「態」とは?
「態」とは、文の主語が動詞に対してどういう関係にあるかを表わします。
文の主語が「動作主」の場合、その文は《能動態》と呼びます。「のうどうたい」と読みます。 一方、文の主語が「動作の影響を受けるもの」の場合、その文は《受動態》と呼びます。こちらは「じゅどうたい」と読みます。
要するに、「やる側」が主語は《能動態》、「やられる側」が主語は《受動態》です。
能動態
「能動態」と「受動態」って何だっけ?(1)
↑
《能動態》の主語は「動作主」つまり「動作を行うもの」です。
【例文】:I drink three cups of coffee at breakfast every morning.
【和訳】:私は毎朝、朝食でコーヒーを三杯飲む。
受動態
「能動態」と「受動態」って何だっけ?(2)
↑
《受動態》の主語は「動作の影響を受けるもの」です。
【例文】:Three cups of coffee are drunk by me at breakfast every morning.
【和訳】:三杯のコーヒーは毎朝、朝食で私に飲まれる。
同じ物事について表現する場合、文の内容は《能動態》でも《受動態》でも一切変化しません。《能動態》と《受動態》の違いは“何が主語に来るか”です。
受動態をよく使う状況や場面
日本語でも《受動態》はよく使います。「〜される、〜という影響を受ける、〜な被害を受ける」などの表現は《受動態》の一種です。英語でも同じく、「やったのは誰か」より「誰が何をされたのか」を強調するときに《受動態》を使います。
盗んだ犯人が誰かわからない、つまり「盗んだ」の主語が不明なので、「盗まれたもの」(= モナリザの絵)を主語にして《受動態》を使います。
引っかいた犯人が誰かはわかっているが、「顔を引っかかれたこと」を強調するとき、「引っ掻かれたもの」(= 私の顔)を主語にして《受動態》を使います。
誰にでも当てはまる話の場合、主語に"people"を置く代わりに《受動態》を使うことがあります。
受動態を作る大前提
《受動態》は「誰が何をされたか」を表現します。「やったのは誰か」は不明のままでも構いません。しかし、「やられた人や物」まで不明だと動詞のみの表現となり、文として意味不明になります。
つまり、《受動態》で表現するなら「やる側」は不要ですが「やられる側」は必ず必要です。
# 受動態の必須条件……「やられる側」=「目的語」(〜に、〜を)
文法的に見ると、「やる側」は主語(〜は、〜が)で表現し、「やられる側」は目的語(〜に、〜を)で表現します。なので、《能動態》に目的語(〜に、〜を)がない場合、その文を《受動態》にすることはできません。
【例文】:夕飯にエビフライを食べた。
【 ○ 】:We ate fried shrimp for dinner.[※能動態]
【 ○ 】:Fired shrimp was eaten by us for dinner.[※受動態]
→「やられる側」=「目的語」は「エビフライ」なので受動態が可能
【例文】:エビフライはうまい。
【 ○ 】:Fried shrimp is delicious.[※能動態]
【 × 】:Delicious is been by fried shrimp.[※受動態(?)]
→「やられる側」=「目的語」を表現していないので受動態は不可
可能か不可能かの判断
実際問題として、日本語で考えてみても、《能動態》を《受動態》に変えてみて意味が通らないことはよくあります。《受動態》に変更できない文もたくさんあります。
【例文】:I went to the convenience store.
【例文】:私はコンビニに行って来た。
【 × 】:The convenience store was gone to by me.
【 × 】:コンビニは私に行かれた。
【例文】の場合、「やる側」は"I"(私は)です。では、「やられる側」は何か。特に見当たりません。
強いて言えば"the convenience store"(コンビニ)ですが、"the convenience store"(コンビニ)を主語にしても、文は成立しません。日本語としてもヘンです。なので、"I went to 〜"(私は〜へ行って来た)を《受動態》にすることは不可です。
【例文】:大規模な地すべりが発生した。
【例文】:A massive landslide happened.
