代名詞は名詞の代役
お馴染み"you"やら"they"やらです。実は《代名詞》はほかにもたくさんあります。
"somebody"や"nothing", "themselves", "these", "which"なども《代名詞》として使います。日本語では「誰か、何も〜ない、彼ら自身、これら、どれか」などが《代名詞》に相当します。
《代名詞》はどれも名詞の代役として使います。
「人称」を表わす代名詞
人称代名詞とは、しょっちゅう目にする"I"や"you", "they", "theirs"などのこと。すべての人称代名詞をまとめておきます。
主格 (〜は、〜が) | 所有格 (〜の) | 目的格 (〜に、〜を) | 所有代名詞 (〜のもの) |
||
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単数 | 一人称 | I | my | me | mine |
二人称 | you | your | you | yours | |
三人称 | he, she, it | his, her, its | him, her, it | his, hers, [*] | |
複数 | 一人称 | we | our | us | ours |
二人称 | you | your | you | yours | |
三人称 | they | their | them | theirs |
日本語とは異なり、英語では同一の名詞の繰り返しをかなり嫌がります。同じ名詞を繰り返すときは、代わりによく人称代名詞を使います。日本語の「彼」や「彼女」「それ」などは人称代名詞ですが、英語ほど頻繁には使いません。
一人称や二人称、三人称を表わすので人称代名詞です。決して「人」を表わすという意味ではありません。"it"や"they"は動物や機械なども指します。
人称代名詞"it"は仮主語などいろいろな使い方が可能です→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it"』
"mine, ours, yours, his, hers, theirs"は人称代名詞の中で特に所有代名詞と言います。その名の通り、私やあなたや第三者が所有している事物を表わします→【参照】:『人称代名詞:所有代名詞(mine, hers, etc)』
和訳のとき、間違えやすいのが"they"です。必ずしも「彼ら、彼女ら」とは限りません。「物」を指す場合、"they"の和訳は「それらは」です。
【例文】:I have lots of potted plants. They may relax me.
【 × 】:私はたくさんの鉢植えの植物を持っている。彼らは私を癒してくれるかもしれない。
【 ○ 】:私はたくさんの鉢植えの植物を持っている。それらは私を癒してくれるような気がする。
→"they" = "plants"(植物)
「〜のもの」を表わす代名詞
"mine"や"yours"などの「所有代名詞」は「独立所有格」とも言います。たいてい、前に出て来た名詞の言い換えとして使います。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | mine(私のもの) | ours(私たちのもの) |
二人称 | yours(あなたのもの)[*] | |
三人称 | his(彼のもの), hers(彼女のもの) | theirs(彼らのもの、彼女らのもの) |
【例文】:A friend of mine went to the US to study.
(= One of my friends went to the US to study.)
【和訳】:友人の一人がアメリカへ留学した。
→"mine" = "my friends"(私の友人たち)
【例文】の場合、"mine"は"my friends"の言い換えです。"a friend of my friends"と表現すると"friend"が二つ出て来てまどろっこしくなるので、"friend"を一つのみにして"a friend of mine"と短く表現します。
【例文】:Is this motorcycle yours?
(= Is this your motorcycle?)
【和訳】:このバイクは君のかな。
→"yours" = "your motorcycle"(あなたのバイク)
【例文】の場合、"yours"は"your motorcycle"の言い換えです。"your motorcycle"と表現すると"motocycle"が二つ出て来てまどろっこしくなるので、"motorcycle"を一つのみにして"yours"と短く表現します。
人称代名詞の所有格を強調する"own"
形容詞"own"は人称代名詞の所有格(my, her, etc)の前に置いて意味を強調します。
【例文】:I want my tablet.
【和訳】:自分用のタブレットが欲しい。
【例文】:I want my own tablet.
【和訳】:自分専用のタブレットが欲しい。
→"own"は所有格"my"の意味を強調する
たいてい、「人称代名詞の所有格(my, her, etc) + own + 名詞」の形で使います。"own"の前の"my"や"her"などは省略できません。
【例文】:自分専用のタブレットが欲しい。
【 × 】:I want own tablet.
【 ○ 】:I want my own tablet.
→"own"の前に"my"が必要
"own"は単独で名詞のように使うことができます。
【和訳】:自分専用のタブレットが欲しい。
【例文】:I want a tablet of my own.
(= I want my own tablet.)
→"of my own" = "of my own tablet"
【例文】:"This tablet is my own. You use your own."
(= This tablet is mine. You use yours.)
【和訳】:「このタブレットは私のです。あなたはあなたのタブレットを使って下さい」
→"my own" = "my own tablet", "your own" = "your own tablet"
自分の身体を"the"で表わす場合
自分の身体に何かが当たったと表現するとき、二種類の表現が可能です。
【例文】:おでこにボールが当たった。
【英訳】:A ball hit my forehead.
【例文】:おでこにボールが当たった。
【 × 】:A ball hit me in my forehead.
【 ○ 】:A ball hit me in the forehead.
→"in my forehead"とは言わない
【例文】を英訳する場合、前置詞の"in"で「ボールが当たった部位」を明示するとき、"my"ではなく"the"を使います。
同様に、何らかの影響が身体に及ぶことを表わす言い回しは前置詞句を使う場合、"my, your, his, her, its, their"の代わりに定冠詞(the)を使います。
【例文】:誰かが彼女の肩をポンポンと叩いた。
【 × 】:Someone patted her on her shoulder.
【 ○ 】:Someone patted her on the shoulder.
(= Someone patted her shoulder.)
【例文】:女の子は父親の手首をぎゅっと握った。
【 × 】:The girl gripped his father by his wrist.
【 ○ 】:The girl gripped his father by the wrist.
(= The girl gripped his father's wrist.)
【例文】:彼は腰が痛かった
【 × 】:He had a pain in his back.
【 ○ 】:He had a pain in the back.
【例文】:腕を切られた。
【 × 】:I was cut in my arm.
【 ○ 】:I was cut in the arm.
(= Someone cut my arm.)
【例文】:彼らは背中を押された。
【 × 】:They were pushed in their back.
【 ○ 】:They were pushed in the back.
(= Someone pushed their back.)
漠然と人々を指す
人称代名詞の"we, you, they"と不定代名詞の"one"は漠然と人々を指すことがあります。
# we(自分たちを含めて)人々は
# you(話し手と聞き手を含めて)人々は
# one(話し手と聞き手を含めて)人というものは[※やや堅苦しい言い方]
# they(話し手と聞き手以外の第三者を指して)人々は
【例文】:We have to reduce the amount of greenhouse gas emissions.
【和訳】:(私たちを含めて)人類全体が温室効果ガスの排出量を削減しなければならない。
→"we"は「人類全体は」の意味で使うことが多い
【例文】:You need an international driving permit if you drive in a foreign country.
【和訳】:(あなたも私も)外国で車を運転するのなら国際運転免許証が必要です。
→"you"は「日々の生活の中で人々は」の意味で使うことが多い
【例文】:One cannot grow without being able to accept changes.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:人というものは変化を受け入れることなしに成長することはできない。
→"one"「人というものは、人は誰でも」の意味を表わすことが多い
【例文】:They are going to build a new thermal power station.
【和訳】:(政府あるいは電力会社などが)新たに火力発電所を建設するつもりだ。
→"they"は自分たちではない第三者を表わすことが多い
"they"は"they say that 〜"の形で他人から聞いた話を表わします。"they"の代わりに"people"を使ってもほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:They say that cats have nine lives.
(= People say that cats have nine lives.)
【和訳】:猫は九つの命を持つらしい。
→"they say that 〜, people say that 〜"は伝聞(〜らしい、〜だそうだ)を表わす
主語としての"me, him, her, them"
人称代名詞の目的格(me, us, him, her, them)を主語として使うことがあります。
会話で短く返事をする場合
人称代名詞:主格(I, she, etc)の代わりに目的格(me, her, etc)を使う(1)
↑
会話で「私です」「私たちです」と動詞なしで短い返事を返す場合、"I, we"の代わりに"me, us"を使うことがあります。
【例文】:"I'm starving." "Me, too."
(= "I'm starving." "I'm starving, too.")
【和訳】:「腹減った」「私も」
【例文】:"Who's swept the fallen leaves?" "Us."
(= "Who's swept the fallen leaves?" "We did.")
【和訳】:「落ち葉を掃いてくれたのは誰かな」「私たちです」
"as, than"の次の場合
人称代名詞:主格(I, she, etc)の代わりに目的格(me, her, etc)を使う(1)
↑
比較を表わす"as, than"の次はたいてい人称代名詞の主格の代わりに人称代名詞の目的格を使います。人称代名詞の主格を使うのはやや堅苦しい表現です。
"you"と"it"は主格と目的格の語形が同じなので事実上区別をつける必要がありません。
【例文】:The children worked as hard as me.
【和訳】:子供たちは私と同じくらいよく働いた。
【例文】:The children worked as hard as I did.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:子供たちは私と同程度の働きぶりを見せてくれた。
→"as I"ではなく"as I did"とする
【例文】:Matthew is older than us.
【和訳】:マシューは私たちより年上だ。
【例文】:Matthew is older than we are.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:マシューは私たちより年齢が上だ。
→"than we"ではなく"than we are"とする
be動詞の次に置く場合
人称代名詞:主格(I, she, etc)の代わりに目的格(me, her, etc)を使う(1)
↑
be動詞の次に置いて補語として使う場合、たいてい人称代名詞の主格の代わりに人称代名詞の目的格を使います。人称代名詞の主格を使うのはやや堅苦しい表現です。
"you"と"it"は主格と目的格の語形が同じなので事実上区別をつける必要がありません。
【例文】:"Who ordered oolong tea?" "It's me."
【和訳】:「ウーロン茶を頼んだのは誰」「私」
→"It's I."とはあまり言わない
【例文】:It was him that helped me.
【和訳】:手伝ってくれたのは彼です。
【例文】:It was he who helped me.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:助力してくれたのは彼です。
→"It was 〜 that/who"は強調構文、"he"はやや堅苦しい言い方
【例文】:It was them who rescued the dog that fell in the river.
【和訳】:川に落ちた犬を救ったのは彼らです。
【例文】:It was they who rescued the dog that fell in the river.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:川に転落した犬を救助したのは彼らです。
→"It was 〜 who"は強調構文、"they"はやや堅苦しい言い方
単数の名詞や代名詞を"they, their, them"で受ける
性別不明の人物を人称代名詞で表わす場合、一人の人物を指すときも"they, their, them"をよく使います。旧来の用法では"he, his, him"、現在のやや堅苦しい書き言葉では"he or she, his or her, him or her"を使います。
普通名詞(driver, person, etc)の場合
"a driver"や"anybody"を"they"で受ける(1)
↑
性別不明の人物を表わす名詞(driver, person, etc)を人称代名詞で表わすとき、一人であっても"they, their, them"で受けることがあります。
【例文】:警察によれば、運転手は衝突事故を起したあと車を残して立ち去った。
【英訳1】:Police say a driver left his car behind after causing a crash.
【英訳2】:Police say a driver left his or her car behind after causing a crash.[※やや堅苦しい言い方]
【英訳3】:Police say a driver left their car behind after causing a crash.
【例文】の場合、立ち去った運転手(a driver)の性別は不明です。運転手の車を指し示す場合、【英訳1】【英訳2】【英訳3】の三つが可能ですが、よく使うのは【英訳3】です。運転手の車を"their car"と表現します。
【例文】:客室乗務員によれば、その乗客はフライト中自分で持ち込んだ酒を飲んでいた。
【英訳1】:The flight attendant said the passenger drank his own alcohol during the flight.
【英訳2】:The flight attendant said the passenger drank his or her own alcohol during the flight.[※やや堅苦しい言い方]
【英訳3】:The flight attendant said the passenger drank their own alcohol during the flight.
【例文】の場合、酒を飲んでいた乗客(the passenger)の性別は不明です。乗客が飲んでいた酒を指し示す場合、【英訳1】【英訳2】【英訳3】の三つが可能ですが、よく使うのは【英訳3】です。乗客の酒を"their alcohol"と表現します。
不定代名詞(anyone, nobody, etc)の場合
"a driver"や"anybody"を"they"で受ける(2)
↑
普通は単数扱いの不定代名詞(somebody, either, etc)を人称代名詞で表わすとき、"they, their, them"を使うことがあります。
【例文】:「誰かが電話をかけてきても私はいないと言って下さい」
【英訳】:"If somebody calls me, tell him I'm not here."
→正式な表現、単数の"him"で受ける
【英訳】:"If somebody calls me, tell him or her I'm not here."
→正式な表現、単数の"him or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:"If somebody calls me, tell them I'm not here."
→くだけた表現、複数の"them"で受ける、話し言葉では普通
【例文】:誰でも自分の意見を表明することは許されるべきです。
【英訳】:Anyone should be allowed to give his opinion.
→正式な表現、単数の"his"で受ける
【英訳】:Anyone should be allowed to give his or her opinion.
→正式な表現、単数の"his or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Anyone should be allowed to give their opinion.
→くだけた表現、複数の"their"で受ける、話し言葉では普通
【例文】:今ではほとんどの人が自分専用のスマートフォンを持っているでしょう。
【英訳】:Almost everybody today has his own smart phone, don't they?
→正式な表現、単数の"his"で受ける、付加疑問文は"they"で受ける
【英訳】:Almost everybody today has his or her own smart phone, don't they?
→正式な表現、単数の"his or her"で受ける、堅い書き言葉、付加疑問文は"they"で受ける
【英訳】:Almost everybody today has their own smart phones, don't they?
→くだけた表現、複数の"their"で受ける、話し言葉では普通、付加疑問文は"they"で受ける
【例文】:誰も手荷物を持っていない。
【英訳】:Nobody has his hand baggage with him.
→正式な表現、単数の"his, him"で受ける
【英訳】:Nobody has his or her hand baggage with him or her.
→正式な表現、単数の"his or her, him or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Nobody has their hand baggage with them.
→くだけた表現、複数の"their, them"で受ける、話し言葉では普通
動詞の目的語が二つある場合
動詞が目的語を二つ取る場合、原則として二つの目的語の語順は「主語 + 動詞 + 目的語(〜に) + 目的語(〜を)」です。目的語(〜に)が前、目的語(〜を)が後ろです→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文』
【例文】:息子にエレキギターを買ってやった。
【 × 】:I bought an electric guitar my son.
【 ○ 】:I bought my son an electric guitar.
→語順は"my son"(息子に)、"an electric guitar"(エレキギターを)
目的語が二つとも人称代名詞の場合(I give it to you.)
人称代名詞の語順(1)
↑
動詞の目的語が二つとも人称代名詞の場合、前置詞の"to, for"を使うのが普通です。前置詞なしで人称代名詞を二つ並べるのはやや不自然→【参照】:『ゼロから始める動詞:「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文』
# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + to + 人称代名詞(I give it to you.)
# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + for + 人称代名詞(I make it for you.)
【例文】:使っていないノートパソコンがあります。それをあなたにあげますよ。
【 △ 】:I have an unused laptop. I gave you it.
【 △ 】:I have an unused laptop. I gave it you.
【 ○ 】:I have an unused laptop. I gave it to you.
【例文】を英訳する場合、「それをあなたに」は"it to you"とするのが普通です。"to"なしの"you it"や"it you"はやや不自然。
【例文】:自分たちで食物を育てて自分たちのためにそれを調理しています。
【 △ 】:We grow our food and cook us it.
【 △ 】:We grow our food and cook it us.
【 ○ 】:We grow our food and cook it for us.
【例文】を英訳する場合、「自分たちのためにそれを」は"it for us"とするのが普通です。"for"なしの"us it"や"it us"はやや不自然。
目的語が所有代名詞と人称代名詞の場合(I lend you mine.)
人称代名詞の語順(2)
↑
動詞の二つの目的語が人称代名詞と所有代名詞(mine, his, etc)の場合、前置詞なしで「人称代名詞(me, her, etc) + 所有代名詞(mine, his, etc)」とするのが普通です→【参照】:『ゼロから始める動詞:「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文』
# 主語 + 動詞 + 人称代名詞 + 所有代名詞(I lend you mine.)
【例文】:自転車を持ってないの。私のをあなたに貸してあげますよ。
【 × 】:You don't have a bike? I lend mine you.
【 △ 】:You don't have a bike? I lend mine to you.
【 ○ 】:You don't have a bike? I lend you mine.
【例文】を英訳する場合、「私のをあなたに」は"you mine"とするのが普通です。"to"付けた"mine to you"はやや不自然。"mine you"は「私のにあなたを」の意味になってしまいます。
【例文】:あなたが自分の歌を歌ってくれました。今度は私が自分のをあなたに歌います。
【 × 】:You sang me your song. I'll sing mine you.
【 △ 】:You sang me your song. I'll sing mine for you.
【 ○ 】:You sang me your song. I'll sing you mine.
【例文】を英訳する場合、「自分のをあなたに」は"you mine"とするのが普通です。"for"付けた"mine for you"はやや不自然。"mine you"は「私のにあなたを」の意味になってしまいます。
前に出て来た語句の代役ではない"it"
"it"が前に出て来たほかの語句の言い換えではなく、漠然と天気や時間などを表わすことがあります。この場合、たいてい"it"を「それ」と和訳すると不自然になります。
"it"の意味が「それ」ではない使い方をまとめます。
「天気、天候、気候、空模様、気象状態」を表わす"it"
日本語では「雨が降る、風が強い」のように、「雨」や「風」などの天候の状態を表わす語句を主語に使います。英語ではたいてい、天候の状態を表わすときは主語に"it"を使います。
天気や天候を表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【動詞】:rain(雨が降る), snow(雪が降る), etc
「天気、天候、気候、空模様、気象状態」を表わす"it"(1)
↑
気象を表わす動詞の中で、「天気、天候」の"it"を主語に使う主なものをまとめます。
【例文】:It's been drizzling for a week. During the morning it was misting.
【 × 】:それは一週間雨がシトシト降り続いている。それは午前中はずっと霧雨が降っていた。
【 ○ 】:一週間雨がシトシト降り続いている。午前中はずっと霧雨が降っていた。
→"it"は和訳しない
【例文】:It's just sprinkling now, but it poured until an hour ago.
【 × 】:それは小雨が降っているがそれは一時間前までは大雨だった。
【 ○ 】:今は小雨が降っているだけだが、一時間前までは大雨だった。
→"it"は和訳しない
【例文】:It is hailing and thundering outside. I hear it'll sleet tomorrow.
【 × 】:それは外は雷が鳴り、雹(ひょう)が降っている。明日はそれは霙(みぞれ)が降るそうだ。
【 ○ 】:外は雷が鳴り、雹(ひょう)が降っている。明日は霙(みぞれ)が降るそうだ。
→"it"は和訳しない
【例文】:It stormed all day yesterday. It froze last night.
【 × 】:それは昨日は一日中大荒れの天気だった。それは昨日の夜は底冷えした。
【 ○ 】:昨日は一日中大荒れの天気だった。昨日の夜は底冷えした。
→"it"は和訳しない
"lighten"はたいてい"thunder"と一緒に使います
【例文】:If it starts to thunder or lighten, we'd better go inside.
【 × 】:それは電がゴロゴロ鳴り出したり、稲光りがし始めたら、屋内に逃げたほうがいいよ。
【 ○ 】:電がゴロゴロ鳴り出したり、稲光りがし始めたら、屋内に逃げたほうがいいよ。
→"it"は和訳しない
【例文】:It thundered and lightened for hours on the summit.
【 × 】:それは山頂では何時間も雷鳴が轟き稲光りが走り続けた。
【 ○ 】:山頂では何時間も雷鳴が轟き稲光りが走り続けた。
→"it"は和訳しない
大雨を表わす"pelt, pour, teem"はいずれも"with rain"を追加することがあります。意味に変化はありません。いずれもたいてい進行時制で使います。
【例文】:It's been pelting (with rain) since early this morning.
【例文】:It's been pouring (with rain) since early this morning.
【例文】:It's been teeming (with rain) since early this morning.
【和訳】:早朝からずっとザーザー降りだ。
→"it"は和訳しない、"with rain"を追加することがある
【例文】:It will thaw tomorrow.
【和訳】:明日は寒さが緩むでしょう。
→"it"は和訳しない
【形容詞】:hot(暑い), cold(寒い), etc
「天気、天候、気候、空模様、気象状態」を表わす"it"(2)
↑
気象を表わす形容詞の中で、「天気、天候」の"it"を主語に使う主なものをまとめます。多くの単語は建物の中や部屋の中の寒暖や乾燥、湿潤を表わすこともできます。【例】:It's humid in this room.(この部屋は蒸し暑い)
【例文】:It's a bit chilly in this room, but we don't need to turn the heater on.
【 × 】:それはこの部屋はちょっとひんやりするけれど、暖房を入れるほどではない。
【 ○ 】:この部屋はちょっとひんやりするけれど、暖房を入れるほどではない。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was windy last night. Outside it's blustery and freezing.
【 × 】:それは昨日の夜は風が強かった。外はそれは強風が吹き荒れ、凍てつくように寒い。
【 ○ 】:昨日の夜は風が強かった。外は強風が吹き荒れ、凍てつくように寒い。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was foggy in the morning but it is sunny and getting warm.
【 × 】:今朝、それは霧が深かったが、それは日が照っていて暖かくなってきた。
【 ○ 】:朝方は霧が出ていたが、今は日が射して暖かくなってきた。
→"it"は和訳しない
【例文】:It's cloudier today than yesterday. It was stuffy and muggy in the factory.
【 × 】:それは今日は昨日より雲が多い。それは工場内は息苦しくて蒸し暑かった。
【 ○ 】:今日は昨日より雲が多い。工場内は息苦しくて蒸し暑かった。
→"it"は和訳しない
【例文】:It's damp inside because it's been wet for a few days outside.
【 × 】:それは数日間外は雨が降っているのでそれは部屋の中はジメジメしている。
【 ○ 】:数日間外は雨が降っているので、部屋の中はジメジメしている。
【例文】:It's dry in winter. It has been dry for several weeks.
【 × 】:それは冬は空気が乾燥する。それは数週間雨が降っていない。
【 ○ 】:冬は空気が乾燥する。数週間雨が降っていない。
→"it"は和訳しない
暑さを表わす"boiling(うだるように暑い), sweltering(うだるように暑い), roasting(焼け付くように暑い), scorching(焼けるように暑い)"はいずれも"hot"を追加することがあります。意味に変化はありません。
【例文】:It's boiling (hot) during the day, but cool when twilight comes.
【例文】:It's sweltering (hot) during the day, but cool when twilight comes.
【和訳】:日中はうだるように暑いが、暗くなってくると涼しい。
→"it"は和訳しない、"hot"を追加することがある
【例文】:It was roasting (hot) during the day, but it's breezy after sunset.
【例文】:It was scorching (hot) during the day, but it's breezy after sunset.
【和訳】:日中はジリジリと焼けるように暑かったが、日が沈むと気持ち良い風が吹いてきた。
→"it"は和訳しない、"hot"を追加することがある
「気温、温度」を表わす"it"
日本語では「気温は28度だ、外は零下だ」のように、「気温」や「気温」を測った場所などを主語に使います。英語ではたいてい、気温を表わすときは主語に"it"を使います。
気温や温度を表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
屋内や屋外の特定の場所が「暖かい、寒い」などを表わすときも主語に"it"を使います→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【天気、天候】:It's snowing.(雪が降っている):【形容詞】:hot(暑い), cold(寒い), etc』
【例文】:It's twenty eight degrees celsius in this room.
【 × 】:それはこの部屋の中で摂氏28度だ。
【 ○ 】:この部屋の気温は摂氏28度だ。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was under zero celsius outside last night.
【 × 】:それは昨日の夜外で摂氏ゼロ度以下だった。
【 ○ 】:昨日の夜、外の気温は摂氏0度を下回った。
→"it"は和訳しない
「距離、長さ、間隔」を表わす"it"
日本語では距離を表現する場合、「ここから駅まで一キロある」と言います。英語では主語に"it"を使って、"It is one kilometer from here to the station."と表現します。「〜キロある」に釣られて"there is 〜"は不可。
【例文】:地球から太陽までの距離は約一億五千万キロメートルあります。
【 × 】:There is about 150 million kilometers from the earth to the sun.
【 ○ 】:It is about 150 million kilometers from the earth to the sun.
→距離は"it"で表わす
距離を表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:How far is it to the nearest subway station? It's about 300 meters.
【 × 】:それは最寄りの地下鉄の駅まではどれくらいですが。それは約三百メートルほどです。
【 ○ 】:最寄りの地下鉄の駅まではどれくらいですが。約三百メートルほどです。
→"it"は和訳しない
「時間、時刻」を表わす"it"
日本語では時刻を表わす場合、「今は八時だ」のように「今」など時を表わす語句を主語に使うことがあります。英語ではたいてい主語に"it"を使います。
【例文】:今はちょうど夜中の十二時だ。
【 × 】:Now is twelve o'clock in the night.
【 ○ 】:It is twelve o'clock in the night.
→時刻は"it"で表わす
時間や時刻を表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:What time is it now? It's nearly ten thirty.
【 × 】:それは今は何時ですか。それはほとんど十時半だ。
【 ○ 】:今何時ですか。もうすぐ十時半だ。
→"it"は和訳しない
【例文】:It is ten years since I graduated from college.
(= Ten years have passed since I graduated from college.)
【 × 】:大学を卒業してからそれは十年だ。
【 ○ 】:大学を卒業して十年になる。
→"it"は和訳しない
「曜日、日にち、月、年」を表わす"it"
日本語では「曜日、日にち、月、年」を表わす場合、「今日は日曜日だ」「今は七月だ」のように「今日」や「今」など時を表わす語句を主語に使うことがあります。英語ではたいてい主語に"it"を使います。特に、質問の「何月ですか、何曜日ですか」に答えるときは、"it"を主語に使うのが普通です。
曜日や日にちを表わす"it"は前に出て来た語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:今日は何曜日ですか。今日は金曜日です。
【 △ 】:What day is it today? Today is Friday.
【 ○ 】:What day is it today? It's Friday.
【例文】:今日は何日ですか。今日は四月一日です。
【 △ 】:What date is it today? Today is April 1st.
【 ○ 】:What date is it today? It's April 1st.
【例文】:今は何月ですか。今月は十一月です。
【 △ 】:What month is it now? This month is November
【 ○ 】:What month is it now? It's November.
【例文】:今年は何年ですか。今年は2000年です。
【 △ 】:What year is it? This year is 2000.
【 ○ 】:What year is it? It's 2000.
その場の状況や様子を表わす"it"
"it"が漠然とその場の状況や様子を表わすことがあります。ほかに主語に置くものがないので取り敢えず"it"を主語に置いて、状況や様子のくわしい説明はたいていthat節を使います。
その場の状況や様子を表わす"it"を主語に使える動詞は比較的少数なので、ここでまとめます。どの動詞も主語に"it"を使いますが、"it"を「それ」と和訳することはありません。
仮主語の"it"と違うところは、"it"が後ろに出てくるthat節の代役ではないところです。"it"の代わりにthat節を主語に置くと、文全体の意味が不明になります。
【例文】:あなたが正しいようだ。
【 × 】:That you are right seems.
【 ○ 】:It seems that you are right.
→"it"はその場の状況を指す、仮主語ではない
【例文】:あなたが正しいことは明らかだ。
【 ○ 】:That you are right is obvious.
【 ○ 】:It is obvious that you are right.
→"it"は仮主語、"that you are right"を指す
appear:it appears that 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(1)
↑
"it appears that 〜は意味は「(主に見かけから判断して)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It appears that my hamsters are fond of their new house.
(= My hamsters appear to be fond of their new house.)
【 × 】:それはハムスターたちは新しい家が気に入ったようだ。
【 ○ 】:ハムスターたちは新しい家が気に入ったようだ。
→"it"は和訳しない
"appear"の場合、"that"の代わりに"as if, as though"も使えます。"as if, as though"の次は仮定法を使わなくてもOK→【参照】:『仮定法と条件どちらも可能:as if 〜, as though 〜』
【例文】:It appears as if my hamsters are fond of their new house.
【例文】:It appears as though my hamsters are fond of their new house.
【 × 】:それはハムスターたちは新しい家が気に入ったようだ。
【 ○ 】:ハムスターたちは新しい家が気に入ったようだ。
→"it"は和訳しない
look:it looks as if/as though 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(2)
↑
"it looks as if 〜, it looks as though 〜"の意味は「(主に見かけから判断して)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
"that"を使った"it looks that 〜"という構文は通例、使いません。
【例文】:It looks as if the rainy season has passed.
【例文】:It looks as though the rainy season has passed.
【 × 】:それは梅雨が明けたようだ。
【 ○ 】:梅雨が明けたようだ。
→"it"は和訳しない
"look"の場合、"as if, as though"の代わりに"like"も使えます。ただし、"it looks like 〜"はくだけた言い方です。
【例文】:It looks like the rainy season has passed.[※くだけた言い方]
(= It looks as if the rainy season has passed.)
(= It looks as though the rainy season has passed.)
【 × 】:それは梅雨が明けたようだ。
【 ○ 】:梅雨が明けたようだ。
→"it"は和訳しない
seem:it seems that 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(3)
↑
"it seems that 〜の意味は「(自分の判断にやや自信がないので断定を避けて)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It seems that I didn't catch flu.
(= I didn't seem to have caught flu.)
【 × 】:それはインフルエンザにかかったわけではないようだ。
【 ○ 】:インフルエンザにかかったわけではないようだ。
→"it"は和訳しない
"seem"の場合、"that"の代わりに"like, as if, as though"も使えます。"as if, as though"の次は仮定法を使わなくてもOKです→【参照】:『仮定法と条件どちらも可能:as if 〜, as though 〜』
【例文】:It seems like I didn't catch flu.
【例文】:It seems as if I didn't catch flu.
【例文】:It seems as though I didn't catch flu.
(= I didn't seem to have caught flu.)
【 × 】:それはインフルエンザにかかったわけではないようだ。
【 ○ 】:インフルエンザにかかったわけではないようだ。
feel:it feel like 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(4)
↑
"it feels like 〜の意味は「(自分の判断にやや自信がないので断定を避けて)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It felt like it was going to shower soon.
【 × 】:それはすぐにもにわか雨が降りそうだった。
【 ○ 】:すぐにもにわか雨が降りそうだった。
→"it"は和訳しない
"feel"の場合、"like"の代わりに"as if, as though"も使えます。"as if, as though"の次は仮定法を使わなくてもOKです→【参照】:『仮定法と条件どちらも可能:as if 〜, as though 〜』
"that"を使った"it feels that 〜"という構文はありません。
【例文】:It felt as if it was going to shower soon.
【例文】:It felt as though it was going to shower soon.
【 × 】:それはすぐにもにわか雨が降りそうだった。
【 ○ 】:すぐにもにわか雨が降りそうだった。
→"it"は和訳しない
sound:it sounds like 〜(〜のようだ)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(5)
↑
"it sounds like 〜の意味は「(自分の判断にやや自信がないので断定を避けて)〜のようだ」です。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It sounds like one of the plane's engines have failed.
【 × 】:それは飛行機のエンジンが一基故障したようです。
【 ○ 】:飛行機のエンジンが一基故障したようです。
→"it"は和訳しない
"sound"の場合、"lik"の代わりに"as if, as though"も使えます。"as if, as though"の次は仮定法を使わなくてもOKです→【参照】:『仮定法と条件どちらも可能:as if 〜, as though 〜』
"that"を使った"it sounds that 〜"という構文はありません。
【例文】:It sounds as if one of the plane's engines have failed.
【例文】:It sounds as though one of the plane's engines have failed.
【和訳】:飛行機のエンジンが一基故障したようです。
→"it"は和訳しない
follow:it follows that 〜(〜という結果になる)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(6)
↑
"it follows that 〜"は物事が当然そうなることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It doesn't necessarily follow that slim people are light eaters.
【 × 】:それはやせているから少食であるとは必ずしも言えない。
【 ○ 】:やせているから少食であるとは必ずしも言えない。
→"it"は和訳しない
happen:it happens that 〜(偶然〜する)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(7)
↑
"it happens that 〜"は意図的ではなくたまたまそうなることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It happened that I was out that day.
(= I happened to be out that day.)
【 × 】:それはその日はたまたま外出していた。
【 ○ 】:その日はたまたま外出していた。
→"it"は和訳しない
turn out:it turns out that 〜(〜だとわかる)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(8)
↑
"it turns out that 〜"は意外な事実が判明することを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It turned out that the grenade was just a toy.
【 × 】:それはその手榴弾はただのおもちゃだと判明した。
【 ○ 】:その手榴弾はただのおもちゃだと判明した。
→"it"は和訳しない
come out:it comes out that 〜(〜だとわかる)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(9)
↑
"it comes out that 〜"は隠された事実が明らかになることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It came out that ten of teachers and students had contracted tuberculosis.
