日本語は「〜は」や「〜を」を比較的自由に動かせる
次の二つの日本語の【例文】は、「〜に」と「〜を」の順番を入れ替えただけですが、ほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:先生は真実を生徒たちに語った。
【例文】:先生は生徒たちに真実を語った。
「〜に」と「〜を」の《語順》を変更せずにこのまま英訳すると、それぞれ意味の異なる英文になります。
【例文】:先生は真実を生徒たちに語った。
【 × 】:The teacher told the fact the students.
→英文として意味不明
【例文】:先生は生徒たちに真実を語った。
【 ○ 】:The teacher told the students the fact.
→日本語と同じ意味の英文になる
日本語は助詞(てにをは)で、「〜は、〜が」や「〜に、〜へ、〜を」を表わします。一方、英語は《語順》のみで、「〜は、〜が」や「〜に、〜へ、〜を」を表わすことができます。
英語の場合、動詞の"told"の次に来る名詞の意味は、「生徒たち」ではなく「生徒たちに」です。自動的に「〜に」が付きます。さらに、「生徒たちに」の次に来る名詞は「真実」ではなく「真実を」です。自動的に「〜を」が付きます。
日本語ほど自由には動かせない
日本語は助詞(てにをは)で「〜は、〜が、〜に、〜へ、〜を」を表わします→【参照】:『日本語の語順』
一方、英語は前置詞なしの語句のみで「〜は、〜が、〜に、〜へ、〜を」を表現することが可能です。位置的に動詞の前にあるか、後ろにあるかで「〜は、〜が」や「〜に、〜へ、〜を」を表わします。
つまり、英語は《語順》で「てにをは」を表現することができます。
# 【英語の基本的な語順】:「〜は、〜が」+ 動詞 +「〜に、〜へ」 +「〜を」
《語順》で「てにをは」を表現する英語の場合、各単語の《語順》を移動させるだけで、正確な意味が伝わらなくなる恐れがあります。
【例文】:先生が真実を生徒たちに語った。
【 × 】:The teacher told the fact the students.
【 ○ 】:The teacher told the students the fact.
日本語の《語順》「真実を生徒たちに」に釣られた"told the fact the students"は不可です。「真実に生徒たちを語る」という不可解な文章になります。「真実を生徒たちに語る」は"told the students the fact"です。"the students"(生徒たちに)が先、"the fact"(真実を)が後です。
主語と動詞の位置をひっくり返して倒置
《語順》の中で特に、主語と動詞の位置をひっくり返すことを倒置と言います。
【例文】:This bike is expensive.
【和訳】:この自転車は高い。
【例文】:Is this bike expensive?
【和訳】:この自転車は高いのですか。
疑問文の中には、倒置で主語と動詞をひっくり返して作るものがあります。倒置については別のコーナーにくわしくまとめてあります→【参照】:『ゼロから始める倒置』
動詞の前は「〜は、〜が」
英語の場合、主語を表わす「〜は、〜が」はたいてい動詞の前に置きます。つまり、動詞の前に来る名詞や代名詞にはたいてい「〜は、〜が」の意味を自動的に追加します→【参照】:『英語の語順』
# 「〜は、〜が」(主語) + 動詞
【例文】:そのことは忘れた。
【 × 】:It forgot.
【 ○ 】:I forgot it.
「そのことは忘れた」の英訳は"It forgot"でOKのような気もします。しかしよくよく考えてみると、「忘れる」のは「人」です。【例文】の「そのこと」とは「人」が忘れた「物事」を表わします。
つまり、【例文】の「そのことは忘れた」の意味は、「私はそのことを忘れた」です。【例文】の「そのことは」は、実は文の主語ではありません。主語は省略した「私は」です。
なので、英語に直すときは、誰が忘れたのかを明確に表わして"I fogot"とします。そして、忘れた対象を動詞"forgot"の次に置いて"I forgot it."(私はそのことを忘れた = そのことは忘れた)と表現します。
クドいほどに主語を言い表わす
英文の場合、"and"や"but"でつなぐ文では、主語がどれなのかわかりにくくなります。英語では常に「何が」を先に考えるので、文を作るたびに主語が誰なのかまず明示して、次にその主語が何をするか動詞で表わします。
【例文】:歳を重ねるにつれて知識は増えるが、いざ使うとなると忘れていることが多い。
【 × 】:Our knowledge increases as we grow older, but it often forgets when it uses.
【 ○ 】:Our knowledge increases as we grow older, but we often forget it when we use it.
【例文】の場合、増えるのは「知識」、知識を忘れるのは「私たち」、知識を使うのも「私たち」です。なので、"our knowledge increases", "we forget it (= our knowledge)", "we use it (= our knowledge)"とします。"our knowledge increases"に釣られて"it forgets"や"it uses"は意味的に不可です。
動詞の後ろは「〜に、〜へ、〜を」
英語の場合、「〜は、〜が」を表わす「語、句、節」は、たいてい動詞の“前”に置きます→【参照】:『語順の基本:主語 + 動詞 + 目的語(1)「〜は、〜が」は動詞の前に置く』
一方、「〜に、〜へ、〜を」を表わす「語、句、節」は、たいてい動詞の“後ろ”に置きます。
# 「〜は、〜が」(主語) + 動詞 +「〜に、〜へ」(目的語) +「〜を」(目的語)
「〜を」と「〜に」の両方を同時に使える動詞は比較的少数です→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜に + 〜を」』
【例文】:先生は恐竜の歯の化石を生徒たちに見せた。
【 × 】:The teacher showed a dinosaur tooth fossil the students.
【 ○ 】:The teacher showed the students a dinosaur tooth fossil.
"showed"(見せた)の次の"a dinosaur tooth fossil"の意味は「恐竜の歯の化石を」、その次の"the students"の意味は「生徒たちに」です。
"the students"は位置的に動詞の"showed"の後ろにあるので、自動的に「〜に」の意味を追加します。同様に、"a dinosaur tooth fossil"も位置的に動詞の"showed"の後ろでさらに「〜に」の後ろにあるので、自動的に「〜を」の意味を追加します。
動詞の後ろには句や節も可能
動詞の後ろには長い句や節を置くこともあります。
【例文】:先生は生徒たちにその数学の問題の解き方を教えた。
【英訳】:The teacher taught the students how to solve the math question.
→"how 〜 question"は複数の「語」が集まった「句」
【例文】を英訳する場合、"the students"に「〜に」の意味を付け加えるために"the students"を動詞の"showed"のすぐ後ろ置きます。同様に、"how to solve the math question"に「〜を」の意味を付け加えるために"how to solve the math question"を動詞の"taught"の後ろ、そして「〜に」を表わす"the students"のさらに後ろに置きます。
【例文】:先生は生徒たちに、この中で数人が補習を受ける必要があることを言った。
【英訳】:The teacher told the students that some of them had to attend extra classes.