【 × 】:大規模な地すべりを発生させられた。
【 × 】:They were happened by a massive landslide.
"happen"の意味は「〜が発生する」です。「やる側」を主語に置きます。しかし、「やられる側」は特に表現しません。なので、《受動態》は不可。「地すべりを発生させられた」という日本語も不自然です。
構文のまとめ
受動態の基本形 = be + 過去分詞形
能動態と受動態の構文(2)
↑
《受動態》の「〜された」は通例、「be動詞 + 動詞の過去分詞」で表現します。文全体の時制は主語の右隣にあるbe動詞、あるいは助動詞を変化させて表わします。
# 【能動態】:主語 + 動詞 + 〜を
# 【受動態】:〜を + be動詞の変化形 + 動詞の過去分詞 + by + 主語
《受動態》の主語は「やられる側」なので「やる側」は"by 〜"で表わします。しかし、《受動態》は「誰が何をやられたか」を強調するので「やる側」の"by 〜"をよく省略します。
「やる側」を「竜巻」、「やられる側」を「島」とすると構文は以下のようになります。
能動態 | 受動態 | |
---|---|---|
現在 |
【例文】:竜巻が島を襲う。 【英訳】:A tornado hits the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われる。 【英訳】:The island is hit by a tornado. |
過去 |
【例文】:竜巻が島を襲った。 【英訳】:A tornado hit the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われた。 【英訳】:The island was hit by a tornado. |
未来 |
【例文】:竜巻が島を襲うだろう。 【英訳】:A tornado will hit the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われるだろう。 【英訳】:The island will be hit by a tornado. |
《受動態》の場合、「襲う」の"hit"はいかなる時制でも必ず「過去分詞形」です。時制は主語の右隣にあるbe動詞か助動詞を変化させて表わします。
受動態の進行時制 = be + being + 過去分詞形
能動態と受動態の構文(2)
↑
《受動態》の進行時制は、いざ書こうとすると動詞の語順がわからなくなりがちです。
ポイントが二つあります。
《受動態》の進行時制の特徴は、"is being hit"(襲われている)や"will be being hit"(襲われているだろう)のように、be動詞が二つ連続して並ぶことです。
能動態 | 受動態 | |
---|---|---|
現在進行時制 |
【例文】:竜巻が島を襲っている。 【英訳】:A tornado is hitting the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われている。 【英訳】:The island is being hit by a tornado. |
過去進行時制 |
【例文】:竜巻が島を襲っていた。 【英訳】:A tornado was hitting the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われていた。 【英訳】:The island was being hit by a tornado. |
未来進行時制 |
【例文】:竜巻が島を襲っているだろう。 【英訳】:A tornado will be hitting the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われているだろう。 【英訳】:The island will be being hit by a tornado. |
受動態の完了時制 = have + been + 過去分詞形
能動態と受動態の構文(3)
↑
《受動態》の完了時制は、いざ書こうとすると動詞の語順がわからなくなりがちです。
《受動態》の完了時制の特徴は、"has been hit"(襲われた)や"will have been hit"(襲われるだろう)のように、have/has/had beenの形になることです。
能動態 | 受動態 | |
---|---|---|
現在完了 |
【例文】:竜巻が島を襲った。 【英訳】:A tornado has hit the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われた。 【英訳】:The island has been hit by a tornado. |
過去完了 |
【例文】:竜巻が島を襲った。 【英訳】:A tornado had hit the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われた。 【英訳】:The island had been hit by a tornado. |
未来完了 |
【例文】:竜巻が島を襲うだろう。 【英訳】:A tornado will have hit the island. |
【例文】:島は竜巻に襲われるだろう。 【英訳】:The island will have been hit by a tornado. |
受動態の文型のまとめ(肯定文)
能動態と受動態の構文(4)
↑
《受動態》も進行時制もbe動詞を使うので、"The island was being hit by a tornado."のように、be動詞が二つ連続で出現することがあります。二つのbe動詞の順番は必ず《受動態》を現わすbe動詞が「前」、進行時制を表わすbe動詞(being)が「後ろ」です。