【 × 】:それは先生と生徒の合わせて十人が結核に感染していることがわかった。
【 ○ 】:先生と生徒の合わせて十人が結核に感染していることがわかった。
→"it"は和訳しない
emerge:it emerges that 〜(〜だと判明する)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(10)
↑
"it emerges that 〜"は調査や研究などで新たな事実が判明することを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It emerged that the missing airliner had been hijacked.
【 × 】:それは行方不明機は実はハイジャックされたと判明した。
【 ○ 】:行方不明機は実はハイジャックされたと判明した。
→"it"は和訳しない
transpire:it transpires that 〜(〜であることが明らかになる)
間違えやすい人称代名詞の"it"(6):状況や様子を表わす"it"(11)
↑
"it transpires that 〜"は隠された事実が明らかになることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It later transpired that the city councilor had been arrested for drunk driving.
【 × 】:それはその市議会議員は過去に飲酒運転で逮捕されていたことが後に明らかになった。
【 ○ 】:その市議会議員は過去に飲酒運転で逮捕されていたことが後に明らかになった。
→"it"は和訳しない
強調構文を表わす"it"
"it"が強調構文の主語を表わすことがあります。強調構文は別のコーナーでくわしく扱っています→【参照】:『ゼロから始める強調構文』
強調構文の場合、"it"は次に強調する語句が来るよという目印なので、"it"を和訳する必要はありません。
【例文】:It is wind power that we should adopt as an eco-friendly power generation.
【 × 】:それは風力発電こそ私たちが環境にやさしい発電として採用すべきです。
【 ○ 】:風力発電こそ環境にやさしい発電として採用すべきです。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was only a few days ago that I started using the Internet.
【 × 】:それは私がインターネットを使い始めたのはほんの数日前だ。
【 ○ 】:私がインターネットを使い始めたのはほんの数日前だ。
→"it"は和訳しない
"it"は後ろに意味上の主語があることを示す目印
"it"が仮主語を表わすことがあります。仮主語は形式主語とも言います。
【例文】:The flu has spread widely. It is important to wash our hands before eating.
【 × 】:インフルエンザが大流行しています。それは食事の前に手を洗うことは重要です。
【 ○ 】:インフルエンザが大流行しています。食事の前に手を洗うことは重要です。
【例文】の場合、"it"の意味は「それは」ではありません。
"it"は前のセンテンスや語句を指すわけではなく、意味的には"it" = "to wash our hands before eating"です。なので、"to wash our hands before eating"を主語の位置に置くこともできます。
【例文】:インフルエンザが大流行しています。食事の前に手を洗うことは重要です。
【英訳】:The flu has spread widely. To wash our hands before eating is important.
ただし、英語ではto不定詞やthat節を主語として文の先頭に置くのをたいてい嫌います。なので、とりあえず主語の位置に"it"のみを置いて、後ろに意味上の主語が来る目印とします。
【例文】:インフルエンザが大流行しています。食事の前に手を洗うことは重要です。
【 △ 】:The flu has spread widely. To wash our hands before eating is important.
【 ○ 】:The flu has spread widely. It is important to wash our hands before eating.
→"it"は仮主語、意味上の主語が後ろに来ることを表わす
おそらく、英語では語数が多くて長い主語を不自然と感じるので、長くなりがちなto不定詞やthat節の主語を避けると思われます→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、長い主語が嫌い』
仮主語の"it"は和訳不要
仮主語の"it"には具体的な意味が存在しないので和訳も不要です→【参照】:『仮主語の"it":意味上の主語が別に存在することを表わす』
仮主語の"it"を「それ」と和訳するとかえって不自然です。和訳のときは、仮主語の"it"の後ろに語数的に長い意味上の主語が来ることを知らせる単なる目印と考えればたいていOKです。
【例文】:It is tiring to repeat the same thing over and over again.
(= To repeat the same thing over and over again is tiring.)
【 × 】:それは同じことを何度も何度も繰り返すのは飽き飽きする。
【 ○ 】:同じことを何度も何度も繰り返すのは飽き飽きする。
→"it"は和訳しない
【例文】の場合、to不定詞(= To repeat the same thing over and over again)を主語にするよりも、仮主語の"it"を使うほうが英語としてナチュラルです。和訳はto不定詞を主語にして「同じことを何度も何度も繰り返すのは」です。
【例文】:It is a pity that my foutune slip is great curse.
(= That my foutune slip is great curse is a pity.)
【 × 】:それはおみくじが大凶なのは悲しい。
【 ○ 】:おみくじが大凶なのは悲しい。
【例文】の場合、that節(= that my foutune slip is great curse)を主語にするよりも、仮主語の"it"を使うほうが英語としてナチュラルです。和訳はthat節を主語にして「おみくじが大凶なのは」です。
仮主語"it"を使う構文
よく見かける仮主語"it"の構文をまとめます。意味上の主語はたいていto不定詞やthat節で表わします。
仮主語"it"を使う"take"
"take"は仮主語"it"を使って「必要な時間、努力、労力」などを表わすことができます。意味上の主語はたいていto不定詞を使います。お金が必要なときは"cost"を使います→【参照】:『It costs 「費用」 to 〜.(〜するには「費用」が必要だ)』
【例文】:学校まで歩いて三十分かかります。
【 △ 】:To go to school on foot takes me thirty minutes.
【 ○ 】:It takes me thirty minutes to go to school on foot.
【 ○ 】:It takes thirty minutes for me to go to school on foot.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:小説を一本書き上げるには膨大な努力が必要だ。
【 △ 】:To complete a single novel takes me immense effort.
【 ○ 】:It takes me immense effort to complete a single novel.
【 ○ 】:It takes immense effort for me to complete a single novel.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:自分のミスを認めるには相当な勇気が必要だ。
【 △ 】:To admit our own mistakes takes much courage.
【 ○ 】:It takes much courage to admit our own mistakes.
→"it"は和訳しない
【例文】:十人がかりで横転した車を元にもどした。
【 △ 】:To push the overturned car upright took ten people.
【 ○ 】:It took ten people to push the overturned car upright.
→"it"は和訳しない
仮主語"it"を使う"cost"
"cost"は仮主語"it"を使って「必要な金銭の額、費用」を表わすことができます。意味上の主語はたいていto不定詞を使います。時間や努力が必要なときは"take"を使います→【参照】:『It takes 「時間」 to 〜.(〜するには「時間」が必要だ)』
【例文】:このロールケーキは八千円もした。
【 △ 】:To buy this Swiss roll cost me eight thousand yen.
【 ○ 】:It cost me eight thousand yen to buy this Swiss roll.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:原子炉一機を廃炉にするには巨額の費用が必要だ。
【 △ 】:To decomission a nuclear reactor costs a great deal of money.
【 ○ 】:It costs a great deal of money to decomission a nuclear reactor.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
仮主語"it"を使う他動詞
"surprise"や"please"など感情を表わす他動詞の一部は、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていthat節やwhy 〜, how 〜で表わします。that節やwhy 〜, how 〜の代わりにto不定詞を使うこともあります。
【例文】:二十時間も寝てたなんてびっくりだ。
【 △ 】:That you slept for twenty hours amazes me.
【 ○ 】:It amazes me that you slept for twenty hours.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない、"that 〜 hours"は意味上の主語
意味上の主語がthat節やwhy 〜, how 〜などで長くなる場合はたいてい、文の先頭に仮主語の"it"を置いて、意味上の主語は動詞の目的語の次に置きます。英語ではなるべく主語の語数を短くします→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、長い主語が嫌い』
【例文】:It staggers me that the next president is a man who had repeated xenophobic and racist remarks.
(= That the next president is a man who had repeated xenophobic and racist remarks staggers me.)
【和訳】:排他主義で人種差別的な発言を繰り返して来た人物が次期大統領とは唖然とさせられる。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It greatly surprised me to find a roach creeping away in the bathroom.
(= To find a roach creeping away in the bathroom greatly surprised me.)
【例文】:It greatly surprised me that I found a roach creeping away in the bathroom.
(= That I found a roach creeping away in the bathroom greatly surprised me.)
【和訳】:風呂場でゴキブリがコソコソと逃げて行ったのを見てぎょっとした。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It puzzles me why politicians don't listen to common people.
【和訳】:なぜ政治家は庶民の話に耳を傾けてくれないのか理解に苦しむ。
→"it"は和訳しない
【例文】:It upsets us to hear that a bear attacked a man in a nearby woods.
(= To hear that a bear attacked a man in a nearby woods upsets us.)
【和訳】:近所の森で男性が熊に襲われたと聞いて動揺が広がっている。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It really alarms me that people are losing the memories of past disasters.
(= That people are losing the memories of past disasters really alarms me.)
【和訳】:過去の災害の記憶を人々が忘れつつあるのは本当に不安だ。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It greatly concerns me that earthquakes have frequently occurred in my hometown.
【和訳】:故郷で地震が頻発しているのが非常に不安だ。
(= That earthquakes have frequently occurred in my hometown greatly concerns me.)
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It utterly disgusts me that several thousand tons of unsold food is disposed of every day.
(= That several thousand tons of unsold food is disposed of every day utterly disgusts me.)
【和訳】:毎日数千トンも売れ残りの食料が捨てられていることはきわめて不愉快だ。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It always angers me to see a cyclist hurtling down the sidewalk.
(=To see a cyclist hurtling down the sidewalk always angers me.)
【和訳】:自転車が歩道を暴走しているのを見るといつも腹が立つ。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It irritates me that my cat often scratches the door.
(= That my cat often scratches the door irritates me.)
【和訳】:飼い猫がしょっちゅうドアを爪でガリガリやるのは頭に来る。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It appalled me that I thought about how badly the boy had been bullied at school.
(= That I thought about how badly the boy had been bullied at school appalled me.)
【和訳】:少年が学校でどれほどひどいいじめを受けていたかを考えるとぞっとしました。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It horrifies me to think that the meteor would have fallen in a residential area.
(= To think that the meteor would have fallen in a residential area horrifies me.)
【和訳】:隕石が住宅街を直撃していたらと思うとゾッとする。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It distressed me that children and even adults participate in cyber-bullying.
(= That children and even adults participate in cyber-bullying distressed me.)
【和訳】:子供だけでなく大人までもがネット上でいじめを行っていることに悲しくなった。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It pains me to see young children with masks playing outdoors.
【和訳】:小さい子供たちがマスクをつけたまま外で遊んでいるのを見るとつらいものがあります。
→"it"は和訳しない
【例文】:It pleases me that several thousand people visit my blog every day.
(= That several thousand people visit my blog every day pleases me.)
【和訳】:毎日何千人もの人が私のブログを見に来てくれるのでうれしい。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It always gratifies me to see students receive their diplomas from the principal on the stage.
(= To see students receive their diplomas from the principal on the stage always gratifies me.)
【和訳】:生徒が壇上で校長先生から卒業証書を受け取るところはいつ見ても喜ばしいことだ。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:It impressed me that there was no victim though the intensity of the earthquake was seven.
(= That there was no victim though the intensity of the earthquake was seven impressed me.)
【和訳】:地震の震度が7だったにもかかわらず犠牲者はゼロだったことに感動した。
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
仮主語"it"を使う動詞やイディオム
"occur"や"strike"など考えが頭の中に浮かぶことを表わす自動詞やイディオムの一部は、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていthat節で表わします。that節の代わりにto不定詞を使うこともあります。
意味上の主語がthat節で長くなる場合はたいてい、文の先頭に仮主語の"it"を置いて、意味上の主語は動詞の目的語の次に置きます。英語ではなるべく主語の語数を短くします→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、長い主語が嫌い』
【例文】:It never occurred to me that the transportation expenses of the part-time job was paid.
【和訳】:アルバイトの交通費が出るとは思いも寄らなかった。
→"it"は和訳しない
"it occurs to A that 〜"は突然何かを思いつくことや不意に何かを思い出すことを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It never came to me that guide dogs were not allowed to enter.
【和訳】:盲導犬の入場が許されないとは思いも寄らなかった。
→"it"は和訳しない
"it comes to A that 〜"は何かを思いつくことや何かを思い出すことを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It suddenly struck me that this ship might sink.
【和訳】:この船は沈むかもしれないという考えが不意に頭に浮かんだ。
→"it"は和訳しない
【例文】:It strikes me that nobody wants to study from home instead of going to school for classes.
【和訳】:学校に行って授業を受ける代わりに自宅で授業を受けることを誰も望んでいないように感じられる。
→"it"は和訳しない
"it strikes A that 〜"は他者に対して何らかの印象を持ったことを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It crossed my mind that the president might be impeached for the leak of official secrets.
【和訳】:大統領が機密漏洩のため弾劾されるかもしれないという思いが頭をよぎった。
→"it"は和訳しない
"it crosss A's mind that 〜"は考えや不安などが頭の中をよぎることを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
【例文】:It eventually dawned on us that nuclear power does not bring so much benefit to us.
【和訳】:原子力は人類に対してそれほどの利益をもたらすものではないことがようやくわかってきた。
→"it"は和訳しない
"it dawns on A that 〜"はそれまでわからなかったことが急に理解できたことを表わします。主語の"it"は前や後ろに出て来る語句を指すわけではないので「それ」と和訳する必要はありません。
"dawn"のもともとの意味は「夜が明ける、日が昇って来て一日が始まる」です。
受動態で仮主語"it"を使う動詞
間違えやすい人称代名詞の"it"(15)仮主語の"it":It's thought that 〜.(〜であると思われる)(1)
↑
"think"や"know"など人間の思考や行動を表わす動詞の一部は、受動態で仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていthat節や"what 〜", "how 〜"などで表わします→【参照】:『受動態の作り方:「動詞 + that節」(thinkやsay)の場合』
【例文】:It is thought that the universe was born about 15 billion years ago.
(= The universe is thought to have been born about 15 billion years ago.)
【和訳】:宇宙は約百五十億年前にできたと考えられている。
→"it"は和訳しない、"that 〜ago"は意味上の主語
意味上の主語がthat節やwhy 〜, how 〜などで長くなる場合はたいてい、文の先頭に仮主語の"it"を置いて、意味上の主語は動詞の次に置きます。誰が考えたのか、誰が言ったのかを意図的に伏せるとき、不明なとき、あるいは特に言う必要がないときによく使う表現です。
「it is + 動詞の過去分詞形 + that節」の形が使える動詞の一部は、「there is + 過去分詞」も使えます→【参照】:『ゼロから始めるthere構文:there + 受動態(there is thought + to不定詞)』
【例文】:It is presumed that the driver had already fainted when the crash happened.
【和訳】:衝突事故が起こったとき、すでに運転手は気を失っていたと考えられます。
→"it"は和訳しない
【例文】:It is feared that the whole island had been covered with volcano ash after the eruption.
(= The whole island is feared to have been covered with volcano ash after the eruption.)
【和訳】:噴火後島全体が火山灰に覆われたのではないかと危ぶまれている。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was later discovered that the giant panda was male.
(= The giant panda was later discovered to be male.)
【和訳】:後になってそのパンダはオスであることがわかった。
→"it"は和訳しない
【例文】:It is widely known that natto has health benefits.
(= Natto is widely known to have health benefits.)
【和訳】:納豆が健康によいことはよく知られている。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was anticipated that the coral reefs would continue bleaching due to high sea temperature.
(= The coral reefs were anticipated to continue bleaching due to high sea temperature.)
【和訳】:海水温が高いためサンゴの白化現象が今後も続くと予想された。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was concluded that the photograph of a UFO was fake.
【和訳】:このUFOが写った写真は偽ものであると結論づけられた。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was reported that the election was rigged.
(= The election was reported to be rigged.)
【和訳】:選挙で不正が行われたと報道されている。
→"it"は和訳しない
【例文】:In a recent survey, it is stated that one out of six children suffers from poverty.
(= In a recent survey, one out of six children is stated to suffer from poverty.)
【和訳】:最近の調査によると、子供の六人のうち一人は貧困に苦しんでいると言われる。
【例文】:It was suggested that a drone be used to investigate the volcano crater.
【和訳】:火口を調べるためにドローンを使ってみてはという提案がなされた。
→"it"は和訳しない
"suggest"や近い意味を表わす"advise, propose, recommend"は提案を表わすので、that節内はたいてい仮定法現在を使います→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:that節で仮定法:【提案】を表わす動詞:suggest, propose, advise, recommend』
【例文】:It is alleged that secondhand smoking is more harmful than firsthand.
(= Secondhand smoking is allged to be more harmful than firsthand.)
【和訳】:間接喫煙は直接喫煙よりも有害だという主張がある。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was demanded that every country markedly reduce the amount of plastic waste.
【和訳】:各国はプラスチックゴミに関して目に見えるほどの大幅削減を求められた。
→"it"は和訳しない
"demand"は要求を表わすので、that節内はたいてい仮定法現在を使います→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:that節で仮定法:【要求】を表わす動詞:ask, beg, demand, desire, insist, request, require』
【例文】:It was decided that students use tablets instead of textbooks.
【和訳】:生徒たちは教科書の代わりにタブレットを使うことが決定した。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was resolved that a flying boat loaded with food and water be send to the devastated country.
【和訳】:被災した国に水と食料を積んだ飛行艇を派遣することが決定した。
→"it"は和訳しない
"decide, resolve"は決定を表わすので、that節内で仮定法現在を使うことがあります→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:that節で仮定法:【決定】を表わす動詞(decide, resolve)』
【例文】:It was agreed that we would continue to ask for donation for the earthquake victims.
【和訳】:地震の被災者のための義援金は引き続き募集することで意見が一致した。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was disclosed that the terrorists had demanded a huge ransom for the hostage release.
【和訳】:テロリストたちは人質解放のために巨額の身代金を要求していたことが明らかになった。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was later shown that the virus was not transmitted from a pet to a person.
(= The virus was shown not to be transmitted from a pet to a person.)
【和訳】:後になってそのウイルスはペットからヒトへの感染はしないことが証明された。
→"it"は和訳しない
【例文】:It is widely admitted that climate change will impact agriculture and food production.
【和訳】:気候変動が農業と食料生産に影響を与えるだろうということは広く認められています。
→"it"は和訳しない
【例文】:It must be conceded that thousands of birds are killed annually by wind turbines.
【和訳】:毎年何千羽もの鳥が風力発電の風車で命を落していることは認めざるをえない。
→"it"は和訳しない
【例文】:It shouldn't be forgotten that trade war benefits no one.
【和訳】:貿易戦争で得するものなどいないということは忘れてはならない。
→"it"は和訳しない
【例文】:It is hoped that the Olympics and politics will be kept separate.
【和訳】:オリンピックと政治は切り離しておくのが望ましい。
→"it"は和訳しない
【例文】:It was not intended that the group of demonstrators be shot.
【和訳】:デモ隊への発砲は意図したものでなかった。
→"it"は和訳しない
"intend"は意図を表わすので、that節内で仮定法現在を使うことがあります→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:that節で仮定法:【意図】を表わす動詞:intend』
仮主語"it"を使う名詞
"pity(残念)"や"wonder(驚き)"など感情を表わす名詞は仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていthat節で表わします。
"pity(残念), shame(残念), surprise(驚き)"は意味上の主語をto不定詞で表わすこともあります→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's a fun to 〜.(〜するのは楽しい)』
【例文】:幹部連中が事故の責任を認めようとしないのはきわめて遺憾だ。
【 △ 】:That the executive officers evaded the responsibility for the accident is a great pity.
【 ○ 】:It is a great pity that the executive officers evaded the responsibility for the accident.
(= It is a great pity for the executive officers to evade the responsibility for the accident.)
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:飲酒運転によるひき逃げ事故が発生したのは誠に残念だ。
【 △ 】:To hear a drunk driver caused some hit-and-run accident is a real shame.
【 ○ 】:It is a real shame that I hear some drunk driver caused a hit-and-run accident.
(= It is a real shame to hear some drunk driver caused a hit-and-run accident.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:ウチの猫が半年ぶりに帰って来て心底おどろいた。
【 △ 】:That our cat came home after six months absence was a great wonder.
【 ○ 】:It was a great wonder that our cat came home after six months absence.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:転校するって聞いてびっくりしたよ。
【 △ 】:To hear that you will transfer is a surprise.
【 ○ 】:It is a surprise that I hear you will transfer.
(= It is a surprise to hear you will transfer.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:あれほどの大噴火で犠牲者もけが人もいなかったことは奇跡だ。
【 △ 】:That nobody was killed or injured in the massive eruption is a miracle.
【 ○ 】:It is a miracle that nobody was killed or injured in the massive eruption.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:その脱線事故でけが人や犠牲者が出なくてよかった。
【 △ 】:That nobody got killed or hurt in the derailment was a good thing.
【 ○ 】:It was a good thing (that) nobody got killed or hurt in the derailment.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない、"that"はよく省略する
【例文】:いつもより早いバスに乗って来たのがよかったね。
【 △ 】:That you took an earlier bus than usual was a good job.
【 ○ 】:It was a good job (that) you took an earlier bus than usual.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない、"that"はよく省略する
仮主語"it"を使う名詞
"fun(楽しみ)"や"duty(義務)"など人の様子や状況を表わす名詞は仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はたいていto不定詞で表わします。to不定詞の主語を"for 〜"で表わすこともあります。
"pity(残念), shame(残念), surprise(驚き)"は意味上の主語をthat節で表わすこともあります→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's a pity that 〜. (〜であるのは残念だ)』
【例文】:友達とも会わずじっと家にいるのはひどくつまらない。
【 △ 】:To stay home without seeing friends is no fun.
【 ○ 】:It is no fun to stay home without seeing friends.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:小さいころおじいちゃんの家に行くのがすごく楽しみだった。
【 △ 】:When I was a little kid, to visit my grandfather's house was a real treat.
【 ○ 】:When I was a little kid, it was a real treat to visit my grandfather's house.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:複数の企業が売れ残りの服を焼却処分にしているのはひどく残念だ。
【 △ 】:For some companies to burn unsold clothes is a deep shame.
【 ○ 】:It is a deep shame for some companies to burn unsold clothes.
(= It is a deep shame that some companies have burned unsold clothes.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:私たちの学校が来年で創立百周年というのを知ってちょっとびっくりした。
【 △ 】:For me to know that our school will be 100 years old next year was a slight surprise.
【 ○ 】:It was a slight surprise for me to know that our school will be 100 years old next year.
(= It was a slight surprise that I know that our school will be 100 years old next year.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:コンピューターで仕事をするときは習慣的にコンタクトを外して眼鏡をかけます。
【 △ 】:To wear glasses instead of contact lenses when working at a computer is my custom.
【 ○ 】:It's my custom to wear glasses instead of contact lenses when working at a computer.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:庶民の声に耳を傾けることが政治家の務めだ。
【 △ 】:To listen to the voice of common people is the duty of politicians.
【 ○ 】:It is the duty of politicians to listen to the voice of common people.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:不愉快な気分にさせるつもりはありませんでした。
【 △ 】:To make you feel uncomfortable was not my intention.
【 ○ 】:It was not my intention to make you feel uncomfortable.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:日本ではうどんやラーメンを食べるとき、ずるずる音をたてるのはマナー違反ではありません。
【 △ 】:To make slurping noises while eating udon or ramen is not bad manners in Japan.
【 ○ 】:It's not bad manners in Japan to make slurping noises while eating udon or ramen.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
仮主語"it"とto不定詞、that節のどちらも使える形容詞
"important"や"essential"など「物事の状況や状態」を表わす形容詞の一部は、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はto不定詞やthat節で表わします→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + that節」』『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」』
さらにくわしくは別のコーナーにまとめています。
"important"や"essential"など重要性や不可欠を表わす形容詞は意味上の主語をto不定詞を使ってもthat節を使っても文全体の意味はほぼ同じです。"possible, impossible"は意味上の主語がto不定詞かthat節かで意味が変化します。
"important"や"essential"など重要性や不可欠を表わす形容詞はthat節の中で仮定法現在を使うことがあります→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:【不可欠】を表わす形容詞(essential, vital, urgent)』
【例文】:雪や氷の上を歩くときは安全のため歩幅を小さくすることが大切だ。
【 △ 】:For you to take small steps for safety on snow and ice is important.
【 ○ 】:It's important for you to take small steps for safety on snow and ice.
【 △ 】:That you take small steps for safety on snow and ice is important.
【 ○ 】:It's important that you take small steps for safety on snow and ice.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:あなたの場合、人の話をきちんと聞くことが一番大切です。
【 △ 】:For you to listen carefully to what others tell you is very vital.
【 ○ 】:It is very vital for you to listen carefully to what others tell you.
【 △ 】:That you should carefully listen to what others tell you is very vital.
【 ○ 】:It is very vital that you should carefully listen to what others tell you.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:子供たちが勉強よりも遊びを好むのはごく当たり前のことだ。
【 △ 】:For children to prefer playing to studying is only natural.
【 ○ 】:It is only natural for children to prefer playing to studying.
【 △ 】:That children prefer playing to studying is only natural.
【 ○ 】:It is only natural that children prefer playing to studying.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
【例文】:家が学校に近いと何かと便利だ。
【 △ 】:For us to live near the school is extremely convenient.
【 ○ 】:It is extremely convenient for us to live near the school.
【 △ 】:That we live near the school extremely convenient.
【 ○ 】:It is extremely convenient that we live near the school.
→仮主語"it"を使うほうが普通、"it"は和訳しない
"possible, impossible"は後ろにto不定詞を置くか、that節を置くかで意味が変化します。
to不定詞を使うと「能力」を表わして意味は「〜することができる、〜することができない」です。that節を使うと「可能性」を表わして意味は「〜がありうる、〜がありえない」です。
【例文】:一日に十五種類の野菜を食べることは充分に可能だ。
【 × 】:It is quite possible that we eat fifteen kinds of vegetables a day.
【 ○ 】:It is quite possible for us to eat fifteen kinds of vegetables a day.
【例文】:一日に十五種類の野菜を食べることはまったくもって不可能だ。
【 × 】:It is completely impossible that we eat fifteen kinds of vegetables a day.
【 ○ 】:It is completely impossible for us to eat fifteen kinds of vegetables a day.
→"possible, impossible"で「できる、できない」を表わす場合、that節は不可
【例文】:誰かがあなたの暗証番号を盗んだ可能性は充分にある。
【 × 】:It is quite possible for someone to have stolen your passowrd.
【 ○ 】:It is quite possible that someone stole your passowrd.
【例文】:誰かがあなたの暗証番号を盗んだ可能性はまったくない。
【 × 】:It is absolutely impossible for anyone to have stolen your passowrd.
【 ○ 】:It is absolutely impossible that anyone stole your passowrd.
→"possible, impossible"で「ありうる、ありえない」を表わす場合、to不定詞は不可
仮主語"it"とthat節使う形容詞
"obvious"や"likely"など「物事の状況や状態」を表わす形容詞の一部は、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はもっぱらthat節で表わします→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + that節」』
さらにくわしくは別のコーナーにまとめています→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + that節」:仮主語"it"が可能(good that, etc)』『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + that節」:仮主語"it"も"it"以外も可能(clear that, etc)』
「it is + 形容詞 + that節」の形が使える形容詞の一部は「there is + 形容詞(there is likely 〜)」も使えます→【参照】:『ゼロから始めるthere構文:there is + 形容詞(there is likely 〜)』
【例文】:子供たちを守るために警官が発砲したことは私の目にはきわめて明らかでした。
【 × 】:It was quite clear to me for the policeman to fire to protect the children.
【 △ 】:That the policeman fired to protect the children was quite clear to me.
【 ○ 】:It was quite clear to me that the policeman fired to protect the children.
→it is clear + to不定詞は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
【例文】:そんなに大きな看板が落ちて来て誰もけがをしなかったのは幸運以外の何ものでもない。
【 × 】:It was very fortunate for nobody to get hurt when that large billboard fell.
【 △ 】:That nobody got hurt when that large billboard fell was very fortunate.
【 ○ 】:It was very fortunate that nobody got hurt when that large billboard fell.
→it is fortunage + to不定詞は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
【例文】:誰も私のことを覚えていないのは充分にありうる。
【 × 】:It is very likely for nobody to remember me.
【 △ 】:That nobody remembers me is very likely.
【 ○ 】:It is very likely that nobody remembers me.
→it is likely + to不定詞は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
【例文】:世界中で洪水や干ばつなどの異常気象が多発しているのは間違いない。
【 × 】:It is certain for abnormal weather such as floods or droughts to often occur around the world.
【 △ 】:That abnormal weather such as floods or droughts often occurs around the world is certain.
【 ○ 】:It is certain that abnormal weather such as floods or droughts often occurs around the world.
→it is certain + to不定詞は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
仮主語"it"とto不定詞を使う形容詞
"difficult"や"dangerous"などの形容詞で「物事の状況や状態が人にとってどうなのか」を表わすとき、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はもっぱら「for 〜 + to不定詞」で表わします。→【参照】:『よく使う形容詞の構文「It + be動詞 + 形容詞 + for + to不定詞」』
さらにくわしくは別のコーナーにまとめています→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」:仮主語"it"が可能("for"を使う:important for A to, etc)』『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」:仮主語"it"が可能("for"も"of"も使う:bad for/of, etc)』
物事ではなく「人の様子や性格、行ないを評価して良い、悪いなど」を判断するときは、前置詞"for"の代わりに"of"を使います→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's careless of A to 〜.(Aが〜することは不注意だ)』
【例文】:ここの川の水は料理に使っても問題ない。
【 × 】:It is safe that we use the river water for cooking.
【 △ 】:For us to use the river water for cooking is safe.
【 ○ 】:It is safe for us to use the river water for cooking.
→it is safe + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
【例文】:スズメバチを見てびっくりして大声を上げるのは危険です。
【 × 】:It is dangerous that you cry out in terror when you see hornets.
【 △ 】:To cry out in terror when you see hornets is dangerous.
【 ○ 】:It is dangerous for you to cry out in terror when you see hornets.
→it is dangerous + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
【例文】:寿司を百個食べるなんて朝飯前だ。
【 × 】:It is very easy that I eat a hundred pieces of sushi.
【 △ 】:For me to eat a hundred pieces of sushi is very easy.
【 ○ 】:It is very easy for me to eat a hundred pieces of sushi.
→it is easy + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
【例文】:両国が軍拡競争をエスカレートさせるのはまったくの無駄である。
【 × 】:It is utterly pointless for both countries to escalate an arms race.
【 △ 】:For both countries to escalate an arms race is utterly pointless.
【 ○ 】:It is utterly pointless for both countries to escalate an arms race.
→it is pointless + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
【例文】:この時期に台風が接近するのはきわめてまれだ。
【 × 】:It is extremely unusual that a typhoon approaches at this time of year.
【 △ 】:For a typhoon to approach at this time of year is extremely unusual.
【 ○ 】:It is extremely unusual for a typhoon to approach at this time of year.
→it is unusual + that節は不可、仮主語"it"を使う、"it"は和訳しない
仮主語"it"とto不定詞を使う形容詞
"careful"や"wise"などの形容詞で「人の様子や性格、行ないを評価して良い、悪いなど」を判断するとき、仮主語"it"を使うことがあります。意味上の主語はもっぱら「of 〜to不定詞」で表わします→【参照】:『よく使う形容詞の構文「It + be動詞 + 形容詞 + of + to不定詞」』
さらにくわしくは別のコーナーにまとめています→【参照】:『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」:仮主語"it"が可能("of"を使う:careless of A to, etc)』『よく使う形容詞の構文「主語 + 動詞 + 形容詞 + to不定詞」:仮主語"it"が可能("for"も"of"も使う:bad for/of, etc)』
前置詞に"of"を使う形容詞はたいてい、仮主語の"it"を使わずに「主語 + is + 形容詞 + to不定詞」の構文も使えます。仮主語の"it"を使わないと、面と向かってはっきりと言うニュアンスを強調します。
【例文】:It is silly of you to ride a motorcycle without a helmet.
【和訳】:ヘルメットなしでバイクに乗るのはばかげている。
【例文】:You are silly to ride a motorcycle without a helmet.
【和訳】:あなたがヘルメットなしでバイクに乗るなんてばかげている。
「物事の状況や状態が人にとってどうなのか」を表わすときは、前置詞"of"の代わりに"for"を使います→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's hard for A to 〜.(Aが〜することはむつかしい)』
【例文】:テレビに出ている自称専門家の話を信用するなんてばかげている。
【 × 】:It is foolish that you trust what self-appointed experts said on television.
【 ○ 】:It is foolish of you to trust what self-appointed experts said on television.
(= You are foolish to trust what self-appointed experts said on television.)
→it is foolish + that節は不可
【例文】:政府が福祉の拡充のために増税するというのは信用ならないだろう。
【 × 】:It would be dishonest that the government will increase taxes to boost welfare.
【 ○ 】:It would be dishonest of the government to increase taxes to boost welfare.
→it is dishonest + that節は不可
【例文】:女性に年齢を尋ねるのはかなり失礼ですよ。
【 × 】:It is quite impolite that you ask woman's age.
【 ○ 】:It is quite impolite of you to ask woman's age.
(= You are quite impolite to ask woman's age.)
→it is impolite + that節は不可
【例文】:財布を持って来ないなんてうっかりしてる。
【 × 】:It is careless that you have left your wallet home.
【 ○ 】:It is careless of you to leave your wallet home.