→"that 〜 classes"は主語と動詞を備えた「節」
【例文】を英訳する場合、"the students"に「〜に」の意味を付け加えるために"the students"を動詞の"told"のすぐ後ろ置きます。同様に、"that some of them had to attend extra classes"に「〜を」の意味を付け加えるために"that some of them had to attend extra classes"を動詞の"told"の後ろ、そして「〜に」を表わす"the students"のさらに後ろに置きます。
"to"を使って「〜に、〜へ」を表わす
英語の場合、《語順》で「てにをは」を表現することができます→【参照】:『英語の語順』
動詞によっては前置詞"to"を使って「〜に、〜へ」を表わすことも可能です。ただし、前置詞なしの場合とは《語順》が異なります。「〜を」を前置詞で表現することはできません。「〜に、〜へ」を前置詞で表わす場合、「〜を」は通例、動詞のすぐ後ろに置いて「主語 + 動詞 + 〜を + to 〜」とします。
# 「〜は、〜が」(主語) + 動詞 +「〜を」(目的語) + to 〜(〜に、〜へ)
この文型が使える動詞は比較的少数です→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜を + to 〜」』
"bring"と"write"は前置詞の"to"も"for"も使えます。「〜の利益のために」というニュアンスを強調するときは"for"を使います。"write A for 〜"の意味は「〜のためにAを書く、〜の代わりにAを書く」です→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜を + to/for 〜」』
【例文】:先生が生徒たちに真実を語った。
【 × 】:The teacher told to the students the fact.
【 ○ 】:The teacher told the students the fact.
【 ○ 】:The teacher told the fact to the students.
【例文】の場合、"tell"を使って「生徒たちに」を英語に直すと、"the students"と"to the students"のどちらでもOKです。ただし、置く位置が変化します。原則として、"the students"なら動詞の“すぐ後ろ”、"to the students"なら"the fact"(真実を)の“さらに後ろ”に置きます。
【例文】:1803年、フランスは六千万フランでルイジアナをアメリカに売却した。
【 × 】:In 1803 France sold to the United States Louisiana for 60 million Francs.
【 ○ 】:In 1803 France sold the United States Louisiana for 60 million Francs.
【 ○ 】:In 1803 France sold Louisiana to the United States for 60 million Francs.
【例文】の場合、"sell"を使って「アメリカに」を英語に直すと、"the United States"と"to the United States"のどちらでもOKです。ただし、置く位置が変化します。原則として、"the United States"なら動詞の“すぐ後ろ”、"to the United States"なら"Louisiana"(ルイジアナを)の“さらに後ろ”に置きます。
"for"を使って「〜に、〜へ」を表わす
英語の場合、語順で「てにをは」を表現することができます→【参照】:『英語の語順』
動詞によっては前置詞"for"を使って「〜に、〜へ」を表わすことも可能です。ただし、前置詞なしの場合とは《語順》が異なります。「〜を」を前置詞で表現することはできません。「〜に、〜へ」を前置詞で表わす場合、「〜を」は通例、動詞のすぐ後ろに置いて「主語 + 動詞 + 〜を + for 〜」とします。
# 「〜は、〜が」(主語) + 動詞 +「〜を」(目的語) + for 〜(〜に、〜へ)
この文型が使える動詞は比較的少数です。いずれの動詞も「誰かのために主語が〜してあげる」というニュアンスがあります→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜を + for 〜」』
"bring"と"write"は前置詞の"to"も"for"も使えます。「〜の利益のために」というニュアンスを強調するときは"for"を使います。"write A for 〜"の意味は「〜のためにAを書く、〜の代わりにAを書く」です→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜を + to/for 〜」』
【例文】:息子に数学の家庭教師を見つけた。
【 × 】:I found a math tutor my son.
【 × 】:I found a math tutor to my son.
【 ○ 】:I found my son a math tutor.
【 ○ 】:I found a math tutor for my son.
→"find + A + to 〜"は不可、"for"を使う
【例文】の場合、"find"を使って「息子に」を英語に直すと"my son"と"for my son"のどちらでもOKです。ただし、置く位置が変化します。原則として、"my son"なら動詞の“すぐ後ろ”、"for my son"なら"a math tutor"(数学の家庭教師を)の“さらに後ろ”に置きます。
【例文】:市は自転車に乗る人のために自転車専用レーンを作った。
【 × 】:The city made bike lanes cyclists.
【 × 】:The city made bike lanes to cyclists.
【 ○ 】:The city made cyclists bike lanes.
【 ○ 】:The city made bike lanes for cyclists.
→"make + A + to 〜"は不可、"for"を使う
【例文】の場合、"make"を使って「自転車に乗る人のために」を英語に直すと"cyclists"と"for cyclists"のどちらでもOKです。ただし、置く位置が変化します。原則として、"cyclists"なら動詞の“すぐ後ろ”、"for cyclists"なら"bike lanes"(自転車専用レーンを)の“さらに後ろ”に置きます。
基本は「主語 + 動詞」
物事をそのまま語る平叙文は「主語 + 動詞」の《語順》が基本となります。
# 【平叙文の語順】:主語 + 動詞 + 〜.
日本語では、よく主語を表現せずに「昨日、ピザを食べた」や「明日、遠足だ」と言います。英語では必ず主語を表現して"I ate pizza yesterday."(昨日、私はピザを食べた)や"We'll go on a school trip tomorrow."(明日、私たちは遠足に行く)と言います。
【例文】:ビールは未成年者に売ることはできません。
(= 私たちは未成年者にビールを売ることはできません)
【 × 】:Beer cannot sell to under age people.
【 ○ 】:We cannot sell beer to under age people.
【例文】の主語は、実は「私たち(= 当店、うちの店)」です。なので、英語では追加で"we"を主語に置きます。
疑問文の語順
「動詞 + 主語」ではない
語順の基本:センテンス(2)疑問文(1)
↑
英語の場合、疑問文を作るときはたいてい、助動詞(do, does, did, have, has, had)やbe動詞を文頭に置きます。
# 【疑問文の語順】:助動詞 or be動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?
"who"や"when"などの疑問詞を使う疑問文の語順は別コーナーにまとめてあります→【参照】:『間違えやすい語順:疑問詞の語順』
【平叙文】:You like sushi.(あなたは寿司が好きだ)
【例文】:寿司は好きかい。
【 × 】:Like you sushi?
【 ○ 】:Do you like sushi?
→助動詞の"do"を追加して文頭に置く
【平叙文】:You have eaten lunch.(あなたは昼御飯を食べた)
【例文】:昼御飯は食べたかい。
【 × 】:Eaten you have lunch?
【 ○ 】:Have you eaten lunch?
→助動詞の"have"を文頭に置く
英語の場合、原則として「主語 + 動詞」の語順をなるべく保とうとする傾向があります。
助動詞の"do"や"have"を文頭に置いて疑問文を作ると、「主語 + 動詞」の語順がそのままキープできます。【例】:Do you like sushi?(寿司は好きかい)。【例】:Have you eaten lunch?(昼御飯は食べたかい)。"do"や"have"などの助動詞が文頭にあれば、疑問文であることは一目瞭然です。
なので、「主語 + 動詞」の語順を崩さない原則に従って、"Like you shushi?"(動詞 + 主語 + 〜)や"Eaten you have lunch?"(動詞 + 主語 + 助動詞 + 〜)ではなく、"Do You like sushi?"(助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜)や"Have you eaten lunch?"(助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜)に落ち着くのではないか思われます→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、「主語 + 動詞」の順番をなるべく保つ』
疑問文の語順の原則
語順の基本:センテンス(2)疑問文(2)
↑
英語の場合、平叙文を基に助動詞やbe動詞を文頭に置いて疑問文を作ります。
ナニやら妙に複雑なルールに見えますが、要するに、平叙文のときに主語から一番近い位置にある助動詞、あるいはbe動詞を文頭に置けば疑問文完成です。ただし、基になる平叙文に助動詞もbe動詞も存在しない場合は、助動詞の"do, does, did"を追加して文頭に置きます。
疑問文の語順の一覧
語順の基本:センテンス(2)疑問文(3)
↑
疑問文の《語順》を一覧にまとめます。助動詞やbe動詞を複数使うときは、主語に一番近い助動詞を文頭に置いて疑問文を作ります。
否定文の語順
"not"は最初に出て来る助動詞の右隣に置く
語順の基本:センテンス(3)否定文("not"をどこに置くのか?)(1)
↑
助動詞とbe動詞を複数並べるとき、"not"をどこに置くのか迷いがちです。
原則として、否定文を作る場合、"not"は一番最初に出て来る助動詞の“右隣”に置きます。
# 【否定文の語順】:最初に出て来る助動詞の右隣に"not"を置く
英語は否定の意味をなるべく早く伝えようとする特徴があります。なので、"not"は位置的になるべく主語に近いところに置きます。ただし、主語のすぐ後ろで助動詞の前に置くと"not"がどの単語を否定するのかあいまいになるので、「助動詞 + not」とします。
【例文】:三十分も待たされるのはごめんだ。
【 × 】:I can be kept not waiting for half an hour.