# 連続するbe動詞……受動態のbe動詞 + 進行時制のbe動詞(being)
基本時制 | ||
---|---|---|
現在 | [主語] + am/is/are + [過去分詞] | I am told by a boy. |
過去 | [主語] + was/were + [過去分詞] | I was told by a boy. |
未来 | [主語] + will + be + [過去分詞] | I will be told by a boy. |
進行時制 | ||
現在進行 | [主語] + am/is/are + being + [過去分詞] | I am being told by a boy. |
過去進行 | [主語] + was/were + being + [過去分詞] | I was being told by a boy. |
未来進行 | [主語] + will + be + being + [過去分詞] | I will be being told by a boy. |
完了時制 | ||
現在完了 | [主語] + have/has + been + [過去分詞] | I have been told by a boy. |
過去完了 | [主語] + had + been + [過去分詞] | I had been told by a boy. |
未来完了 | [主語] + will + have + been + [過去分詞] | I will have been told by a boy. |
完了進行時制 | ||
現在完了進行 | [主語] + have/has + been + being + [過去分詞] | I have been being told by a boy. |
過去完了進行 | [主語] + had + been + being + [過去分詞] | I had been being told by a boy. |
未来完了進行 | [主語] + will + have + been + being + [過去分詞] | I will have been being told by a boy. |
《受動態》の完了進行時制の三つ、現在完了進行形、過去完了進行形、未来完了進行形は、実際の英文ではあまり使いません。
受動態の文型まとめ(否定文)
能動態と受動態の構文(5)
↑
《受動態》の場合、動詞が二つも三つも並ぶので否定文にするとき、どこに"not"を置くべきか迷いがちです。しかし、ルールは一つのみ。
# 否定文……主語に一番近い助動詞の「右隣」に"not"を置く
"not"の位置以外は肯定文とたいてい同じです。
基本時制 | ||
---|---|---|
現在 | [主語] + am/is/are + not + [過去分詞] | I am not told by a boy. |
過去 | [主語] + was/were + not + [過去分詞] | I was not told by a boy. |
未来 | [主語] + will + not + be + [過去分詞] | I will not be told by a boy. |
進行時制 | ||
現在進行 | [主語] + am/is/are + not + being + [過去分詞] | I am not being told by a boy. |
過去進行 | [主語] + was/were + not + being + [過去分詞] | I was not being told by a boy. |
未来進行 | [主語] + will not + be + being + [過去分詞] | I will not be being told by a boy. |
完了時制 | ||
現在完了 | [主語] + have/has + not + been + [過去分詞] | I have not been told by a boy. |
過去完了 | [主語] + had + not + been + [過去分詞] | I had not been told by a boy. |
未来完了 | [主語] + will + not + have + been + [過去分詞] | I will not have been told by a boy. |
完了進行時制 | ||
現在完了進行 | [主語] + have/has + not + been + being + [過去分詞] | I have not been being told by a boy. |
過去完了進行 | [主語] + had + not + been + being + [過去分詞] | I had not been being told by a boy. |
未来完了進行 | [主語] + will + not + have + been + being + [過去分詞] | I will not have been being told by a boy. |
《受動態》の完了進行時制の三つ、現在完了進行形、過去完了進行形、未来完了進行形は否定文の場合も、実際の英文ではあまり使いません。
受動態の"by 〜"
動作主を表わす"by 〜"
「やる側」を表わす"by 〜"(1)
↑
《受動態》は"by 〜"で動作を行う側、つまり「やる側」を表わします。「やる側」が人以外の物事、たとえば、"typhoon"(台風)や"accident"(事故)だったら出来事の原因を表わします。
【例文】:My name was called by the teacher.
(= The teacher called my name.)
【和訳】:先生に名前を呼ばれた。
(= 先生が私の名前を呼んだ)
→"by the teacher"は動作を行った人を表わす
【例文】:I was hurt by the accident.
