:「学食が改築されるんだってさ」「学食が改築されるの?」
→相手の発言の一部をそのまま疑問文にして軽い驚きを表わす
疑問詞を使う場合
疑問文(3)オウム返しの疑問(1)
↑
会話で聞き取れなかった部分や理解できなかった事柄をもう一度尋ねるとき、相手の発言の一部をオウム返しにして"who"や"what"などの疑問詞を使うことがあります。
【例文】:"Yesterday I saw a black ghost." "You saw what?"
(= "Yesterday I saw a black ghost." "What did you see?")
【和訳】:「昨日、黒い幽霊を見たよ」「何を見たって」
→相手の発言の内容を確認するため疑問詞whatを使う
【例文】:"I found my sunglasses in the frig." "You found it where?"
(= "I've found my sunglasses in the frig." "Where did you find it?")
【和訳】:「サングラスは冷蔵庫の中にあったよ」「どこにあったって?」
→相手の発言の内容を確認するため疑問詞whereを使う
疑問形の返事
疑問文(4)
↑
相手の話に興味が湧いたときに疑問文の形で「助動詞 + 代名詞?」や「be動詞 + 代名詞?」と返事をすることがあります。
# 疑問形の返事……「助動詞 + 代名詞? 」「be動詞 + 代名詞?」
わからないことや不明な部分を問い返すのではなく、相手の話に対して驚きや喜びなどを感じたときに、肯定文なら"Do you?"や"Did it?"、否定文なら"Don't they?"や"Didn't she"と短く反応します。
日本語でも「昼御飯はすませた」「すませたの?」のように、返事の形式は疑問文だけど何かを質問しているわけではなく、驚きや意外のニュアンスを表わすことがあります→【参照】:『ゼロから始める助動詞:前に出た語句の代用としての"do": 疑問形の返事』
【例文】:"Two new students join our class." "Do they?"
【和訳】:「転校生が二人来ます」「二人も来るんだ」
→"do"(助動詞) = " join our class"、軽い驚きを表わす
【例文】:"Nobody could answer the questoin." "Oh, couldn't they?"
【和訳】:「この問題は誰も解けませんでした」「あら、正解者ゼロですか」
→"couldn't"(助動詞) = "(nobody) could answer the question"、発言内容の確認を表わす
【例文】:"My head is aching." "Oh, is it? Take tablets and have a bit of a lie down."
【和訳】:「頭痛がする」「あら、頭が痛いの?薬飲んでちょっと横になりなさい」
→"is"(be動詞) = "is aching"、発言内容の確認を表わす
反語(修辞疑問)
疑問文(5)
↑
疑問文は「反語」を表わすことができます。
「反語」とは、額面通りの言葉とは正反対の意味を言外に持たせる表現テクニックです。反語の疑問文を使うと、平叙文で表わすよりも意味が強くなります。
# 【反語のニュアンス(肯定文)】:「〜だろうか(いや実は〜ではない)」
# 【反語のニュアンス(否定文)】:「〜ではないのか(いや〜に違いない)」
英語で使う「反語」は「修辞疑問」と呼ぶことがあります。英語名の"rhetorical question"の直訳です。反語の疑問文と通常の疑問文は見た目がまったく同じです。反語の意味があるかどうかは前後の文脈から判断します。
疑問詞を使わない場合
疑問文(5)反語(修辞疑問)(1)
↑
【例文】:"Did you understand? Yon've made the same mistake again."
(= "You didn't understand at all. Yon've made the same mistake again.")
【 △ 】:「理解したのか。また同じミスをしている」
【 ○ 】:「ちっともわかってないだろ。また同じミスをしている」
【例文】の場合、和訳は通常の疑問文でも意味は通じます。しかし、反語と見なして「ちっともわかっていないだろ」と和訳すると「同じミスをしている」という文意がいっそう明確になります。
【例文】:"You're playing games again. Didn't I tell you to tidy your room?"
(= "You're playing games again. I did tell you to tidy your room.")
【 △ 】:「またゲームしてる。部屋を片づけなさいと言いませんでしたか」
【 ○ 】:「またゲームしてる。部屋を片づけろって言ったよね」
【例文】の場合、和訳は通常の否定疑問文でも意味は通じます。しかし、反語と見なして「言ったよね」と和訳すると「(やることをやらないで)またゲームしてる」という文意がいっそう明確になります。
反語(修辞疑問)を表現する場合、文末の句読点は句読点は疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)を使うことがあります。話し手の驚きやイライラなどの感情をいっそう強調します。
【例文】:"Did you understand?
