【命令】や【完了】の意味を表わす
動詞の"get"は、「他人に〜させる、他人に〜してもらう」という意味を持つことがあります。
【例文】:I got my children to clean the bathroom.
【英訳】:子供たちに風呂掃除をしてもらった。
【例文】:I got my children cleaning the bathroom.
【英訳】:子供たちに風呂掃除をしてもらった。
【例文】:I got the bathroom cleaned by my children.
【英訳】:風呂掃除は子供たちにしてもらった。
「他人に〜させる、他人に〜してもらう」という意味を表わす場合、動詞の"get"を使って三つの構文が可能です。
いずれの構文も"get"の次に目的語の名詞や代名詞、その次にもう一つ別の動詞を置きます。この時、"get"の意味は「〜させる、〜してもらう」のみ。具体的に何をさせるのか、何をしてもらうのかは、二つ目の動詞が表現します。
二つ目の動詞は、意味によって動詞の(1)to不定詞、(2)ing形、(3)過去分詞の三つが可能です。二つ目の動詞にtoなしの"to"のない不定詞(原形不定詞)が来ることはありません。
「get + 目的語 + 動詞」の構文は「〜させる、〜してもらう」以外にも、「〜を終わらせる」【完了、終了】や「〜される」【被害、損害】といったニュアンスを表わすことができます。
主語 + get + 目的語 + to不定詞
「get + 目的語 + to不定詞」で、【お願い】や【命令】【始動】の意味を持つ構文を作ります。
《主語》がお願いして、《目的語》に〜してもらう……【お願い、依頼】
get + 目的語 + to不定詞(1)
↑
ニュアンスは「お願いして〜してもらう」です。【お願い、依頼】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + to不定詞
# 【意味】:《主語》がお願いして、《目的語》に〜してもらう
前後の文脈によっては、同じ構文で【命令、指示】のニュアンスに近づくことがあります→【参照】:『get + 目的語 + to不定詞(2)「〜させる」【命令、指示】』
似た意味を表わす『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(1)「誰かに〜してもらう」【お願い、依頼】』と比べると、「何を」してもらうかではなく、「誰に」してもらうかを強調します。
【例文】:I got a builder to retrofit my house in case of an earthquake.
(= I got my house retrofitted by a builder in case of an earthquake.)
【和訳】:地震に備えて業者に自宅を改築してもらった。
→お願いして改築してもらった
【例文】:I'll get a trainer to train my dog as a guide dog.
(= I'll get my dog trained as a guide dog by a trainer.)
【和訳】:専門家にうちの犬を盲導犬として訓練してもらおう。
→お願いして訓練してもらう
「have + 目的語 + 動詞の原形」もほぼ同じ意味を表わします。"get"を使うと【お願い、依頼】がなかなか聞いてもらえそうにないニュアンスを強調することがあります→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の原形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』
【例文】:It's quite difficult to get cats to follow our orders.
【和訳】:猫にこちらの言うことをちゃんと聞いてもらうのはなかなか難しい。
【例文】:It's quite difficult to have cats follow our orders.
【和訳】:猫にこちらの言うことを聞いてもらうのはなかなか難しい。
→"get"を使うと指示を聞いてもらうのは難しいニュアンスを強調する
《主語》が命令や指示を与えて、《目的語》に〜させる……【命令、指示】
get + 目的語 + to不定詞(2)
↑
ニュアンスは「命令して〜させる」です。【命令、指示】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + to不定詞
# 【意味】:《主語》が命令や指示を与えて、《目的語》に〜させる
前後の文脈によっては、同じ構文で【お願い、依頼】のニュアンスに近づくことがあります→【参照】:『get + 目的語 + to不定詞(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』
似た意味を表わす『get + 目的語 + 動詞のing形(1)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、【命令、指示】がなかなか聞いてもらえそうにないニュアンスを強調することがあります。
似た意味を表わす『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(2)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、「何を」させるかではなく、「誰に」させるかを強調します。
【例文】:I got a builder to retrofit my house in case of an earthquake.
(= I got my house retrofitted by a builder in case of an earthquake.)