【 × 】:I can be not kept waiting for half an hour.
【 × 】:I not can be kept waiting for half an hour.
【 ○ 】:I can not be kept waiting for half an hour.
助動詞がない場合は、"do, does, did"のいずれかを追加して、"do, does, did"の“右隣”に"not"を置きます。やはり、"not"は一番最初に出て来る助動詞の“右隣”に置くことになります。
【例文】:三十分も待っていない。
【 × 】:I not wait for half an hour.
【 ○ 】:I did not wait for half an hour.
進行時制の場合は"not"をbe動詞の右隣に置く
語順の基本:センテンス(3)否定文("not"をどこに置くのか?)(2)
↑
「進行時制」の場合、be動詞を助動詞として使うので、be動詞の“右隣”に"not"を置きます。"do, does, did"の追加は不要です。
【例文】:警察が到着したとき、警報装置は鳴ってはいなかった。
【 × 】:The security alarm did not be ringing when the police arrived.
【 ○ 】:The security alarm was not ringing when the police arrived.
→"was ringing"は進行時制
受動態の場合は"not"をbe動詞の右隣に置く
語順の基本:センテンス(3)否定文("not"をどこに置くのか?)(3)
↑
受動態の場合、be動詞を助動詞として使うので、be動詞の“右隣”に"not"を置きます。"do, does, did"の追加は不要です。
【例文】:そのトラックは突風でもひっくり返らなかった。
【 × 】:The lorry did not be overturned by the blast.
【 ○ 】:The lorry was not overturned by the blast.
→"was overturned"は受動態
命令文の語順
命令文は主語がない
語順の基本:センテンス(4)命令文(1)
↑
英語の場合、誰かに「〜しなさい」と命令するときは、主語を表現しません。日本語の場合も同様にたいてい主語を表現しません。
命令文では必ず動詞の原形を使います。過去形に変化させたり、三・単・現(三人称・単数・現在)の"s"を付けることはありません。「命令」は必ず目の前の人物に向かって発する言葉なので、人称は二人称の「あなた、あなたたち」のみ。過去の物事に対しての命令は論理的に不可能なので時制は現在で固定です。
# 【命令文の語順】:動詞の原形 + 〜.
【例文】:Stop playing game and do your homework.
【和訳】:ゲームはやめて、宿題をしなさい。
→主語の"You"は表現しない
be動詞の命令文は"be"を使います。
【例文】:Be quiet.
【和訳】:お静かに。
→主語の"You"は表現しない
命令文の強調
語順の基本:センテンス(4)命令文(2)
↑
強い口調の命令をするとき、主語の"You"を表現することがあります。
【例文】:You stop playing game and you do your homework.
【和訳】:とっととゲームはやめて、宿題をすませろ。
→強い口調での命令、怒りやいらだちを含むこともある
強い口調の命令は"do"でも表現可能です。be動詞の強調も"do"を使います。
【例文】:Do stop playing game and do your homework.
【和訳】:すぐにゲームはやめて、宿題をすませろ。
→強い口調での命令
【例文】:Do be quiet.
【和訳】:静かにしなさい。
→強い口調での命令
命令文の主語を表現するとき
語順の基本:センテンス(4)命令文(3)
↑
誰に向かっての命令なのかはっきりさせるときは、主語を表現することもあります。
【例文】:You stop playing game and you do your homework.
【和訳】:あなたはゲームはやめて、宿題をすませなさい。
→大勢の中の特定の一人あるいは数人に対する命令
【例文】:Somebody bring a flashlight.
【和訳】:誰か懐中電燈を持って来てくれ。
→誰でもいいから誰か一人に対する命令
【例文】:Nadia keep your face mask on.
【和訳】:ナディア、マスクを外しちゃだめよ。
→その場にいる複数の人間の中で特に「ナディア(Nadia)」に対する命令
否定の命令文
語順の基本:センテンス(4)命令文(4)
↑
否定の命令「〜をするな」を表現するときは、"Don't"を使います。be動詞も"Don't be 〜"です。
【例文】:Don't break our promise.
【和訳】:約束は破るな。
【例文】:Don't be lazy.
【和訳】:だらだらするな。
命令文の付加疑問文
語順の基本:センテンス(4)命令文(5)
↑
命令文の付加疑問文は肯定文の場合、肯定形の助動詞"will you, would you, can you, could you"を使います。否定文の場合も肯定形の助動詞"will you"を使います。過去形の"would, could"を使うと、多少丁寧なニュアンスになります→【参照】:『間違えやすい付加疑問文:命令文の付加疑問は"〜, will/won't you?"』
【例文】:Be quiet, will you?
【例文】:Be quiet, can you?
【和訳】:静かにしてくれないか。
【例文】:Be quiet, would you?
【例文】:Be quiet, could you?
【和訳】:静かにしてくれませんか。
【例文】:Don't break our promise, will you?
【例文】:Don't break our promise, can you?
【和訳】:約束は破るなよ。
【例文】:Don't break our promise, would you?
【例文】:Don't break our promise, could you?
【和訳】:約束は破らないでくれよ。
否定形の"can't you"を使うと、戸惑いやいらだちニュアンスが出て来ます。日本語で言う「〜できんのか、〜できないのかね」に近いニュアンスです。
【例文】:Be quiet, can't you?
【和訳】:静かにできないのかね。
→"can't you"を入れると話し手のイライラ感が現われる
"always"や"never"を使うとき
語順の基本:センテンス(4)命令文(6)
↑
命令文で"always"や"never"を使うときは、文頭の動詞のさらに前に置きます。
【例文】:このお守りを常に身に付けておきなさい。
【 × 】:Keep always this amulet with you.
【 ○ 】:Always keep this amulet with you.
→"always"は"keep"の前に置く
【例文】:この番組は決して一人では見ないで下さい。
【 × 】:Watch never this program alone.
【 ○ 】:Never watch this program alone.
→"never"は"watch"の前に置く
感嘆文の語順
感嘆文の作り方
語順の基本:センテンス(5)感嘆文(1)
↑
感嘆文は形容詞の"what"や副詞の"how"を使います。また、否定疑問の"Don't 〜!"や"Aren't 〜!"を感嘆文として使うこともあります。
# 感嘆文の"what"は形容詞、"how"は副詞
たとえば、"This is a huge burger."(これは巨大なハンバーガーだ)の場合、「感嘆」の対象は「形容詞 + 名詞」(= a huge burger)です。なので"what"で感嘆文を作ります。"what"は形容詞として、名詞句の"a huge burger"の意味を強調します。
【平叙文】:This is a huge burger.(これは巨大なハンバーガーだ)
【感嘆文】:What a huge burger this is!