【和訳】:「ちっともわかってないだろ」
【例文】:"Did you understand!
【和訳】:「まったく理解していないね君は」
→文尾は疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)も使える、感情を強調する
疑問詞を使う場合
疑問文(5)反語(修辞疑問)(2)
↑
【例文】:I've never told anyone my password. Who knows it?
(= I've never told anyone my password. Nobody knows it.)
【 △ 】:パスワードは誰にも教えていない。誰がそれを知っているだろうか。
【 ○ 】:パスワードは誰にも教えていない。誰も知らないはずだ。
【例文】の場合、和訳は通常の疑問文でも意味は通じます。しかし、反語と見なして「知らないはずだ」と和訳すると「パスワードは誰にも教えていない」という文意がいっそう明確になります。
【例文】:The kitten is just two weeks old. How did he get out of the cage?
(= The kitten is just two weeks old. He must be unable to get out of the cage)
【 △ 】:子猫はまだ生まれて二週間だ。どうやってケージの外に出たのだろう。
【 ○ 】:子猫はまだ生まれて二週間だ。ケージの外に出られるわけがない。
【例文】の場合、和訳は通常の疑問文でも意味は通じます。しかし、反語と見なして「出られるわけがない」と和訳すると「子猫は生後二週間」という文意がいっそう明確になります。
反語(修辞疑問)を表現する場合、文末の句読点は疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)を使うことがあります。話し手の驚きやイライラなどの感情をいっそう強調します。
【例文】:Who knows it?
【和訳】:誰も知らないはずだ。
【例文】:Who knows it!
【和訳】:誰一人として知るはずがない。
→文末には疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)も使える、感情を強調する
疑問を表わす平叙文
疑問文(6)
↑
平叙文はそのままの形で疑問を表わすことができます。語順は平叙文のまま「主語 + 動詞 + 〜」で文尾に疑問符(?)を付けます。
# 意味が疑問を表わす平叙文の基本的な構文……「主語 + (助動詞) + 動詞 + 〜?」
【例文】:The shop isn't closed on Sunday?
(= Isn't the shop closed on Sunday?)
【和訳】:その店は日曜日も休みじゃないよね。
→平叙文の語順で文尾に疑問符(?)を付ける
平叙文のままの疑問文は驚きや意外、疑問などの気持ちを強調することがあります。
【例文】:Comsumption tax will be decreased?
【和訳】:消費税が引き下げられるんだって。
→平叙文の語順で文尾に疑問符(?)を付ける、驚きを強調する
確認や同意を表わす付加疑問文
付加疑問文は、平叙文の末尾をコンマ(,)で区切って短い疑問文を付け足したものです。会話文で相手に事実の確認や同意を求めるときによく使います。文末には必ず疑問符(?)を付けます。
付加疑問文については別のコーナーでくわしくまとめてあります→【参照】:『ゼロから始める「付加疑問文」』
肯定文
付加疑問文(1)
↑
【例文】:You have your tablet, don't you?
【和訳】:自分のタブレットを持ってるでしょう。
→付加疑問で確認を表わす
【例文】:You have had your snack, haven't you?
【和訳】:自分のおやつは食べたでしょう。
→付加疑問で確認を表わす
否定文
付加疑問文(2)
↑
【例文】:GM foods aren't perfectly safe, are they?
【和訳】:遺伝子組み換え食品は完全に安全とは言えないんでしょう。
→付加疑問で確認を表わす
【例文】:Ostriches can't fly, can they?
【和訳】:ダチョウは空を飛べませんよね。
→付加疑問で同意を求める
指示や要請を表わす命令文
命令文(1)
↑
命令文は他人に対する命令だけでなく、要請やお願いなども表わします。文末にはピリオド(.)を置きます。強い口調を表わすときはピリオド(.)の代わりに感嘆符(!)を使うこともできます。
「〜しなさい」という命令口調を柔らかくするときは文頭や文尾に"please"を追加で置きます。肯定文の場合、意味を強調して「ぜひ〜して下さい、必ず〜せよ」というニュアンスを表わすときは、文頭の動詞の前に"do"を置きます。
肯定文
命令文(1)
↑
肯定の命令文は文頭に動詞の原形を置きます。
【例文】:Stay calm.
【和訳】:落ち着いて。
【例文】:Stay calm!
【和訳】:落ち着け。
【例文】:Stay calm, please.
【和訳】:落ち着いて下さい。
【例文】:Do stay calm.