【和訳】:地震に備えて業者に自宅を改築させた。
→命令を与えて改築させた
【例文】:I'll get a trainer to train my dog as a guide dog.
(= I'll get my dog trained as a guide dog by a trainer.)
【和訳】:専門家にうちの犬を盲導犬として訓練させよう。
→命令を与えて訓練させる
命令する態度は"make"ほど強引ではないという程度。"make"のニュアンスは、"get"よりはるかに強い調子で「本人が何と言おうと無理矢理〜させる」です。
【例文】:I got my husband to take our son to the children's clinic with him.
【和訳】:ダンナに息子を小児科まで連れて行かせた。
→連れて行くように言った
【例文】:I made my husband take our son to the children's clinic with him.
【和訳】:ダンナに命じて息子を小児科まで連れて行かせた。
→イヤとは言わせない態度で命令して連れて行かせた
「have + 目的語 + 動詞の原形」もほぼ同じ意味を表わします。"get"を使うと【命令、指示】がなかなか聞いてもらえそうにないニュアンスを強調することがあります→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の原形(2)「〜させる」【命令、指示】』
【例文】:The counsellor got me to become interested in something except work.
【和訳】:カウンセラーが言うには仕事以外の趣味をとにかく持てということでした。
【例文】:The counsellor had me become interested in something except work.
【和訳】:カウンセラーが言うには仕事以外の趣味を持てということでした。
→"get"を使うと私が仕事以外の趣味を持つのは難しいニュアンスを強調する
《主語》が自ら行動して、《目的語》を〜する……【始動、動作】
get + 目的語 + to不定詞(3)
↑
「get + 目的語 + to不定詞」は、人以外に物体を動かしたりや機械などを始動させるときによく使います。《目的語》には動かす対象の物体や機械を置きます。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + to不定詞
# 【意味】:《主語》が自ら行動して、《目的語》を〜する
似た意味を表わす『get + 目的語 + ing形(3):「〜を動かす」【始動、動作】』と比べると、「〜するのに苦労する、なかなか〜できない」というニュアンスを強調します。
【例文】:I finally got my scooter to start.
【和訳】:苦労してやっとスクーターのエンジンをかけることができた。
→エンジンがなかなか始動しなかった
【例文】:None of my family could get the jam lid to open.
【和訳】:家族のうち誰一人としてこのジャムの瓶の蓋を開けることができなかった。
→蓋は開かずじまい
主語 + get + 目的語 + 動詞のing形
「get + 目的語 + 動詞のing形」で、【命令】や【始動】の意味を持つ構文を作ります。
《主語》が命令や指示を与えて、《目的語》に〜させる……【命令、指示】
get + 目的語 + 動詞のing形(1)
↑
ニュアンスは「命令して〜させる」です。【命令、指示】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + 動詞のing形
# 【意味】:《主語》が命令や指示を与えて、《目的語》に〜させる
似た意味を表わす『get + 目的語 + to不定詞(2)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、命令や指示を与えて「〜を始めさせる、〜をスタートさせる」というニュアンスを強調することがあります。
似た意味を表わす『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(2)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、「何を」させるかではなく、「誰に」させるかを強調します。
【例文】:Don't get people sitting on the ground around here.
【和訳】:このあたりで人を地べたに座らせないで下さい。
→座らせるなという指示を与えた
【例文】:We can't go forward unless we get the sheep moving.
【和訳】:羊たちを退かせないと前進することができない。
→その場から退かせる指示を与える
「get + 目的語 + 動詞のing形」の構文の場合、『get + 目的語 + to不定詞(1)「〜させる」【お願い、依頼】』のような、比較的丁重な態度での【お願い、依頼】のニュアンスを持つことはほとんどありません。しかし、命令する態度は"make"ほど強引でもありません。
"make"のニュアンスは、"get"よりはるかに強い調子で「本人が何と言おうと無理矢理〜させる」です。
【例文】:Every morning my mom gets us drinking more milk.
【和訳】:毎朝母ちゃんはオレたちにもっと牛乳を飲んでと言う。
→命令口調で言う
【例文】:Every morning my mom makes us drink more milk.