【例文】:そのレストランは子供用の食器と椅子を用意してくれてすごく親切だった。
【 × 】:It was really nice that the restaurant provided child's tableware and a baby high chair.
【 ○ 】:It was really nice of the restaurant to provide child's tableware and a baby high chair.
仮目的語を表わす"it"
"think"や"make"などの動詞は仮目的語の"it"を使うことがあります。仮目的語は形式目的語とも言います。
【例文】:I think it hard to predict earthquakes.
【 × 】:地震の予知のそれはむつかしいと思う。
【 ○ 】:地震を予知することはむつかしいと思う。
【例文】の場合、"it"は仮目的語として機能します。「それ」という意味はありません。意味上の本当の目的語は"to predict earthquakes"(地震を予知すること)です。
なぜ、わざわざ仮目的語を置くのか。
それは、to不定詞やthat節などを目的語として使うのを嫌う場合があるからです。特に、「主語 + 動詞 + 目的語 + 補語」の場合、目的語にto不定詞やthat節などを置くと構文がわかりにくくなります。なので、仮目的語の"it"を先に目印として置いておき、意味上の目的語を"it"の後ろに置きます。
【例文】:地震を予知することはむつかしいと思う。
【 × 】:I think to predict earthquakes hard.
【 ○ 】:I think it hard to predict earthquakes.
(= I think that it is hard to predict earthquakes.)
【例文】を英訳すると、"think"の目的語はto不定詞の"to predict earthquakes"(地震を予知すること)、補語は"hard"(むつかしい)です。
"think"の次に目的語の"to predict eathquakes"を置いて"hard"のみを文末にポツンと置くと、目的語が長すぎて英語としては文の構造がわかりにくくなります。なので、とりあえず目的語の位置に"it"を置いて、後ろに意味上の目的語が来る目印とします。そして、"it"の次に補語の"hard"、その次に意味上の目的語(to predict earthquakes)をつなげます。
仮目的語"it"の意味は「それ」ではない
仮目的語の"it"には具体的な意味が存在しないので和訳は不要です→【参照】:『【仮目的語】:意味上の目的語が別に存在することを表わす』
仮目的語の"it"を「それ」と和訳するとかえって不自然。和訳のときは、後ろに語数的に長い意味上の目的語が来る目印と考えればたいていOKです。
【例文】:I believe it very dangerous to stay here without wearing a hazmat suit.
(= I believe that it is very dangerous to stay here without wearing a hazmat suit.)
【 × 】:防護服を着用せずにこの場に留まるそれをきわめて危険であると思います。
【 ○ 】:防護服を着用せずにこの場に留まるのはきわめて危険であると思います。
→"it"は和訳しない
【例文】の場合、"it"は仮目的語です。意味上の目的語は"to stay here without wearing a hazmat suit"(防護服を着用せずにこの場に留まること)です。"very dangerous"は補語、"to stay here without wearing a hazmat suit"(防護服を着用せずにこの場に留まること)の説明として機能します。"it"は和訳しません。
【例文】:I thought it highly unlikely that I would get full marks in mathematics.
(= I thought that it was highly unlikely that I would get full marks in mathematics.)
【 × 】:数学で百点を取るなんてそれを絶対にありえないと思っていた。
【 ○ 】:数学で百点を取るなんて絶対にありえないと思っていた。
→"it"は和訳しない
【例文】の場合、"it"は仮目的語です。意味上の目的語は"that I would get full marks in mathematics"(数学のテストで百点を取ること)です。"highly unlikely"は補語、"that I would get full marks in mathematics"(数学のテストで百点を取ること)の説明として機能します。"it"は和訳しません。
語数的に長い目的語
語数的に長くなりがちなthat節、to不定詞、動名詞、what節などが補語付きで目的語に来る場合、仮目的語の"it"をよく使います。いずれの場合でも仮主語"it"は和訳しません→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":仮目的語の"it"は和訳しない』
目的語がthat節の場合
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(26):【仮目的語】:仮目的語の構文(1)
↑
動詞の目的語がthat節の場合、仮目的語を使うことがあります。
【例文】:そのロボットがあまりに人間そっくりだったので子供たちは気味が悪いと思った。
【 × 】:The children thought that that the robot too much resembled a human being weird.
【 ○ 】:The children thought it weird that the robot too much resembled a human being.
(= The children thought that it was weird that the robot too much resembled a human being.)
→"thought"の意味上の目的語がthat節、補語は"weird"
補語の"weird"のみを文末にポツンと置くと英文として構文がわかりにくくなります。なので、構文をわかりやすくするために仮目的語の"it"を前に置いて、その次に補語の"weird"と意味上の目的語のthat節("that the robot too much resembled a human being")を置きます。
目的語がto不定詞の場合
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(26):【仮目的語】:仮目的語の構文(2)
↑
動詞の目的語がto不定詞の場合、仮目的語を使うことがあります。
【例文】:紙をリサイクルすることは環境に非常に良いことだと思います。
【 × 】:I think to recycle paper very good for the environment.
【 ○ 】:I think it very good for the environment to recycle paper.
(= I think that it is very good for the environment to recycle paper.)
→"think"の意味上の目的語がto不定詞、補語は"very good for the environment"
補語の"very good for the environment"のみを文末にポツンと置くと英文として構文がわかりにくくなります。なので、構文をわかりやすくするために仮目的語の"it"を前に置いて、その次に補語の"very good for the environment"と意味上の目的語のto不定詞("to recycle paper")を置きます。
目的語が動名詞の場合
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(26):【仮目的語】:仮目的語の構文(3)
↑
【例文】:砂浜を裸足で歩くと気持ちいいことに気づいた。
【 × 】:I found walking barefoot on the sandy beach comfortable.
【 ○ 】:I found it comfortable walking barefoot on the sandy beach.
(= I found that it was comfortable walking barefoot on the sandy beach.)
→"found"の意味上の目的語が動名詞、補語は"comfortable"
補語の"comfortable"のみを文末にポツンと置くと英文として構文がわかりにくくなります。なので、構文をわかりやすくするために仮目的語の"it"を前に置いて、その次に補語の"comfortable"と意味上の目的語の動名詞("walking barefoot on the sandy beach")を置きます。
目的語がwhat節の場合
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(26):【仮目的語】:仮目的語の構文(4)
↑
動詞の目的語がwhat節の場合、仮目的語を使うことがあります。
【例文】:ビルが崩壊した原因を市は住民に対して明らかにする必要がある。
【 × 】:The city needs to make to the residents what caused the collapse of the building clear.
【 ○ 】:The city needs to make it clear to the residents what caused the collapse of the building.
→"make"の意味上の目的語がwhat節、補語は"clear"
補語の"clear"のみを文末にポツンと置くと英文として構文がわかりにくくなります。なので、構文をわかりやすくするために仮目的語の"it"を前に置いて、その次に補語の"clear"と意味上の目的語のwhat節("what caused the collapse of the building")を置きます。
仮目的語はそんなには使わない
仮目的語の"it"を使う動詞はごく少数です。
【例文】:I consider it unwise to fight power with power.
【和訳】:力に力で対抗するのは賢いとは思えない。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to fight 〜 power"
【例文】:We consider it natural that the country should be imposed economic sanctions.
【和訳】:その国が経済制裁を受けるのは当然だと思われている。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"that 〜 sanctions"
【例文】:The citizens feel it urgent to flee from the war to neighboring countires.
【和訳】:市民は戦火を避けて隣国に逃れるのが急務だと感じている。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to flee 〜 countries"
【例文】:We found it impossible to lift up the sunken ship.
【和訳】:その沈没した船を引き上げるのは不可能だとわかった。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to lift 〜 ship"
【例文】:I found it rather pleasant living alone in an isolated island.
【和訳】:孤島での一人暮らしはけっこう快適であることがわかった。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"living 〜 island"
【例文】:I think it a little strange that Lucy hasn't replied.
【和訳】:ルーシーから返信がないのはちょっと不思議に思う。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"that 〜 replied"
【例文】:Some parents may think it troublesome to answer the questions of their children.
【和訳】:子供たちの質問に答えるのは面倒だと考える親がいるかもしれない。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to answer 〜 children"
【例文】:I think it best keeping the chain lock on at night.
【和訳】:夜間にはチェーンロックを掛けておくのが一番いいと思う。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"keeping 〜 night"
【例文】:I want to keep it obvious that this is a painting, not a photo.
【和訳】:はっきりさせておきたいのはこれが写真ではなく絵であることです。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"that 〜 photo"
【例文】:Technology will make it possible that people can easily travel to the Moon and Mars.
【和訳】:科学技術のおかげで人々は月や火星に気軽に旅行できるようになるだろう。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"that 〜Mars"
【例文】:Some countries have made it mandatory for young people to enroll in military service.
【和訳】:一部の国では若者が兵役に服することを義務としている。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"to enroll 〜 service"
【例文】:We have to make it clear what data has been leaked.
【和訳】:どのようなデータが漏れたのかはっきりさせる必要がある。
→"it"は仮目的語、意味上の目的語は"what 〜leaked"
イディオムでも【仮目的語】:仮目的語の"it"は和訳しない
仮目的語"it"を使うイディオムをまとめます。どのイディオムでも"it"は後ろに意味上の目的語が来るという目印なので、"it"を「それ」と和訳することはありません。
I would appreciate it if 〜(〜してくれればありがたい)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(1)
↑
【例文】:I would appreciate it if you could keep this secret.
【 × 】:これを秘密にしておいたら私はそれを評価します。
【 ○ 】:このことは秘密にしておいてもらえますか。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"if 〜 secret"を指します。"it"は和訳しません。"I would appreciate it if you could"(〜してくれればありがたい)は、他人に物事を丁寧に頼むときの決まり文句の一つです。
主語 + have it that 〜(主語は〜である言う)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(2)
↑
【例文】:The report has it that oil will be depleted within forty years.
(= The report says that oil will be depleted within forty years.)
【 × 】:その報告書はそれを持ち石油は四十年以内に枯渇する。
【 ○ 】:その報告書によれば、石油は四十年以内に枯渇する。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 years"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + leave it to A 〜(主語は〜することをAに任せる)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(3)
↑
【例文】:Don't leave it to children to flee to an evacuation center.
【 × 】:子供たちに避難所へ避難することをそれに任せてはいけない。
【 ○ 】:子供たちだけで避難所へ避難させてはいけない。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"to flee 〜 center"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + like it when 〜(主語は〜であることが好きだ)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(4)
↑
"like"の代わりに"love"を使うこともあります。
【例文】:I like it when it's foggy in the morning.
【例文】:I love it when it's foggy in the morning.
【 × 】:朝に霧が出ているときそれが好きです。
【 ○ 】:霧の濃い朝が好きです。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"when 〜 morning"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + hate it when 〜(主語は〜であることが嫌いだ)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(5)
↑
【例文】:I hate it when a car smells of a strong air freshener.
【 × 】:車が強い芳香剤のにおいがするとき私はそれを嫌います。
【 ○ 】:車に乗ったとき芳香剤の臭いが強いのは嫌いです。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"when 〜 freshener"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + make it a rule to 〜(主語は習慣的に〜することにしている)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(6)
↑
【例文】:I make it a rule to drink coffee without cream and sugar.
【 × 】:私はそれを規則を作りクリームと砂糖なしのコーヒーを飲む。
【 ○ 】:コーヒーにはミルクも砂糖も入れないことにしている。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"to drink 〜 sugar"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + owe it to A + to不定詞(主語はAに対して〜する義務がある)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(7)
↑
to不定詞は主語がAに対して「してやらなければならない義務」を表わします。to不定詞の主語は文全体の主語と同じです。
【例文】:We owe it to future generations to solve the problem of nuclear waste.
【 × 】:私たちはそれを核のゴミ問題の解決することは未来の世代に負っている。
【 ○ 】:これからの世代のためにも我々は核のゴミ問題を解決しなければならない。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"to solve 〜 waste"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + owe it to A + that節(主語が〜であるのはAのおかけだ)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(8)
↑
that節は主語がAから「過去にしてもらったことの結果」を表わします。
【例文】:I owe it to my doctor that I have been able to play soccer again.
【 × 】:私がそれをまたサッカーができるのは医者に負っている。
【 ○ 】:またサッカーができるのは医者のおかげです。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 again"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + see to it that 〜(主語が〜であるように取り計らう)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(9)
↑
【例文】:We'll see to it that each student in class is allocated a tablet.
【 × 】:クラスの生徒たち一人一人にタブレットを配布するようにそれを手配します。
【 ○ 】:クラスの生徒たち一人一人にタブレットを配布するように手配します。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 tablet"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + take it that 〜(主語は〜であることを受け止める)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(10)
↑
【例文】:I take it that our teacher comes from Kyoto.
【 × 】:私はそれを先生は京都出身であることを取る。
【 ○ 】:先生は京都出身だと思うよ。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 Kyoto"を指します。"it"は和訳しません。
主語 + take it for granted that 〜(主語は〜であることを当り前だと思う)
人称代名詞:間違えやすい人称代名詞の"it"(27):仮目的語を使うイディオム(11)
↑
【例文】:My daughter took it for granted that I would buy her a smartphone.
【 × 】:私の娘はそれを取って与えられるために私が彼女にスマートフォンを買うだろう。
【 ○ 】:娘はてっきり私にスマートフォンを買ってもらえると思い込んでいた。
"it"は仮目的語です。意味上の目的語"that 〜 smartphone"を指します。"it"は和訳しません。
不定代名詞は断定を避けた表現
意外に見かける不定代名詞。"somebody"や"something", "another"などのこと。
たいていの場合、不定代名詞は断定を避けた物の言い方です。特に誰かさん限定の話と言うわけではなく、正確なことがわからないのでちょっとあいまいなままに話を進めたり、正体がなんだかよくわからないものについて語るときによく使います。
日本語でも「誰か、何か、みんな、全部、どちらか、どちらも」などの表現があります。不定代名詞はこれらと似たようなニュアンスを持ちます。
同種の人やものの追加を表わす"another"
another(もう一人、もう一つ)
不定代名詞:another(1)
↑
"another"のニュアンスは「同じ種類の人やものを追加で一つ」あるいは「別の人やものを代わりに一つ」です。複数の人やものを表わすときは"others"を使います→【参照】:『不定代名詞:other(別の人、別のもの)』
【例文】:We have two children and we want another.
(= We have two children and we want one more child.)
【和訳】:子供は二人いますが、あと一人欲しい。
【例文】:The restaurant is closed today. I'll find another.
(= The restaurant is closed today. I'll find a different restaurant.)
【和訳】:レストランは今日が店休日だった。別の店を探そう。
語源が"an" + "other"なので"another"は必ず単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です→【参照】:『必ず単数扱いの不定代名詞"another"』
【例文】:別のを持って来ましょう。大きめなものです。
【 × 】:I'll take you another. They are a larger one.
【 ○ 】:I'll take you another. It is a larger one.
→"another"は単数扱いなので、単数形の"it is"を使う
one 〜, another 〜(一人は〜、別の一人は〜)
不定代名詞:another(2)
↑
"another"はよく"one"とペアで使います。一対一の対比を表わします。意味は「一人は〜、もう一人は〜」「一つは〜、別の一つは〜」です→【参照】:『不定代名詞"one"の意味:"one"と"another, the other"』
【例文】:One likes seafood, but another hates it.
【和訳】:(二人いるうち)一人が海産物を好きでも、もう一人は嫌いだ。
→"one" = "one person", "another" = "another person"
【例文】:How many times have you changed from one school to another?
【和訳】:何回ぐらい学校を替わりましたか。
→"another" = "another school"
一人や一つではなく複数の人やものを表わすときは"some"と"others"を使います→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:some 〜, others 〜(〜もいれば、〜もいる)』
【例文】:Some like horror movies, others like action movies.
【和訳】:ホラー映画を好きな人もいればアクション映画を好きな人もいる。
→"some" = "some people", "others" = "other people"
「another + 単数名詞」(もう一人の〜、もう一つの〜)
不定代名詞:another(3)
↑
「another + 単数名詞」が可能です。"another"の意味は「もう一人の〜、もう一つの〜」なので、次に置く名詞はたいてい単数形です。
【例文】:もう一杯コーヒーが欲しい。
【 × 】:I want another cups of coffee.
【 ○ 】:I want another cup of coffee.
→"another cups"は不可
【例文】:また別の日に会いましょう。
【 × 】:We shall meet another days.
【 ○ 】:We shall meet another day.
→"another days"は不可
「another + 名詞」もよく"one"とペアで使います。
【例文】:One person's trash may be another person's treasure.
【和訳】:ある人にとってはごみでも別の人にとっては宝物かもしれない。
→"another"は形容詞
「another + 単数名詞」(第二の〜)
不定代名詞:another(4)
↑
「another + 単数名詞」で特徴が酷似した別人や別物を表わすことがあります。和訳は「第二の〜、〜二世、〜の後継者」が可能です。
【例文】:I wonder if there has been another Einstein?
【和訳】:果たしてアインシュタイン二世は現われたのだろうか。
→"another Einstein"(アインシュタインと同等の能力を持つ科学者)
【例文】:Scientists are searching for another Earth.
【和訳】:科学者は第二の地球を探し続けている。
→"another earth"(地球とよく似た特徴を持つ惑星)
「another + 複数名詞」(もうひとまとまりの〜)
不定代名詞:another(5)
↑
"another"の語源は"an" + "other"なので、次に置く名詞はたいてい単数形です。ただし、すでに存在する分に対して追加を表現するときは「another + 名詞の複数形」を使います。
【例文】:I've ordered to arrange another five security guards at the airport.
【和訳】:空港に警備員をもう五人追加で配置するよう命じた。
→すでに警備員は五人が配置ずみで、さらに五人を追加する
【例文】:I wonder if human beings can survive another thousands years.
【和訳】:果たして人類はあと数千年を生き延びることができるであろうか。
→すでに数千年は生き延びてきたが、あと数千年を生き延びる
"another"を使うイディオム
不定代名詞:another(6)
↑
"another"を使うイディオムをまとめます。
one another(お互い)
不定代名詞:another:"another"を使うイディオム(1)
↑
"one another"のニュアンスは「二人以上の人や動物などのお互い」です。相互に何らかの影響を与えることを暗示します。"each other"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:each other(お互い)』
"one another"も"each other"も名詞として使うので、"We help one another/each ohter."(お互いに助け合う)のように動詞や前置詞の目的語としてよく使います。
【例文】:Seven people trapped in the basement have helped one another and survived a week.
(= Seven people trapped in the basement have helped each other and survived a week.)
【和訳】:地下室に閉じ込められた七人はお互いに助け合って一週間を生き延びた。
【例文】:I found two cats glaring at one another on the bench.
(= I found two cats glaring at each other on the bench.)
【和訳】:ベンチの上で二匹の猫がにらみ合っていた。
one after another(一つまた一つ)
不定代名詞:another:"another"を使うイディオム(2)
↑
"one after another"のニュアンスは「複数の人やものが次から次へと」です。"one after the other"もほぼ同じ意味を表わします。どちらも副詞として使います→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:one after the other(一つまた一つ)』
【例文】:My pet chipmunk was eating acorns one after another.
(= My pet chipmunk was eating acorns one after the other.)
【和訳】:私のペットのシマリスはどんぐりを次から次へと食べていた。
→"acorns"(どんぐり)は複数形を使う
"one"の次に名詞を置くことも可能です。前にoneがあるので名詞は単数形を使います。
【例文】:My pet chipmunk was eating one acorn after another.
(= My pet chipmunk was eating one acorn after the other.)
【和訳】:私のペットのシマリスはどんぐりを次から次へと食べていた。
→"acorn"(どんぐり)は単数形を使う
one way or another(何とかして)
不定代名詞:another:"another"を使うイディオム(3)
↑
"one way or another"のニュアンスは「具体的な方法はわからないがとにかく」です。副詞として使います。"one way or the other"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:one way or the other(何とかして)』
【例文】:We have to stop them attacking civilians one way or another.
(= We have to stop them attacking civilians one way or the other.)
【和訳】:何とかして市民への攻撃を止めさせなければならない。
yet another(さらにもう一つ)
不定代名詞:another:"another"を使うイディオム(4)
↑
"yet another"のニュアンスは「すでに存在するけれどさらにまたもう一つ」です。"yet"は"another"の意味を強調します。
【例文】:A hundred or more people were injured in yet another attack on civilians.
【和訳】:またもや民間人が攻撃を受けて百人以上が負傷した。
A is one thing B is another(AはAだ、BはBだ)
不定代名詞:another:"another"を使うイディオム(5)
↑
"A is one thing B is another"のニュアンスは「AはAであるに過ぎないし、BはBであるに過ぎない、AとBは別の物事だ」です。"another"を形容詞として使う"A is one thing B is another matter"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:Speaking a foreign language is one thing and writing it is another entirely.
(= Speaking a foreign language is one thing and writing it is another matter entirely.)
【和訳】:外国語を話すということと書くということはまったく別のことである。
for one thing, for another(一つには、もう一つには)
不定代名詞:another:"another"を使うイディオム(6)
↑
"for one thing, for another"のニュアンスは「二つある原因や理由などのうち一つには〜、もう一つには〜」です。"another"を形容詞として使う"for one thing, for another thing"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I hate smoking. For one thing, it smells bad. For another, cigarette butts can cause a fire.
(= I hate smoking. For one thing, it smells bad. For another thing, cigarette butts can cause a fire.)
【和訳】:たばこは大嫌いです。一つには煙がくさいし、もう一つは吸殻が火事の原因になることがあるからです。
「その他」を表わす"other"
other(別の人、別のもの)
不定代名詞:other(1)
↑
"other"のニュアンスは「別の人、同じ種類の別のもの」です。「別の人、別のもの」は一つでも二つ以上でもOKです。"other"は"another"とは異なり、複数形の"others"で複数の人やものを表わすことができます→【参照】:『不定代名詞:another(もう一人、もう一つ)』
【例文】:The fluorescent tube went off. Do you have any other?
【和訳】:蛍光灯が切れてしまった。代えはありますか。
→"other" = "other fluorescent tube"(単数)
【例文】:There was a spoon in the drawer. Where are the others?
【和訳】:スプーンは引き出しに一本ありましたがほかのはどこにありますか。
→"others" = "other spoons"(複数)
some 〜, others 〜(〜もいれば、〜もいる)
不定代名詞:other(2)
↑
"other"は複数形の"others"で"some"と対比させて使うことがあります。集まり対集まりの対比を表わします。意味は「〜の人もいれば、〜の人もいる」「〜のものもあれば、〜のものもある」です。
"some"が代名詞の場合、複数形の"others"に合わせて"some"は複数扱いです。
【例文】:犬好きの人もいれば猫好きの人もいる。
【 × 】:Some likes dogs, others like cats.
【 ○ 】:Some like dogs, others like cats.
→"some"は複数扱いなので"like"にする、"some" = "some people", "others" = "other people"
【例文】:Some strawberries taste much sweeter than others.
【和訳】:ほかのいちごよりもはるかに甘いいちごがある。
→"others" = "other strawberries"
複数の人やものではなく一人や一つのものを対比させて表わすときは"one"と"another"を使います→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:one 〜, another 〜(一人は〜、別の一人は〜)』
【例文】:One came home, and another stayed at the evacuation center.
【和訳】:(二人の避難者のうち)一人は自宅へもどり、もう一人は避難所に留まった。
→"one" = "one person", "another" = "another person"
the other, the others(二つに分けた残りのほう)
不定代名詞:other(3)
↑
定冠詞(the)を付けた"the other, the others"のニュアンスは「二つに区分して残りのほう」です。
【例文】:I can find one boot in the shoe box. But where is the other?
【和訳】:長靴の片っ方は靴箱にあるけど、もう片方はどこに行った。
→長靴の片方だけが見つからない
【例文】:The others succeeded in observing the lunar eclipse.
(= The other people succeeded in observing the lunar eclipse.)
【和訳】:残りの人々は月食の観察に成功した。
→月食の観測に成功した人と失敗した人がいる
others(他人、ほかの人)
不定代名詞:other(4)
↑
自分以外の「他人」は冠詞なしの複数形で"others"、または"other people"をよく使います。
【例文】:You need to listen to what others say.
【例文】:You need to listen to what other people say.
【和訳】:他人の言葉に耳を傾ける必要がある。
「other + 名詞」(ほかの〜、別の〜)
不定代名詞:other(5)
↑
"other"は形容詞として「other + 名詞」の形で使うこともできます。意味は「ほかの〜、別の〜」です。
【例文】:Some players were safe but other players blacked out when the lightning hit the ground.
【和訳】:雷が落ちたとき、何ともない選手もいたが気を失った選手もいた。
→"other"は形容詞、意味は「ほかの、別の」
【例文】:We have other ways to extract rare metal from discarded cell phones.
【和訳】:廃棄された携帯電話からレアメタルを取り出す方法はほかにもあります。
→"other"は形容詞、意味は「別の、ほかの、異なる、違う」
【例文】:There's a huge Ferris wheel on the other side of the river.
【和訳】:対岸には巨大な観覧車がある。
→"other"は形容詞、意味は「反対側の、向こう側の、あちらの」
"the/any/my/etc + other"
不定代名詞:other(6)
↑
"other"は前に定冠詞(the)や"any, some"や人称代名詞の所有格(my, her, etc)などを置くことができます。
【例文】:If I had chosen the other road, I might have avoided the traffic jam.
【和訳】:別の道を選んでいれば、渋滞に巻き込まれなかったかもしれない。
→"the other"のニュアンスは「二つのうちのもう一つの」
【例文】:Five factories have been closed down due to the floods, but the others are sitll in operation.
【和訳】:洪水のため五つの工場が操業を中止したが、その他はまだ動いている。
→"the others"のニュアンスは「一部を除いてその他全部」
【例文】:We'll talk about it some other day.
【和訳】:そのことについてはまた別の日に話し合いましょう。
→"some other"のニュアンスは「選択可能な別のほうの」
【例文】:Is there any other way to shut down the nuclear reactor?
【和訳】:何かほかに原子炉を停止させる方法はないものか。
→"any other"のニュアンスは「どんなものでもいいから何かほかの」
【例文】:Compared to your other siblings, you most closely resemble your mother.
【和訳】:ほかの兄弟姉妹と比べると、あなたが一番母親似だね。
→"your other"のニュアンスは「あなたのほかの」
【例文】:We had no other choice but to leave our homeland in order to escape from the war.
【和訳】:戦火を逃れて祖国を出る以外に選択肢はありませんでした。
→"no other"のニュアンスは「ほかにはない」
"other"を使うイディオム
不定代名詞:other(7)
↑
"other"を使うイディオムをまとめます。
each other(お互い)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(1)
↑
"each other"のニュアンスは「二人以上の人や動物などのお互い」です。相互に何らかの影響を与えることを暗示します。"one another"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:"another"を使うイディオム:one another(お互い)』
"each other"も"one another"も名詞として使うので、"We know each other/one anohter well."(お互いをよく知っている)のように動詞や前置詞の目的語としてよく使います。
【例文】:My son and the gorilla behind a glass wall were staring at each other.
(= My son and the gorilla behind a glass wall were staring at one another.)
【和訳】:ガラスの壁を隔てて息子とゴリラは見つめ合っていた。
every other 〜(〜ごとに)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(2)
↑
"every other 〜"のニュアンスは「〜ごとに、〜おきに」です。"other"の次に数字や曜日名などを置いて使います。
【例文】:I do ten press-ups and ten sit-ups every other day.
【和訳】:一日おきに(= 二日に一回)腕立て伏せ十回腹筋運動十回やります。
【例文】:A second-hand book market is held here every other Sunday.
【和訳】:ここで隔週の日曜日に古本市が開かれる。
【例文】:We perform evacuation drills every other month.
【和訳】:二カ月に一回(= 一カ月ごとに)避難訓練を行ないます。
one after the other(一つまた一つ)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(3)
↑
"one after the other"のニュアンスは「複数の人やものが次から次へと」です。"one after another"もほぼ同じ意味を表わします。どちらも副詞として使います→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:"another"を使うイディオム:one after another(一つまた一つ)』
【例文】:Shops and restaurants have been closed down one after the other due to the recession.
(= Shops and restaurants have been closed down one after another due to the recession.)
【和訳】:不況のため店やレストランが次々と閉店していった。
"one"の次に名詞を置くことも可能です。前にoneがあるので名詞は単数形を使います。
【例文】:One cat after the other appeared out of nowhere when a fishing boat returned to the harbor.
(= Cats appeared one after the other out of nowhere when a fishing boat returned to the harbor.)
【和訳】:漁船が港に帰って来ると猫たちがどこからともなく次々と現われた。
one way or the other(何とかして)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(4)
↑
"one way or the other"のニュアンスは「具体的な方法はわからないがとにかく」です。副詞として使います。"one way or another"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:"another"を使うイディオム:one way or another(何とかして)』
【例文】:We should prevent a world war one way or the other.
【和訳】:世界大戦はなんとしてでも阻止すべきだ。
some 〜 or other(〜か何か、〜のようなもの)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(5)
↑
"some 〜 or other"の形で今一つはっきりと思い出せないもの、判断に迷うものを表わします。和訳は「〜か何か、〜のようなもの、何かの〜、どこかの〜」です。
【例文】:I took this photo at some zoo or other.
【和訳】:この写真はどこかの動物園で撮ったものだ。
【例文】の場合、"or other"は「行ったことのある動物園のうちのどれか」を表わします。
"somewhere or other, someone or other, something or other"なども可能です。「なんか知らないけれど、よくわからんけれど」といったニュアンスがあります。
【例文】:A man who came from somewhere and other saved the boy from drowning in the river.
【和訳】:どこからともなく現われた男性が川で溺れていた少年を助け上げた。
→"somewhere or other"は男性がどこから来たのかはたいして重要視していないことを表わす
【例文】:This is the cat cafe someone or other mentioned.
【和訳】:ここが誰かが言っていた猫カフェだ。
→"someone or other"は話していたのが誰なのかはたいして重要視していないことを表わす
【例文】:I bumped my head on a wardrobe when I was searching for something or other.
【和訳】:何かを探していたらタンスに頭をぶつけてしまった。
→"something or other"は探し物自体はたいして重要視していないことを表わす
the other day(先日、数日前)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(6)
↑
"the other day"のニュアンスは「近い過去のある日」です。和訳は「先日、二三日前」をよく使います。
【例文】:I got a flu shot the other day.
【和訳】:先日、インフルエンザの予防注射を打ちました。
→"the other day"のニュアンスは「数日前」
"day"の代わりに"morning, night, week"なども使えます。いずれの表現も比較的近い過去を指します。
【例文】:The town was enveloped in a dense fog the other morning.
【和訳】:先日の朝、濃い霧が町に垂れ込めていた。
→"the other morning"のニュアンスは「数日前の朝」
【例文】:We observed a meteor shower the other night.
【和訳】:先日の夜、流星雨を観測した。
→"the other night"のニュアンスは「数日前の夜」
【例文】:The other week there was a tsunami which was caused by an unknown source.
【和訳】:数週間前、発生源が不明の津波が起った。
→"the other week"のニュアンスは「数週間前、何週間も前」
other than 〜(〜以外の、〜は除いて)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(7)
↑
"other than 〜"のニュアンスは「〜以外の、〜は除いて」です。
【例文】:No one other than staff will be allowed to enter the facilities.
(= No one except staff will be allowed to enter the facilities.)
【和訳】:関係者以外の方は施設に入ることができません。
→"other than 〜"のニュアンスは「〜以外の人」
"A other than that 〜"の意味は「Aである。それ以外は〜だ」です。"that"は直前に話した内容を指します。
【例文】:Several windows were broken. Other than that our house suffered no damage from the blast.
【和訳】:窓ガラスが数枚割れた。これ以外に我が家の突風による被害はゼロでした。
→"other than 〜"のニュアンスは「〜以外のすべて」、"that"は前の文を指す
「other than + to不定詞」も可能です。
【例文】:We had no choice other than to wait for the arrival of a rescue team.
(= We had no choice but to wait for the arrival of a rescue team.)
【和訳】:救助隊の到着を待つ以外に手がありませんでした。
→"other than 〜"のニュアンスは「〜すること以外に」
none other than 〜(ほかならぬ〜、誰であろう〜)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(8)
↑
"none other than 〜"のニュアンスは「普通ではありえないが実は〜」です。驚きや意外を表わします。名詞の前に置いて形容詞として使います。
"none other than 〜"を直訳すると「〜以外の何ものでもない」つまり「ほかならぬ〜である、誰かと思えば〜である」です。"other that 〜"の意味は「〜以外の、〜は除いて」です→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:other than 〜(〜以外の、〜は除いて)』
【例文】:It was none the other than the president who bought an ice cream at my shop yesterday.
【和訳】:昨日うちの店でアイスを買ったのは誰であろう大統領その人だった。
→"none other than 〜"のニュアンスは「誰であろう〜、ほかならぬ〜」
in other words(言い換えると、つまり)
不定代名詞:other:"other"を使うイディオム(9)
↑
"in other words 〜"のニュアンスは「話をまとめると、端的に言えば」です。文章の最後のまとめを導く表現としてよく使います。
【例文】:Now I don't know which way to go. In other words we totally got lost.