【和訳】:落ち着きなさい。
→"please"は口調を和らげる、"do"は意味を強める
be動詞も原形を文頭に置きます。"do"で意味を強調することもできます。
【例文】:Be careful. There could be poisonous snakes.
【和訳】:注意して。毒ヘビがいるかも。
【例文】:Do be careful. There could be poisonous snakes.
【和訳】:充分注意して。毒ヘビがいるかも。
→"do"は意味を強める
否定文
命令文(2)
↑
否定の命令文は文頭に"Don't"を置きます。
【例文】:Don't make a noise.
【和訳】:静かに。
【例文】:Don't make a noise!
【和訳】:静かにしろ。
【例文】:Please don't make a noise.
【和訳】:静かにして下さい。
→"please"は口調を和らげる
be動詞の場合も"Don't"を使います。"Be not 〜"や"Not be 〜"とは言いません。
【例文】:遅れるなよ。
【 × 】:Be not late.
【 × 】:Not be late.
【 ○ 】:Don't be late.
主語"you"や人名を使う
命令文(3)
↑
命令文は目の前にいる人物に向かって使うのでたいてい主語"you"を表現しません。ただし、強い命令を表わすときや大勢の中の一人や数人に絞って命令を発するとき、文頭に主語の"you"や人名を置くことがあります。
【例文】:Straighten your back.
【和訳】:背筋を伸ばしなさい。
【例文】:You straighten your back.
【和訳】:背筋をしゃんと伸ばしなさいよ。
→主語の"you"は命令の強調を表わす
【例文】:Turn off the television.
【和訳】:テレビを消しなさい。
【例文】:Lambert turn off the television.
【和訳】:ランバート、テレビを消しなさい。
→主語の"Lambert"は命令を下す相手を表わす
【例文】:Don't make a noise.
【和訳】:静かに。
【例文】:Don't you make a noise.
【和訳】:そこ、静かにしなさい。
→主語の"You"は命令を下す相手を表わす
主語に"someone"などを使う
命令文(4)
↑
誰か一人というわけではなく、誰でもいいから、あるいは、その場にいるみんなに対する命令や要請を表わすときは、主語に不定代名詞の"somebody, someone, everybody, everyone, nobody, no one"などを使います。
【例文】:Someone turn on the light, please.
【和訳】:誰か明かりを点けて下さい。
→"someone"の意味は「誰か」
【例文】:Eveyrbody be seated, please.
【和訳】:みなさん、座って下さい。
→"everybody"の意味は「みんな」
【例文】:Nobody make a move!
【和訳】:みんなじっとして。
→"nobody"の意味は「誰も〜しない」
"always"と"never"は文頭へ
命令文(5)
↑
命令文で"always"(常に)や"never"(決して〜ない)を使うときは、文頭の動詞のさらに前に置きます。
【例文】:Always be cautious about attached files in email.
【和訳】:メールの添付ファイルには常に注意を払って下さい。
→"always"は文頭に置く
【例文】:Never speak of it again.
【和訳】:他言は無用です。
→"never"は文頭に置く
受動態の命令文
命令文(6)
↑
一部の動詞は「get + 過去分詞形」の形で受動態の命令文を作ることができます。"don't"を文頭に置く否定の命令も可能です。
【例文】:Please get operated on.
【和訳】:どうか手術を受けて下さい。
【例文】:Get examined as early as possible.
【和訳】:なるべく早いうちに検査を受けて下さい。
【例文】:Don't get cheated!
【和訳】:だまされるな。
【例文】:Don't get injured, please.
【和訳】:けがしないでね。
感じたことを強調して表現する感嘆文
感嘆文は喜怒哀楽などの感情やその時の気分を強く表現します。文末には必ず感嘆符(!)を置きます。感嘆文はたいてい肯定文で使います。
"what"や"how"を使う
感嘆文(1)
↑
感嘆文では形容詞の"what"と副詞の"how"をよく使います。
"what"と"how"の次に感情や気分を表わす語句を置き、その後ろの「主語 + 動詞」で何がどうしたを表わします。
【平叙文】:It is a bitter coffee.
【和訳】:これは苦いコーヒーだ。
【感嘆文】:What a bitter coffee it is!
【和訳】:なんと苦いコーヒーだ。
→形容詞の"what"で感嘆文を作る
【平叙文】:You have made a blunder.
【和訳】:あなたは大きなミスをした。
【感嘆文】:What a blunder you have made!