【和 訳】:これはなんと巨大なハンバーガーなのだ。
→"what"は形容詞として"a huge burger"(名詞句)を強調する
一方、"This burger is huge."(このハンバーガーは巨大だ)の場合、「感嘆」の対象は「形容詞」(= huge)です。なので"how"で感嘆文を作ります。"how"は副詞として、形容詞"huge"の意味を強調します。
【平叙文】:This burger is huge.(このハンバーガーは巨大だ)
【感嘆文】:How huge this burger is!
【和 訳】:このハンバーガーはなんと巨大なのだ。
→"how"は副詞として"huge"(形容詞)を強調する
"This burger is huge."(このハンバーガーは巨大だ)は、否定疑問を使って感嘆文を作ることもできます。
【平叙文】:This burger is huge.(このハンバーガーは巨大だ)
【感嘆文】:Isn't this burger huge!
【和 訳】:このハンバーガーはずいぶんと大きいじゃないか。
→"Isn't 〜!"は感嘆を表わす
"what"を使う場合
語順の基本:センテンス(5)感嘆文(2)
↑
"what"で感嘆文を作るには、元の文の「形容詞 + 名詞」に"what"を付け加えて、一まとめにして文頭に置きます。動詞や助動詞、そのほかの語句に《語順》の変更はありません。文末には感嘆符(!)を付けます。
"what"の品詞は形容詞です。
# What + 形容詞 + 名詞 + 主語 + 動詞 + !
名詞が数えられる名詞の単数形なら、不定冠詞(a, an)を付けます。普通、定冠詞(the)は使いません。
【平叙文】:You wear a strange outfit.(君はへんてこりんな服を着ているね)
【感嘆文】:What a strange outfit you wear!
【和 訳】:君はなんてへんてこりんな服を着ているんだ。
→"what"は名詞句の"a strange outfit"を強調する
【平叙文】:Our boss has expensive pictures.(社長は高価な絵を持っています)
【感嘆文】:What expensive pictures our boss has!
【和 訳】:社長は何と高価な絵を持っているのだ。
→"what"は名詞句の"expensive pictures"を強調する
"how"を使う場合
語順の基本:センテンス(5)感嘆文(3)
↑
"how"で感嘆文を作るには、元の文の形容詞や副詞に"how"を付け加えて、一まとめにして文頭に置きます。動詞や助動詞、そのほかの語句に《語順》の変更はありません。文末には感嘆符(!)を付けます。
"how"の品詞は副詞です。
# How + 形容詞/副詞 + 主語 + 動詞 + 〜!
【平叙文】:This curry is spicy.(このカレーは辛い)
【感嘆文】:How spicy this curry is!
【和 訳】:このカレーは何と辛いのだ。
→"how"は形容詞の"spicy"を強調する
【平叙文】:You've finished your homework quickly.(あなたは手早く宿題をすませたね)
【感嘆文】:How quickly you've finished your homework!
【和 訳】:あなたはずいぶんと手早く宿題をすませたね。
→"how"は副詞の"quickly"を強調する
否定疑問を使う場合
語順の基本:センテンス(5)感嘆文(4)
↑
"what"や"how"を使わずに、"Aren't"や"Don't"を使って感嘆文を作ることもあります。日本語の「〜じゃないか、〜ではないかね、〜じゃない?」に近いニュアンスです。英語でも日本語でも、《語順》は否定疑問文と同じですが、意味は話し手の「感嘆」を表わします。
文型は否定疑問文と同じですが、文末に感嘆符(!)を付けるので、疑問文ではないことがすぐわかります。
# 助動詞/be動詞 + not + 主語 + 動詞 + 〜!
元の平叙文に助動詞やbe動詞があれば文頭に置いて"not"を付けます。どちらも存在しない場合は、"do, does, did"を追加で文頭に置いて"not"を付けます。文末には必ず感嘆符(!)を付けます。
【平叙文】:It is hot today.(今日は暑い)
【感嘆文】:Isn't it hot today!
(= How hot it is today!)
【和 訳】:今日はひどく暑いじゃないか。
→否定疑問で"hot"を強調する
【平叙文】:You were sleepy.(あなたは眠そうだった)
【感嘆文】:Weren't you sleepy!
(= Howe sleepy your were!)
【和 訳】:あなたはずいぶんと眠そうだったじゃないか。
→否定疑問で"sleepy"を強調する
【平叙文】:You seemed bad.(あなたは具合が悪そうだった)
【感嘆文】:Didn't you seem bad!
(= How bad you seemed!)
【和 訳】:あなたはひどく具合が悪そうだったじゃないか。
→否定疑問で"bad"を強調する
祈願文の作り方
助動詞の"may"が「祈願、希望、望み」を表わすとき、ときどき文頭に出て来ることがあります。やや堅苦しい表現です。
祈願文は元の文にある助動詞の"may"を文頭に置くのみです。"may"以外の《語順》に変化はありません。
# 【祈願文の語順】:May + 主語 + 動詞 + 〜.
【平叙文】:You may have a long and happy life together.(末永くお幸せに)
【祈願文】:May you have a long and happy life together.
【和 訳】:今後長きに渡って幸あらんことを。
→祈願文では"may"を文頭に置く
疑問詞を使う疑問文
"who"や"where"などの疑問詞を使う疑問文の《語順》をまとめます→【参照】:『ゼロから始める疑問詞:疑問詞を含む文の語順』
主語(〜は、〜が)を表わす疑問詞に"do, does, did"は不要
疑問詞の"who, whose, what, which"を主語として疑問文を作る場合、《語順》は「疑問詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」です。"do, does, did"の追加は不要。
# Who/Whose/What/Which(主語) + 動詞 + 〜?
# Who/Whose/What/Which(主語) + be動詞 + 〜?
# Who/Whose/What/Which(主語) + 助動詞 + 動詞 + 〜?
一方、疑問詞のwho, whose, what, whichが目的語を表わすときは、通常の疑問文と同様に、"do, does, did"を追加して、《語順》は「疑問詞 + do/does/did + 主語 + 動詞 + 〜?」です→【参照】:『疑問詞の語順:who, whose, what, whichが「文の目的語」のとき』
Who/What+ 動詞 + 〜?
間違えやすい語順(2)疑問詞の語順:who, whose, what, whichが「文の主語」のとき(1)
↑
"who, what"が単独で文全体の主語(誰が、何が)を表わすとき、"do, does, did"の追加は不要。
【例文】:誰がオレの唐揚げを食ったんだ。
【 × 】:Who did eat my fried chicken?
【 ○ 】:Who ate my fried chicken?
→"who"の意味は「誰が」、主語を表わすので"did"は不要
【例文】:何があなたをそんなにイライラさせるのかい。
【 × 】:What does make you so irritated?
【 ○ 】:What makes you so irritated?
→"what"の意味は「何が」、主語を表わすので"does"は不要
"who"や"what"は代名詞として使う場合たいてい単数扱いなので、【例文】の英訳は"make"ではなく、"makes"です→【参照】:『ゼロから始める疑問詞:疑問詞の「数」』
Whose/What/Which + 名詞 + 動詞 + 〜?