【和訳】:道がわからなくなってしまった。つまり、完全に迷ってしまった。
→"in other words"のニュアンスは「つまりどういうことかと言うと」
名詞の言い換えや漠然と人々を表わす"one"
名詞の言い換え(one, ones)
不定代名詞:one(1)
↑
不定代名詞の"one"は前に出て来た「数えられる名詞」の言い換えに使います。同じく名詞の言い換えを表わす"her"や"it"などの人称代名詞は同一の人やものを指します。一方、不定代名詞の"one"はたいてい種類は同じだけど別の人やものを指します。
"one"(一人、一つ)
不定代名詞:one:名詞の言い換え(one, ones)(1)
↑
不定代名詞の"one"は前に出て来た単数の名詞の言い換えとして機能します。
【例文】:オンラインで授業を受けるにはタブレットがいるけど私はタブレットを持っていない。
【 × 】:I need a tablet for an online class but I don't have a tablet.
【 × 】:I need a tablet for an online class but I don't have it.
【 × 】:I need a tablet for an online class but I don't have a one.
【 ○ 】:I need a tablet for an online class but I don't have one.
【例文】を英訳する場合、"a table"を続けて二つ出すのは英文としてやや不自然です。"it"は前に出た特定の「タブレット」を指します。【例文】の「タブレット」は特定のタブレットではなく、漠然とタブレットというデバイスを指すので"it"は意味的に不可です。同種のものを表わすには"one"を使います。
単数の名詞を言い換えるとき"one"に不定冠詞(a, an)を付けません。【例文】を英訳する場合、"one" = "a tablet"です。
「a/an + 形容詞 + one」(〜である人、〜であるもの)
不定代名詞:one:名詞の言い換え(one, ones)(2)
↑
不定代名詞の"one"に形容詞を付けて「一つ新しいもの」や「一つのもっと大きなもの」と表現するときは不定冠詞(a, an)を使います。
【例文】:古いノートパソコンを下取りに出して新しいのを買いました。
【 × 】:I traded my old laptop in for a new it.
【 × 】:I traded my old laptop in for new one.
【 ○ 】:I traded my old laptop in for a new one.
→"a new one" = "a new laptop"
【例文】の場合、新しくノートパソコンを買ったので"it"は不可。"it"は「古いノートパソコン」(my old laptop)を指します。同種で別のもの(新しいノートパソコン)を表わすには"one"を使います。形容詞の"new"が付いているので不定冠詞(a)も付けて"a new one"とします。
複数形の名詞は"ones"で言い換えます。
【例文】:We cannot say the earthquake is linked to previous ones.
【和訳】:今回の地震が過去に起った複数の地震と関係しているとは言えない。
→"previous ones" = "previous earthquakes"
"the one 〜", "the 〜 one"(〜であるもの)
不定代名詞:one:名詞の言い換え(one, ones)(3)
↑
"one"の後ろに補足説明を追加して具体的な人やものを指す場合は"the + one"を使います。
【例文】:我が家は築百年の家です。
【 × 】:My house is one which was built a hundred years ago.
【 × 】:My house is a one which was built a hundred years ago.
【 ○ 】:My house is the one which was built a hundred years ago.
(= My house is the house which was built a hundred years ago.)
"one"に補足説明として"which was built a hundred years ago"(築百年の)が付いているので、定冠詞を付けて"the one"とします。
"the ones 〜"も可能です。
【例文】:現代人は江戸時代の人間よりも二倍も長生きすると言われている。
【英訳】:It is said that people today live twice as long as the ones in the Edo period.
(= It is said that people today live twice as long as the people in the Edo period.)
→"in the Edo period"という補足説明があるので"ones"に"the"を付ける
"one"の前に形容詞を置くこともできます。
【例文】:小犬を五匹飼っていますが、一番大きな子が一番臆病です。
【英訳】:I have five puppies. The largest one is timidest.
(= I have five puppies. The largest puppy is timidest.)
「代名詞の所有格(my, her, etc) + 形容詞 + one」
不定代名詞:one:名詞の言い換え(one, ones)(4)
↑
不定代名詞の"one"の前に人称代名詞の所有格(my, her, etc)を置くことがあります。ただし、たいていoneの前に形容詞を置きます。形容詞なしで"my one"と表現するのはかなり不自然です。代わりに所有代名詞の"mine"を使うのが普通です。
【例文】:あなたはあなたのスマートフォンを使いなさい。私は私のを使います。
【 × 】:You should use your smartphone. I use my one.
【 ○ 】:You should use your smartphone. I use mine.
→形容詞がないので"mine"を使う、"my one"はやや不自然
【例文】:新しいスマートフォンは古いのよりビデオの再生がなめらかだ。
【 × 】:The new smartphone can play videos more smoothly than old mine.
【 ○ 】:The new smartphone can play videos more smoothly than my old one.
→形容詞があるので"my old one"を使う、"old mine"は不可
比較級で"than"を使う文の場合は「所有格(my, men's, etc) + one」ではなく、"one"を省略して所有格(my, men's, etc)のみにするか、"that of 〜"や"those of 〜"を使います。
【例文】:一般に男性用の靴は女性用の靴よりも幅が広い。
【 × 】:Men's shoes are generally wider than women's ones.
【 ○ 】:Men's shoes are generally wider than women's.
【 ○ 】:Men's shoes are generally wider than those of women.
→「所有格(women's) + one」は不可
"this/that/another/the other + one"
不定代名詞:one:名詞の言い換え(one, ones)(5)
↑
不定代名詞の"one"の前に"this, that, another, the other"などを置くことがあります。
【例文】:Among these pictures, this one is most expensive.
【和訳】:ここにあるいくつかの絵の中でこの絵が最も高価です。
→"this one" = "this picture"
【例文】:This building is not so high as that one.
【和訳】:このビルはあのビルほど高くはない。
→"that one" = "that building"
【例文】:A passenger broke his hip bone and another one was injured lightly.
【和訳】:乗客一人が腰の骨を折り、もう一人が軽傷を負った。
→"another one" = "another passenger"
【例文】:One of my sons likes playing sports and the other one likes playing games.
【和訳】:二人の息子のうち一人はスポーツが好きでもう一人はゲームが好きだ。
→"the other one" = "the other son"
"one"と"another, the other"
不定代名詞:one(2)
↑
不定代名詞の"one"は"another, other"と対比させて使うことがあります→【参照】:『不定代名詞"another"の意味:one 〜, another 〜(一人は〜、別の一人は〜)』『不定代名詞"another"の意味:some 〜, others 〜(〜もいれば、〜もいる)』
【例文】:One was disguised as Batman and another was disguised as the Terminator.
【和訳】:一人がバットマン、もう一人がターミネーターの仮装をしていた。
【例文】:One ordered cafe au lait, the other ordered cafe latte.
【和訳】:一人はカフェオレを頼み、もう一人はカフェラテを頼んだ。
一般の人々を表わす"one"
不定代名詞:one(3)
↑
不定代名詞の"one"は「漠然と人々」の意味を表わすことがあります。意味的には複数の人間を指しますが複数形の"ones"は不可。必ず単数形の"one"を使います。やや堅苦しい表現です。
【例文】:緊急時には即座にAEDを使うべきである。
【 × 】:Ones should use an AED quickly in case of emergency.
【 ○ 】:One should use an AED quickly in case of emergency.[※やや堅苦しい言い方]
→複数形"ones"は不可
人称代名詞の"you"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:You should use an AED quickly in case of emergency.
【英訳】:緊急時にはすぐにAEDを使うべきだ。
→"you" = "one"(人は)
little one(小さい子), loved one(愛する家族)
不定代名詞:one(4)
↑
不定代名詞の"one"は前に形容詞を置いて「ある種の人間」を表すことがあります。一種の定型表現です。
# little ones(小さい子供たち), young ones(子供たち)、a loved one(愛する家族)
【例文】:It's difficult for little ones to wear a face mask.
【和訳】:ちっちゃい子供たちがマスクをつけるのは困難だ。
→"little ones" = "young children"
【例文】:Even young ones should know what to do in case of an earthquake.
【和訳】:子供たちも地震が起きたときにはどうすればいいのか知っておくべきだ。
→"young ones" = "children"
【例文】:There are a lot of people who have lost a loved one due to the war.
【和訳】:その戦争で愛する家族を失った人はたくさんいる。
→"a loved one" = "a member of their family"
one of 〜(〜のうちの一人、〜のうちの一つ)
不定代名詞:one(5)
↑
「one of + 名詞」の意味は「(複数いる)〜の中の一人、(複数ある)〜の中の一つ」です。複数の選択肢から一つを選ぶので"one of"の次の名詞はたいてい複数形です。
【例文】:ここにいる漁師の一人の話によると、くじらの群れが北に向かって泳いでいたそうだ。
【 × 】:According to one of this fisherman, a group of whales were swimming north.
【 ○ 】:According to one of these fishermen, a group of whales were swimming north.
→"these fishermen"(複数)を使う
「one of + 複数形の名詞」が主語になる場合、「数」は"one"に合わせて単数を使うのが普通です。
【例文】:子猫は一匹だけが黒猫だ。
【 × 】:One of the kittens are black.
【 ○ 】:One of the kittens is black.
→「数」は"one"に合わせて単数にする
「one of + 集合名詞」の場合、集合名詞は単数形を使います。
【例文】:ペットは家族の一員です。
【 × 】:Pets are one of the families.
【 ○ 】:Pets are one of the family.
→"family"(家族)は集合名詞、単数形を使う
「one of + 名詞」の場合、ニュアンスは「ある程度範囲を絞った人や動物や物の中から一人、一つ」なので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:ここにあるひまわりの中で一本だけが二メートル以上の高さに成長した。
【 × 】:One of sunflowers has grown over two meters in height.
【 ○ 】:One of the sunflowers has grown over two meters in height.
→話題にしている「複数のひまわり」を指すので"sunflowers"に定冠詞(the)を付ける
【例文】:大統領は大虐殺を遂行した独裁者の一人であるに違いない。
【 × 】:The president must be one of dictators who committed genocide.
【 ○ 】:The president must be one of those dictators who committed genocide.
→"who 〜"が後に続く目印として"dictators"に"those"を付ける
「one of + 人称代名詞(us/you/them)」も可能です。"of"の次の人称代名詞は複数形の目的格"us, you, them"を使います。
【例文】:あなた方の中で一人が運転の実技試験に不合格となりました。
【 × 】:One of you have failed the driving skill test.
【 ○ 】:One of you has failed the driving skill test.
→「数」は"one"に合わせて単数、"has"を使う
"one"を使うイディオム
不定代名詞:one(6)
↑
"one"を使う主なイディオムをまとめます。
one another(お互い)
不定代名詞:one:"one"を使うイディオム(1)
↑
"one another"のニュアンスは「二人以上の人や動物などのお互い」です。相互に何らかの影響を与えることを意味します。"each other"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:each other(お互い)』
"one another"も"each other"も一語の代名詞として使うので、動詞や前置詞の目的語としてよく使います。
【例文】:Both countries blame one another for the use of chemical weapons.
(= Both countries blame each other for the use of chemical weapons.)
【和訳】:両国は化学兵器を使ったのはそっちだとお互いに非難している。
→"one another"は動詞"blame"の目的語、意味は「お互い、相互」
【例文】:I saw a group of children throwing snowballs at one another in the park.
(= I saw a group of children throwing snowballs at each other in the park.)
【和訳】:公園で子供たちのグループがお互いに雪玉を投げつけているのを見た。
→"one another"は前置詞"at"の目的語、意味は「お互い、相互」
one after another(一つまた一つ)
不定代名詞:one:"one"を使うイディオム(1)
↑
"one after another"のニュアンスは「複数の人やものが次から次へと」です。"one after the other"もほぼ同じ意味を表わします。どちらも副詞として使います→【参照】:『不定代名詞"other"の意味:"other"を使うイディオム:one after the other(一つまた一つ)』
【例文】:I could see cockroaches crawling one after another into the roach trap.
(= I could see cockroaches crawling one after the other into the roach trap.)
【和訳】:ゴキブリが次から次へとワナに入ってくのが見えた。
→"cockroaches"(ゴキブリ)は複数形を使う
"one"の次に名詞を置くことも可能です。前にoneがあるので名詞は単数形を使います。
【例文】:I could see one cockroach after another crawling into the roach trap.
(= I could see one cockroach after the other crawling into the roach trap.)
【和訳】:ゴキブリが次から次へと罠に入ってくのが見えた。
→"cockroach"(ゴキブリ)は単数形を使う
該当する人は誰もいない、何もないことを表わす"none"
none(誰も〜ない、どれも〜ない)
不定代名詞:none(1)
↑
不定代名詞の"none"のニュアンスは「人やもののがどれも〜ない」です。"none"は強い否定を表わします。
【例文】:Among forty students there were none who watched television more than an hour a day.
【和訳】:生徒四十人の中で、一日にテレビを一時間以上見るという子は一人もいなかった。
→"none"は"students"を指す
【例文】:"Do you still have croquettes?" "Sorry we have none left."
【和訳】:「コロッケはまだあるかい」「すいません、なくなりました」
→"none"は"croquettes"を指す
"none"を単独で主語に使うことはあまりありません。たいてい、"none of 〜"の形で使います→【参照】:『不定代名詞noneの意味:none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)』『不定代名詞"none"の意味:"none"は原則として複数扱い』
none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)
不定代名詞:none(2)
↑
「none of + 名詞」の意味は「(複数いるなかで)どれも〜ない、(複数あるなかで)どれも〜ない」です。複数の選択肢からすべてを否定するので、"none of"の次の名詞はたいてい複数形です。
【例文】:これらのプチトマトはまだ食べごろではない。
【 × 】:None of these petite tomato are ripe.
【 ○ 】:None of these petite tomatoes are ripe.
→"petite tomatoes"(複数)を使う
不定代名詞の"none"の意味は「どれも〜ない」です。意味は"nobody, no one"や"nothing"とほぼ同じですが、"of 〜"が使えるのは"none"だけです。
【例文】:その時間に外で遊んでいる子供は一人もいませんでした。
【 × 】:Nobody of the children played outside at that hour.
【 × 】:No one of the children played outside at that hour.
【 ○ 】:None of the children played outside at that hour.
→"nobody of 〜"や"no one of 〜"は不可、"of"の次は複数形の"children"を使う
「none of + 集合名詞」の場合、集合名詞は単数形を使います。
【例文】:乗組員に日本人はいなかった。
【 × 】:None of the crews were Japanese.
【 ○ 】:None of the crew were Japanese.
→"crew"(乗組員)は集合名詞、単数形を使う
「none of + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。
【例文】:道路には雪はまったく積もっていない。
【 × 】:None of the snows has accumulated on the road.
【 ○ 】:None of the snow has accumulated on the road.
→"snow"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK
「none of + 名詞」の場合、ニュアンスは「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどれも〜ではない」なので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:その時間に外で遊んでいる子供は一人もいませんでした。
【 × 】:None of children played outside at that hour.
【 ○ 】:None of the children played outside at that hour.
→話題にしている子供たちを指すので"children"に"the"を付ける
【例文】:道路には雪はまったく積もっていない。
【 × 】:None of snow has accumulated on the road.
【 ○ 】:None of the snow has accumulated on the road.
→話題にしている雪を指すので"snow"に"the"を付ける
「none of + 人称代名詞(us/you/them)」も可能です。"of"の次の人称代名詞は複数形の目的格"us, you, them"を使います。「数えられない名詞」を指す場合は単数形の"it"を使います。
【例文】:There were many people in the street but none of them heard the gunshot.
【和訳】:通りにはたくさんの人がいたけれど、銃声に気づいた人は一人もいなかった。
→"them" = "people"(人々)
【例文】:Lots of food was served at the smorgasbord, but I liked none of it.
【和訳】:バイキングで料理はたくさん出ていたけれど、気に入った料理は一つもなかった。
→"it" = "food"(料理)[数えられない名詞]
"none"はすでに「否定の意味」を含みます。なので「誰も食べていない」を表現しようとしてうっかり"not"を足さないように。
【例文】:誰もまだ昼飯を食べていない。
【 × 】:None of us have not eaten lunch yet.
【 ○ 】:None of us have eaten lunch yet.
→"not"は不要
"not"を付け加えると「食べていないものはいない」となり、意味が正反対です。
"none of 〜"はイディオムで強い否定を表わすことがあります→【参照】:『不定代名詞"none"の意味:"none"を使うイディオム:none of 〜(まったく〜ではない)』
【例文】:What others think about me is none of my business.
【和訳】:他人にどう思われようが私は気にしない。
→"none of my business"の意味は「私には関係ない」、"none of 〜"は強い否定を表わす
"none"は原則として複数扱い
不定代名詞:none(3)
↑
不定代名詞の"none"はたいてい複数扱いです。ただし、かしこまった表現では単数扱いになります→【参照】:『原則として複数扱いの不定代名詞:none』
【例文】:この生徒たちはまだ志望大学を決めていない。
【 ○ 】:None of the students has yet decided what college he wants to go to.[※かしこまった表現]
【 ○ 】:None of the students have yet decided what college they want to go to.[※無難な表現]
→"none of 〜"は単数扱いと複数扱いの両方が可能
「none of + 数えられない名詞」の場合は「数」を数えられない名詞に合わせてたいてい単数扱いです。
【例文】:ガレキはまったく手付かずのままだ。
【 × 】:None of the rubble have been removed.
【 ○ 】:None of the rubble has been removed.
→"rubble"は「数えられない名詞」なので「数」は単数、"has"を使う
"none"と"neither"
不定代名詞:none(3)
↑
不定代名詞の"noneとneither"は似た意味を表わします。"neither"は二つの人やものを表わし、"none"は三つ以上の人やものを表わします。
【例文】:Neither of my dogs like to go for a walk.
【和訳】:飼犬は二匹とも散歩が嫌いです。
→飼っている犬は二匹
【例文】:None of my dogs like to go for a walk.
【和訳】:飼犬はみんな散歩が嫌いです。
→飼っている犬は三匹以上
「none + 名詞」は不可
不定代名詞:none(4)
↑
"none"を名詞の前に直接置くのは文法的に不可。代わりに、"no"や"not"を使います。
【例文】:その時間に外で遊んでいる子供は一人もいませんでした。
【 × 】:None children played outside at that hour.
【 ○ 】:No children played outside at that hour.
【 ○ 】:The children did not play outside at that hour.
→「none + 名詞」は不可
【例文】:道路には雪はまったく積もっていない。
【 × 】:None snow has accumulated on the road.
【 ○ 】:No snow has accumulated on the road.
【 ○ 】:The snow has not accumulated on the road.
→「none + 名詞」は不可
"none"を使うイディオム
不定代名詞:none(5)
↑
noneを使う主なイディオムをまとめます。
「none + the + 比較級」(〜どころではない、〜とは逆だ)
不定代名詞:none:"none"を使うイディオム(1)
↑
"none"は「the + 比較級」の前に置いて「まったく反対である」のニュアンスを表わします。このイディオムの場合、"the"は副詞として比較級の意味を補足説明します→【参照】:『定冠詞の意味:「the + 比較級」で「〜であるほど」を表わす』
# none the wiser for 〜(〜をまったく理解できない)
# none the worse for 〜(〜だがまったく大丈夫だ)
# none the better for 〜(〜だがまったく回復しない)
【例文】:I was none the wiser for what physics teacher told us.
(= I did not at all understand what physics teacher told us.)
【和訳】:物理の先生の話はちっとも理解できなかった。
"none the wiser"の直訳は「前より賢くなったということは決してない」です。ニュアンスは「今でもさっぱりわからない」です。
【例文】:The boy was trapped under the rubble for three days but he was none the worse for the experience.
【和訳】:男の子はガレキの下に三日間も閉じ込められていたが、けが一つなく元気だった。
"none the worse"の直訳は「いっそう悪くなったということは決してない」です。ニュアンスは「まったく平気だ、全然大丈夫だ」です。
【例文】:The patient was none the better for the operation
【和訳】:手術を受けた患者に回復はまったく見られなかった。
"none the better"の直訳は「より良くなったということは決してない」です。ニュアンスは「まったく回復しなかった、悪い状態が続いた」です。
none other than 〜(意外な〜、なんと〜)
不定代名詞:none:"none"を使うイディオム(2)
↑
"none other than 〜"で「びっくりするほど意外である」ことを表わします。
【例文】:The arsonist was none other than a firefighter.
【和訳】:放火犯はあろうことか消防士だった。
【例文】:The wedding was performed at none other than an aquarium.
【和訳】:結婚式はなんと水族館で行われた。
"none other than 〜"の直訳は「〜のほかのいかなるものでもない」です。ニュアンスは「驚いたことに〜である」です。
none too 〜(あまり〜ではない、たいして〜ではない)
不定代名詞:none:"none"を使うイディオム(3)
↑
"none too 〜"で「量や程度がたいしたことはない」ことを表わします。
【例文】:You look none too happy.
(= You don't look very happy.)
【和訳】:あまりうれしそうじゃないね。
"none too 〜"の直訳は「過度に〜ではない」です。ニュアンスは「あまり〜ではない」です。
【例文】:The train arrived none too soon. We didn't need to wait.
【和訳】:列車がちょうどいい時に着いた。待たなくてすんだ。
【例文】:The train arrived none too soon. It was stopped between stations for an hour due to an accident.
【和訳】:列車がようやく到着した。事故のため線路上で一時間停車していた。
"none too soon"の直訳は「早すぎるということは決してない」です。ニュアンスは「ちょうどいい時に、少し遅すぎるくらいの」です。
none but 〜(〜以外は決して〜ではない、〜こそ〜である)
不定代名詞:none:"none"を使うイディオム(4)
↑
"none but 〜"で「〜のほかの何者でもない」ことを表わします。主に人について使います。やや堅苦しい言い方です。
【例文】:None but the brave can pull out the sword out of the stone.[※やや堅苦しい言い方]
(= Only the brave can pull out the sword out of the stone.)
【和訳】:岩に刺さったこの剣を引き抜くことができるのは誰あろう勇者のみである。
"none but 〜"の直訳は「〜以外の何ものでもない」です。ニュアンスは「唯一〜のみ〜である」です。"but"は前置詞、意味は「〜以外」(= except)です。
bar none(文句なく、比類なき)
不定代名詞:none:"none"を使うイディオム(5)
↑
"bar none"で「程度がほかと比較にならないほどすばらしい」ことを表わします。たいてい褒め言葉として使います。
【例文】:Jimi Hendrix is the best rock guitarist in the world, bar none.
(= Jimi Hendrix is the best rock guitarist in the world. No one else is better than him.)
【和訳】:ジミ・ヘンドリックスこそ文句なしに世界最高のギタリストです。
"bar none"の直訳は「〜以外のものは何もない」です。ニュアンスは「他に比べるものがないほど」です。"bar"は前置詞、意味は「〜以外」(= except)です。
second to none(どこにも引けを取らない、この上なく)
不定代名詞:none:"none"を使うイディオム(6)
↑
"second to none"で「並ぶものがないくらい最高、最良、最大」を表わします。
【例文】:The salesclerk was second to none in kindness and politeness.
【和訳】:店員はこの上なく親切で丁寧でした。
【例文】:Our products are second to none in reliability and durability.
【和訳】:我社の製品は信頼性と耐久性においてよその製品に引けを取ることはまったくありません。
"second to none"の直訳は「ほかのいかなるものに対してもその下位に位置することはない」です。ニュアンスは「誰にも負けない、何物にも劣らない」です。
none of 〜(まったく〜ではない)
不定代名詞:none:"none"を使うイディオム(7)
↑
いくつかのイディオムで"none of 〜"は強い否定を表わします。会話でよく使う表現です。ニュアンスは「〜では決してない」です。
"none of us 〜"(私たちのうちで誰も〜ない)とは別の意味を表わす定型表現です→【参照】:『不定代名詞noneの意味:none of 〜(〜のうちの誰も〜ない、〜のうちのどれも〜ない)』
# none of one's business(〜の知ったことではない)
# none of one's concern(〜には関係ないことだ)
# none of one's imprudence(〜の生意気は認めない)
# have none of 〜(〜を断わる、〜を拒否する)
【例文】:What color I will dye my hair is none of your business!
【和訳】:私が髪を何色に染めてもあなたの知ったことではありません。
【例文】:Do whatever you want. That's none of my business.
【和訳】:好きなようにしなさい。私の知ったことではありません。
"business"の意味は「個人的な物事、私事」です。他人には関係のない私的な物事を表わします。強い否定を表わす"none of your/my/etc"を付けるとニュアンスは「〜には関り合いのないことだ」です。
【例文】:"Why didn't you come to school yesterday?" "It's none of your concern."
【和訳】:「どうして昨日学校を休んだの」「あなたには関係のないことよ」
"concern"の意味は「関心事、関わらなければならない物事」です。自分の身に直接影響を及ぼす出来事を表わします。強い否定を表わす"none of"を付けるとニュアンスは「他者には無関係だ、放っておいてくれ」です。
【例文】:"None of your impudence! Do your homework before you play a video game."
【和訳】:「生意気言うな。ゲームの前に宿題しろ」
"impudence"の意味は「生意気、ずうずうしさ、厚かましいこと」です。特に、年上や目上の人物に対して礼儀を欠くことを表わします。強い否定を表わす"none of"を付けるとニュアンスは「生意気なことを言うな、するな」です。
【例文】:They wanted me to work at night but I would have none of it.
【和訳】:夜勤を求められたけれど拒否しました。
"have none of 〜"で「他人からの要求や要望を拒絶する」ことを表わします。"will/would have none of 〜"の形でよく使います。"have none of 〜"の直訳は「〜のうちの一つも持たない」です。ニュアンスは「〜を拒否する、〜を断わる」です。
例外なくすべてを表わす"all"
all(全部、すべて)
不定代名詞:all(1)
↑
不定代名詞の"all"のニュアンスは「指定されたものは例外なくすべて」です。
【例文】:All children have a right to get education.
【和訳】:すべての子供たちは教育を受ける権利がある。
→"all children"(全世界のすべての子供たち)
【例文】:All of the children were playing in the schoolyard.
(= All the children were playing in the schoolyard.)
【和訳】:子供たちはみんな校庭で遊んでいた。
→"all of the children" = "all the children"(その場にいた子供たちの全員)
【例文】:I remember some of my classmates in elementary school but not all.
(= I remember some of my classmates in elementary school but I do not remember all of them.)
【和訳】:小学校のクラスメートは何人かは覚えていますが全員は覚えていません。
→"all" = "all of my classmates in elementary school"(小学校のクラスメート全員)
【例文】:All I need now is time.
(= The only thing I need now is time.)
【和訳】:今必要なのは時間だけだ。
【例文】の場合、"all 〜"(〜であるすべてこと) = "the only thing 〜"(〜である唯一のこと)です→【参照】:『不定代名詞"all"の意味:「all + 主語 + 動詞」(〜がすべて、〜だけ)』
単独で使うall
不定代名詞:all(2)
↑
主語や目的語
不定代名詞:all:単独で使うall(1)
↑
不定代名詞"のall"を単独で主語や目的語として全員や全部の意味を表わすのは、新聞の見出しなどを除いて今ではあまり使いません。"all"の代わりに"everybody, everyone"を使うのが普通です→【参照】:『不定代名詞:all:似た意味の単語(both, everybody, etc):allとeverybody, everyone』
【例文】:全員無傷だ。
【 △ 】:All are unhurt.[※やや古い言い方]
【 ○ 】:Everybody is unhurt.
【 ○ 】:Everyone is unhurt.
→"all"は主語、意味は「全員」
【例文】:The culprit tells all.[※新聞の見出し]
【和訳】:容疑者すべてを話す。
→"all"は目的語、意味は「すべて」
主語の意味の補足
不定代名詞:all:単独で使うall(2)
↑
不定代名詞の"all"を動詞の前、あるいは助動詞やbe動詞の後ろに置いて「主語が全員〜である」の意味を表わすことがあります。助動詞とbe動詞が合計二個以上あるときは、最初に出て来た助動詞の次に"all"を置きます。
【例文】:The students all went home.
(= All of the students went home.)
【和訳】:生徒はみんな帰宅しました。
→"all"の意味は「みんな」、位置は動詞(went)の前
【例文】:We are all left-handed.
(= All of us are left-handed.)
【和訳】:私たちは全員左利きです。
→"all"の意味は「みんな」、位置はbe動詞(are)の後ろ
【例文】:The shops must all be closed.
(= All of the shops must be closed.)
【和訳】:店はみんな閉まっているにちがいない。
→"all"の意味は「みんな」、位置は助動詞(must)の後ろ、be動詞(be)の前
目的語の意味の補足
不定代名詞:all:単独で使うall(3)
↑
不定代名詞の"all"を目的語の次に置いて「全員であること、全員であること」を表わします。目的語はたいてい人称代名詞の複数形の目的格(us, you, them)です。
【例文】:先生が私たちみんなを動物園に連れて行ってくれた。
【 × 】:The teacher took all us to the zoo.
【 ○ 】:The teacher took us all to the zoo.
(= The teacher took all of us to the zoo.)
→"all"は"us"(目的語)の補足、語順は"us all"
【例文】:子供たちはサンタクロースに手紙を書きました。するとサンタさんは子供たち全員にクリスマスカードを送ってくれました。
【 × 】:The children wrote letters to Santa Claus and Santa sent Christmas cards to all them.
【 ○ 】:The children wrote letters to Santa Claus and Santa sent Christmas cards to them all.
(= The children wrote letters Santa Claus and Santa sent Christmas cards to all of them.)
→"all"は"them"(前置詞の目的語)の補足、語順は"them all"
all of 〜(〜の全部、〜のすべて)
不定代名詞:all(3)
↑
"all of 〜"の意味は「〜のうちの例外なくすべて」です。"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や「集合名詞」(単数形)、「数えられない名詞」(単数形)、人称代名詞の目的格(us, you, etc)などを置きます。"of"はよく省略します→【参照】:『不定代名詞"all"の意味:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)』
「all of + 名詞」の意味は「(複数いる中の)例外なくすべて、(複数ある中の)例外なくすべて」です。複数の選択肢からすべてを選ぶので、"all of"の次の名詞はたいてい複数形です。
【例文】:森の木はすべてが松だった。
【 × 】:All of the tree in the woods was pine.
【 ○ 】:All of the trees in the woods were pine.
(= All the trees in the woods were pine.)
→"of"の次は複数形の"trees"を使う、"of"はよく省略する
動詞の「数」は"of"の次の名詞の「数」に合わせます。【例文】の場合は複数の"trees"に合わせてbe動詞は"were"を使います。
「all of + 集合名詞」場合、集合名詞は単数形を使います。
【例文】:従業員と客の全員が店舗から無事に避難した。
【 × 】:All of the staffs and customers safely evacuated the store.
【 ○ 】:All of the staff and customers safely evacuated the store.
(= All the staff and customers safely evacuated the store.)
→"staff"(従業員)は集合名詞、単数形で使う、"of"はよく省略する
「all of + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。
【例文】:中学生たちが海岸のゴミをすべて拾ってくれた。
【 × 】:All of the trashes on the beach were picked up by the middle school students.
【 ○ 】:All of the trash on the beach was picked up by the middle school students.
(= All the trash on the beach was picked up by the middle school students.)
→"trash"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK、"of"はよく省略する
【例文】の場合、"trash"は「数えられない名詞」なのでbe動詞は単数形の"was"を使います。
「all of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して例外なくすべて」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:森の木はすべてが松だった。
【 × 】:All of trees in the woods were pine.
【 ○ 】:All of the trees in the woods were pine.
(= All the trees in the woods were pine.)
→話題にしている森の木を指すので"trees"に"the"を付ける、"of"はよく省略する
【例文】:中学生たちが海岸のゴミをすべて拾ってくれた。
【 × 】:All of trash on the beach was picked up by the middle school students.
【 ○ 】:All of the trash on the beach was picked up by the middle school students.
(= All the trash on the beach was picked up by the middle school students.)
→海岸に落ちているゴミを指すので"trash"に"the"を付ける、"of"はよく省略する
「all of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞は直前に出て来た名詞の言い換えなので、「all of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して例外なくすべて〜である」というニュアンスがあります。
「all of + 人称代名詞」の場合、"of"の省略は不可です。
【例文】:卵を一ダース買った。びっくりしたのは全部黄身が二つ入っていた。
【 × 】:I've bought a dozen of eggs. Amazingly, all them had twin yolks.
【 ○ 】:I've bought a dozen of eggs. Amazingly, all of them had twin yolks.
→"them" = "a dozen of eggs"、"of"の省略は不可
【例文】:一週間前の浜辺はガレキで埋め尽されていたが、すべて片づけられた。
【 × 】:The beach was covered with debris a week ago, but all it was cleaned up.
【 ○ 】:The beach was covered with debris a week ago, but all of it was cleaned up.