【和訳】:なんという大きなミスをしてくれたんだ。
→形容詞の"what"で感嘆文を作る
【平叙文】:You walk fast.
【和訳】:あなたは歩くのが速い。
【感嘆文】:How fast you walk!
【和訳】:なんて歩くのが速いんだ。
→副詞の"how"で感嘆文を作る
【平叙文】:It is foolish of you to challenge me.
【和訳】:私に挑むなんておろかな奴だ。
【感嘆文】:How foolish it is of you to challenge me!
【和訳】:なんておろかな奴だ私に挑もうとは。
→副詞の"how"で感嘆文を作る
会話では「What + 名詞!」や「How + 形容詞/副詞!」の短縮形をよく使います。
【感嘆文】:What a surprise! What a bore! What a regret!
【和訳】:びっくりしたなあ。退屈だあ。残念です。
→感嘆符(!)の前の"it is"や"you are"などを省略している
【感嘆文】:How terrible! How awesome! How gross!
【和訳】:ひどいもんだ。すごいね。気色悪い。
→感嘆符(!)の前の"it is"や"you are"などを省略している
否定疑問を使う
感嘆文(2)
↑
"not"を使った否定の疑問文で感嘆文を作ることができます。意味的には疑問文ではなく感嘆文なので、文尾には疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)を置きます。
日本語でも文尾に「〜じゃない?」を付けて驚きや賞賛を表わすことがあります。
【平叙文】:The scenery is fantastic out here.
【和訳】:ここの景色は素晴らしい
【感嘆文】:Isn't the scenery fantastic out here!
(= How fantastic the scenery is out here!)
【和訳】:ここの景色は素晴らしいじゃないか。
→否定疑問の"Isn't 〜!"で感嘆文を作る
【平叙文】:You were unlucky.
【和訳】:あなたはついていなかった
【感嘆文】:Weren't you unlucky!
(= How unlucky your were!)
【和訳】:ついてなかったんじゃない。
→否定疑問の"Weren't 〜!"で感嘆文を作る
【平叙文】:You've eaten some green pepper.
【和訳】:あなたはピーマンを食べた。
【感嘆文】:Haven't you eaten some green pepper!
【和訳】:ピーマンも食べたじゃない。
→否定疑問の"Haven't 〜!"で感嘆文を作る
【平叙文】:You cooked curry and rice well.
【和訳】:あなたは上手にカレーライスを作った。
【平叙文】:Didn't you cook curry and rice well!
【和訳】:カレーライスは上手にできたじゃないか。
→否定疑問の"Didn't 〜!"で感嘆文を作る
こうあって欲しいと願う祈願文
祈願文は希望や願望、祈りを表わします。祈願文はたいてい肯定文で使います。
助動詞の"may"を使う
祈願文(1)
↑
助動詞の"may"を使う祈願文はたいてい"may"を文頭に置きます。やや堅苦しい表現。文末はピリオド(.)の代わりに感嘆符(!)を使うこともできます。
【例文】:May you be blessed with long life and prosperity.
【和訳】:長寿と繁栄があなたの元に訪れんことを願います。
【例文】:May you have a happy New Year!
【和訳】:幸せな新年になりますように。
【例文】:May God be with you.
【和訳】:あなたに神のご加護がありますように。
時制の一致で"may"の代わりに"might"を使うことがあります。
【例文】:長寿と繁栄が私たちの元に訪れることを願いますと神父さんが言って下さった。
【 × 】:The Father said that we may be blessed with long life and prosperity.
【 ○ 】:The Father said that we might be blessed with long life and prosperity.
(= The Father said, "May you be blessed with long life and prosperity.")
→時制の一致で"may"の代わりに"might"を使う
【例文】:平和な国になりますようにと人々は願った。
【 × 】:The people hoped that the country may be peaceful.
【 ○ 】:The people hoped that the country might be peaceful.
→時制の一致で"may"の代わりに"might"を使う
動詞の原形を使う
祈願文(2)
↑
助動詞の"may"を使わず、動詞の原形のみで祈願文を作ることができます。イディオム的な決まり文句がほとんどです。
【例文】:Bless you!
【和訳】:お大事に。
→くしゃみをした人にかける決まり文句、"bless"は動詞の原形
【例文】:God save the King.
【和訳】:国王陛下ばんざい。
→"save"は動詞の原形
【例文】:Long live our President!
【和訳】:大統領ばんざい。
→"live"は動詞の原形
【例文】:Heaven forbid!
【和訳】:そうはいかないぞ。
→"forbid"は動詞の原形