間違えやすい語順(2)疑問詞の語順:who, whose, what, whichが「文の主語」のとき(2)
↑
「whose + 名詞、what + 名詞、which + 名詞」が文全体の主語(誰の〜が、どんな〜が、どの〜が)を表わすとき、"do, does, did"の追加は不要。
【例文】:誰の話があなたを怖がらせましたか。
【 × 】:Whose talk did horrify you?
【 ○ 】:Whose talk horrified you?
→"whose talk"の意味は「誰の話が」、主語を表わすので"did"は不要
【例文】:どんな種類の食事があなたを満足させますか。
【 × 】:What kind of food does make you feel good?
【 ○ 】:What kind of food makes you feel good?
→"what kind of food"の意味は「どんな種類の食事が」、主語を表わすので"does"は不要
【例文】:どの男があなたの財布を盗んだのですか。
【 × 】:Which man did steal your purse?
【 ○ 】:Which man stole your purse?
→"which man"の意味は「どの男が」、主語を表わすので"did"は不要
英語の場合、原則として「主語 + 動詞」の語順をなるべく保とうとする傾向があります→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、「主語 + 動詞」の順番をなるべく保つ』
主語を表わす"who, whose, which, what"を文頭に置いて疑問文を作ると、「主語 + 動詞」の語順がそのままキープできます。【例】:Who stole my indoor shoes?(誰がオレの上履きを盗ったんだ)["Who"が主語で"stole"が動詞]。わざわざ"does, did"を入れなくても、"who, whose, which, what"が文頭にあるので疑問文であることは明白です。
なので、「主語 + 動詞」の語順を崩さない原則に従って、"Who did steal...?"(主語 + 助動詞 + 動詞)ではなく、"Who stole...?"(主語 + 動詞)に落ち着くのではないか思われます。
目的語(〜に、〜を)を表わす疑問詞に"do, does, did"は必要
疑問詞のwho, whose, what, whichが目的語を表わすときは、通常の疑問文と同様に、"do, does, did"を追加して主語の前に置き、《語順》は「疑問詞 + do/does/did + 主語 + 動詞 + 〜?」です。
"will"などの助動詞やbe動詞があるときは、助動詞やbe動詞を主語の前に置き、《語順》は「疑問詞 + 助動詞/be動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」です。"do, does, did"の追加は不要。
# Who/Whose/What/Which(目的語) + do/does/did + 主語 + 動詞 + 〜?
# Who/Whose/What/Which(目的語) + be動詞 + 主語 + 〜?
# Who/Whose/What/Which(目的語) + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?
一方、疑問詞の"who, whose, what, which"を主語として疑問文を作る場合、《語順》は「疑問詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」です。"do, does, did"を追加は不要→【参照】:『疑問詞の語順:who, whose, what, whichが「文の主語」のとき』
Who/What + do/does/did/助動詞/be動詞 + 動詞 + 〜?
間違えやすい語順(3)疑問詞の語順who, whose, what, whichが「文の目的語」のとき(1)
↑
"Who, What"が単独で動詞の目的語(〜に、〜を)を表わすとき、"do, does, did"を追加して主語の前に置きます。"will"などの助動詞やbe動詞があるときは、助動詞かbe動詞を主語の前に置きます。
【例文】:何を食べましたか。
【 × 】:What you ate?
【 ○ 】:What did you eat?
→"what"の意味は「何を」、目的語を表わすので"did"が追加で必要
【例文】:誰を連れて行くつもりなのかな。
【 × 】:Who you will take?
【 ○ 】:Who will you take?
→"who"の意味は「誰を」、目的語を表わすので助動詞の"will"を"you"(主語)の前に置く
【例文】:何を見ているんだい。
【 × 】:What you are watching?
【 ○ 】:What are you watching?
→"what"の意味は「何を」、目的語を表わすので"are"を"you"(主語)の前に置く
Whose/What/Which + 名詞 + do/does/did/be動詞/助動詞 + 動詞 + 〜?
間違えやすい語順(3)疑問詞の語順who, whose, what, whichが「文の目的語」のとき(2)
↑
「Whose + 名詞、What + 名詞、Which + 名詞」が動詞の目的語(〜に、〜を)を表わすとき、"do, does, did"を追加して主語の前に置きます。"will"などの助動詞やbe動詞があるときは、助動詞かbe動詞を主語の前に置きます。
【例文】:誰の話を一番好きですか。
【 × 】:Whose story you like the best?
【 ○ 】:Whose story do you like the best?
→"whose story"の意味は「誰の話を」、目的語を表わすので"do"が追加で必要
【例文】:どんなジャンルの本を読んでいるのですか。
【 × 】:What kind of book you are reading?
【 ○ 】:What kind of book are you reading?
→"what kind of book"の意味は「どんなジャンルの本を」、目的語を表わすので"you"(主語)の前に"are"を置く
【例文】:どの国に行くつもりすか。
【 × 】:Which country you will want to visit?
【 ○ 】:Which country will you want to visit?
→"which country"の意味は「どの国に」、目的語を表わすので"will"を"you"(主語)の前に置く
"who, which, what"を目的語(〜に、〜を)として文頭に置いて疑問文を作ると、文頭に目的語と主語の二つが並びます。【例】:What you ate?(あなたは何を食べたのか)["What"が目的語、"you"が主語、"ate"が動詞]。
英語の場合、「目的語 + 主語 + 動詞」の《語順》は不自然に感じられるようです。なので、通常の疑問文と同じように、主語の前に助動詞やbe動詞を置いて、「目的語 + 助動詞/be動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」の《語順》がナチュラルです。
【×】:Who you are seeing?(あなたは誰を見ているのか)
→「目的語(Who) + 主語(you) + 動詞」の語順は不自然
【○】:Who are you seeing?(あなたは誰を見ているのか)
→「目的語(Who) + be動詞 + 主語(you) + 動詞」の語順ならOK
副詞の疑問詞に"do, does, did"は必要
疑問詞の"when, where, why, how"で疑問文を作る場合、どれも副詞として使うので、通常の疑問文の先頭に"when, where, why, how"を置けばOKです。
助動詞かbe動詞があれば"when, where, why, how"の次に置きます。助動詞もbe動詞もない場合は、"do, does, did"を追加して"when, where, why, how"の次に置きます。
# Where/When/Why/How + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?
# Where/When/Why/How + be動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?
# Where/When/Why/How + do/does/did + 主語 + 動詞 + 〜?
【平叙文】:Do you live?(あなたは住んでいますか)
【例文】:どこに住んでいるのですか。
【 × 】:Where you live?
【 ○ 】:Where do you live?
→通常の疑問文の先頭に"Where"を置く
【平叙文】:Will you leave?(あなたは出発しますか)
【例文】:いつ出発しますか。
【 × 】:When you will leave?
【 ○ 】:When will you leave?
→通常の疑問文の先頭に"When"を置く
【平叙文】:Were you late?(あなたは遅れましたか)
【例文】:なぜ遅れたのだ。
【 × 】:Why you were late?
【 ○ 】:Why were you late?
→通常の疑問文の先頭に"Why"を置く
【平叙文】:Did you answer this question?(この問題を解きましたか)
【例文】:この問題をどうやって解いたのだ。
【 × 】:How you answered this question?
【 ○ 】:How did you answer this question?