→"it" = "debris"、"of"の省略は不可
「all + 主語 + 動詞」(〜がすべて、〜だけ)
不定代名詞:all(4)
↑
不定代名詞の"all"を主語に置いて「all + (that) + 主語 + 動詞」や「all that + 動詞」という構文を作ることができます。
"that"は関係代名詞です。"that"に「主語 + 動詞」が続く場合は"that"を省略します。動詞のみが続く場合は"that"が主格なので省略は不可です→【参照】:『関係代名詞の省略』
"all that 〜"の直訳は「〜であるすべてこと」です。和訳ではわかりやすくするためたいてい「〜である唯一のこと」とします。
"all"を単独で主語に使うことはあまりありません。代わりに"everybody, everyone"を使います→【参照】:『似た意味の単語(both, everybody, etc):allとeverybody, everyone』
【例文】:あなたに唯一必要なのは集中力だ。
【 × 】:All you need are concentration.
【 ○ 】:All you need is concentration.
(= The only thing that you need is concentration.)
→"all that 〜"の"all"は単数扱い、be動詞は"is"を使う
【例文】:目が覚めたとき見えたのは煙だけだった。
【 × 】:All that were seen were smoke when I woke up.
【 ○ 】:All that was seen was smoke when I woke up.
(= The only thing that was seen was smoke when I woke up.)
→"all that 〜"の"all"は単数扱い、be動詞は"was"を使う
【例文】:聞こえるのは風が唸る音だけだ。
【 × 】:All that are heard are the howling wind.
【 ○ 】:All that is heard is the howling wind.
(= The only thing that is heard is the howling wind.)
→"all that 〜"の"all"は単数扱い、be動詞は"is"を使う
"all"があるから複数の"are, were"を使うような気がしますが、不可。単数の"is, was"を使います。"all you need (= the only thing you need)"の意味は「あなたに唯一必要なこと」なので意味的にも単数です。
「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)
不定代名詞:all(5)
↑
不定代名詞の"all"は名詞の前に置いて形容詞として使うこともできます。
all + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞:all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(1)
↑
「all + 名詞」の意味は「範囲を限定せず人や動物や物事に関して例外なくすべて」です。名詞に定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けません。
【例文】:A massive meteorite collison can destroy all living things.
【和訳】:巨大隕石が衝突すると地球上の全生物が滅亡する可能性がある。
→"all living things"の意味は「地球にいる全生物」
all + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞:all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(2)
↑
「all + 集合名詞」の場合、集合名詞は単数形を使います。
【例文】:私たちはすべての人々に対して人種や性別の違いなどに関係なく平等に接するべきだ。
【 × 】:We should treat all peoples equally, regardless of their race or sex.
【 ○ 】:We should treat all people equally, regardless of their race or sex.
→"people"は集合名詞、単数形で使う、"all people"の意味は「地球上の全人類」
all + (the) + 単数形の名詞(数えられる名詞)【期間】
不定代名詞:all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(3)
↑
「all + the + 単数形の名詞【期間】」は、指定された期間の全般に渡ることを表わします。"the"はよく省略します→【参照】:『不定代名詞:all:「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)』
【例文】:My neighbor's dog was barking all night.
(= My neighbor's dog was barking all the night.)
【和訳】:隣の家の犬が夜通し吠えていた。
→"all the night"(夜通し)の"the"は省略可能
all + (the) + 単数形の名詞(数えられる名詞)【場所】
不定代名詞:all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(4)
↑
「all + the/my/this/etc + 単数形の名詞【場所】」は、指定された場所の全域やそこに住む人全員を指します。日本語でも「全世界の人々が驚いた」の意味で「全世界が驚いた」と表現することがあります。
【例文】:All the world is watching how the war is going.
【和訳】:この先戦争はどうなるのか全世界が注視している。
→"all the world"の意味は「全世界の人々」
all + the/my/these/etc + 複数形の名詞(数えられる名詞)
不定代名詞:all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(5)
↑
「all + the/my/these/etc + 複数形の名詞」の意味は、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して例外なくすべて〜」です。
【例文】:All the towns were destroyed by bombing.
(= All of the towns were destroyed by bombing.)
【和訳】:複数の町がすべて空爆で破壊された。
→"all"は複数存在する"town"(町)のすべてを表わす
all + the/my/these/etc + 単数形の名詞(集合名詞)
不定代名詞:all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(5)
↑
「all + the/my/these/etc + 集合名詞」の場合、集合名詞は単数形を使います。
【例文】:あの人たちはみんな向こうで何をしているの。
【 × 】:What are all those peoples doing over there?
【 ○ 】:What are all those people doing over there?
→"people"は集合名詞、単数形を使う
all + the/my/this/etc + 単数形の名詞(数えられない名詞)
不定代名詞:all:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)(7)
↑
「all + the/my/this/etc + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。
【例文】:All the ice has melted.
(= All of the ice has melted.)
【和訳】:氷はすっかり融けてしまった
→"ice"(氷)は「数えられない名詞」、"all the ice"の意味は「氷の全体」
「all + 時を表わす名詞」(〜の間ずっと、〜の最中ずっと)
不定代名詞:all(6)
↑
「all + 時を表わす名詞(day, week, etc)」で「その期間中ずっと継続して」の意味を表わします。時を表わす名詞は単数形を使います→【参照】:『不定代名詞"all"の意味:「all + 名詞」(〜の全体、〜のすべて)』
"the"を入れて"all the morning"(午前中ずっと)や"all the summer"(夏の間ずっと)なども可能ですが、"the"はよく省略します。
【例文】:I stayed at home and did housework like cleaning and washing all day.
【和訳】:一日中家にこもり、掃除、洗濯などの家事に勤しんでいました。
【例文】:It was raining all morning and snowing all afternoon.
【和訳】:午前中はずっと雨でしたが午後からはずっと雪が降り続いていました。
【例文】:I was studying for the tests all weekend.
【和訳】:週末はずっと試験勉強に明け暮れていました。
【例文】:That's the happiest news I've got all week.
【和訳】:それは今週一番のうれしいニュースだ。
【例文】:In the lake we can swim all summer and can skate all winter.
【和訳】:この湖では夏の間はずっと泳ぐことができて冬の間はずっとスケートができる。
【例文】:My grandfather was a fisherman all his life.
【和訳】:祖父は生涯漁師をしていました。
【例文】:After all this time I still contact many of my friends in my elementary school days.
【和訳】:今でもずっと小学生時代の友人の多くと連絡を取っています。
"all the time"は「特定の期間中ずっと」と「いつも、毎回、しょっちゅう」の意味があります。
【例文】:A cat was rubbing itself around his leg all the time the professor was lecturing.
【和訳】:教授が講義をしている最中ずっと猫が教授の足にじゃれついていました。
→"all the time 〜"の意味は「〜している間ずっと」
【例文】:"Tom left the door open again." "It happens all the time."
【和訳】:「またトムがドアを開けっ放しにした」「いつものことさ」
→"all the time"の意味は「いつも、しょっちゅう」
【例文】:The weather was bad all the while I was there.
【和訳】:そっちにいた時はずっと天気がぐずついていた。
否定文で使うall
不定代名詞:all(7)
↑
【例文】:All cats don't hate bathing.
【和訳1】:すべての猫が風呂嫌いというわけではない。
(= 風呂嫌いの猫は一部だ = Some cats hate bathing.)
【和訳2】:すべての猫は風呂嫌いではない。
(= 風呂嫌いの猫はいない = No cats hate bathing.)
【例文】の場合、普通は【和訳1】の意味を表わします。ただし、【例文】のままでは文全体の意味があいまいになるので、【和訳1】「全部が〜というわけではない、〜は一部だ」の意味を表わすときは「not all + 名詞」の形をよく使います。
【例文】:Not all cats hate bathing.
【和訳】:すべての猫が風呂嫌いというわけではない。
(= 風呂嫌いの猫は一部だ = Some cats hate bathing.)
【和訳2】「すべてが〜ではない、〜であるものはいない」の意味を表わすときは、あいまいになるのを避けて"all"ではなく"no"や"none"を使うことがあります。
【例文】:No cats hate bathing.
【和訳】:風呂が嫌いな猫などいない。
【例文】:None of my five cats hate bathing.
【和訳】:うちの猫は五匹とも風呂が嫌いではない。
似た意味の単語(both, everybody, etc)
不定代名詞:all(8)
↑
allとboth, each
不定代名詞:all:似た意味の単語(both, everybody, etc)(1)
↑
"all, both, each"はいずれも人やものが全部であることを表わします。
"all"のニュアンスは三つ以上の人やものを指して「すべて」です。"both"のニュアンスは二つの人やものを指して「両方とも」です。"each"のニュアンスは二つ以上の人やものを指して「どれも」です。"all"と"both"は複数扱い、"each"は単数扱いです。
【例文】:All of the cats have long and fluffy tails.
(= All the cats have long and fluffy tails.)
【和訳】:(三匹以上いる猫に対して)すべての猫の尻尾は長くてふわふわだ。
【例文】:Both of the cats have long and fluffy tails.
(= Both cats have long and fluffy tails.)
【和訳】:(二匹の猫に対して)どちらの猫も尻尾が長くてふわふわだ。
【例文】:Each of the cats has long and fluffy tails.
(= Each cat has long and fluffy tails.)
【和訳】:(二匹以上いる猫に対して)どの猫も尻尾は長くてふわふわだ。
→"all, both"は複数扱い、"each"は単数扱い
allとeverybody, everyone
不定代名詞:all:似た意味の単語(both, everybody, etc)(2)
↑
"all, everybody, everyone"はいずれも人が全員であることを表わします。
"everybody, everyone"は単独で主語として使うことができます。"all"は単独で主語として使うことはあまりありません。"all of 〜"は主語としてもよく使います。"everybody of 〜, everyone of 〜"は文法的に不可です。
「all + 主語 + 動詞」(all you need)や「all + that + 動詞」(all that is seen)の形で"all"を主語に使うことはあります→【参照】:『不定代名詞"all"の意味:「all + 主語 + 動詞」(〜がすべて、〜だけ)』
【例文】:全員が微弱な揺れを感じた。
【 △ 】:All felt slight tremors.
【 ○ 】:Everybody felt slight tremors.
【 ○ 】:Everyone felt slight tremors.
→"all"一語の主語はあまり使わない
【例文】:建物の中にいた全員が微弱な揺れを感じた。
【 × 】:Everybody of the people in the building felt slight tremors.
【 × 】:Everyone of the people in the building felt slight tremors.
【 ○ 】:Everybody in the building felt slight tremors.
【 ○ 】:Everyone in the building felt slight tremors.
【 ○ 】:All of the people in the building felt slight tremors.
(= All the people in the building felt slight tremors.)
→"everybody, everyone, everything"に"of 〜"を続けるのは不可
allとwhole
不定代名詞:all:似た意味の単語(both, everybody, etc)(3)
↑
"whole"はたいてい名詞(単数形)の前において「全体、全部」を表わします。
【例文】:The whole town was submerged.
【和訳】:町全体が水没した。
【例文】:The whole school was evacuated.
【和訳】:全校生徒が避難した。
"all"と"whole"はいずれも人や物事の全体を表わします。"the"や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、this, thatなどは"all"の後ろ、"whole"の前に置きます。
【例文】:スコットは生涯独身だった。
【 × 】:Scott was single his all life.
【 × 】:Scott was single whole his life.
【 ○ 】:Scott was single all his life.
【 ○ 】:Scott was single his whole life.
→"his"の位置は"all"の後ろ、"whole"の前
「whole + 数えられない名詞」は不可、代わりに「whole of + 数えられない名詞」か「all + 数えられない名詞」を使います。
【例文】:海岸のごみはすべて片づけました。
【 × 】:We cleaned up the whole litter on the beach.
【 ○ 】:We cleaned up the whole of the litter on the beach.
【 ○ 】:We cleaned up all the litter on the beach.
(= We cleaned up all of the litter on the beach.)
→"litter"(ごみ)は数えられない名詞、"the whole litter"は不可
「whole + 複数名詞」はたいてい不可、代わりに「whole of + 複数名詞」か「all + 複数名詞」を使います。
【例文】:乗客は全員無事だ。
【 × 】:The whole passengers are safe.
【 ○ 】:The whole of the passengers are safe.
【 ○ 】:All the passengers are safe.
(= All of the passengers are safe)
→"passengers"(乗客)は複数名詞、"the whole passengers"は不可
強調の形容詞としての"all"
不定代名詞:all(9)
↑
"all"は名詞の前に置いて形容詞として名詞の意味を強調することがあります。イディオム的な定型表現が多いのでここでまとめます。
be + all + 名詞
不定代名詞:all:強調の形容詞としての"all"(1)
↑
「be + all + 体の部位」で人の様子や特徴を表わす表現を作ることがあります。
【例文】:The children were all ears while the earthquake early warning was broadcasting on radio.
【和訳】:ラジオで緊急地震速報が流れている間、子供たちは耳を傾けて聞いていました。
→"ears"は複数形、"A + be + all ears"の意味は「Aは熱心に聞いている」
【例文】:The class were all eyes when the new homeroom teacher came into the classroom.
【和訳】:新しい担任の先生が教室に入って来たとき、クラス全員が目を皿のようにして見つめていた。
→"eyes"は複数形、"A + be + all eyes"の意味は「Aは注意して見る」
【例文】:Politicians promise this and that but they are all mouth.
【例文】:Politicians promise this and that but they are all talk.
【和訳】:政治家はあれやこれやと約束はするが口先だけで実行はしない。
→"mouth", "talk"は単数形、"A + be + all mouth/talk"の意味は「Aは口先だけだ」
"be all mouth"と"be all talk"はほぼ同じ意味です。
【例文】:The preschoolers were all smiles as they met Santa Claus.
【和訳】:園児たちはサンタさんに会えてニコニコしていた。
→"smiles"は複数形、"A + be + all smiles"の意味は「Aは笑顔で一杯だ」
【例文】:I'm all thumbs and can't tie my shoes.
【和訳】:不器用なので靴のひもも結べません。
→"thumbs"は複数形、"A + be + all thumbs"の意味は「Aは手先が不器用だ、動きがぎこちない」です
beyond + all + 名詞
不定代名詞:all:強調の形容詞としての"all"(2)
↑
「beyond + all 名詞」で名詞が表わす思考や概念をはるかに超えることを表わします。
【例文】:It has been prove beyond all doubt that our greenhouse gases are causing global warming.
【和訳】:温室効果ガスが地球温暖化の原因であることは疑いの余地なく証明されている。
→"beyond all doubt"の意味は「疑いの余地なく明らかに」
【例文】:The shop has succeeded beyond all expectations.
【和訳】:その店は予想に反して繁盛していた。
→"expectations"は複数、"beyond all expectations"の意味は「予想がいいほうに裏切られる」
【例文】:My hometown has changed beyond recognition due to urbanization.
【和訳】:私の故郷は都市化によって様相がすっかり変わってしまった。
in + all + 名詞
不定代名詞:all:強調の形容詞としての"all"(3)
↑
「in + all 名詞」で名詞が表わす状況や状態であることを強調します。
【例文】:I wore odd socks because I left in all haste.
【和訳】:大急ぎで出て来たんで左右別々の靴下を履いて来てしまった。
→"in all haste"の意味は「非常に急いで」
【例文】:In all honesty, the horror movie wasn't scary at all.
【和訳】:正直なところ、そのホラー映画は全然怖くなかった。
→"in all honesty"の意味は「本音を言えば、実は」
【例文】:In all seriousness, I wonder if there really will be a world without war.
【和訳】:真面目な話、戦争のない世界は本当にやって来るのだろうか。
→"in all seriousness"の意味は「冗談は抜きにして、真剣な話なのだが」
【例文】:Microplastics will in all likelihood accumulate in our bodies.
【例文】:Microplastics will in all probability accumulate in our bodies.
【和訳】:十中八九、マイクロプラスチックは人の体内に蓄積されていくだろう。
→"in all likelihood"と"in all probability"はほぼ同じ意味
with + all + 名詞
不定代名詞:all:強調の形容詞としての"all"(4)
↑
「with + all 名詞」で名詞が表わす状況や状態であることを強調します。
【例文】:I hope with all my heart that the war will end as soon as possible.
(= I hope with my whole heart that the war will end as soon as possible.)
【和訳】:この戦争が一日も早く終わることを心から願っています。
→"with all my heart"(= with my whole heart)の意味は「心の奥底から」
【例文】:I pulled the doorknob with all my might and it came out.
【和訳】:ドアノブを力任せに引っ張ったら抜けちゃった。
→"with all might"の意味は「あらん限りの力で、ありったけの力で」
【例文】:I tried to lift the rock with all my strength but it didn't move in the least.
【和訳】:その岩を全力で持ち上げようとしたけど微動だにしなかった。
→"with all strength"の意味は「全力で、力一杯」
強調の副詞としての"all"(まったく〜、すっかり〜)
不定代名詞:all(10)
↑
"all"は副詞として形容詞やほかの副詞の意味を強調することがあります。ニュアンスは「まったく〜、すっかり〜、完全に〜」です。
【例文】:When the kids came home in the rain, they were all soaked and muddy.
【和訳】:雨の中帰って来た子供たちはずぶぬれで泥まみれだった。
→"all"は"soaked"(ずぶぬれの)と"muddy"(泥で汚れた)の意味を強調する
【例文】:The audience got all excited about the match.
【和訳】:試合を見ていた観客は興奮の極みに達した。
→"all"は"excited"(興奮した)の意味を強調する
【例文】:I saw a puppy sitting all alone in the rain.
【和訳】:雨の中で一匹だけで座っている子犬を見かけた。
→"all"は"alone"(一匹で)の意味を強調する
【例文】:My son made this sand castle all by himself.
【和訳】:この砂のお城は息子がたった一人で作り上げました。
→"all"は"by himself"(息子一人で)の意味を強調する
"all"を使うイディオム
不定代名詞:all(11)
↑
all the + 比較級(かえって〜、余計に〜)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(1)
↑
"all"は「all the + 比較級」の形で「もともとの状態は〜だったがさらにいっそう」のニュアンスを表わすことがあります。たいてい、比較級の次に原因を表わす"because 〜"や"for 〜"や"with 〜"を置きます。
状態の変化が予想通りだった場合、和訳は「ますます、よりいっそう」などを使います。状態の変化が予想外だった場合、和訳は「かえって、むしろ」などを使います。
【例文】:I felt all the happier because we met for the first time in ten years.
【和訳】:十年ぶりに会えて喜びもいっそうだった。
→"all the"は"happier"の意味を強調する
【例文】:I started commuting by bike. I am all the healthier for it.
【和訳】:自転車通勤を始めたらかえって体調がよくなった。
→"all the"は"healthier"の意味を強調する
【例文】:The Internet will be all the more dangerous with the flood of unreliable information.
【和訳】:不確かな情報があふれるとインターネットはかえって危険です。
→"all the"は"dangerous"の意味を強調する
all but 〜(〜を除くすべて、ほとんど〜)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(2)
↑
"all but 〜"の意味は「〜を除くすべて」です。"but"は前置詞なので次には名詞や代名詞を置きます。
【例文】:The earthquake has damaged all but one of the houses in the village.
(= The earthquake has damaged every house except one in the village.)
【和訳】:地震のため集落の家屋は一軒を除いてすべて損壊した。
"all but"は形容詞の前に置いて「ほとんど〜、ほぼ〜、〜も同然」の意味を表わすことがあります。
【例文】:It is all but impossible to bridge the gap between young and old in any era.
(= It is almost impossible to bridge the gap between young and old in any era.)
【和訳】:いつの時代でも若者とお年寄りの間にある溝を埋めるのはほぼ不可能だ。
→"all but"は副詞として機能する
above all(とりわけ、何よりも)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(3)
↑
"above all"は一番大切なことやもっとも注意を払うべきことを表わします。
【例文】:Keep calm and do not panic, above all, when an emergency occurs.
【和訳】:とりわけ緊急時には落ち着いてパニックに陥らないようにしましょう。
after all(結局、何と言っても)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(4)
↑
"after all"は結果が予想外であることを表わします。
【例文】:This painting is, after all, a fake.
【和訳】:結局、この絵は偽物だった。
→当初、絵は本物だと思われていた
もう一つ、"after all"は自分の発言に対して後から理由を付け足します。
【例文】:They should accept the evacuees. After all they fled from the war.
【和訳】:避難民を受け入れるべきです。何と言っても彼らは戦火を逃れて来たのですから。
→"after all"は予想外の結果ではなく自説に対する理由を導く
all in all(結論として、全体的に見ると)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(5)
↑
"all in all"は結果としての意見、あるいは細かいことは抜きにして全体を見た意見を表わします。
【例文】:All in all the testimony was false.
【和訳】:結果としてその証言は間違いだった。
【例文】:The students worked in a real workplace. All in all it would be a good experience for them.
【和訳】:職場体験は全体として生徒たちの良い経験になっただろう。
all of 〜(たったの〜、たっぷりの〜)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(6)
↑
"all of 〜"は数や量が多いことや少ないことを強調します。"of"の次はたいてい数字を置きます。驚きや失望などのニュアンスを含むことがあります。
【例文】:The torrential downpour lasted all of two hours.
【和訳】:滝のような豪雨が二時間もの間続いた。
→"all of"は豪雨が予測を超えて長時間続いたことを表わす
【例文】:I am all of three minutes older than my twin brother.
【和訳】:私は双子の弟より三分だけ年上です。
→"all of"は時間がごく短いことを表わす
all at once(突然、いっせいに)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(7)
↑
"all at once"は予想外の出来事が起こることを表わします。
【例文】:All at once I became aware of the smell of something burning.
【和訳】:不意に何かが焦げる臭いが鼻についた。
もう一つ、"all at once"は複数の物事を同時に行うことや複数の出来事が同時に起こることを表わします。
【例文】:I don't think most people can do multiple things all at once.
【和訳】:たいていの人はいくつものことを同時にこなすなんてできないと思う。
all of a sudden(突然、いきなり)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(8)
↑
"all of a sudden"は思いがけない出来事が突然起こることを表わします。
【例文】:The sun was shining but all of a sudden it started hailing.
【和訳】:太陽は照っていたけれど突如ひょうが降り出した。
all over(至る所で、いかにも〜らしい)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(9)
↑
"all over"は前置詞として特定の場所のあちらこちらを表わします。
【例文】:Red rashes spread all over my body when I become exhausted.
【和訳】:疲れがひどくなると全身にじんましんが広がります。
→"all over"は前置詞、意味は「〜の至る所で」
もう一つ、"all over"は特定の人物にありがちなことを強調します。たいてい会話で使います。
【例文】:"Elsa lost her wallet, didn't she? That's her all over."
【和訳】:「エルザが財布を失くしたんだって。それは彼女らしいね」
→"all over"は"Elsa"がよく物を失くすことを表わします
all manner of 〜(あらゆる種類の〜、いろいろな〜)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(10)
↑
"all manner of 〜"はありとあらゆる種類があることやいろいろ違ったタイプの種類があることを表わします。"of"の次の名詞はたいてい複数形ですが"manner"自体は常に単数形で使います。
【例文】:You can get all manner of things in this shopping mall.
【和訳】:このショッピングセンターに来ればありとあらゆる物が手に入る。
【例文】:All manner of plants and animals live in the undeveloped land.
【和訳】:人の手が入っていないこの土地ではさまざまな種類の植物や動物が生息しています。
once and for all(これっきり、きっぱりと)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(11)
↑
"once and for all"はこれが最後でもうこの後はないことを表わします。話し手の強い意志決定を表わすことがあります。
【例文】:Once and for all, we must stop discriminating on the basis of race.
【和訳】:人種に基づく差別はきっぱりと止めねばならない。
→"once and for all"は差別との断固とした決別を表わす
【例文】:I'll never ride a roller coaster once and for all.
【和訳】:金輪際ジェットコースターには乗らない。
→"once and for all"は話し手の強い意志を表わす
at all(少しも、少しは)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(12)
↑
"at all"は否定や疑問、条件の意味を強調します。
【例文】:You haven't changed at all.
【和訳】:あなたはまったく変わっていない。
→"at all"は否定の意味を強調する
【例文】:Have I changed at all?
【和訳】:少しは昔と変わったかな。
→"at all"は疑問の意味を強調する
【例文】:I want to change myself if at all possible.
【和訳】:もう出来ることなら少しでも自分を変えたい。
→"at all"は条件の意味を強調する
【例文】:If you see anything suspicious at all, please contact us.
【和訳】:もし万が一にも不審物を見つけたら連絡して下さい。
→"at all"は条件の意味を強調する
for all 〜(〜にもかかわらず、〜だが)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(13)
↑
"for all 〜"は前置詞として使います。ある物事がほかの物事からたいした影響を受けないことを表わします。
【例文】:For all their difficulties, the firefighters saved all the people in the upper floors.
【和訳】:作業は難航したけれど消防士は上層階にいた人々全員を救出した。
→"for all"は前置詞、"their difficulties"は名詞句
all the way(道すがらずっと、時間内ずっと、全面的に)
不定代名詞:all:"all"を使うイディオム(14)
↑
"all the way"は距離的にあるいは時間的に最初から最後までを表わします。
【例文】:Yesterday a kitten cat followed me all the way home from the station.
【和訳】:昨日、子猫が駅から家までずっとついて来ちゃいました。
→子猫は途中でどこかに行くこともなくついて来た
【例文】:The queue went all the way around the city hall.
【和訳】:人の列は市役所をぐるりと一周するほどの長さでした。
→列には途切れがなかった
【例文】:I was sleeping all the way through the movie.
【和訳】:映画の上映中ずっと寝てました。
→途中で起きることはなかった
もう一つ、"all the way"はあらゆる努力を注ぎ込むことや最後までやり遂げることを表わします。
【例文】:We will support war refugees all the way.
【和訳】:私たちは戦争による難民を全面的に支援します。
→難民を全力でサポートする
【例文】:Shut the door all the way to prevent a draft coming in.
【和訳】:隙間風が入らないようにドアはきちんと閉めて下さい。
→隙間ができないようにドアを完全に閉める
「全員の中の一人一人」を強調する"each"
each(めいめい、それぞれ)
不定代名詞:each(1)
↑
"each"のニュアンスは「指定されたものすべて」です。比較的少ない数の人やものに対して「めいめい、それぞれ」の意味を表わします。
【例文】:I have two sons and two daughters. Each is living in a different prefecture.
【和訳】:私には息子と娘が二人ずついますが、みんなそれぞれ別の県に住んでいます。
→"each" = "each of my two sons and two daughters"(私の二人の息子と二人の娘それぞれ)
【例文】:Each of the students was handed a graduation certificate.
【和訳】:生徒一人一人が卒業証書を受け取った。
【例文】:水が入ったバケツを両手に一つずつ持って運んだ。
【和訳】:I carrried a pail of water in each hand.
→"each hand"(両手、左右の手)
単独で使うeach
不定代名詞:each(2)
↑
主語や目的語
不定代名詞:each:単独で使うeach(1)
↑
不定代名詞"のeach"は前に出て来た名詞の代わりに主語や目的語として使います。
【例文】:We have five part-timers. Each has a different nationality.
【和訳】:アルバイトを五人います。国籍はそれぞれ別々です。
→"each" = "each of the five part-timers"(五人のアルバイトそれぞれ)
【例文】:There were ten examinees. The examiner distributed the question sheet and answer sheet to each.
【和訳】:受験者は十人だった。試験官は受験者一人一人に問題用紙と解答用紙を配った。
→"each" = "each of the ten examinees"(十人の受験者一人一人)
主語の意味の補足
不定代名詞:each:単独で使うeach(2)
↑
不定代名詞の"each"を動詞の前、あるいは助動詞やbe動詞の後ろに置いて「主語がそれぞれ〜である」の意味を表わすことがあります。助動詞とbe動詞が合計二個以上あるときは、最初に出て来た助動詞の次に"each"を置きます。
"each"を主語の意味の補足として使う場合、"each"の前に置く名詞(主語)は複数形を使います。「数」も複数扱いです→【参照】:『不定代名詞"each"の意味:"each"は単数扱い』
【例文】:Our cats each have their own dishes and places to sleep.
(= Each of our cats has its own dish and place to sleep.)
【和訳】:ウチの猫たちはそれぞれ自分だけの皿と寝床を持っています。
→"each"の意味は「それぞれ」、位置は動詞(have)の前
【例文】:We were each at work when the earthquake struck.
【和訳】:地震発生時私たちはそれぞれ仕事中でした。
→"each"の意味は「それぞれ」、位置はbe動詞(were)の後ろ
【例文】:The drivers have each been fined a hundred dollars for speeding.
【和訳】:運転手たちは速度超過でめいめい百ドルの罰金を払った。
→"each"の意味は「めいめい」、位置は助動詞(have)の後ろ、be動詞(been)の前
「一本百円」や「一人につき五キロ」のように数量を具体的な数値で表わすときはたいてい"each"を文尾に置きます。
【例文】:These canned coffees cost 100 yen each.
(= Each of these canned coffees cost 100 yen.)
【和訳】:缶コーヒーはどれも一本百円だ。
→"each"の意味は「どれも」、金額を表わすので"each"は文尾に置く
目的語の意味の補足
不定代名詞:each:単独で使うeach(3)
↑
不定代名詞の"each"を目的語の次に置いて「一人一人、それぞれ」を表わします。
eachを置く位置は目的語の直後と文尾の二通りが可能です。「二個ずつ」や「三枚ずつ」のように数量を具体的な数値で表わす場合はeachを文末に置くのが普通です。
【例文】:The police officer gave the children each a personal alarm.
【和訳】:警察官は子供たち一人一人に防犯ブザーを渡した。
→"each"は"the children"(目的語)の補足、語順は"the children each"
【例文】:The mother gave her children three cookies each.
【和訳】:母親は子供たち一人一人にクッキーを三枚ずつあげました。
→"each"は"the children"(目的語)の補足、"three cookies"が数量を表わすので"each"は文末に置く
each of 〜(〜のうちのめいめい、〜のうちのそれぞれ)
不定代名詞:each(3)
↑
"each of 〜"の意味は「〜のうちのそれぞれ」です。"of"の次には「数えられる名詞」(複数形)や複数形の人称代名詞の目的格(us, you, them)を置きます。
"each of 〜"の意味は「〜のうちの一人一人、〜のうちの一つ一つ」です。複数の選択肢の中のそれぞれ一つ一つを表わすので"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。
【例文】:子供たちは一人一人が異なる個性を持っている。
【 × 】:Each of the child has a different personality.
【 ○ 】:Each of the children has a different personality.
→"of"の次は複数形の"children"を使う
"each of 〜"の「数」は"each"に合わせて単数にするのが普通です。【例文】の場合、動詞は単数形の"has"使います→【参照】:『不定代名詞"each"の意味:"each"は単数扱い』
「each of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してめいめいが〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:子供たちは一人一人が異なる個性を持っている。
【 × 】:Each of children has a different personality.
【 ○ 】:Each of the children have a different personality.
→話題にしている子供たちを指すので"children"に"the"を付ける
「each of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「each of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関していずれも〜である」というニュアンスがあります。
【例文】:四人の息子がいるがそれぞれ結婚して家を出て暮らしています。
【英訳】:I have four sons. Each of them is married and lives away from home.
→"them" = "my four sons"
"each"は単数扱い
不定代名詞:each(4)
↑
"each"の場合、正式には単数扱いです。受ける人称代名詞も動詞も単数です。ただし、くだけた文章や会話では人称代名詞に複数形の"they, their, them"を使うことがあります→【参照】:『原則として単数扱いの不定代名詞:"each"』
最近、人称代名詞は複数形の"they, their, them"を使うのが普通になりつつあります。
【例文】:犬を四匹飼っています。それぞれ自分の好みの食べ物がある。
【英訳】:I have four dogs. Each has its favorite food.[※正式な言い方]
【英訳】:I have four dogs. Each has their favorite food.[※ややくだけた言い方]
→"each"は正式には単数形の"its"を使う、"their"はややくだけた言い方
【例文】:犬たちはそれぞれ自分の好みの食べ物がある。
【英訳】:Each dog has its favorite food.[※正式な言い方]
【英訳】:Each dog has their favorite food.[※ややくだけた言い方]
→"each"は正式には単数形の"its"を使う、"their"はややくだけた言い方
【英訳】:Each of the dogs has its favorite food.[※正式な言い方]
【英訳】:Each of the dogs has their favorite food.[※ややくだけた言い方]
→"each"は正式には単数形の"has, its"を使う、"have, their"はくだけた言い方
ただし、"each"を主語の意味の補足として使う場合は複数扱いです→【参照】:『不定代名詞:each単独で使うeach:主語の意味の補足』
【例文】:運転手はそれぞれ視力検査を受ける必要がある。
【 × 】:Each of the drivers have to take an eyesight test.
【 ○ 】:Each of the drivers has to take an eyesight test.
→"each + of the/my/these/etc + 名詞(複数形)"で使う、単数扱いが普通
【 × 】:Each drivers have to take an eyesight test.
【 ○ 】:Each driver has to take an eyesight test.
→"each + 名詞(単数形)"で使う、単数扱い
【 × 】:The driver each has to take an eyesight test.