(= The accident hurt me.)
【和訳】:事故でけがをした。
(= 事故が原因で私はけがをした)
→"by the accident"は出来事の原因を表わす
"by 〜"と"with 〜"
「やる側」を表わす"by 〜"(2)
↑
"by 〜"は「やる側」を表わします。一方、"with 〜"は「やる側」が使う「道具」を表わします。"by"と"with"を同時に使うこともできます。
能動態
【例文】:A chimpanzee painted this picture with a brush.
【和訳】:チンパンジーが一本の絵筆を使ってこの絵を描きました。
受動態
【例文】:This picture was painted with a brush by a chimpanzee.
【和訳】:この絵は一本の絵筆を使ってチンパンジーによって描かれた。
→"with"は道具を表わす、"by"は道具を使った動作主を表わす
《受動態》で"by 〜"がなく"with 〜"のみだと「やる側」の"by 〜"を省略していると考えられます。
【例文】:The police officer was wounded in his right arm with a bullet.
(= Someone wounded the police officer in his right arm with a bullet.)
【和訳】:警察官は撃たれた銃弾で右腕を負傷した。
【例文】の場合、"by 〜"を表現していません。しかし、"with 〜"があるので"a bullet"(銃弾)を放った人物が存在することを示します。その人物を《能動態》では"someone"と表現します。つまり、"a bullet"(銃弾)を放った人物は不明の誰かです。
【例文】:The police officer was wounded in his right arm by a bullet.
(= A bullet wounded the police officer in his right arm.)
【和訳】:警察官は撃たれた銃弾で右腕を負傷した。
【例文】の場合、"by"の次は人ではなく"bullet"(銃弾)です。《能動態》ではそのまま"bullet"(銃弾)を主語に置いて"bullet"(銃弾)が人を傷つけたと表現します。
"by + ing形"は手段や原因を表わす
「やる側」を表わす"by 〜"(3)
↑
「やる側」を表わす"by 〜"は"by"の次にing形を置くこともできます。この時"by"は手段や方法、原因を表わします。ニュアンスは「〜をすることによって、〜することで、〜が原因で」です。
【例文】:This door can only be opened by using a password.
(= You can only open this door by using a password.)
【和訳】:このドアはパスワードを使う方法でのみ開けることができます。
→"by using 〜"は方法を表わす
【例文】:I am terribly worried by hearing another powerful typhoon is approaching.
【和訳】:勢力の強い台風がまた接近していると聞いてひどく不安です。
→"by hearing 〜"は原因を表わす
"by 〜"の省略
「やる側」を表わす"by 〜"(4)
↑
《受動態》は「やられる側」を主語に置いて「やる側」は"by 〜"で表わします。しかし、《受動態》の最重要話題は「何をやられたか」なので「やる側」の"by 〜"をよく省略します→【参照】:『なぜ受動態を使うの?』
誰がやったのかわからないとき
「やる側」を表わす"by 〜":"by 〜"の省略(1)
↑
「やる側」が誰なのかわからない場合はたいてい"by 〜"を表現しません。
能動態
【例文】:Somebody stole my bike. I'll report it to the police.
【英訳】:誰かが私の自転車を盗んだ。警察に届け出るつもりだ。
受動態
【例文】:My bike was stolen (by somebody). I'll report it to the police.
【英訳】:自転車が盗まれた。警察に届け出るつもりだ。
→"by somebody"は付けないのが普通
誰がやったのかを意図的に伏せるとき
「やる側」を表わす"by 〜":"by 〜"の省略(2)
↑
何らかの事情で「やる側」を隠しておくときには"by 〜"を表現しません。
能動態
【例文】:ある企業が政府高官に賄賂を贈った。
【英訳】:A certain company gave bribe to the official.
受動態
【例文】:政府高官に賄賂が贈られた。
【英訳】:The bribe was given to the official (by a certain company).