→通常の疑問文の先頭に"How"を置く
前置詞の目的語の疑問詞に助動詞やbe動詞は不要
"who"や"when"などの疑問詞を前置詞の目的語として使うとき、意味は疑問でも《語順》は平叙文と同じになります。なので、「自分が何を言ったのかわからない」は"I don't know about what did I say."ではなく、"I don't know about what I said."です。"did"は不要。
# 前置詞 + who/whose/what/which/when/where/why/how + 主語 + 動詞
【例文】:誰と結婚したのか教えて下さい。
【 × 】:Let us know about who did you married.
【 ○ 】:Let us know about who you married.
→前置詞(about)の次では平叙文の語順なので"did"は不要
【例文】:あなたがいつ結婚したのか誰も知らなかった。
【 × 】:Nobody knew about when did you get married.
【 ○ 】:Nobody knew about when you got married.
→前置詞(about)の次では平叙文の語順なので"did"は不要
【例文】:新婚旅行でどこに行ったのか話して下さい。
【 × 】:Please tell us about where did you go for your honeymoon.
【 ○ 】:Please tell us about where you went for your honeymoon.
→前置詞(about)の次では平叙文の語順なので"did"は不要
【例文】:なぜ世界の平均気温が上昇しつつあるのか、無視することはできない。
【 × 】:We must not be ignorant of why has the average world temperature been rising.
【 ○ 】:We must not be ignorant of why the average world temperature has been rising.
→前置詞(of)の次では平叙文の語順なので"has been rising"とする
目的語が人称代名詞の文
動詞の目的語に人称代名詞を使う場合の《語順》をまとめます。目的語が二つとも人称代名詞の場合、前置詞の"to, for"を使って"to me"や"for you"とするのが普通です。
目的語が二つとも名詞の場合はたいてい二通りの《語順》が可能です→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文』
【例】:I give Bob my dictionary.
【訳】:私はボブに自分の辞書をあげます。
→語順:主語 + give + 目的語(〜に) + 目的語(〜を)
【例】:I give my dictionary to Bob.
【訳】:私は自分の辞書をボブにあげます。
→語順:主語 + give + 目的語(〜を) + to + 目的語(〜に)
二つの目的語が人称代名詞の文
動詞の目的語が二つとも人称代名詞の場合、前置詞の"to, for"を使うのが普通です。前置詞なしで人称代名詞を二つ並べるのはやや不自然→【参照】:『ゼロから始める動詞:「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文』
# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + to + 人称代名詞(I give it to you.)
# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + for + 人称代名詞(I make it for you.)
【例文】:くじで自転車が当たったのでそれをあなたにあげると約束します。
【 △ 】:I won a bike in a raffle. I promise you it.
【 △ 】:I won a bike in a raffle. I promise it you.
【 ○ 】:I won a bike in a raffle. I promise it to you.
【例文】を英訳する場合、「それをあなたに」は"it to you"とするのが普通です。"to"なしの"you it"や"it you"はやや不自然。
【例文】:マフラーをするのを忘れちゃった。それを私に取って来てくれない。
【 △ 】:I forgot to wear my scarf. Can't you get me it?
【 △ 】:I forgot to wear my scarf. Can't you get it me?
【 ○ 】:I forgot to wear my scarf. Can't you get it for me?
【例文】を英訳する場合、「それを私に」は"it for me"とするのが普通です。"for"なしの"me it"や"it me"はやや不自然。
目的語が所有代名詞と人称代名詞の文
動詞の二つの目的語が人称代名詞と所有代名詞(mine, hers, etc)の場合、前置詞なしで「人称代名詞(me, her, etc) + 所有代名詞(mine, hers, etc)」とするのが普通です→【参照】:『ゼロから始める動詞:「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文』
# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + 所有代名詞(I lend you mine.)
【例文】:妹は着物を持っていないので私のを彼女に貸してあげるつもりです。
【 × 】:My sister doesn't have a kimono. I'm going to lend mine her.
【 △ 】:My sister doesn't have a kimono. I'm going to lend mine to her.
【 ○ 】:My sister doesn't have a kimono. I'm going to lend her mine.
【例文】を英訳する場合、「私のを彼女に」は"her mine"とするのが普通です。"to"付けた"mine to her"はやや不自然。"mine her"は「私のに彼女を」の意味になってしまいます。
【例文】:夫は自分用にハムエッグを作った。私も自分用に同じ物を作った。
【 × 】:My husband made him ham and eggs. I made mine me.
【 △ 】:My husband made him ham and eggs. I made mine for me.
【 ○ 】:My husband made him ham and eggs. I made me mine.
【例文】を英訳する場合、「自分用に同じ物を」は"me mine"とするのが普通です。"for"付けた"mine for me"はやや不自然。"mine me"は「私の物に私を」の意味になってしまいます。
会話を含む文
会話を含む文の《語順》をまとめます。会話自体が「疑問文」の場合、引用符("")があるか、ないかで《語順》が大きく異なります→【参照】:『ゼロから始める会話の表現』
引用符("")の中は語順を変更しない
引用符("")を使う会話文の場合、引用符("")の中の《語順》は疑問文なら疑問文のままにします。
一方、引用符("")のない会話文の場合、会話の中の疑問文の《語順》は平叙文と同じにします→【参照】:『会話文の語順:引用符("")を使わないとき』
【例文】:先生は私に「どんな職業に就きたいのかね」と言った。
【 × 】:"What kind of occupation you will have?" the teacher said to me.
【 ○ 】:"What kind of occupation will you have?" the teacher said to me.
(= The teacher asked me what kind of occupation I would have.)
→引用符("")の中の語順は疑問文のままにする
【例文】:「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか」と客室乗務員は言った。
【 × 】:"There is a doctor on board?" said the cabin attendant.
【 ○ 】:"Is there a doctor on board?" said the cabin attendant.
(= The cabin attendant asked whether there was a doctor on board.)
→引用符("")の中の語順は疑問文のままにする
引用符("")なしの会話文の語順は平叙文と同じ
引用符("")を使わずに会話文を表現するときは、疑問文であっても平叙文の《語順》のままです。助動詞やbe動詞を主語の前に移動させることはありません。"do, does, did"の追加や文末の疑問符(?)も不要です。
【例文】:民は予言者に「この世界は2012年に滅びるのか」と問うた。
【 × 】:People asked the prophet whether would the world perish in 2012.
【 ○ 】:People asked the prophet whether the world would perish in 2012.
(= "Will the world perish in 2012?" people said to the prophet.
→語順は「主語 + would + 動詞」とする
疑問詞の"who"や"when"を使う疑問文も、引用符("")を使わずに会話文を表現するときは、平叙文の《語順》のままです。助動詞やbe動詞を主語の前に移動させることはありません。"do, does, did"の追加や文末の疑問符(?)も不要です。
【例文】:店員は女の子に「誰と一緒に来たの」と尋ねた。
【 × 】:The clerk asked the girl who has she come with.
【 ○ 】:The clerk asked the girl who she has come with.
(= "Who have you come with?" the clerk said to the girl.)
→語順は「who + 主語 + 動詞」とする、"did"は不要
【例文】:民は予言者に「この世界はいつ滅びるのか」と問うた。
【 × 】:People asked the prophet when would the world perish.
【 ○ 】:People asked the prophet when the world would perish.
(= "When will the world perish?" people said to the prophet.
→語順は「when + 主語 + would + 動詞」とする
文末でよく使う"said Bob"
ときどき、会話文で"Bob said"の《語順》がひっくり返って"said Bob"となることがあります。特に、引用符("")で囲った部分の“後ろ”で「ボブが言った」を表現するとき、倒置の"said Bob"をよく使います。
【例文】:ボブは言った。「一緒においでよ」
【英訳】:Bob said, "Come with me!"