【 ○ 】:The drivers each have to take an eyesight test.
→"each"は主語(drivers)の補足、"drivers each"は複数扱いなので"have"を使う
each + 名詞(めいめいの〜、それぞれの〜)
不定代名詞:each(5)
↑
不定代名詞の"each"は名詞の前に置いて形容詞として使うこともできます。名詞は必ず単数形を使います。
【例文】:それぞれの猫が自分専用のお皿と寝床を持っています。
【 × 】:Each cats have their own dish and place to sleep.
【 ○ 】:Each cat has its own dish and place to sleep.
(= Each of the cats has its own dish and place to sleep.)
→"each cat(単数形)"の形で使う
【例文】:道の両側には鬱蒼とした森が広がっていた。
【 × 】:There were a dense woods on each sides of the road.
【 ○ 】:There were a dense woods on each side of the road.
(= There were a dense woods on both sides of the road.)
(= There were a dense woods on either side of the road.)
→"each side(単数形)"の形で使う
"each"は否定文では使わない
不定代名詞:each(6)
↑
通例、"each"は否定文では使いません。代わりに"none"や"nobody, no one"などを使います。
【例文】:けがをした子供は一人もいなかった。
【 × 】:Each of the children was not hurt.
【 ○ 】:None of the children were hurt.
→"each 〜 not"は不可、"none"を使う
【例文】:寝坊した人はいなかった。
【 × 】:Each person didn't oversleep.
【 ○ 】:No one overslept.
→"each 〜 not"は不可、"no one"を使う
似た意味の単語(all, every)
不定代名詞:each(7)
↑
eachとall, both
不定代名詞:each:似た意味の単語(all, both, every)(1)
↑
"each, all, both"はいずれも人やものが全部であることを表わします。
"each"のニュアンスは二つ以上の人やものを指して「どれも」です。"all"のニュアンスは三つ以上の人やものを指して「すべて」です。"both"のニュアンスは二つの人やものを指して「両方とも」です。"each"は単数扱い、"all"と"both"は複数扱いです。
【例文】:All of the tablets are ouf of battery.
(= All the tablets are ouf of battery.)
【和訳】:(三台以上のタブレットに対して)すべてのタブレットは電池切れだ。
【例文】:Both of the tablets are ouf of battery.
(= Both tablets are ouf of battery.)
【和訳】:(二台のタブレットに対して)どちらのタブレットも電池切れだ。
【例文】:Each of the tablets is ouf of battery.
(= Each tablet is ouf of battery.)
【和訳】:(二台以上のタブレットに対して)どのタブレットも電池切れだ。
→"each"は単数扱い、"all, both"は複数扱い
eachとevery
不定代名詞:each:似た意味の単語(all, both, every)(2)
↑
"each"は個人を強調します。everyは例外がなくすべてであることを強調します。
【例文】:A plastic bottle of green tea and a rice ball were provided to each evacuee.
【和訳】:避難された方一人一人にペットボトルのお茶とおにぎりが配られた。
→"each"のニュアンスは「一人一人に対して」
【例文】:Plastic bottles of green tea and rice balls were provided to every evacuee.
【和訳】:避難された方全員にペットボトルのお茶とおにぎりが配られた。
→"every"のニュアンスは「例外なく全員に」
"every"の意味は「(三つ以上のものに対して)それぞれの」です。二つしかないものに対しては"each"か"both"を使います。
【例文】:両目に目薬を一滴ずつさして下さい。
【 × 】:Put an eye drop into every eye.
【 ○ 】:Put an eye drop into each eye.
【 ○ 】:Put an eye drop into both eyes.
→"eye"(目)は二つなので"every"は不可
"every"は形容詞として使います。名詞としての用法はありません。"each"はどちらでも使えます。
【例文】:歩いて行ける範囲にコンビニが三軒あるけど、どこもトマトやジャガイモなどの野菜を売っている。
【 × 】:There are three convenience stores within walking distance. Every sells vegetables like tomatoes and potatoes.
【 ○ 】:There are three convenience stores within walking distance. Every store sells vegetables like tomatoes and potatoes.
【 ○ 】:There are three convenience stores within walking distance. Each sells vegetables like tomatoes and potatoes.
【 ○ 】:There are three convenience stores within walking distance. Each store sells vegetables like tomatoes and potatoes.
→"every"のみは不可、"every store"か"each", "each store"とする
eachの前に"almost, nearly, not"を置くことはできません。代わりにeveryを使います。
【例文】:地震でほとんどすべての皿が割れてしまいました。
【 × 】:Almost each dish has been broken due to the earthquake.
【 × 】:Nearly each dish has been broken due to the earthquake.
【 ○ 】:Almost every dish has been broken due to the earthquake.
【 ○ 】:Nearly every dish has been broken due to the earthquake.
→"almost each", "nearly each"は不可、"every"を使う
【例文】:水族館は毎日開いてるわけではない。
【 × 】:Not each day the aquarium is open.
【 ○ 】:Not every day the aquarium is open.
→"not each"は不可、"every"を使う
"each"を使うイディオム
不定代名詞:each(8)
↑
each and every 〜(〜の誰もがみんな、〜のどれもこれも)
不定代名詞:each:"each"を使うイディオム(1)
↑
"each and every 〜"は"each 〜"のニュアンスを強調します。意味は「(複数ある中で)誰もがみんな、どれもこれも」です。
【例文】:Each and every person has their own history.
【和訳】:人一人一人にはそれぞれ独自の歴史がある。
【例文】:War severely affects each and every country's politics and economy.
【和訳】:戦争は一つ一つの国の政治や経済に甚大な影響を及ぼす。
each other(お互い、相互)
不定代名詞:each:"each"を使うイディオム(2)
↑
"each other"は一語の代名詞のように使うことができます。意味は「お互い、相互、それぞれ」です。相互に何らかの影響を与えることを表わします。"one another"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"one"の意味:"one"を使うイディオム:one another(お互い)』
"each other"も"one another"も一語の代名詞として使うので、動詞や前置詞の目的語としてよく使います。
【例文】:Two cats were licking each other in the face.
【和訳】:二匹の猫がそれぞれの顔をなめ合っていた。
→"each other"は動詞"lick"(〜をなめる)の目的語、意味は「それぞれ」
「前置詞(at, to, with, etc) + each other」で「お互いに、相互に、それぞれに」の意味を表わします。
【例文】:The man and chimpanzee carefully looked at each other.
【和訳】:男性とチンパンジーはお互いの顔をまじまじと見つめていた。
→"each other"は前置詞"at"の目的語、意味は「お互い」
【例文】:I think birds can communicate with each other using their own language.
【和訳】:鳥は鳥にしかわからない言葉でお互いに意思の疎通ができると思うよ。
→"each other"は前置詞"with"の目的語、意味は「お互い」
each time 〜(〜するたびに、〜するといつも)
不定代名詞:each:"each"を使うイディオム(3)
↑
"each time"は接続詞のように使います。意味は「〜するたびに、〜すると毎回、〜するといつも」です。
【例文】:Each time the earth revolves around the sun, another year passes.
【和訳】:地球が太陽の周りを一周するたびに一年が過ぎ去る。
"every time"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:Every time the earth revolves around the sun, another year passes.
【和訳】:地球が太陽の周りを一周するたびに一年が過ぎ去る。
形容詞の"every"
every(全部、あらゆる)
不定代名詞:every(1)
↑
"every"は単独で《代名詞》として使うことはなく、常に名詞の前に置いて形容詞として使います。しかし、意味が"all"や"each"と似ているのでここで扱います。
"every"の次に置く名詞はたいてい単数形です。"all"は全体を一まとめにして「全部」ですが、"every"と"each"は一人一人、一つ一つに焦点を当てて「全部」です。
【例文】:The biology teacher showed every student his collection of fossils.
(= The biology teacher showed each student his collection of fossils.)
【和訳】:生物の先生が生徒一人一人に化石のコレクションを見せてくれた。
【例文】:The biology teacher showed all the students his collection of fossils.
【和訳】:生物の先生が生徒全員に化石のコレクションを見せてくれた。
「化石のコレクション」を生徒一人一人に順番に見せたのなら"every student"か"each student"、全員の前でハイこれですと見せたのなら"all the students"を使います。
【例文】:I spend every morning jogging 1km.
(= I spend each morning jogging 1km)
【和訳】:私は毎朝一キロのジョギングします。
【例文】:I have spent all morning jogging 1km.
【和訳】:私は午前中ずっと一キロのジョギングをしている。
「来る日も来る日も朝にはジョギング」なら"every morning"か"each morning"、「午前中の間ずっとジョギングを続ける」なら"all morning"を使います。
「every + 名詞」は単数扱い
不定代名詞:every(2)
↑
「every + 名詞」の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。
ただし、くだけた文章や会話では代名詞を複数形にすることがあります→【参照】:『原則として単数扱いの不定代名詞(2)「every + 名詞」』
【例文】:生徒はそれぞれ自分の靴を自分のロッカーに入れなさい。
【 ○ 】:Every student have to put their shoes in their locker.[※くだけた言い方]
【 ○ 】:Every student has to put his shoes in his locker.[※正式な言い方]
→"every"は正式には単数形の"has, his"を使う
「every + 複数形の名詞」(〜ごとに)
不定代名詞:every(3)
↑
一定の間隔が空くことを示して「〜時間ごとに、〜歩ごとに」を表わす場合は、"every"と複数形の名詞を使って"every three hours(三時間ごとに), every four steps(四歩ごとに)"と表現します。
【例文】:This geyser every three hours ejects boiling water 100 meters into the air.
【和訳】:この間欠泉は三時間ごとに熱湯を百メートル吹き上げます。
【例文】:Weak volcanic earthquakes have been observed every other day for two weeks.
【和訳】:ここ二週間の間、一日おきに微弱な火山性地震が観測されている。
【例文】:The photographer stopped every four steps to take photos of the lake.
【和訳】:カメラマンは四歩ごとに立ち止まって湖の写真を撮った。
【例文】:このレストランの看板は数キロごとに見かけた。
【和訳】:I have seen the restaurant billboard every few kilometers.
every time(〜するたびに、〜するといつも)
不定代名詞:every(4)
↑
"every time"は接続詞のように使います。意味は「〜するたびに、〜すると毎回、〜するといつも」です。
【例文】:I get carsick every time you drive.
【和訳】:あなたの運転だといつも車酔いしてしまう。
"each time"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I get carsick each time you drive.
【和訳】:あなたの運転だといつも車酔いしてしまう。
数や量が全部ではないことを表わす"some"
"some"は「ゼロではない」ことを暗示する
不定代名詞:some(1)
↑
"some"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」です。似た意味の"any"とは異なり、"some"は数や量について「ゼロではない」ことを暗示します。なので、"some"はよく肯定文で使います→【参照】:『"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する』
【例文】:I have visited some of these prefectures.[※肯定文]
【和訳】:この中でいくつかの県には行ったことがある。
→二つ以上の県が訪問ずみ
【例文】:Have you visited any of these prefectures?[※疑問文]
【和訳】:この中で行ったことがある県がいくつかありますか。
→訪問ずみの県はゼロかもしれない
【例文】:I've not visited any of these prefectures.[※否定文]
【和訳】:この中で行ったことがある県は一つもない。
→訪問ずみの県はゼロ
some(いくつか、いくらか、一部)
不定代名詞:some(2)
↑
"some"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」です。「ゼロではないが全部でもない」ことを表わすので、意味的にはかなり幅があり、和訳は「数えられる名詞」なら「少数、一部、若干、いくつか」、「数えられない名詞」なら「少し、一部、若干、いくらか」などが可能です。
【例文】:Some cast a negative vote.
【和訳】:数名が反対票を投じた。
【例文】:They had enough drink, so we carried some to another evacuation center.
【和訳】:飲み物は充分にあったので一部をもう一つの避難所へ運びました。
疑問文で"some"は使うと、「それはあるよ、それは持ってる」といった肯定の返事が返って来ることを期待するニュアンスを表わします。
【例文】:I've baked tons of cookies. Would you like some?
【和訳】:クッキーをたくさん焼いて来ましたよ。お一ついかが。
→相手がクッキーを食べてくれることを期待している。
【例文】:I've baked tons of cookies. Would you like any?
【和訳】:クッキーをたくさん焼いて来ましたよ。召し上がりますか。
→相手がクッキーを食べてくれるかどうかはわからない
some of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)
不定代名詞:some(3)
↑
"some of 〜"の意味は「〜のうちの誰か、〜のうちのいくらか」です。"some"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」なので、"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。
【例文】:私たちの学校の生徒数人が国際数学オリンピックに参加しました。
【 × 】:Some of our school student participated in the International Mathematical Olympiad.
【 ○ 】:Some of our school students participated in the International Mathematical Olympiad.
→"of"の次は複数形の"students"を使う
「some + of + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。
【和訳】:電気の一部は太陽光発電でまかなっています。
【 × 】:Some of the electricities is generated by solar panels.
【 ○ 】:Some of the electricity is generated by solar panels.
→"electricity"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK
「some of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して一部は〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:私たちの学校の生徒数人が国際数学オリンピックに参加しました。
【 × 】:Some of school students participated in the International Mathematical Olympiad.
【 ○ 】:Some of our school students participated in the International Mathematical Olympiad.
→自分の学校の生徒を指すので"school students"に"our"を付ける
【例文】:電気の一部は太陽光発電でまかなっています。
【 × 】:Some of electricity is generated by solar panels.
【 ○ 】:Some of the electricity is generated by solar panels.
→自分のところで使っている電気を指すので"electricity"に"the"を付ける
「some of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「some of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して一部は〜である」というニュアンスがあります。
【例文】:My class has thirty students. Some of them live in the dormitory.
【和訳】:私のクラスには三十人の生徒がいます。そのうち数名が寮住まいです。
→"them" = "students"(数えられる名詞)
「some of + 名詞」を主語に置く場合、動詞の「数」は"some"ではなく"of"の次に置く名詞に合わせるので、単数と複数の両方がありえます→【参照】:『文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞"some"……「some of + 名詞」のとき、「数」は名詞に合わせる』
【例文】:我々の太陽系の惑星は何十個もの衛星を持つものがある。
【 × 】:Some of the planets in our solar system has dozens of satellites.
【 ○ 】:Some of the planets in our solar system have dozens of satellites.
→動詞の「数」は"planets"に合わせて複数
「some + 名詞」(いくつかの〜、いくらかの〜)
不定代名詞:some(4)
↑
「some + 名詞」の意味は「いくつかの〜、いくらかの〜」です。
"some"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」なので、次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形です。「数えられない名詞」の場合は単数形のままでOK。
【例文】:If you put some pieces, then you will eventually finish this huge jigsaw.
【和訳】:あと数ピース置けば、この巨大ジグソーパズルもようやく完成です。
→"piece"(ジグソーパズルのピース)は「数えられる名詞」なので複数形"pieces"を使う
【例文】:We can do anything with some bravery and some patience.
【和訳】:少々の勇気と少々の忍耐さえあれば何だってできる。
→"bravery"(勇気)と"patience"(忍耐)は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK
「some + 単数名詞」(かなりの〜、相当な〜)
不定代名詞:some(5)
↑
「some + 名詞」の形で数や量がかなり多い、程度がかなり大きいことを表わします。たいてい、距離や時間、喜怒哀楽の感情を表わす表現を強調します。
【例文】:I was forced to push my bike for some miles since the tire had gone flat.
【和訳】:タイヤがパンクしたので何マイルも自転車を押していく羽目に陥りました。
→"some"は"miles"が多いことを表わす
【例文】:The train has been stranded in heavy snow for some hours.
【和訳】:列車が大雪の中で数時間も立ち往生している。
→"some"は"hours"が多いことを表わす
【例文】:It was some time before the second earthquake came.
【和訳】:二回目の揺れが来るまでかなりの時間がありました。
→"some"は"time"が多いことを表わす
【例文】:It was with some delight that I lost one kilogram in weight.
【和訳】:一キロやせてかなりうれしかった。
→"some"は"delight"が大きいことを表わす
"some"と"others"
不定代名詞:some(6)
↑
"some"はよく"others"とペアで使います。グループ対グループの対比を表わします。意味は「〜の人もいれば、〜の人もいる」「〜のものもあれば、〜のものある」です。複数形の"others"に合わせて"some"は複数扱いです→【参照】:『不定代名詞"other": "some 〜, other 〜"……「〜もいれば〜もいる」』
"ohters"の代わりに"some"を使うこともあります。
【例文】:ビール党もいれば、日本酒党もいる。
【 × 】:Some likes beer, and others prefer sake.
【 × 】:Some likes beer, and some prefer sake.
【 ○ 】:Some like beer, and others prefer sake.
【 ○ 】:Some like beer, and some prefer sake.
→"some"は複数扱いなので動詞は"like, prefer"にする
「some + 複数名詞 + 〜, others + 〜」や「some + 複数名詞 + 〜, some + 〜」の形も可能です。
【例文】:早朝の勉強のほうがはかどる生徒もいれば、夜遅くの勉強のほうがはかどる生徒もいる。
【 × 】:Some students studies better in the early morning, while others study better late at night.
【 ○ 】:Some students study better in the early morning, while others study better late at night.
【 ○ 】:Some students study better in the early morning, while some study better late at night.
→「数」は"students"に合わせるので動詞は"study"にする
「some + 比較級 + than + others」の形も可能です。
【例文】:Some cats and dogs are much smarter than others.
【和訳】:ほかの犬や猫たちと比べるとはるかに賢い犬や猫がいる。
(= Some cats and dogs are much smarter than other cats and dogs.)
「some + 単数名詞」(詳細不明な誰か、何か)
不定代名詞:some(7)
↑
「some + 名詞の単数形」の形でよくは知らない、はっきりとはわからない人やものを指すことがあります。
【例文】:I heard that some person donated a hundred million yen to the disaster victims.
【和訳】:とある人物が被災者のためにと一億円を寄付してくれたそうだ。
→「人物」の年齢や性別などくわしい情報は不明
【例文】:I believe there is some mistake in this calculation.
【和訳】:この計算式にはどこかに誤りがあるはずだ。
→間違いの箇所が具体的にどこなのかは不明
「some + 名詞の単数形 + or other」という形もあります。
【例文】:I heard there was a small fire in some nearby shop or other.
【和訳】:近所の店かどこかでボヤがあったらしい。
→ボヤが発生した正確な場所は不明
「some + 数字」(約〜、およそ〜)
不定代名詞:some(8)
↑
"some"は数字の前に置いて「約、およそ、だいたい」の意味を表わします。
【例文】:The quake's epicenter was some 10 km underground.
【和訳】:震源の深さは約十キロでした。
"something like"や"about"や"approximately"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:The quake's epicenter was something like 10 km underground.
【例文】:The quake's epicenter was about 10 km underground.
【例文】:The quake's epicenter was approximately 10 km underground.
(= The quake's epicenter was some 10 km underground.)
【和訳】:震源の深さは約十キロでした。
数や量が全部ではないことを表わす"any"
"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する
不定代名詞:any(1)
↑
"any"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」です。似た意味の"some"とは異なり、"any"は「数や量がゼロかもしれない」ことを暗示します。なので、"any"は疑問文や否定文でよく使います→【参照】:『"some"は「ゼロではない」ことを暗示する』
【例文】:Have you eaten any of these ice creams?[※疑問文]
【和訳】:この中のアイスでどれか食べたことがありますか。
→食べたことのあるアイスはゼロかもしれない
【例文】:I've not eaten any of these ice creams.[※否定文]
【和訳】:この中のアイスはどれも食べたことがない。
→食べたことのあるアイスはゼロ
【例文】:I have eaten some of these ice creams.[※肯定文]
【和訳】:この中のアイスでいくつかは食べたことがある。
→数種のアイスを食べたことがある
if文で使う"any"
不定代名詞:any(2)
↑
"any"は主に疑問文や否定文で使います→【参照】:『"any"は「ゼロかもしれない」ことを暗示する』
接続詞の"if"を使う文では肯定文でも"any"を使うことがあります。もしもの条件を表わす場合、可能性がほぼゼロの物事を表現するときに"any"を使います。可能性がゼロではない物事を表現するときは"some"を使います。
【例文】:If you encounter any difficulty, you should ask advice for someone.
【和訳】:もし壁にぶち当たったら誰かに相談しなさい。
→ニュアンスは「壁にぶち当たることはないと思うけれどもし…」
【例文】:If you encounter some difficulty, you should ask advice for someone.
【和訳】:もし壁にぶち当たったときは誰かに相談しなさい。
→ニュアンスは「おそらく壁にぶた当たるだろうけれどその時は…」
any(誰か、どれか、一人も、一つも)
不定代名詞:any(3)
↑
"any"は直前に出て来た名詞を指して、最低でもその一部が存在するかどうかを表わします。和訳は疑問文なら「誰か〜、どれか〜、いくつか〜、いくらか〜」、否定文なら「一人も〜、一つも〜、少しも〜」などが可能です。
【例文】:I have old unused cell phones. Do you have any?
【和訳】:使わなくなった古い携帯電話を何台か持っています。あなたもいくつか持っていますか。
→"any"のニュアンスは「使わない古い携帯電話が一台でも」
【例文】:I think I bought five custard puddings but there isn't any left in the fridge.
【和訳】:プリンは五つ買ったはずだが冷蔵庫には一つも残っていない。
→"any"のニュアンスは「五つのプリンの中の一つさえも」
any of 〜(〜のうちの誰か、〜のうちのどれか)
不定代名詞:any(4)
↑
"any of 〜"の意味は「〜のうちの誰か、〜のうちのどれか」です。"any"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」なので、"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。
【例文】:売れ残った弁当のいくらかは廃棄されるのですか。
【 × 】:Is any of the unsold box lunch disposed of?
【 ○ 】:Are any of the unsold box lunches disposed of?
"of"の次は複数形の"lunches"を使う
「any + of + 数えられない名詞」も可能です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。
【例文】:夏休みの宿題はまったく手付かずだ。
【 × 】:I've not started any of my summer homeworks.
【 ○ 】:I've not started any of my summer homework.
→"homework"は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK
「any of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して一部は〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:売れ残った弁当のいくらかは廃棄されるのですか。
【 × 】:Are any of unsold box lunches disposed of?
【 ○ 】:Are any of the unsold box lunches disposed of?
→話題にしている「売れ残りの弁当」を指すので"unsold box lunches"に"the"を付ける
【例文】:夏休みの宿題はまったく手付かずだ。
【 × 】:I've not started any of summer homework.
【 ○ 】:I've not started any of my summer homework.
→自分の夏休みの宿題を指すので"summer homework"に"my"を付ける
「any of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「any of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して一部は〜である」というニュアンスがあります。
【例文】:I met some of my old firends at the class reunion, but I didn't recognize any of them.
【和訳】:同窓会で旧友数人と会ったけれど、誰一人としてわからなかった。
→"them" = "friends"(数えられる名詞)
「any of + 名詞」を主語に置く場合、動詞の「数」は"any"に合わせて単数が基本ですが、"of"の次に置く名詞に合わせて複数にすることもあります→【参照】:『文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞:"any"……「any of + 名詞」のとき、「数」は名詞に合わせる』
【例文】:この中にあなたの自転車はありますか。
【 ○ 】:Does any of these bikes belong to you?
【 ○ 】:Do any of these bikes belong to you?
→動詞の「数」は単数、複数の両方が可能
「any + 名詞」(〜の誰か、〜のどれか、〜の一人も、〜の一つも)
不定代名詞:any(5)
↑
「any + 名詞」の意味は「〜の誰か、〜のどれか」です。"any of 〜"とは異なり、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して」というニュアンスはありません。
"any"のニュアンスは「ある程度の数、ある程度の量」なので、次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形です。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。
【例文】:フルマラソンを走る機会が一度はあるだろうか。
【 × 】:Do I have any chance to run a full marathon?
【 ○ 】:Do I have any chances to run a full marathon?
→複数形の"chances"を使うのが普通
【和訳】:このコーヒーにはカフェインが少しも入っていない。
【 × 】:There's not any caffeines in the coffee.
【 ○ 】:There's not any caffeine in the coffee.
→"caffeine"(カフェイン)は「数えられない名詞」なので単数形のままでOK
肯定文の"any"……「いかなる〜も、どの〜も」
不定代名詞:any(6)
↑
"any"は肯定文で使うこともあります。ニュアンスは「複数の選択肢があるがいずれを選んでも」です。どれを選んでも大した違いがないことを表わします。
肯定文で使う"any of 〜"の場合、複数の選択肢の中から選び出すニュアンスを強調するので、"any of"の次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形を使います。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。
肯定文で使う"any 〜"の場合、一つを選び出すニュアンスを強調するので、"any"の次に置く「数えられる名詞」はたいてい単数形を使います。「数えられない名詞」は単数形のままでOK。
【例文】:Any of these television cameras succeeded in recording the figure of a ghost.
【和訳】:テレビカメラはいずれも幽霊の姿を捉えることに成功した。
→"of"の次の「数えられる名詞」は"cameras"(複数形)にする
【例文】:This pass allows you to use any spa freely in this town.
【和訳】:このパスがあれば町中のどの温泉でも自由に入ることができる。
→"any"の次の「数えられる名詞」は"spa"(単数形)にする
【例文】:Please tell me any of your experience when you lived abroad.
【和訳】:海外で暮らした経験についてどんなことでも教えて下さい
→"of"の次の「数えられない名詞」は"experience"(単数形)にする
【例文】:We are supposed to deposit any luggage to prevent terrorism.
【和訳】:テロ対策のためどんな荷物でも預けなければならない。
→"of"の次の「数えられない名詞」は"luggage"(単数形)にする
「any + 形容詞, any + 副詞」(少しは〜、少しも〜)
不定代名詞:any(7)
↑
"any"は形容詞や副詞の前に置いて「最小限度でいいから、最小限度であっても」というニュアンスを表わすことがあります。和訳は疑問文では「少しは〜」、否定文では「すこしも〜ない」です。
【例文】:Can't you talk louder?
【和訳】:もっと大きな声で話してくれませんか。
【例文】:Can't you talk any louder?
【和訳】:もう少し大きな声で話してくれませんか。
→"any"は"louder"(もっと大声で)の意味を強調する
【例文】:I can't eat more.
【和訳】:これ以上は食べられない。
【例文】:I can't eat any more.
【和訳】:これ以上は一口も食べられない。
→"any"は"more"(もっと)の意味を強調する
【例文】:Are today's bikes different from the old ones?
【和訳】:最近の自転車は昔のとは違うのかな。
【例文】:Are today's bikes any different from the old ones?
【和訳】:最近の自転車は昔のとは少しは違うのかな。
→"any"は"different"(違う)の意味を強調する
"any"と否定語(never, neither, hardly, etc)
不定代名詞:any(8)
↑
"any"は"no"や"not"で表わす否定文のほかに、意味的に否定を表わす"neither"や"never"などがある文でも使います→【参照】:『否定を表わす副詞』
【例文】:二人ともバスを運転した経験がまったくなかった。
【 × 】:Neither of us had some experience of driving a bus.
【 ○ 】:Neither of us had any experience of driving a bus.
→否定の意味を表わす"neither"(どちらも〜ない)があるので"any"を使う
【例文】:ガソリンがほとんど残っていない。
【 × 】:There was scarcely some gas left.
【 ○ 】:There was scarcely any gas left.
→否定の意味を表わす"scarcely"(ほとんど〜ない)があるので"any"を使う
【例文】:住宅地で野生のイノシシやサルを見かけたことはめったにありませんでした。
【 × 】:We have seldom seen some wild boars or monkeys in the residential area.
【 ○ 】:We have seldom seen any wild boars or monkeys in the residential area.
→否定の意味を表わす"seldom"(めったに〜ない)があるので"any"を使う
【例文】:容疑者の誰かが暗殺に関与していたという証拠はほとんどない。
【 × 】:There is little evidence that some of the suspects was involved in the assassination.
【 ○ 】:There is little evidence that any of the suspects was involved in the assassination.
→否定の意味を表わす"little"(ほとんど〜ない)があるので"any"を使う
二つあるうちの両方ともを表わす"both"
both(どちらも、両方とも)
不定代名詞:both(1)
↑
"both"のニュアンスは「二つあるうちのどちらとも」です。
【例文】:Do you like udon, soba, or both?
【和訳】:うどんが好き、そばが好き、それとも両方好き?
both of 〜(どちらの〜も、〜の両方とも)
不定代名詞:both(2)
↑
"both of 〜"の意味は「二つのうちのどちらとも」です。"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。
【例文】:両目でこの円を見て下さい。
【 × 】:Look at this circle with both of your eyes.
【 ○ 】:Look at this circle with both of your eyes.
→"of"の次は複数形の"eyes"を使う
「both of + 関係代名詞」も可能です。
【例文】:I have two dogs, both of which have appeared on television many times.
【和訳】:犬は二匹飼っています。どっちも何回もテレビに出ています。
「both of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して二つとも〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:両目でこの円を見て下さい。
【 × 】:Look at this circle with both of eyes.
【 ○ 】:Look at this circle with both of your eyes.
→あなたの両目なので"eyes"に"your"を付ける
「both of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「both of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関して両方とも〜である」というニュアンスがあります。
【例文】:Two players collided violently during the baseball game. Both of them were unhurt.
【和訳】:野球の試合中に選手二人が激しく衝突した。二人とも無傷だった。
→"them" = "two players"
【例文】:Both of us went to the same high school.
【和訳】:私たち二人は同じ高校に通っていました。
二つのどちらか一つのみを指すときは"either"を使います→【参照】:『不定代名詞:either(二つのうちのいずれか一つ、両方とも)』
【例文】:Both of the men were all in black.
【和訳】:男は二人とも完全な黒ずくめだった。
→"both"は「二人とも」を表わす
【例文】:Either of the men were all in black.
【和訳】:二人の男うち一人は完全な黒ずくめだった。
→"either"は「二人のうちどちらか一人」を表わす
"both"は必ず複数扱い
不定代名詞:both(3)
↑
"both"の意味は「二つのうちの両方」なので必ず複数扱いです。受ける代名詞も複数、動詞も複数です→【参照】:『必ず複数扱いの不定代名詞:both』
【例文】:どちらの断層も大都市の下を走り、大地震を引き起こす可能性があります。
【 × 】:Both of the faults runs under big cities. It has potential to cause major earthquakes.
【 ○ 】:Both of the faults run under big cities. They have potential to cause major earthquakes.
→"both"は複数扱いなので、複数形の"run, they, have"を使う
「both + 複数名詞」(どちらの〜、両方の〜)
不定代名詞:both(4)
↑
「both + of + 名詞」から"of"を省略した「both + 名詞」の形も可能です。"both"のニュアンスは「二つあるうちのどちらとも」なので、次に置く名詞はたいてい複数形です。
"both"を名詞や代名詞の後ろに置くこともできます。たいてい、"both"をbe動詞や助動詞の後ろ、動詞の前に置きます。
【例文】:男は二人とも完全な黒ずくめだった。
【 × 】:Both the man were all in black.
【 ○ 】:Both the men were all in black.
【 ○ 】:The men were both all in black.
(= Both of the men were all in black.)
→"both"はbe動詞"were"の後ろにも置くことができる
【例文】:兄さんは二人ともNASAで働いています。
【 × 】:Both my elder brother work at NASA.
【 ○ 】:Both my elder brothers work at NASA.
【 ○ 】:My elder brothers both work at NASA.
(= Both of my elder brothers work at NASA.)
→"both"は動詞"work"の前にも置くことができる
"both"の次が代名詞のときは、必ず"of"を入れて「both of + 代名詞」とします。
【例文】:交換留学生が二人クラスに入った。二人ともニュージーランド出身だ。
【 × 】:Two exchange students have joined our class. Both them came from New Zealand.
【 ○ 】:Two exchange students have joined our class. Both of them came from New Zealand.
→"of"を使って「both of + 代名詞」とする
「both + A and B」(AもBもどちらも、AもBも両方とも)
不定代名詞:both(5)
↑
"both A and B"の場合、単数形の名詞を使うことがあります。
【例文】:Both the spoon and fork were dirty at the restaurant.
【和訳】:そのレストランで出されたスプーンとフォークは両方とも汚れていた。
→スプーンとフォークは一本ずつ出された
【例文】:Both the spoons and forks were dirty at the restaurant.
【和訳】:そのレストランで出されたスプーンとフォークはどれも汚れていた。
→スプーンとフォークはどちらとも複数出された
"both"は名詞以外のものについても「両方である」ことを表現できます。
【例文】:The end of the movie was both unexpected and shocking.
【和訳】:その映画の最後は意外でショッキングなのものでした。
→"unexpected"と"shocking"は二つとも形容詞
【例文】:Wild lions currently exist both in Africa and in Asia.
【和訳】:野生のライオンは現在アフリカとアジアの両方に棲息しています。
→"in Africa"と"in Asisa"は二つとも副詞句
二つのうちの一つを表わす"either"
either(二つのうちのいずれか一つ)
不定代名詞:either(1)
↑
"either"のニュアンスは「二つの中からどちらか一つ」です。
【例文】:"Would you like chicken or fish?" "Either will do."