→"by a certain compay"は伏せておきたい情報なので表現しない
誰がやったのかわざわざ言わなくてもはっきりしているとき
「やる側」を表わす"by 〜":"by 〜"の省略(3)
↑
「やる側」を明示するとクドくなるときは"by 〜"を表現しません。
能動態
【例文】:警察は容疑者の居場所を突き止めた。警察はその家を捜索した。
【英訳】:The police knew the whereabouts of the suspect. They searched the house.
受動態
【例文】:警察は容疑者の居場所を突き止めた。その家が捜索された。
【英訳】:The police knew the whereabouts of the suspect. The house was searched (by the polcie).
→捜索するのは"the police"(警察)だと直前の文からわかるので"by 〜"はあえて表現しない
やったのが不特定多数の人々のとき
「やる側」を表わす"by 〜":"by 〜"の省略(4)
↑
「やる側」を特に限定せず誰でもというときはたいてい"by 〜"を表現しません。不特定多数の人々は"people, we, you, they, one"などで表わします。《能動態》でこれらの人称代名詞や名詞が主語の場合、《受動態》では"by 〜"を表現しないのが普通です。
能動態
【例文】:大統領は頼りにならないと人々は言う。
【英訳】:People say that the president is unreliable.
受動態
【例文】:大統領は頼りにならないと言われている。
【英訳】:It is said (by people) that the president is unreliable.
→"people"は不特定多数の人を表わすので"by 〜"は表現しないのが普通
"by"以外の前置詞を使う動詞
「やる側」を表わす"by 〜"(5)
↑
《受動態》の場合、「やる側」は前置詞の"by"で表わします→【参照】:『能動態と受動態の構文』
しかし、"by"の代わりに"to, with, in"などを使う動詞もあります。たいてい、「何かをされた結果〜である」という状態のニュアンスを強調します。
toを使う
「やる側」を表わす"by 〜":"by"以外の前置詞を使う動詞(1)
↑
# be known to 〜(〜に知られている)
"know"を《受動態》で使うときは「知られる」という動作ではなく「知られている」という状態を表わすことが多いので、たいてい"by"の代わりに"to"を使います。
【例文】:忍者はアメリカ人にも知られていて、「ニンジャタートル」というキャラクターまで存在する。
【 × 】:Ninjas are known by American people and there is a character named "Ninja Turtle".
【 ○ 】:Ninjas are known to American people and there is a character named "Ninja Turtle".
(= American people know ninjas and there is a character named "Ninja Turtle".)
withやinを使う
「やる側」を表わす"by 〜":"by"以外の前置詞を使う動詞(3)
↑
# be caked in/with 〜(〜がこびりついている)
# be coated in/with 〜(〜に覆われている)
# be covered in/with 〜(〜に覆われている)
動詞の"cake"(こびりつく)は受動態で「こびりついている」という状態を表わすことが多いので、たいてい"by"の代わりに"in"か"with"を使います。
【例文】:エアコンにほこりがびっしりとこびりついている。
【 × 】:The air conditioning unit is heavily caked by dust.
【 ○ 】:The air conditioning unit is heavily caked in dust.
【 ○ 】:The air conditioning unit is heavily caked with dust.
→"by"の代わりに"in"か"with"を使う
動詞の"coat"(覆う)はたいてい受動態で「覆われている」という状態を表わすので、"by"の代わりに"in"か"with"を使います。
【例文】:この薬は砂糖に包まれた糖衣錠なので味は甘く、比較的飲みやすい。
【 × 】:This tablet is coated by sugar, so it tastes sweet and is easier to swallow.
【 ○ 】:This tablet is coated in sugar, so it tastes sweet and is easier to swallow.
【 ○ 】:This tablet is coated with sugar, so it tastes sweet and is easier to swallow.
→"by"の代わりに"in"か"with"を使う
動詞の"cover"は《受動態》で"by"を使うこともあります。
【例文】:砂嵐のあと、町全体が砂で覆いつくされた。
【 ○ 】:The whole town was covered by sand after the sandstorm.