【和訳】:毎朝母ちゃんはオレたちにもっと牛乳を飲みなさいよと言う。
→イヤとは言わせない態度で言う
「have + 目的語 + 動詞のing形」もほぼ同じ意味を表わします。"have"を使うと命令や指示を与えて「〜の状態にしておく、〜するように手配しておく」というニュアンスを強調します→【参照】:『have + 目的語 + 動詞のing形(1)「〜させる」【命令、指示】』
【例文】:Please get the children thinking and acting by themselves.
【和訳】:子供たちは自分たちだけで考えて行動させて下さい。
【例文】:Please have the children thinking and acting by themselves.
【和訳】:子供たちは自分たちだけで考えて行動させておいて下さい。
→"have"を使うとある程度の時間焚いておくニュアンスを強調する
《主語》が自ら行動して、《目的語》を〜する……【始動、動作】
get + 目的語 + 動詞のing形(2)
↑
「get + 目的語 + 動詞のing形」は、人以外に物体を動かしたりや機械などを始動させるときによく使います。《目的語》には動かす対象の物体や機械を置きます。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + 動詞のing形
# 【意味】:《主語》が自ら行動して、《目的語》を〜する
似た意味を表わす『get + 目的語 + to不定詞(3)「〜を動かす」【始動、動作】』と比べると、「始動させて〜の状態を持続させる」というニュアンスを強調します。
【例文】:I'll get mosquito coil burning because there are some mosquitoes.
【和訳】:蚊がいるから蚊取り線香を焚いておこう。
【例文】:In winter I easily catch a cold unless I get the humidifier going.
【和訳】:冬場は加湿器をかけておかないとすぐに風邪をひいてしまう。
主語 + get + 目的語 + 動詞の過去分詞
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」で、【お願い】や【命令】【被害】【完了】の意味を持つ構文を作ります。
《主語》は《目的語》に対して〜してもらう……【お願い、依頼】
get + 目的語 + 動詞の過去分詞(1)
↑
ニュアンスは「お願いして〜してもらう」です。【お願い、依頼】を表わします。自分の手に負えない作業を専門家に頼むときによく使う表現です。《目的語》にはたいてい物体や機械などを置きます。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + 動詞の過去分詞 + by 《誰か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜してもらう
前後の文脈によっては、同じ構文で【命令、指示】のニュアンスに近づくことがあります→【参照】:『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(2)「〜させる」【命令、指示】』
似た意味を表わす『get + 目的語 + 動詞のing形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』と比べると、お願いを「誰に」するかではなく、「何を」してもらうかを強調します。なので、by 《誰か》はなくてもOKです。
【例文】:I got my house retrofitted by a builder in case of an earthquake.
(= I got a builder to retrofit my house in case of an earthquake.)
【和訳】:地震に備えて自宅を業者に改築してもらった。
→頼んで改築してもらった
【例文】:I'll get my dog trained as a guide dog by a trainer.
(= I'll get a trainer to train my dog as a guide dog.)
【和訳】:うちの犬を盲導犬として専門家に訓練してもらおう。
→お願いして訓練してもらう
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(1)「誰かに〜してもらう」【お願い、依頼】』
【例文】:I had my house retrofitted by a builder in case of an earthquake.
(= I got my house retrofitted by a builder in case of an earthquake.)
【和訳】:地震に備えて自宅を業者に改築してもらった。
【例文】:I'll have my dog trained as a guide dog by a trainer.
(= I'll get my dog trained as a guide dog by a trainer.)
【和訳】:うちの犬を盲導犬として専門家に訓練してもらおう。
《主語》は《目的語》に対して〜させる……【命令、指示】
get + 目的語 + 動詞の過去分詞(2)
↑
ニュアンスは「命令して〜させる」です。【命令、指示】を表わします。《目的語》にはたいてい物体や機械などを置きます。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + 過去分詞 + by 《誰か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜させる
前後の文脈によっては、同じ構文で【お願い、依頼】のニュアンスに近づくことがあります→【参照】:『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』
似た意味を表わす『get + 目的語 + to不定詞(2)「〜させる」【命令、指示】』や『get + 目的語 + 動詞のing形(2)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、命令や指示を「誰に」与えるかではなく、「何を」させるかを強調するときによく使います。なので、by 《誰か》はなくてもOKです。
【例文】:I got my house retrofitted by a builder in case of an earthquake.