【和訳】:「料理は鶏にしますか魚にしますか」「どちらでもけっこうです」
→鶏料理でも魚料理でもOK、どちらか一つ
either of 〜(〜の二つのうちのいずれか一つ)
不定代名詞:either(2)
↑
"either of 〜"の意味は「二つのうちのどちらか一つ」です。"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。
【例文】:どちらかの車が中央線を越えて走っていた模様です。
【 × 】:Either of the car seemed to be going across the centerline.
【 ○ 】:Either of the cars seemed to be going across the centerline.
→"of"の次は複数形の"cars"を使う
「either of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどちらかが〜である」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:どちらかの車が中央線を越えて走っていた模様です。
【 × 】:Either of cars seemed to be going across the centerline.
【 ○ 】:Either of the cars seemed to be going across the centerline.
→話題にしている二台の車を指すので"cars"に"the"を付ける
「either of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞はたいてい直前に出て来た名詞の言い換えなので、「either of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどちらかは〜である」というニュアンスがあります。
【例文】:There are two presidential candidates. I don't want to vote for either of them.
【和訳】:大統領候補は二人います。どちらにも投票したくありません。
→"them" = "two presidential candidates"
【例文】:If you have to study either of it, which will you choose chemistry or physics?
【和訳】:どちらか一つを勉強しなければならないとしたら、化学と物理学、どちらを選びますか。
→"it" = "chemistry or physics"
二つあるうちの両方を指すときは"both"を使います→【参照】:『不定代名詞:both(二つのうちのどちらも、両方とも)』
【例文】:Either of the hot dogs is super spicy.
【和訳】:どちらか一つが激辛ホットドッグである。
→"either"は「どちらか一つ」を表わす
【例文】:Both of the hot dogs are super spicy.
【和訳】:二つのどちらも激辛ホットドッグである。
→"both"は「二つとも」を表わす
"either"は正式には単数扱い
不定代名詞:either(3)
↑
"either"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞も単数、動詞も単数です。
ただし、くだけた文章や会話では複数扱いになることがあります→【参照】:『原則として単数扱いの不定代名詞(1)"either"』
【例文】:客のどちらかが傘を置き忘れて行ったようだ。
【 ○ 】:Either of the guests appear to have left their umbrella behind.[※くだけた言い方]
【 ○ 】:Either of the guests appears to have left his umbrella behind.[※正式な言い方]
→"either"は正式には単数形の"his"を使う
複数形の"their"を使うのはくだけた言い方です。
「either + 単数名詞」(二つのうちのいずれか一つの)
不定代名詞:either(4)
↑
「either + of + 名詞」から"of"を省略した「either + 名詞」の形も可能です。"either"の意味は「二つの中からどちらか一つ」なので、次に置く名詞はたいてい単数形です。
【例文】:私は右手でも左手でもテニスをできます。
【 × 】:I can play tennis with either hands.
【 ○ 】:I can play tennis with either hand.
(= I can play tennis with either of my hands.)
"or"を使って二つ以上の項目を並べることもできます。
【例文】:Do you speak either French, German, Spanish or Portuguese?
【和訳】:フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語のいずれかを話せますか。
"either"は名詞以外のものについても「どちらか一つであること」を表現できます。
【例文】:If you feel either cold or dizzy, you should go to see a doctor.
【和訳】:もし寒気や目まいのどちらかを感じたら、医者に診てもらって下さい。
→"cold"と"dizzy"は二つとも形容詞
【例文】:You can contact me either by phone or by email when you have trouble.
【和訳】:困った時は電話かメールで連絡しなさい。
→"by phone"と"by email"は二つとも副詞句
「either + 単数名詞」(二つのうちの両方とも(= both, each))
不定代名詞:either(5)
↑
"either"は「二つのうちのどちらも、両方とも」の意味を表わすことがあります。次に置く名詞はやはり単数形を使います。「両方とも」の意味でよく見かける表現はごく少数です。
【例文】:道の両側には桜が植えてあった。
【 × 】:There were cherry trees on either sides of the road.
【 ○ 】:There were cherry trees on either side of the road.
→意味が「両方の側」の場合、単数形の"side"にする
"either side"と書くと意味的には「片側」と「両側」の相反する二つが可能です。なので、英作文の場合、「両側」を表わすときは"both"や"eath"を、「片側」を表わすときは"either"を使うのが無難です。次に置く名詞は"either"と"each"が単数形、"both"が複数形です。
【例文】:道の両側には桜が植えてあった。
【 △ 】:There were cherry trees on either side of the road.
→"either side"は「両側」と「片側」の二つの解釈が可能なのであいまい
【 ○ 】:There were cherry trees on each side of the road.
【 ○ 】:There were cherry trees on both sides of the road.
→"each side"と"both sides"は二つとも「両側」を表わす
【例文】:両手にペンを持って同時に字を書くことができます。
【 △ 】:I can hold a pen in either hand and write simultaneously.
→"either hand"は「両手」と「片手」の二つの解釈が可能なのであいまい
【 ○ 】:I can hold a pen in each hand and write simultaneously.
【 ○ 】:I can hold a pen in both hands and write simultaneously.
→"each hands"と"both handss"は二つとも「両手」を表わす
文尾に置く"either"(〜もまた)
不定代名詞:either(6)
↑
"either"は単独で文尾に置いて「〜も、〜もまた」の意味を表わします。たいてい否定文で使います。
【例文】:My big sister doesn't like sea food. I don't like it, either.
【和訳】:姉は海産物が嫌いだし、私も嫌いです。
肯定文では"also"や"too"を使います。
【例文】:My big sister likes sea food. I like it, too.
【例文】:My big sister likes sea food. I also like it.
【和訳】:姉は海産物が好きだし、私も好きです。
二つとも違うことを表わす"neither"
不定代名詞:neither(1)
neither(二つとも〜ない、どちらも〜ない)
不定代名詞:neither(1)
↑
"neither"の意味は「二つのうちどちらも〜ない」です。否定を表わします。"either 〜 not"とほぼ同じ意味。
【例文】:I took two kinds of medicine. Neither could relieve my heartburn.
(= I took two kinds of medicine. Either could not relieve my heartburn.)
【和訳】:二種類の薬を飲んでみたが、どちらも胸焼けには効かなかった。
→"neither" = "two kinds of medicien"
neither of 〜(〜は二つとも〜ない)
不定代名詞:neither(2)
↑
"neither of 〜"の意味は「どちらも〜ない」です。"of"の次の「数えられる名詞」は複数形を使います。
【例文】:どちらのチームも全力を出し切れなかった。
【 × 】:Neither of the team could do their best.
【 ○ 】:Neither of the teams could do their best.
(= Either of the teams could not do their best.)
→"of"の次は複数形の"teams"を使う
「neither of + 名詞」の場合、「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどちらも〜でない」というニュアンスなので、名詞には定冠詞(the)や人称代名詞の所有格(my, her, etc)、形容詞の"these, those"などを付けるのが普通です。
【例文】:どちらのチームも全力を出し切れなかった。
【 × 】:Neither of teams could do their best.
【 ○ 】:Neither of the teams could do their best.
(= Either of the teams could not do their best.)
→話題にしている二つのチームを指すので"teams"に"the"を付ける
「neither of + 人称代名詞」も可能です。人称代名詞は直前に出て来た名詞の言い換えなので、「neither of + 人称代名詞」も「ある程度範囲を絞った人や動物や物事に関してどちらも〜ではない」というニュアンスがあります。
【例文】:兄が二人います。どっちも私には似ていません。
【英訳】:I have two brothers. Neither of them resemble me.
(= I have two brothers. Either of them don't resemble me.)
→"them" = "two brothers"
【例文】:行方不明の旅客機に関して二つの情報があったが、いずれも事実とは異なっていた。
【英訳】:There were two pieces of information about the missing airliner, but neither of it was true.
(= There were two pieces of information about the missing airliner, but either of it was not true.)
→"it" = "information"
"neither"は正式には単数扱い
不定代名詞:neither(3)
↑
"neither"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。
ただし、くだけた文章や会話では複数扱いになることがあります→【参照】:『原則として単数扱いの不定代名詞(1)"neither"』
【例文】:トラもライオンもオリから出すことは禁じられています。
【 ○ 】:Neither tiger nor lion are allowed out of their cages.[※くだけた言い方]
【 ○ 】:Neither tiger nor lion is allowed out of his cage.[※正式な言い方]
→"neither"は正式には単数形の"is, his"を使う
複数形の"are, their"を使うのはくだけた言い方です。
「neither + 単数名詞」(二つとも〜ない、どちらも〜ない)
不定代名詞:neither(4)
↑
「neither + of + 名詞」から"of"を省略した「neither + 名詞」の形も可能です。次に置く名詞はたいてい単数形です。
【例文】:Neither team could do their best.
(= Neither of the teams could do their best.)
(= Either team could not do their best.)
【和訳】:どちらのチームも全力を出し切れたとは言い難い。
【例文】:Probably neither experience will be useful for me.
(= Probably neithe of the experience will be useful for me.)
(= Probably eithe experience will not be useful for me.)
【和訳】:どっちの経験も将来役に立つとは思えない。
"nor"を使って二つ以上の項目を並べることもできます。
【例文】:I speak neither French, German, Spanish nor Portuguese.
(= I don't speak either French, German, Spanish or Portuguese.)
【和訳】:私はフランス語もドイツ語もスペイン語もポルトガル語も話せません。
"neither"は名詞以外のものについても、「二つとも〜ない」を表現できます。
【例文】:You can access the island neither by ship nor by plane.
(= You can't access the island either by ship or by plane.)
→"by ship"と"by plane"は二つとも副詞句
【和訳】:その島へは船も飛行機も出ていない。
【例文】:Your new cake was highly appreciated because it was neither too sweet nor too mild.
(= Your new cake was highly appreciated because it was not either too sweet or too mild.)
→"sweet"と"mild"は二つとも形容詞
【和訳】:甘すぎもせず淡白でもなかったので、あなたが作った新しいケーキは非常に好評でした。
倒置になる"neither"
不定代名詞:neither(5)
↑
"neither"や"either"を使って文のダブった部分を省略することがあります。この時、"neither"は倒置を使いますが、"either"は倒置を使わずにそのまま文尾へ置きます。
【例文】:私は花粉症ではありませんし、兄弟姉妹たちも花粉症ではありません。
【英訳】:I don't suffer from hay fever, and neither do my siblings.
【英訳】:I don't suffer from hay fever, and my siblings don't, either.
二つの【英訳】で省略した部分は"suffer from hay fever"です。"neither"の場合の語順は「neither + 助動詞 + 主語」ですが、"either"の場合は「主語 + 助動詞 + either」のままです。
特に限定しないもう一人を表わす"somebody, someone"
somebody, someone(誰か)
不定代名詞:somebody, someone(1)
↑
"somebody, someone"は「名前も顔も知らない人、よくわからない人、漠然と人物」を指します。"somebody"と"someone"はほぼ同じ意味ですが、"someone"のほうが多少丁寧に聞こえます。
"somebody, somene"は、"some"と同様に、たいてい「人数がゼロではない」ことを暗示します。なので、"somebody, somene"は肯定文でよく使います。疑問文や否定文で「名前も顔も知らない、わからない人物」を表わすときは"anybody, anyone"を使います→【参照】:『不定代名詞"anybody, anyone"(誰か、誰でも)』
【例文】:Someone is waving at me. But who is it?
【和訳】:誰かがこっちに向かって手を振っているけど、誰だろう。
→知り合いなのかどうかはわからない
誰になるのかは決まっていない「後釜」や「後任」を指すこともあります。
【例文】:It is very hard to find someone who can replace Kirk as a captain.
【和訳】:キャプテンとしてカークの後釜を務めることができる人物を探すのは非常にむつかしい。
→後釜が具体的には誰なのかわからない
知っている人物だけどわざと名前を伏せる場合も、"somebody, someone"を使います。
【例文】:Someone you know very well told me the rumor about you.
【和訳】:あなたがよく知っている人物があなたに関する噂を話してくれました。
→噂を話してくれた人を話し手は知っている
「話題にしている人物以外の誰か」は"someone else"や"somebody else"を使います。
【例文】:Don't count on someone else. Do it yourself.
【和訳】:他人を当てにしないで、自分でやりなさい。
somebody, someone(偉い人、大人物)
不定代名詞:somebody, someone(2)
↑
"somebody, someone"は「偉い人、大人物、偉人」の意味を表わすことがあります。代名詞ではなく名詞として使いますが、"somebody, someone"の前にはたいてい不定冠詞(a)を置きません。
疑問文や否定文では"anybody, anyone"を使います→【参照】:『不定代名詞"anybody, anyone"……「偉い人、大人物」』
【例文】:Politicians should make every effort not to be someone but to do something.
【 × 】:政治家は誰かになるためではなく、何かをするためにあらゆる努力をするべきだ。
【 ○ 】:政治家は偉人になるためではなく、偉業を成し遂げるために心血を注ぐべきだ
→"somone"の意味は「偉人」
動詞は単数、代名詞は複数を使う
不定代名詞:somebody, someone(3)
↑
"somebody, someone"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。ただし、くだけた文章や会話では複数形の人称代名詞を使うことがあります。
【例文】:誰かが机の上に携帯電話を置いたままにしている。
【英訳】:Somebody has left his cell phone on the desk.
→正式な表現、単数の"his"で受ける
【英訳】:Somebody has left his or her cell phone on the desk.
→正式な表現、単数の"his or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Somebody has left their cell phone on the desk.
→くだけた表現、複数の"their"で受ける、話し言葉では普通
付加疑問文では"somebody, someone"は複数形の"they"で受けるのが普通です。
【例文】:今誰か写真を撮りましたよね。
【 × 】:Somebody has taken a picture, hasn't he?
【 ○ 】:Somebody has taken a picture, haven't they?
→付加疑問の場合、"somebody"は"they"で受ける、動詞も"haven't"を使う
「somebody, someone + 形容詞」
不定代名詞:somebody, someone(4)
↑
形容詞は"somebody, someone"の後ろに置きます。
【例文】:背が高い人の隣にいると自分がいかに小柄なのかを実感する。
【 × 】:I realize how short I am when tall somebody is next to me.
【 ○ 】:I realize how short I am when somebody tall is next to me.
→形容詞"short"は"somebody"の後ろに置く
知らない物事を表わす"something"
something(何か)
不定代名詞:something(1)
↑
"something"は「よく知らないこと、よくわからない物事、漠然と何か」を指します。
"something"は、"some"と同様に、たいてい「物事の数がゼロではない」ことを暗示します。なので、肯定文でよく使います。疑問文や否定文で「よく知らない、わからない物事」を表わすときは"anything"を使います→【参照】:『不定代名詞"anything"(何か、どれでも)』
【例文】:I feel I forgot something.
【和訳】:何か忘れているような気がする。
→話し手は何を忘れたか思い出せない
"something"はとりあえず内容を伏せておきたい物事を表わすこともあります。
【例文】:I have something to tell you.
【和訳】:ちょっと君に話したいことがある。
→話し手は話の内容をわざと伏せている
something(重要な事、良い事、偉い人、大人物)
不定代名詞:something(2)
↑
"something"は重要な物事や重要な人物を表わすことがあります。代名詞ではなく名詞として使いますが、"something"の前にはたいてい不定冠詞(a)を置きません。
【例文】:There was something in what the students said.
【 × 】:生徒たちが言ったことには何かがあった。
【 ○ 】:生徒たちの言い分にも一理あった。
【例文】:One who thinks he is something is often actually a nobody.
【 × 】:自分を何かだと考える人はしばしば実際は誰でもない。
【 ○ 】:自分を重要人物と考える人ほどたいてい実際はつまらない人間である。
必ず単数扱い
不定代名詞:something(3)
↑
"something"は必ず単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。
【例文】:この部屋から何かが無くなっている。しかし、それが何なのかわからない。
【 × 】:Something have disappeared from this room, but I don't know what they are.
【 ○ 】:Something has disappeared from this room, but I don't know what it is.
→"something"は必ず単数扱いなので、単数形の"has"や"it is"を使う
「something + 形容詞」
不定代名詞:something(4)
↑
形容詞は"something"の後ろに置きます。
【例文】:この洗濯機、どこか壊れてる。
【 × 】:Wrong something with this washing machine.
【 ○ 】:Something wrong with this washing machine.
→形容詞"wrong"は"anything"の後ろに置く
something like 〜(およそ〜、〜のような)
不定代名詞:something(5)
↑
"something like"は数字の前に置いて「約、およそ、だいたい」の意味を表わします。
【例文】:This mountain is something like five hundred meters.
【和訳】:この山の高さはおよそ500メートルです。
"some"や"about"や"approximately"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:This mountain is some five hundred meters.
【例文】:This mountain is approximately five hundred meters.
【例文】:This mountain is about five hundred meters.
(= This mountain is something like five hundred meters.)
【和訳】:この山の高さはおよそ500メートルです。
"something like"は名詞の前に置いて「〜のような、〜に似ている、〜に近い」の意味を表わすことがあります。断定を避ける表現です。
【例文】:The man threatened a bank clerk with something like a knife.
【和訳】:男はナイフのようなもので銀行員を脅した。
→「男」はナイフに似た何かを持っていた
〜 or something(〜か何か、〜のようなもの)
不定代名詞:something(6)
↑
"or something"は名詞や形容詞の後ろに置いて「〜か何か、〜のようなもの」の意味を表わします。断定を避ける表現です。
【例文】:It seemed that the high-speed vessel hit a whale or something.
【和訳】:高速船はクジラか何かに衝突したようだ。
→衝突した相手を「クジラ」とは断定していない
【例文】:The girl felt embarrassed or something and hid behind her mother.
【和訳】:女の子は恥ずかしかったのかなんなのか、お母さんの後ろに隠れてしまった。
→女の子が隠れた理由を「恥ずかしい」とは断定していない
知らない人物を表わす"anybody, anyone"
anybody, anyone(誰か)
不定代名詞:anybody, anyone(1)
↑
"anybody, anyone"は「名前も顔も知らない人、よくわからない人、漠然と人物」を指します。"anybody"と"anyone"はほぼ同じ意味です。
"anybody, anyone"は、"any"と同様に、たいてい「人数がゼロかもしれない」ことを暗示します。なので、"anybody, anyone"は疑問文や否定文でよく使います。肯定文で「名前も顔も知らない人、よくわからない人、漠然と人物」を表わすときは"someone, somebody"を使います→【参照】:『不定代名詞:somebody, someone(誰か)』
【例文】:Has anyone experienced sleep paralysis?
【和訳】:寝ているときに金縛りになったことがある人はいますか。
→金縛りにあった人はゼロかもしれない
【例文】:There wasn't anyone in the classroom.
【和訳】:教室には誰もいなかった。
→教室に人の気配はなかった
anybody, anyone(誰でも、どんな人でも)
不定代名詞:anybody, anyone(2)
↑
肯定文の"anybody, anyone"は「誰でも、どんな人でも」の意味を表わします。
【例文】:The ability to talk with anyone is your virtue.
(= The ability to talk with any people is your virtue.)
【和訳】:誰とでも話ができることはあなたの長所だ。
→"anyone"の意味は「誰でも」
if文で使う"anybody, anyone"
不定代名詞:anybody, anyone(3)
↑
"anybody, anyone"は主に疑問文や否定文で使います→【参照】:『"anybody, anyone"……「誰か、どなたか」』
接続詞の"if"を使う文では肯定文でも"anybody, anyone"を使うことがあります。もしもの条件を表わす場合、人数がゼロかもしれないことを表現するときに"anybody, anyone"を使います。人数がゼロではないことを表現するときは"somebody, someone"を使います。
【例文】:If you see anyone being bullied, let us know.
【和訳】:もし誰かがいじめられているのを見たら知らせなさい。
→ニュアンスは「いじめは行われていないと思うけれどもし見かけたら…」
【例文】:If you see someone being bullied, let us know.
【和訳】:もし誰かがいじめられているのを見たときは知らせなさい。
→ニュアンスは「いじめが行われているかもしれないので目撃したその時は…」
anybody, anyone(偉い人、大人物)
不定代名詞:anybody, anyone(4)
↑
"anybody, anyone"は「偉い人、大人物、偉人」の意味を表わすことがあります。たいてい、疑問文か否定文で使います。代名詞ではなく名詞として使いますが、"anybody, anyone"の前にはたいてい不定冠詞(an)を置きません。
肯定文では"somebody, someone"を使います→【参照】:『不定代名詞:somebody, someone……「偉い人、大人物」』
【例文】:Sam wasn't anybody when he was a college student.
【 × 】:大学生のころのサムは誰でもなかった。
【 ○ 】:大学生のころのサムはうだつの上がらない人物でした。
→"anybody"の意味は「偉大な人物、大物」
動詞は単数、代名詞は複数を使う
不定代名詞:anybody, anyone(5)
↑
"anybody, anyone"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。ただし、くだけた文章や会話では複数形の人称代名詞を使うことがあります。
【例文】:自分の血液型を知らない人はいますか。
【英訳】:Is there anyone who doesn't know his blood type?
→正式な表現、単数の"his"で受ける
【英訳】:Is there anyone who doesn't know his or her blood type?
→正式な表現、単数の"his or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Is there anyone who doesn't know their blood type?
→くだけた表現、複数の"their"で受ける、話し言葉では普通
"anybody, anyone"と否定語(never, neither, hardly, etc)
不定代名詞:anybody, anyone(6)
↑
"anybody, anyone"は"no"や"not"で表わす否定文のほかに、意味的に否定を表わす"neither"や"never"などがある文でも使います→【参照】:『否定を表わす副詞』
【例文】:私を含めて建物の中にいた人は誰も地震の揺れを感じなかった。
【 × 】:Neither I nor someone else in the building felt the earthquake shaking.
【 ○ 】:Neither I nor anyone else in the building felt the earthquake shaking.
→否定の意味を表わす"neither"(〜もまた〜ない)があるので"anyone"を使う
【例文】:突如道路が陥没したけれどけが人はほとんどいなかった。
【 × 】:The sinkhole suddenly opened up on the road but hardly someone was hurt.
【 ○ 】:The sinkhole suddenly opened up on the road but hardly anyone was hurt.
→否定の意味を表わす"hardly"(ほとんど〜ない)があるので"anyone"を使う
【例文】:小学生のころの私は誰ともめったに口をききませんでした。
【 × 】:I rarely talked with someone when I was an elementary school student.
【 ○ 】:I rarely talked with anyone when I was an elementary school student.
→否定の意味を表わす"rarely"(めったに〜ない)があるので"anyone"を使う
【例文】:そんな時間に誰かがここを歩いている可能性などほとんどない。
【 × 】:There is little likelihood that somebody was walking here at that hour.
【 ○ 】:There is little likelihood that anybody was walking here at that hour.
→否定の意味を表わす"little"(ほとんど〜ない)があるので"anyone"を使う
【例文】:自分以外の誰にも頼らずに生きて行くことはむつかしい。
【 × 】:It is difficult for us to live without depending on someone else but ourselves.
【 ○ 】:It is difficult for us to live without depending on anyone else but ourselves.
→否定の意味を表わす"without"(〜なしで)があるので"anyone"を使う
知らない物事を表わす"anything"
anything(何か)
不定代名詞:anything(1)
↑
"anything"は「よく知らないこと、よくわからない物事、漠然と何か」を指します。
"anything"は、"any"と同様に、たいてい「物事がゼロかもしれない」ことを暗示します。なので、疑問文や否定文でよく使います。肯定文で「よく知らない、わからない物事」を表わすときは"something"を使います→【参照】:『不定代名詞:something(何か)』
【例文】:The tourists were not told anything about why they were not permitted to enter the country.
【和訳】:旅行者はなぜ自分たちが入国を拒否されたのか何も知らされなかった。
→入国拒否に関する説明は何もなかった
【例文】:Do you have anything to worry about?
【和訳】:何か心配事でもありますか。
→「心配事」はないかもしれない
if文で使う"anything"
不定代名詞:anything(2)
↑
"anything"は主に疑問文や否定文で使います→【参照】:『不定代名詞"anything"……「何か」』
接続詞の"if"を使う文では肯定文でも"anything"を使うことがあります。もしもの条件を表わす場合、可能性ゼロの物事を表現するときに"anything"を使います。可能性がゼロではない物事を表現するときは"something"を使います。
【例文】:If you find anything suspicious, leave it where it is and call the police.
【和訳】:不審な物を見かけたら手を触れずに警察へ連絡して下さい。
→ニュアンスは「不審物などないとは思われるがもし見かけたら…」
【例文】:If you find something suspicious, leave it where it is and call the police.
【和訳】:不審な物を見かけたときは手を触れずに警察へ連絡して下さい。
→ニュアンスは「不審物があるかもれしないのでもし見かけたら…」
anything(どれでも、何でも)
不定代名詞:anything(3)
↑
"anything"は肯定文で使うと「複数の中からどれを選んでも、複数あるうちのいずれも」のニュアンスを表わすことがあります。
【例文】:I've eaten anything since I was a child.
(= I've eaten any food since I was a child.)
【和訳】:子供のころから食べ物の好き嫌いはない。
→どんな食べ物でも食べることができる
"anything"は必ず単数扱い
不定代名詞:anything(4)
↑
"anything"は必ず単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。
【例文】:要らないものがあるかい。ゴミに出すよ。
【 × 】:Are there anything useless? I'll put them out as garbage.
【 ○ 】:Is there anything useless? I'll put it out as garbage.
→"anything"は単数扱いなので、単数形の"is"や"it"を使う
「anything + 形容詞」
不定代名詞:anything(5)
↑
形容詞は"anything"の後ろに置きます。
【例文】:歯にしみるので冷たいものは一切飲むことができません。
【 × 】:I can't drink cold anything because I get toothaches.
【 ○ 】:I can't drink anything cold because I get toothaches.
→形容詞"cold"は"anything"の後ろに置く
【例文】:この世にゴキブリより怖いものなんてあるの。
【 × 】:Is there more horrible anything in the world than a cockroach?
【 ○ 】:Is there anything more horrible in the world than a cockroach?
→形容詞"more horrible"は"anything"の後ろに置く
anything but 〜(〜どころではない、とても〜ではない)
不定代名詞:anything(6)
↑
"anythign but"はイディオムとして使えます。強い否定を表わし意味は「〜どころではない、とても〜ではない」です。"but"は前置詞で意味は「〜以外の」(= except)。"anythign but"の直訳は「〜以外の何か」つまり「〜どころではない」です。
強い否定を表わす"anythign but"はたいてい形容詞の前に置いて副詞として使います。
【例文】:An encounter with aliens from outer space is anything but fictional.
(= An encounter with aliens from outer space is far from fictional.)
【 × 】:外宇宙からの宇宙人との遭遇は何かで、しかし虚構だ。
【 ○ 】:異星人との遭遇は決して絵空事ではない。
例外なく全員であることを表わす"everybody, everyone"
everybody, everyone(誰でも、全員、みんな)
不定代名詞:everybody, everyone(1)
↑
"everybody, everyone"は「話題になっている人たち全員」を指します。"everybody"と"everyone"はほぼ同じ意味です。
【例文】:Everyone in the building realized the shaking.
【和訳】:建物の中にいた人は全員揺れに気がついた。
"everybody, everyone"は漠然と一般の人々を指すことがあります。
【例文】:Everyone has a right to live a happy life.
(= People have a right to live a happy life.)
【和訳】:誰でも幸せに生きる権利がある。
動詞は単数、代名詞は複数を使う
不定代名詞:everybody, everyone(2)
↑
"everbody, everyone"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。ただし、くだけた文章や会話では複数形の人称代名詞を使うことがあります。
【例文】:みんな自分の水筒を用意して来ていた。
【英訳】:Everyone has his water bottle with him.
→正式な表現、単数の"his, him"で受ける
【英訳】:Everyone has his or her water bottle with him or her.
→正式な表現、単数の"his or her, him or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Everyone has their water bottles with them.
→くだけた表現、複数の"their, them"で受ける、話し言葉では普通
例外なく全部であることを表わす"everything"
everything(すべてのもの、あらゆるもの)
不定代名詞:everything(1)
↑
"everything"は「話題になっている物事すべて」を指します。
【例文】:It is sad that many people lost everything in the earthquake and tsunami.
【和訳】:悲しいことに、多くの人々が地震と津波で何もかも失ってしまいました。
everything(最も大切な人、最も大切なもの)
不定代名詞:everything(2)
↑
"everything"は「最重要の人やもの」を表わすことがあります。日本語でも「お金が一番大事だ」を「お金がすべてだ」と表現します。
【例文】:Good health is everything to everyone.
【和訳】:誰にとっても一番大切なのは健康だ。
→"everything" = "the most important thing"
【例文】:My family and our dogs mean everything to me.
【和訳】:私にとって一番大切なのは家族とペットの犬たちです。
→"everything"は「人」を表わすこともできる
everything(その場の状況、人物の様子)
不定代名詞:everything(3)
↑
"everything"は漠然とその場の状況や雰囲気の善し悪し、人物の様子や具合を表わすことがあります。
【例文】:You always only talk about yourself and spoil everything!
【和訳】:あんたはいつも自分の話ばかりして雰囲気をぶち壊す。
→"everything"は場の雰囲気を表わす
【例文】:It was reported that a military coup had broken out but everything in the capital was quiet.
【和訳】:軍事クーデターが発生したが首都の状況は平穏だと伝えられた。
→"everything"は「首都」の様子を表わす
【例文】:You look fariy pale. Is everything all right?
【和訳】:顔色がかなり悪いよ。身体は大丈夫かい。
→"everything"は人の様子や具合を表わす
"everything"は必ず単数扱い
不定代名詞:everything(4)
↑
"everything"は必ず単数扱いです。受ける代名詞も単数、動詞も単数です。
【例文】:最初のうちは見慣れないものは何でも奇妙に見えるけど、すぐに慣れてしまう。
【 × 】:At first everything foreign to you look weird, but soon you think it natural.
【 ○ 】:At first everything foreign to you looks weird, but soon you think it natural.
→"everything"は必ず単数扱いなので、単数形の"looks"や"it"を使う
「everything + 形容詞」
不定代名詞:everything(5)
↑
形容詞は"everything"の後ろに置きます。
【例文】:甘い物はどれもニキビの元さ。
【 × 】:Sweet everything causes acne.
【 ○ 】:Everything sweet causes acne.
→形容詞"sweet"は"everything"の後ろに置く
一人も該当しないことを表わす"nobody, no one"
nobody, no one(誰も〜ない、みんな〜ない)
不定代名詞:nobody, no one(1)
↑
"nobody, no one"は「誰一人として当てはまらないこと」を表わします。"no one"は"noeone"とはせずに、二語に分けて書きます。
【例文】:Nobody is absent today.
【和訳】:今日は欠席者なし。
"nobody, no one"はすでに「否定の意味」を含みます。なので、「誰もいない」を表現しようとしてうっかり"not"を足さないように。
【例文】:今日は欠席者なし。
【 × 】:Nobody is not absent today.
【 ○ 】:Nobody is absent today.
"→not"は不要
"not"を付け加えると意味は「今日は欠席者がいないことはない」となり、意味が正反対です。
nobody(平凡な人、取るに足らない人)
不定代名詞:nobody, no one(3)
↑
"nobody"に限り「平凡な人、取るに足らない人」の意味を表わすことがあります。日本語でも、他人をけなすとき「どこの誰だかわからん奴」と表現することがあります。代名詞ではなく名詞として使うのでたいてい"nobody"の前に不定冠詞(a)を置きます。複数形の"nobodies"も可能です。
"nothing"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"nothing"……「つまらない人やもの、取るに足りない人もの」』
【例文】:The man just a nobody trying to get some attention from media.
(= The man just a nothing trying to get some attention from media.)
【 × 】:その男は誰でもなくマスコミの注目を得ようとしている。
【 ○ 】:その男はマスコミの注目を浴びたいだけのつまらない奴だ。
→"nobody"は名詞、意味は「つまらない奴」
【例文】:We are nobodies, but each of us has our own character and personality.
(= We are nothings, but each of us has our own character and personality.)
【 × 】:我々は誰でもない。しかし、一人一人にそれぞれの人格と個性があります。
【 ○ 】:我々は取るに足らない人間です。しかし、一人一人にそれぞれの人格と個性があります。
→"nobodies"は名詞、意味は「取るに足らない人間」
動詞は単数、代名詞は複数を使う
不定代名詞:nobody, no one(3)
↑
"nobody, no one"の場合、正式には単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。ただし、くだけた文章や会話では複数形の人称代名詞を使うことがあります。
【例文】:誰も責められるべきではない。全員がベストを尽くした。
【英訳】:No one is to be blamed. He did do his best.
→正式な表現、単数の"he, his"で受ける
【英訳】:No one is to be blamed. He or she did do his or her best.
→正式な表現、単数の"he or she, his or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:No one is to be blamed. They did do their best.
→くだけた表現、複数の"they, their"で受ける、話し言葉では普通
一つも該当しないことを表わす"nothing"
nothing(何も〜ない、どれも〜ない)
不定代名詞:nothing(1)
↑
"nothing"は「物事が一つも当てはまらないこと」を表わします。
【例文】:Nothing interests me at all.