【例文】:「一緒においでよ」とボブは言った。
【 ○ 】:"Come with me!" Bob said.
【 ○ 】:"Come with me!" said Bob.
《語順》が"said Bob"なのでやや奇妙に感じますが、"Bob said"ももちろんOKです。誰の発言なのか強調するときに、"Bob"を文の最後に持って来て"said Bob"の《語順》を使うことがあります。小説でよく使うテクニックです。
主語が代名詞で"he said"や"she said"の場合は、倒置の《語順》を使わないほうが普通です
【例文】:「カラオケに行こう」と彼は言った。
【 △ 】:"Let's go to karaoke," said he.
【 ○ 】:"Let's go to karaoke," he said.
→"he said"のほうが普通
【例文】:「ワンちゃんの写真撮ってもいいですか」と彼女は言った。
【 △ 】:"Can I take a picture of your dog?" said she.
【 ○ 】:"Can I take a picture of your dog?" she said.
→"she said"のほうが普通
"have"の疑問文や"have got"など
《語順》を間違えやすい語句についてまとめます。
「〜を持っている」の意味の場合
"have"の意味が「〜を持っている」のとき、疑問文と否定文でそれぞれ三通りの《語順》が可能です。
have(〜を持っている)……疑問文の場合
間違えやすい語順(11)語句の語順:have(〜を持っている)(1)
↑
【例文】:パスポートを持っていますか。
【 △ 】:Have you your passport?[※やや古めかしい表現]
【 ○ 】:Do you have your passport?[※もっとも一般的な表現]
【 ○ 】:Have you got your passport?[※会話的な表現]
have(〜を持っている)……否定文の場合
間違えやすい語順(11)語句の語順:have(〜を持っている)(2)
↑
【例文】:パスポートは持っていません。
【 △ 】:I have not my passport.[※やや古めかしい表現]
【 ○ 】:I don't have my passport.[※もっとも一般的な表現]
【 ○ 】:I have not got my passport.[※会話的な表現]
"have"を助動詞のように使う"Have you 〜?"と"I have not 〜."は、現在ではやや古めかしい表現。英作文では使わないほうが無難です。"do"を使う"Do you have 〜?"と"I don't have 〜."が現在ではもっとも一般的な表現です。
"have got"を使う"Have you got 〜?"と"I have not got 〜."は会話的な表現です。これも英作文では使わないほうが無難です。ただし、和訳問題に出てくる可能性はあります。
"have got"については、独立した項目で解説しています→【参照】:『語句の語順:have got 〜(〜を持っている)』
"have got 〜" = "have"(〜を持っている)
"have got 〜"は"have 〜"とほぼ同じ意味「〜持っている」を表わすことがあります。会話でよく使います。
"get"の現在完了時制"have got"と見た目はまったく同じですが、"have got 〜"(〜を持っている)の時制は現在です。主語が三人称単数(he, she, Benなど)であれば、"has"を使って"has got"です。
"have got 〜"(〜を持っている)の疑問文は「Have/Has + 主語 + got 〜?」、否定文は「主語 + have/has + not + got + 〜.」です。"do, does, did"は一切使いません。意味が「〜を持っている」という「状態」を表わすので、進行時制でも通例使いません。
【例文】:私は犬を一匹飼っています。
【英訳】:I've got a dog.[※会話的な表現]
(= I have a dog.)
【例文】:あなたは犬を飼っていますか。
【 × 】:Do you have got a dog?
【 ○ 】:Have you got a dog?[※会話的な表現]
(= Do you have a dog?)
【例文】:私は犬を飼っていない。
【 × 】:I don't have got a dog.
【 ○ 】:I haven't got a dog.[※会話的な表現]
(= I don't have a dog.)
「〜を食べる」の意味では使わない
間違えやすい語順(12)語句の語順:have got 〜(〜を持っている)(1)
↑
"have got 〜"の意味はたいてい「〜を持っている」です。
単独の"have"とは異なり、"have got"が「〜を食べる」(= eat)の意味を表わすことはありません。
【例文】:夕御飯を食べる。
【 × 】:I've got dinner.
【 ○ 】:I have dinner.
【例文】:昼御飯を食べますか。
【 × 】:Have you got lunch?
【 ○ 】:Do you have lunch?
【例文】:朝御飯は食べない。
【 × 】:I have not got breakfast
【 ○ 】:I don't have breakfast.
「病気」を表わす"have got"
間違えやすい語順(12)語句の語順:have got 〜(〜を持っている)(2)
↑
「病気である」は"have got"を使うことがあります。やはり、会話的な表現です。
【例文】:風邪をひいている。
【 ○ 】:I have a cold.
【 ○ 】:I've got a cold.[※会話的な表現]
【例文】:風邪をひいていますか。
【 ○ 】:Do you have a cold?
【 ○ 】:Have you got a cold?[※会話的な表現]
【例文】:風邪はひいていない。
【 ○ 】:I don't have a cold.
【 ○ 】:I haven't got a cold.[※会話的な表現]
否定文や疑問文で"do, does, did"を使わない
be動詞は主に三つの意味を表わします→【参照】:『ゼロから始める「be動詞」』
いずれの場合でも、疑問文や否定文を作るときに、"do, does, did"を使いません。疑問文のときはbe動詞自体を文頭に置き、否定文のときはbe動詞自体に"not"を付けます。
# 通例、be動詞の疑問文や否定文にdo/does/didは使わない
例外として、be動詞を使う命令文の否定文では、"Don't be 〜."となります。【例】:Don't be scared.(びくびくするな)→【参照】:『ゼロから始める文の種類:命令文:否定文』
be動詞……「〜である」
間違えやすい語順(13)語句の語順:be動詞(1)
↑
【平叙文】:Crows are quite intelligent.(カラスはかなり賢い)
【疑問】:カラスはかなり賢いですか。
【 × 】:Do crows are quite intelligent?
【 × 】:Do crows be quite intelligent?
【 ○ 】:Are crows quite intelligent?
【否定】:カラスはそれほど賢くない。
【 × 】:Crows don't be quite intelligent.
【 ○ 】:Crows are not quite intelligent.
→疑問文や否定文で"do, does, did"を使わない
be動詞……進行時制を作る
間違えやすい語順(13)語句の語順:be動詞(2)
↑
【平叙文】:Water is flowing from the faucet.(蛇口から水が流れている)
【疑問】:蛇口から水が流れているか。
【 × 】:Do water is flowing from the faucet?
【 × 】:Do water be flowing from the faucet?
【 ○ 】:Is water flowing from the faucet?
【否定】:蛇口から水は流れていません。
【 × 】:Water doesn't be flowing from the faucet.
【 ○ 】:Water is not flowing from the faucet.
→疑問文や否定文で"do, does, did"を使わない
be動詞……受動態を作る
間違えやすい語順(13)語句の語順:be動詞(3)
↑
【平叙文】:I was taken a picture.(写真に撮られた)
【疑問】:写真に撮られましたか。
【 × 】:Did you are taken a picture?
【 × 】:Did you be taken a picture?
【 ○ 】:Were you taken a picture?
【否定】:写真には撮られていない。
【 × 】:I didn't be taken a picture.
【 ○ 】:I was not taken a picture.