(= I got a builder to retrofit my house in case of an earthquake.)
(= I got a builder retrofitting my house in case of an earthquake.)
【和訳】:地震に備えて自宅を業者に改築させた。
→命令して改築させた
【例文】:I'll get my dog trained as a guide dog by a trainer.
(= I'll get a trainer to train my dog as a guide dog.)
(= I'll get a trainer training my dog as a guide dog.)
【和訳】:うちの犬を盲導犬として専門家に訓練させよう。
→命令して訓練させる
命令する態度は"make"ほど強引ではないという程度。"make"のニュアンスは、"get"よりはるかに強い調子で「本人が何と言おうと無理矢理〜させる」です。
【例文】:My big sister got her book report written by me.
【和訳】:姉ちゃんは自分の読書感想文を私に書かせた。
→書くように命令した
【例文】:My big sister made me write her book report.
【和訳】:姉ちゃんは自分の読書感想文を無理矢理私に書かせた。
→イヤとは言わせない態度で命令して書かせた
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(2)「〜させる」【命令、指示】』
【例文】:I had my house retrofitted by a builder in case of an earthquake.
(= I got my house retrofitted by a builder in case of an earthquake.)
【和訳】:地震に備えて自宅を業者に改築させた。
【例文】:I'll have my dog trained as a guide dog by a trainer.
(= I'll get my dog trained as a guide dog by a trainer.)
【和訳】:うちの犬を盲導犬として専門家に訓練させよう。
《主語》は《目的語》に対して〜される……【被害、損害】
get + 目的語 + 動詞の過去分詞(3)
↑
ニュアンスは「事件や事故など悪いことが原因で〜な目に遭ってしまう」です。【被害、損害】を表わします。《目的語》にはたいてい物体や機械などを置きます。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + 過去分詞 + by 《誰か、何か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜される
特に、被害や損害の原因が「誰だ、何だ」ではなく、「どんな被害だったか」を強調するときによく使います。なので、by 《誰か、何か》はなくてもOKです。
【例文】:I got the CD scratched.
【和訳】:CDを傷だらけにされた。
【例文】:I got my car bumped and the door dented.
【和訳】:車をぶつけられてドアが凹んでしまった。
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(3)「〜される」【被害、損害】』
【例文】:I had the CD scratched.
(= I got the CD scratched.)
【和訳】:CDを傷だらけにされた。
【例文】:I had my car bumped and the door dented.
(= I got my car bumped and the door dented.)
【和訳】:車をぶつけられてドアが凹んでしまった。
《主語》は《目的語》に対して〜し終える……【完了、終了】
get + 目的語 + 動詞の過去分詞(4)
↑
ニュアンスは「ある出来事や物事が原因で〜という状態になる、あることをやり終えた結果〜となる」です。【完了、終了】を表わします。《目的語》にはたいてい物体や機械などを置きます。
# 【構文】:《主語》 + get + 《目的語》 + 過去分詞 + by 《誰か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜し終える
特に、「何が完了したのか」を強調するときによく使います。なので、by 《誰か》はなくてもOKです。たいてい、「《主語》が自分で〜をし終える」ことを表わします。
【例文】:I have to get the clothes ironed and folded.
【和訳】:服にアイロンをかけてたたまないと。
→仕事をするのは主語("I")自身
【例文】:We've got the table cleared to eat cake for dessert.
【和訳】:デザートのケーキを食べるためテーブルの食器を片づけた。
→片づけたのは主語("we")自身
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(4)「〜してしまう」【完了、終了】』
【例文】:I have to have the clothes ironed and folded.
(= I have to get the clothes ironed and folded.)
【和訳】:服にアイロンをかけてたたまないと。
【例文】:We've had the table cleared to eat cake for dessert.
(= We've got the table cleared to eat cake for dessert.)
【和訳】:デザートのケーキを食べるためテーブルの食器を片づけた。