【和訳】:面白いものは何一つないな。
"nothing"はすでに「否定の意味」を含みます。なので、「何もない」を表現しようとしてうっかり"not"を足さないように。
【例文】:面白いものは何一つないな。
【 × 】:Nothing doesn't interests me at all.
【 ○ 】:Nothing interests me at all.
→"doesn't"は不要
"not"を付け加えると意味は「何一つないことはない」となり、意味が正反対です。
nothing(つまらない人やもの、取るに足りない人もの)
不定代名詞:nothing(2)
↑
"nothing"はさして重要ではない人やものを表わすことがあります。代名詞ではなく名詞として使うので"nothing"の前に不定冠詞(a)を置くことがあります。複数形の"nothings"も可能です。
【例文】:Don't make a fuss about nothing.
【 × 】:何もないことに騒ぐな。
【 ○ 】:つまらんことで騒ぐな。
→"nothing"の意味は「つまらないこと」
特に、会話文でお礼の返事に「どういたしまして、たいしたことではありませんよ」のニュアンスでよく使います。
【例文】:"Thanks a lot." "Oh, it's nothing."
【 × 】:どうもありがとう。おお、それは何もない。
【 ○ 】:どうもありがとう。いいえ、どういたしまして。
→"nothing"の意味は「たいしたことではないこと」
人物については"nobody"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『不定代名詞"nobody"……「平凡な人、取るに足らない人」』
【例文】:This is a story about a man who went from a nothing to a something.
【 × 】:この物語は何もないから何かまで成り上がった男の話だ。
【 ○ 】:この物語はパッとしない一人の人間から大物にまで成り上がった男の話だ。
→"a nothing"の意味は「つまらない人間」
【例文】:It would be rash to regard all criminals as nothings.
(= It would be rash to regard all criminals as nobodies.)
【 × 】:すべての犯罪者を何もないと断じるのは早計だろう。
【 ○ 】:すべての犯罪者を取るに足らない人間と断じるのは早計だろう。
→"nothings"の意味は「つまらない人間」
必ず単数扱い
不定代名詞:nothing(3)
↑
"nothing"は必ず単数扱いです。受ける代名詞も動詞も単数です。
【例文】:昔のままで残っているものは何もない。
【 × 】:Nothing remain as they were.
【 ○ 】:Nothing remains as it was.
→"nothing"は必ず単数扱いなので、単数形の"remains, was"や"it"を使う
「nothing + 形容詞」
不定代名詞:nothing(4)
↑
形容詞は"nothing"の後ろに置きます。
【例文】:警察が家宅捜査を行なったが怪しいものは何も見つからなかった。
【 × 】:The police found suspicious nothing in the house.
【 ○ 】:The police found nothing suspicious in the house.
→形容詞"suspicious"は"nothing"の後ろに置く
have nothing to with 〜(〜とは何の関係もない、〜とは無関係だ)
不定代名詞:nothing(5)
↑
「主語 + have nothing to do with 〜」で「主語は〜とはまったく無関係だ、主語は〜とは一切関わりがない」の意味を表わします。イディオムです。"have"の代わりにbe動詞を使うこともあります。
【例文】:This earthquake has nothing to do with volcanic activities.
【 × 】:この地震は火山活動とs一緒に何もしない。
【 ○ 】:今回の地震と火山活動はまったく関係がありません。
【例文】:The territorial problem should be solved by the two countries. The others are nothing to do with it.
【 × 】:領土問題は二国間で解決すべきだ。ほかの国はそれと一緒に何もない。
【 ○ 】:領土問題は二国間で解決すべきだ。ほかの国には一切関係のないことだ。
for nothing(無料で、無駄に)
不定代名詞:nothing(6)
↑
"for nothing"で「無料で、ただで」の意味を表わします。
【例文】:People over sixty-five can use buses, trams, and subway for nothing.
(= People over sixty-five can use buses, trams, and subway for free.)
【 × 】:六十五歳の以上の人々は何もないためバス、路面電車、地下鉄を使うことができる。
【 ○ 】:六十五才以上の方はバス、路面電車、地下鉄を無料でご利用できます。
"for nothing"は「結果が無駄になること、何の役にも立たないこと」というニュアンスを表わすこともあります。
【例文】:My worries were for nothing because there was little damage from the earthquake.
(= My worries were in vain because there was little damage from the earthquake.)
【 × 】:地震の被害はほぼゼロだったので私の心配は何のためでもなかった。
【 ○ 】:地震の被害はほぼゼロだったので私の心配は無用だった。
nothing but 〜(〜にすぎない)
不定代名詞:nothing(7)
↑
"nothing but 〜"は「まさしく〜そのものだ」の意味を表わします。直訳すると「〜以外ではない」、つまり「〜にすぎない、〜のみ」です。"but"の意味は「〜以外」(= except)です。たいてい、「nothing but + 名詞」の形で使います。
【例文】:Everything the president said is nothing but racial discrimination.
(= Everything the president said is only racial discrimination.)
【 × 】:大統領の発言はすべて何もないしかし人種差別だ。
【 ○ 】:大統領の発言はすべて人種差別以外の何ものでもない。
nothing like 〜(〜に似ていない、〜には程遠い)
不定代名詞:nothing(8)
↑
"nothing like 〜"は見た目や特徴がちっとも似ていないことを表わします。たいてい名詞の前に置いて使います。
【例文】:College life is nothing like what I expected it to be.
【 × 】:大学生活は自分が予想していたものように何もない。
【 ○ 】:大学生活は自分が予想していたものとは似ても似つかぬものでした。
"nothing like 〜"は強い否定を表わすこともあります。
【例文】:A cell phone was nothing like as common as it is now.
【 × 】:携帯電話は今と同じように普及したように何もなかった。
【 ○ 】:携帯電話は今とは違ってまったく普及していなかった。
there is nothing for it but to 〜(〜する以外にない、〜しかできない)
不定代名詞:nothing(9)
↑
「There is nothing for it but + to不定詞」でほかに手段がないことをあらわします。直訳すると「〜すること以外にそれに対して何もない」つまり「〜すること以外に手の打ちようがない」です。"but"の意味は「〜以外」(= except)です。
【例文】:There was nothing for it but to wait until it stopped raining.
【 × 】:それに対して何もなかったが雨が止むまで待つ。
【 ○ 】:雨が止むのを待つしかなかった。
不定代名詞にも「数」はある
「不定」という名前からして「数」など関係なさそうですが、不定代名詞にも状況に応じて「数」が決まります。
複数形があるのは"other"と"one"のみ。語尾に複数を表わす"s"が付いて"others, ones"になります。この二つ以外のすべての不定代名詞は単数と複数で同じ形です。
単数と複数が同形だと「数」をどう扱うかで二つの疑問が出て来ます。
単数扱いのものと複数扱いのもの
「数」の扱い方に関して、実際は不定代名詞全体が六つのグループに分かれます。
原則として、単数扱いと複数扱いの両方で使える不定代名詞は正式な表現では単数扱いとなり、くだけた文章や会話では複数扱いとなります。
ちなみに、"somebody"は原則として単数扱いです。なので、動詞は単数形の"has"あるいは"was"を使います。"each"は原則として単数扱いなので人称代名詞は単数形の"he"で受けます。"everything"は常に単数扱いなので、人称代名詞は単数形の"it"で受けます。
いついかなる時も単数扱いの不定代名詞
主語になれば動詞は必ず単数形、人称代名詞で受けるときは必ず"he, his, him, she, her, it"などの単数形を使います。
another(もう一人、もう一つ)
必ず単数扱いの不定代名詞(1)
↑
【例文】:If you now buy this magnetic necklace, you get another. Of course, it is free.
【和訳】:今この磁気ネックレスを買えば、もう一つ付いてきます。もちろん、無料です。
→"another"は必ず単数扱いなので動詞は単数の"is"、代名詞は"it"を使う
something(何か)
必ず単数扱いの不定代名詞(2)
↑
【例文】:There is something wrong with this television.
【和訳】:このテレビはどっか壊れている。
→"something"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"is"を使う
【例文】:I saw something black run away. Probably it was a cat.
【和訳】:何か黒いものが走って逃げるのが見えた。たぶん猫だ。
→"something"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"was"、代名詞は"it"を使う
anything(何か、どれでも)
必ず単数扱いの不定代名詞(3)
↑
【例文】:Please call me if anything happens.
【和訳】:何かあったら、私に電話して下さい。
→"anything"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"happens"を使う
【例文】:Take anything you want. I'll give it to you.
【和訳】:好きなのを持って行って下さい。差し上げますよ。
→"anything"は必ず単数扱いなので、代名詞は単数の"it"を使う
everything(何もかも)
必ず単数扱いの不定代名詞(4)
↑
不定代名詞の"everything"は必ず単数扱いです。
【例文】:Everything is OK. We captured all invaders.
【和訳】:万事問題ない。侵入者は全員引っ捕らえた。
→"everything"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"is"を使う
【例文】:I'll buy everything you want. No matter how expensive it is.
【和訳】:欲しいものは何でも買ってあげる。どんなに高価でもかまわない。
→"everything"は必ず単数扱いなので、代名詞は単数の"it"を使う
nothing(何も〜ない)
必ず単数扱いの不定代名詞(5)
↑
【例文】:Nothing is more important than our own life.
【和訳】:自分自身の命よりも大切なものはない。
→"nothing"は必ず単数扱いなので、動詞は単数の"is"を使う
【例文】:We have nothing to eat. It was stolen by pirates.
【和訳】:食べ物は何もない。海賊たちに奪われてしまった。
→"nothing"は必ず単数扱いなので、代名詞は単数の"it"を使う
動詞も受ける代名詞もときどき複数形になる不定代名詞
原則として単数扱いだけど、くだけた文章や会話では動詞も人称代名詞も複数形を使います。
either(二つのうちのいずれか一つ、両方とも)
原則として単数扱いの不定代名詞(1)[1]
↑
【例文】:このチーズーバーガーはどちらかが食品サンプルです。ロウでできています。
【英訳】:Either of these cheese burgers is fake. It is made from wax.
→正式な表現、単数の"is", "it"を使う
【英訳】:Either of these cheese burgers are fake. They are made from wax.
→くだけた表現、複数の"have", "they"を使う、話し言葉では普通
"either"は単数扱いなので正式な言い方では動詞は単数形の"is"を使います。人称代名詞で受ける場合は単数形の"it"を使います。
複数形の動詞"are"や複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。
neither(二つあるうちどちらも〜ない、どちらも〜ない)
原則として単数扱いの不定代名詞(1)[2]
↑
【例文】:兄は二人とも今は恋人がいない。
【英訳】:Neither of my brothers has his girlfriend.
→正式な表現、単数の"has", "his"を使う
【英訳】:Neither of my brothers have their girlfriends.
→くだけた表現、複数の"have", "their"を使う、話し言葉では普通
"neither"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"his"を使います。
複数形の動詞"have"や複数形の人称代名詞"their"を使うのはくだけた言い方です。
受ける代名詞のみときどき複数形になる不定代名詞
原則として単数扱いだけど、人称代名詞で受けるときのみときどき"they, their, them"などの複数形を使います。動詞は必ず単数形を使います。
特に、くだけた文章や会話では複数形の人称代名詞で受けます。
ただし、付加疑問文では、"anybody, anyone, somebody, someone, everybody, everyone, nobody, no one"は複数扱いになります→【参照】:『間違えやすい付加疑問文:"Somebody is 〜, aren't they?"』
【例文】:みんな帰っちゃったかな。
【 × 】:Everybody has gone home, hasn't he?
【 ○ 】:Everybody has gone home, haven't they?
→付加疑問文では"everybody"は複数扱い
each(めいめい、それぞれ)
原則として単数扱いの不定代名詞(2)[1]
↑
【例文】:私の友達はみんな自分の携帯電話を持っている。
【英訳】:Each of my friends has his cell phone.
→正式な表現、単数の"his"で受ける
【英訳】:Each of my friends has his or her cell phone.
→正式な表現、単数の"his or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Each of my friends have their cell phone.
→くだけた表現、複数の"their"で受ける、話し言葉では普通
"each"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"his"や"his or her"を使います。
複数形の動詞"have"や複数形の人称代名詞"their"を使うのはくだけた言い方です。
「every + 名詞」(全部、あらゆる)
原則として単数扱いの不定代名詞(2)[2]
↑
"every"は形容詞ですが、「every + 名詞」で"each"と似たような意味を持つので「every + 名詞」の形をここで扱います。
【例文】:児童はみんなそれぞれ自分の箸を持っている。
【英訳】:Every pupil has his own chopsticks.
→正式な表現、単数の"his"で受ける
【英訳】:Every pupil has his or her own chopsticks.
→正式な表現、単数の"his or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Every pupil has their own chopsticks.
→くだけた表現、複数の"their"で受ける、話し言葉では普通
「every + 名詞」は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"his"や"his or her"を使います。
複数形の人称代名詞"their"を使うのはくだけた言い方です。
somebody, someone(誰か)
原則として単数扱いの不定代名詞(2)[3]
↑
【例文】:何者かが基地内に侵入した。発見し、引っ捕らえよ。
【英訳】:Somebody has sneaked into the base. Find and capture him.
→正式な表現、単数の"him"で受ける
【英訳】:Somebody has sneaked into the base. Find and capture him or her.
→正式な表現、単数の"him or her"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Somebody has sneaked into the base. Find and capture them.
→くだけた表現、複数の"them"で受ける、話し言葉では普通
"somebody, someone"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"him"や"him or her"を使います。
複数形の人称代名詞"them"を使うのはくだけた言い方です。
anybody, anyone(誰か、誰でも)
原則として単数扱いの不定代名詞(2)[4]
↑
【例文】:この温泉は誰でも利用できます。料金を請求されることもありません。
【英訳】:Anybody is allowed to use this hot spring. He is never charged.
→正式な表現、単数の"he"で受ける
【英訳】:Anybody is allowed to use this hot spring. He or she is never charged.
→正式な表現、単数の"he or she"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Anybody is allowed to use this hot spring. They are never charged.
→くだけた表現、複数の"they"で受ける、話し言葉では普通
"anybody, anyone"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"is"を使い、人称代名詞で受ける場合は、単数形の"he"や"he or she"を使います。
複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。
everybody, everyone(誰でも、全員、みんな)
原則として単数扱いの不定代名詞(2)(4)
↑
【例文】:この温泉は誰でも利用できます。料金を請求されることもありません。
【英訳】:Everybody is allowed to use this hot spring. He is never charged.
→正式な表現、単数の"he"で受ける
【英訳】:Everybody is allowed to use this hot spring. He or she is never charged.
→正式な表現、単数の"he or she"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Everybody is allowed to use this hot spring. They are never charged.
→くだけた表現、複数の"they"で受ける、話し言葉では普通
"everybody, everyone"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"is"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"he"や"he or she"を使います。
複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。
nobody, no one(誰も〜ない)
原則として単数扱いの不定代名詞(2)(5)
↑
【例文】:一人で生きてきた人なんていない。見知らぬ誰かにきっと助けられているはずだ。
【英訳】:Nobody has lived alone. He is sure to be helped by someone unknown.
→正式な表現、単数の"he"で受ける
【英訳】:Nobody has lived alone. He or she is sure to be helped by someone unknown.
→正式な表現、単数の"he or she"で受ける、堅い書き言葉
【英訳】:Nobody has lived alone. They are sure to be helped by someone unknown.
→くだけた表現、複数の"they"で受ける、話し言葉では普通
"nobody, no one"は単数扱いなので、正式な言い方では動詞は単数形の"has"を使い、人称代名詞で受ける場合は単数形の"he"や"he or she"を使います。
複数形の人称代名詞"they"を使うのはくだけた言い方です。
原則として複数、正式には単数扱いの不定代名詞
"none"は原則として複数扱いです。主語になれば動詞は複数形、人称代名詞で受けるときは"they, their, them"などの複数形を使います。
ただし、かしこまった書き言葉では動詞に単数形を使い、人称代名詞も単数形を使うことがあります。
none(誰一人〜ない、何一つ〜ない)
原則として複数扱いの不定代名詞(1)
↑
【例文】:私の絵は一枚も売れなかったで、燃やしてしまった。
【 ○ 】:None of my paintings has sold, so I burnt it.[※かしこまった表現]
【 ○ 】:None of my paintings have sold, so I burnt them.[※無難な表現]
"none"は原則として複数扱いなので、動詞は複数形の"have"、人称代名詞も複数形の"them"が普通です。
単数形の"has"や"it"を使うのはかしこまった表現です。
意味の変化に応じて単数、複数の両方が可能な不定代名詞
一部の不定代名詞は前後の文脈に応じて意味が変化するので、単数と複数のどちらもありえます。よく見かける構文について、いくつか例を挙げます。
some
文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(1)
↑
「some of + 名詞」を主語に置くとき、「数」は名詞に合わせます。なので、単数と複数の両方がありえます。
【例文】:同級生の中には食中毒で倒れた人もいた。
【 × 】:Some of my classmates has come down with food poisoning.
【 ○ 】:Some of my classmates have come down with food poisoning.
→動詞の「数」は"classmates"に合わせて「複数」
【例文】:集められたお金の一部はユネスコに寄付された。
【 × 】:Some of the money collected were donated to UNESCO.
【 ○ 】:Some of the money collected was donated to UNESCO.
→動詞の「数」は"money"に合わせて「単数」、"money"は「数えられない名詞」
any
文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(2)
↑
「any of + 複数名詞」を主語に置くとき、単数と複数いずれも可能です。
【例文】:ここにある絵はどれも偽物だ。
【 ○ 】:Any of these paintings are fake.
【 ○ 】:Any of these paintings is fake.
→正式な表現では「単数」をよく使う
other
文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(3)
↑
"other"は、ほかの不定代名詞とは異なり、複数形では語尾に"s"を付けます。
【例文】:一人が牛丼を食べて、ほかのみんなはカレーライスを食べている。
【 × 】:One is eating beef bowl, and the other is eating curry and rice.
【 ○ 】:One is eating beef bowl, and the others are eating curry and rice.
→"others"は「二人以上の複数の人間」を表わすので「複数」扱い
【例文】:一人が牛丼を食べて、もう一人がカレーライスを食べている。
【 × 】:One is eating beef bowl, and the others are eating curry and rice.
【 ○ 】:One is eating beef bowl, and the other is eating curry and rice.
→"other"は「もう一人の人間」を表わすので「単数」扱い
all(1)
文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(5)
↑
「all of + 名詞」を主語に置くとき、「数」は名詞に合わせます。なので、単数と複数の両方がありえます。
【例文】:日本人ならみんながみんな寿司を好きというわけではない。
【 × 】:All of the Japanese people doesn't like sushi.
【 ○ 】:All of the Japanese people don't like sushi.
→"people"に合わせて「数」は複数
【例文】:町全体に雪が降り積もった。
【 × 】:All of the town were covered with snow.
【 ○ 】:All of the town was covered with snow.
→"town"に合わせて「数」は単数
all(2)
文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(4)
↑
「all + 主語 + 動詞」で文全体の主語になるときは通例、単数扱いです。この場合の"all"の意味は「最も望まれること、一番大切なこと、これだけは譲れないこと」です。「〜の全員、〜の全部」ではありません。
【例文】:私が本当に必要な物は自分のパソコンだ。
【 × 】:All I need are my own PC.
【 ○ 】:All I need is my own PC.
→"all I need"は「単数」扱い
one(1)
文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(6)
↑
「one + of + 複数名詞」の意味は「〜の中の一人、〜の中の一つ」です。"one + of"の次には必ず複数形の名詞を使います。ただし、動詞の「数」は"one"のほうに合わせて単数形を使います。
【例文】:これらのダイヤの指輪のうち一つは偽物だ。
【 × 】:One of these diamond rings are fake.
【 ○ 】:One of these diamond rings is fake.
→"one"に合わせて「数」は単数
one(2)
文脈に応じて単数、複数両方ありの不定代名詞(7)
↑
不定代名詞の"one"を単独で使うときは、何を指しているかによって"one"と"ones"を使い分けます。"one"の意味は「一、一つ」なのに複数形の"ones"が存在するのは奇妙にも思えますが、英語ではごく普通に"ones"を不定代名詞として使います。
【例文】:父さんは自分のバイクを持っているが、オレは持っていない。
【 ○ 】:My father has his motorcycle, but I don't have one.
→"motorcycle"「単数」なので、単数形の"one"で受ける
【例文】:父さんは数枚のクレジットカードを持っているが、私は一枚も持っていない。
【 ○ 】:My father has several credit cards, but I don't have ones.
→"credit cards"「複数」なので、複数形の"ones"で受ける
自分自身を表わす再帰代名詞
たまに見かける再帰代名詞、意味は「〜自身」です。
一人称 | 二人称 | 三人称 | |
---|---|---|---|
単数 | myself | yourself | himself, herself, itself |
複数 | ourselves | yourselves | themselves |
【例文】:I taught myself to play guitar.
【和訳】:私は独学でギターを学んだ。
再帰代名詞は人称と数が変わると形が変化します。
現代の英語で使うのは上記の八つのみ。"Iself"や"meself", "heself", "hisself"などの再帰代名詞は存在しません。「私自身が〜」と主語になるときでも"Iself"とはせずに、ちょっとヘンですが「所有格 + self」の"myself"を使います。
複数形は存在するので、"ourself"ではなく"ourselves"と語尾を複数形にします。
名詞や代名詞を強調する再帰代名詞
再帰代名詞はときどき、主語や目的語などの名詞や人称代名詞の意味を強調します。和訳は「〜自身、〜そのもの、〜自体、他ならぬ〜」です。
【例文】:The pizza itself was delicious but it was too big in size.
【和訳】:ピザ自体はうまかったけれど、サイズがデカ過ぎた。
→"itself"は"the pizza"を強調する
再帰代名詞が強調する名詞や人称代名詞から位置的に離れることもあります。
【例文】:The stationmaster was selling some box lunch himself.
【和訳】:駅長自らが駅弁を売っていました。
→"himself"は主語の"the stationmaster"を強調する
日本語の「自分で」は、たいてい「他人ではなく自分で」の意味なので、再帰代名詞の強調用法を使います。
【例文】:宿題は自分でやりなさい。
【和訳】:Do your homework yourself.
→「自分で」は「他人任せにしないで自分で」の意味
"for yourself"や"by myself"など
再帰代名詞が作るイディオムの中で、よく見かけるものをまとめます。
for oneself(自分自身のために)
再帰代名詞を使う主なイディオム(1)
↑
"for oneself"のニュアンスは、「自分の利益のために、自分が何かをするために」です。
【例文】:I grow vegetables for myself and not for selling them.
【和訳】:自分のために野菜を育てているのであって、売るためではありません。
「(他人の力を借りずに)自分一人で」は、前置詞を"by"に変えて、"by oneself"で表わします。
【例文】:このテレビは私一人で動かすには重過ぎます。
【 × 】:This television is too heavy for me to move for myself.
【 ○ 】:This television is too heavy for me to move by myself.
→"for myself"の意味は「私自身の利益のために」
by oneself(自分だけで、自力で、他人を排除して)
再帰代名詞を使う主なイディオム(2)
↑
"by oneself"のニュアンスは、「他人の力を借りずに自分だけで、他人を意図的に排除して自分だけで」です。特に、自分から好んで一人になるときは、"alone"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:My son is training to ride a bicycle by himself.
【和訳】:息子は一人で自転車に乗れるよう練習中です。
→"by himself"の意味は「他人の力を借りずに一人で」
【例文】:I like traveling by myself.
(= I like traveling alone.)
【和訳】:一人で旅をするのが好きです。
→"by myself"の意味は「自分から好んで一人で」
to oneself(自分専用の、自分が自由に使える)
再帰代名詞を使う主なイディオム(3)
↑
"to oneself"のニュアンスは、「自分のみが自由に使用できる」です。よく、「A(名詞) + to 〜self」の形で使い、意味は「〜専用のA(名詞)」です。名詞の意味を補足説明します。
【例文】:I want to have my computer to myself.
【和訳】:自分専用のコンピューターが欲しい。
→"my computer to myself"の意味は「私のみが自由に使えるコンピューター」
be oneself(正気である、いつもの自分である、平静だ)
再帰代名詞を使う主なイディオム(4)
↑
"be oneslef"のニュアンスは、「平常時の自分である」です。日本語でも「自分を取りもどす」という表現は、「落ち着く、平静になる」の意味で使います。
【例文】:The more we try to be ourselves, the more nervous we get.
【和訳】:落ち着こうとすればするほど、あがってしまうものだ。
【例文】:It's quite difficult to be ourselves when we have an interview.
【和訳】:面接を受けるときに落ち着くのはなかなか難しいことだ。
特定の人や物を指し示す指示代名詞
よく見かける指示代名詞。"this, these, that, those"の四つです。
単数 | this | that |
---|---|---|
複数 | these | those |
和訳は特に難しいことはありません。しかし、単数なのか複数なのかの「数」は意外にミスりがちです。
these……複数扱い
指示代名詞(this, these, that, those)(1)
↑
【例文】:これらの書類は警察が探していたものだ。
【 × 】:These is the papers the police have been looking for.
【 ○ 】:These are the papers the police have been looking for.
"these"は"this"の複数形なのでもちろん複数扱いです。なので、"these is"ではなく"these are"です。
those……複数扱い
指示代名詞(this, these, that, those)(2)
↑
【例文】:冬に薄着の人はめったに風邪をひかないという話だ。
【 × 】:It is said that those who wears light clothing in winter rarely catch a cold.
【 ○ 】:It is said that those who wear light clothing in winter rarely catch a cold.
"those who"で"people who"の意味を表わすことがあります。"those"は"that"の複数形なのでもちろん複数扱いです。なので、"wears"ではなく"wear"です。三・単・現(三人称・単数・現在)の"s"は不要。
形容詞的用法(指示形容詞)
指示代名詞(this, these, that, those)(3)
↑
"this, these, that, those"は四語とも名詞の前に置いて形容詞として機能することがあります。やはり「数」をミスりがちです。
【例文】:この子たちは和太鼓のちっちゃな達人です。
【 × 】:This kids are little experts at Japanese drums.
【 ○ 】:These kids are little experts at Japanese drums.
→"this, these"は名詞(kids)の意味を補足する指示形容詞
【例文】を英訳する場合、「この子たち」の英語は"these kids"です。"kids"が複数なので"this"も合わせて複数形の"these"を使います。日本語の「この」の直訳の"this"は不可。
【例文】:そのヘッドフォンはまったく音漏れしない。
【 × 】:That headphones don't leak sound at all.
【 ○ 】:Those headphones don't leak sound at all.
→"that, those"は名詞(headphones)の意味を補足する指示形容詞
【例文】を英訳する場合、「そのヘッドフォン」の英語は"those headphones"です。"headphones"が複数なので"that"も合わせて複数形の"those"を使います。日本語の「その」の直訳の"that"は不可。
語句の補足説明を行う関係代名詞
関係代名詞は名詞の代わりをするので《代名詞》の一種です。関係代名詞については、別コーナーの『ゼロから始める関係代名詞』でくわしく解説しています。
【例文】:I've never seen a picture which was painted by an elephant.
【和訳】:象が描いた絵なんて初めて見ました。
【例文】を元の二つのセンテンスに分解すると、
【元文1】:I've never seen a picture.
【元文2】:The picture was painted by an elephant.
となります。
【例文】の関係代名詞"which"は名詞"the picture"の言い換えです。
わからないことを尋ねる疑問代名詞
わりとよく見かける疑問代名詞。"who, whom, what, which"の四つのことです。疑問代名詞については、別のコーナーの『ゼロから始める疑問詞』でくわしく解説しています。
# 【疑問代名詞】:who, whose, whom, what, which
疑問を表わすときに使うので、そのまま疑問代名詞と言います。英作文のとき、語順のミスをよく見かけます。
疑問代名詞を平叙文で使う場合
疑問代名詞(who, whose, whom, what, which)(1)
↑
疑問代名詞は、疑問文ではない、平叙文でも使います。
この時、疑問代名詞以下の語順はすべて平叙文と同じになります。「助動詞 + 主語 + 動詞」ではなく、「主語 + 動詞」です→【参照】:『ゼロから始める会話の表現:疑問文の作り方』
who(誰が)[主語]
疑問代名詞の語順:平叙文の場合(1)
↑
【例文】:誰が花びんを壊したのか私は知らない。
【 × 】:I don't know who did break the vase.
【 ○ 】:I don't know who broke the vase.
→"did"は不要、動詞は過去形にする
who, whom(誰を)[目的語]
疑問代名詞の語順:平叙文の場合(2)
↑
【例文】:あなたが誰を殴ったのか私は知らない。
【 × 】:I don't know who did you punch.
【 ○ 】:I don't know whom you punched.[※"whom"は堅苦しい表現]
【 ○ 】:I don't know who you punched.
→"did"は不要、動詞は過去形にする
what(何が)[主語]
疑問代名詞の語順:平叙文の場合(3)
↑
【例文】:何が起こったのか私は知らない。
【 × 】:I don't know what did happen.
【 ○ 】:I don't know what happened.
→"did"は不要、動詞は過去形にする
what(何を)[目的語]
疑問代名詞の語順:平叙文の場合(4)
↑
【例文】:あなたが何を食べたのか私は知らない。
【 × 】:I don't know what did you eat.
【 ○ 】:I don't know what you ate.
→"did"は不要、動詞は過去形にする
which(どっちが)[主語]
疑問代名詞の語順:平叙文の場合(5)
↑
【例文】:どっちが壊れたのか私は知らない。
【 × 】:I don't know which did break.
【 ○ 】:I don't know which broke.
→"did"は不要、動詞は過去形にする
which(どっちを)[目的語]
疑問代名詞の語順:平叙文の場合(6)
↑
【例文】:君がどっちを食べたのか私は知らない。
【 × 】:I don't know which did you eat.
【 ○ 】:I don't know which you ate.
→"did"は不要、動詞は過去形にする
疑問代名詞を疑問文で使う場合
疑問代名詞(who, whose, whom, what, which)(2)
↑
疑問代名詞を疑問文で使うとき、疑問代名詞が「誰が、何が、どれが」のように「主語」を表わすときは、疑問代名詞の直後に動詞を置きます。通常の疑問文に入れる助動詞の"does"や"did"は不要です。
# 疑問代名詞(主語「〜が、〜は) + 動詞+ 〜?
一方、疑問代名詞が「誰を、何を、どれを」のように「目的語」を表わすときは、通常の疑問文と同じく、疑問代名詞の直後に助動詞の"does"や"did"が必要です。
# 疑問代名詞(目的語「〜を、〜に」) + 助動詞 + 動詞 + 〜?
who(誰が)[主語]
疑問代名詞の語順:疑問文の場合(1)
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【例文】:誰が花びんを壊したんだ。
【 × 】:Who did break the vase?
【 ○ 】:Who broke the vase?
→"who"の意味は「誰が」なので主語、"did"は不要
who, whom(誰を)[目的語]
疑問代名詞の語順:疑問文の場合(2)
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【例文】:お前は誰を殴ったんだ。
【 × 】:Who you punched?
【 ○ 】:Who did you punch?
【 ○ 】:Whom did you punch?(※"whom"は堅苦しい表現)
→"who"の意味は「誰を」なので目的語、"did"が必要
what(何が)[主語]
疑問代名詞の語順:疑問文の場合(3)
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【例文】:何が起こったのだ。
【 × 】:What did happen?
【 ○ 】:What happened?
→"what"の意味は「何が」なので主語、"did"は不要
what(何を)[目的語]
疑問代名詞の語順:疑問文の場合(4)
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【例文】:君は何を食べたんだ。
【 × 】:What you ate?
【 ○ 】:What did you eat?
→"what"の意味は「何を」なので目的語、"did"が必要
which(どっちが)[主語]
疑問代名詞の語順:疑問文の場合(5)
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【例文】:どっちが壊れたんだ。
【 × 】:Which did break?
【 ○ 】:Which broke?
→"which"の意味は「どっちが」なので主語、"did"は不要
which(どっちを)[目的語]
疑問代名詞の語順:疑問文の場合(6)
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【例文】:君はどっちを食べたんだ。
【 × 】:Which you ate?
【 ○ 】:Which did you eat?
→"which"の意味は「何を」なので目的語、"did"が必要
英語の場合、原則として「主語 + 動詞」の語順をなるべく保とうとする傾向があります。
"who, which, what"を文頭に置いて疑問文を作ると、「主語 + 動詞」の語順がそのままキープできます。【例】:Who stole my indoor shoes?(オレの上履きを盗ったのは誰だ)。わざわざ"does, did"を入れなくても、"who, which, what"が文頭にあるので疑問文であることは明白です。
なので、「主語 + 動詞」の語順を崩さない原則に従って、"Who did steal...?"(主語 + 助動詞 + 動詞)ではなく、"Who stole...?"(主語 + 動詞)に落ち着くのではないか思われます→【参照】:『英語の“クセ”:英語は、「主語」+「動詞」の順番をなるべく保つ』