→疑問文や否定文で"do, does, did"を使わない
形容詞を後ろに置く語句
【例】:a lovely cat(かわいい猫)
ところが、不定代名詞の"someone"や"anything"、副詞の"somewhere"など"some, any, every, no"を含む語句の一部は、形容詞を“後ろ”に置きます。
# someone/somebody/anyone/anybody + 形容詞
# something/anything/everything/nothing + 形容詞
# somewhere/anywhere + 形容詞
【例文】:背の高いやせ型の人が自販機の前に立っていました。
【 × 】:Tall and skinny someone was standing in front of the vending machine.
【 ○ 】:Someone tall and skinny was standing in front of the vending machine.
→形容詞の"tall"と"skinny"は"someone"の後ろに置く
【例文】:自慢話ばかりする人は嫌われます。
【 × 】:No one likes boastful anyone.
【 ○ 】:No one likes anyone boastful.
→形容詞の"boastful"は"someone"の後ろに置く
【例文】:要らないものは捨てて下さい。
【 × 】:Throw away useless something.
【 ○ 】:Throw away something useless.
→形容詞の"useless"は"something"の後ろに置く
【例文】:危ないものはどんなものでも持ち込んではいけない。
【 × 】:Don't bring dangerous anything.
【 ○ 】:Don't bring anything dangerous.
→形容詞の"dangerous"は"anything"の後ろに置く
【例文】:手品師はあらゆる不可能なことを可能にする。
【 × 】:Magicians make impossible everything possible
【 ○ 】:Magicians make everything impossible possible.
→形容詞の"impossible"は"everything"の後ろに置く
【例文】:ここには何も怪しいものは見当たらない。
【 × 】:I see suspicious nothing here.
【 ○ 】:I see nothing suspicious here.
→形容詞の"suspicious"は"nothing"の後ろに置く
【例文】:確実に安全な所に避難して下さい。
【 × 】:Make sure to evacuate to safe somewhere.
【 ○ 】:Make sure to evacuate to somewhere safe.
→形容詞の"safe"は"somewhere"の後ろに置く
【例文】:人影はまったく見当たりませんでした。
【 × 】:There was no one visible anywhere.
【 ○ 】:There was no one anywhere visible.
→形容詞の"visible"は"anywhere"の後ろに置く
形容詞の"enough"は前に置く
形容詞として使う"enough"は、ほかの形容詞と同様に、たいてい名詞の“前”に置きます。名詞の“後ろ”に置くのはやや堅苦しい言い方です。
# enough(形容詞) + 名詞
【例文】:車をスタートさせるだけの電力がバッテリーに残っていない。
【 ○ 】:The battery doesn't have power enough to start the engine.[※やや堅苦しい表現]
【 ○ 】:The battery doesn't have enough power to start the engine.
→形容詞の"enough"は名詞の"power"の前に置くのが無難
【例文】:指導者たるもの過去の失敗を未来の成功へと転ずる知恵を持つべきだ
【 ○ 】:Leaders should have wisdom enough to turn past mistakes into future success.[※やや堅苦しい表現]
【 ○ 】:Leaders should have enough wisdom to turn past mistakes into future success.
→形容詞の"enough"は名詞の"wisdom"の前に置くのが無難
副詞の"enough"は後ろに置く
"enough"が副詞としてほかの形容詞や副詞の意味を補足説明するときは、"enough"を形容詞や副詞の“後ろ”に置きます。
# 形容詞や副詞 + enough(副詞)
【例文】:救援物資は充分に迅速に送られた。
【 × 】:The emergency supplies were send enough quickly.
【 ○ 】:The emergency supplies were send quickly enough.
→"enough"は副詞として副詞の"quickly"を後ろから補足説明する
【例文】:この種の建物は巨大地震にも十分に耐えられる。
【 × 】:These kinds of buildings are enough solid to withstand a massive earthquake.
【 ○ 】:These kinds of buildings are solid enough to withstand a massive earthquake.
→"enough"は副詞として形容詞の"solid"を後ろから補足説明する
不定冠詞(a, an)をどこに置くか
ごく一部の形容詞や副詞を使う場合、不定冠詞(a, an)を形容詞や副詞の後ろに置くことがあります。
"half, quite, rather"は不定冠詞(a, an)の前に置く
間違えやすい語順(19)不定冠詞(a, an)の語順:half, quite, ratheroの場合
↑
通例、不定冠詞(a, an)は形容詞や副詞の“前”に置きます。
【例】:a very delicious cake(非常においしいケーキ)
【例】:an extremely expensive ticket(極端に高いチケット)
ところが、"half, quite, rather"の場合、不定冠詞(a, an)を"half, quite, rather"の“後ろ”に置くのが普通です。不定冠詞(a, an)を“後ろ”に置くほうが、英語として発音しやすく感じられるようです。
# a half 〜[※ややまれ], half a/an 〜
# a quite 〜[※ややまれ], quite a/an 〜
# a rather 〜[※ややまれ], rather a/an 〜
【例文】:ケーキの半分を食べた。
【 △ 】:I ate a half cake.[※ややまれ]
【 ○ 】:I ate half a cake.
【例文】:かなりおいしいケーキを食べた。
【 △ 】:I ate a quite delicious cake.[※ややまれ]
【 ○ 】:I ate quite a delicious cake.
【例文】:けっこうおいしいケーキを食べた。
【 △ 】:I ate a rather delicious cake.[※ややまれ]
【 ○ 】:I ate rather a delicious cake.
"such, so, too"は不定冠詞(a, an)の前に置く
間違えやすい語順(19)不定冠詞(a, an)の語順:such, so, tooの場合
↑
通例、不定冠詞(a, an)は形容詞や副詞の“前”に置きます。
【例】:a highly valued activity(高く評価される活動)
【例】:an oddly named picture(妙な名前が付いた絵)
ところが、"such, so, too"の場合、不定冠詞(a, an)を必ず"such, so, too"の“後ろ”に置きます。不定冠詞(a, an)を“後ろ”に置くほうが、英語として発音しやすく感じられるようです。
# such + a/an + 形容詞 + 名詞(such a lovely cat)
# so + 形容詞 + a/an + 名詞(so lovely a cat)
# too + 形容詞 + a/an + 名詞(too lovely a cat)
"such"と"so, too"とでは不定冠詞(a, an)を置く位置が微妙に異なります。"such"の場合は"次に続く形容詞の前に置きます。一方、"so"と"too"の場合は次に続く形容詞の後ろに置きます。
【例文】:これほどおいしいケーキを食べたことはない。
【 × 】:I've never eaten a such delicious cake.
【 × 】:I've never eaten such delicious a cake.
【 ○ 】:I've never eaten such a delicious cake.
(= I've never eaten so delicious a cake.)
→語順は"such a delicious cake"
"such"は形容詞なので名詞の"cake"の意味を補足します。そのため、"such"は"a delicious cake"の前に置きます。
【例文】:これほどおいしいケーキを食べたことはない。
【 × 】:I've never eaten a so delicious cake.
【 × 】:I've never eaten so a delicious cake.
【 ○ 】:I've never eaten so delicious a cake.
(= I've never eaten such a delicious cake.)
→語順は"so delicious a cake"
"so"は副詞なので形容詞の"delicious"の意味を補足します。そのため、"so"は"delicious"の前に置きます。
【例文】:おいしすぎるケーキを食べた。
【 × 】:I ate a too delicious cake.
【 × 】:I ate too a delicious cake.
【 ○ 】:I ate too delicious a cake.
→語順は"too delicious a cake"
"too"は副詞なので形容詞の"delicious"の意味を補足します。そのため、"too"は"delicious"の前に置きます。