【 ○ 】:The whole town was covered in sand after the sandstorm.
【 ○ 】:The whole town was covered with sand after the sandstorm.
→"by"も使える
withを使う(1)
「やる側」を表わす"by 〜":"by"以外の前置詞を使う動詞(3)
↑
# be smeard with 〜(〜を塗りつけられている)
# be daubed with 〜(〜を塗りつけられている)
動詞の"smear"(塗りつける)と"smear"(塗りつける)の《受動態》は「塗りつけられた」状態を表わすことが多いので」、たいてい"by"の代わりに"with"を使います。
【例文】:倉庫の壁はどれも汚らしい落書きで埋め尽くされている。
【 × 】:The warehouse walls are daubed by ugly graffiti.
【 ○ 】:The warehouse walls are daubed with ugly graffiti.
→"by"の代わりに"with"を使う
【例文】:田植えで泥だらけになった園児がいる。
【 × 】:After the rice planting, some of the preschoolers are smeared by mud.
【 ○ 】:After the rice planting, some of the preschoolers are smeared with mud.
→"by"の代わりに"with"を使う
withを使う(2)
「やる側」を表わす"by 〜":"by"以外の前置詞を使う動詞(3)
↑
# be filled with 〜(〜でいっぱいだ)
# be crammed with 〜(〜でいっぱいだ)
# be crowded with 〜(〜でいっぱいだ)
動詞の"fill"(いっぱいにする)と"cram"(いっぱいにする)と"crowd"(人が押しかける)の《受動態》は「いっぱいになった」状態を表わすことが多いので、たいてい"by"の代わりに"with"を使います。
【例文】:夜の学校は静寂に満ちていた。
【 × 】:The school at night was filled by silence.
【 ○ 】:The school at night was filled with silence.
→"by"の代わりに"with"を使う
【例文】:弟の部屋は床から天井までアニメのDVDと漫画の単行本で埋め尽くされている。
【 × 】:My little brother's room is crammed by anime DVDs and manga books from floor to ceiling.
【 ○ 】:My little brother's room is crammed with anime DVDs and manga books from floor to ceiling.
→"by"の代わりに"with"を使う
【例文】:国境近くのキャンプ地は戦火を逃れた難民たちでいっぱいです。
【 × 】:The camp near the border has been crowded by refugees escaping from war.
【 ○ 】:The camp near the border has been crowded with refugees escaping from war.
→"by"の代わりに"with"を使う
"be crowded with 〜"はたいてい「人でいっぱいだ、人でごった返している」の意味で使います。
withを使う(3)
「やる側」を表わす"by 〜":"by"以外の前置詞を使う動詞(3)
↑
# be loaded with 〜(〜を詰め込んでいる)
# be packed with 〜(〜を詰め込んでいる)
動詞の"load"(詰め込む)と"pack"(詰め込む)の《受動態》は「詰め込んだ」状態を表わすことが多いので、たいてい"by"の代わりに"with"を使います。
【例文】:ある種の食品は色や香り、味を調整するためにこれでもかと食品添加物を使っている。
【 × 】:Some kinds of foods are loaded by food additives to control color, flavor and taste.
【 ○ 】:Some kinds of foods are loaded with food additives to control color, flavor and taste.
→"by"の代わりに"with"を使う
【例文】:平日の朝、ほとんどの電車は通勤客と学生でぎゅうぎゅう詰めになる。
【 × 】:Every weekday morning, most trains are packed by commuters and students.
【 ○ 】:Every weekday morning, most trains are packed with commuters and students.
→"by"の代わりに"with"を使う
動詞の"pack"を「包む、包装する、梱包する」の意味で使うときは、《受動態》で"in"を使うこともあります。
【例文】:絵本はエアークッションに包まれてダンボール箱に入っていた。
【 ○ 】:The picture book was packed with bubble wrap and packaged in a cardboard box.
【 ○ 】:The picture book was packed in bubble wrap and packaged in a cardboard box.
→「包まれる」の意味のときは"in"も使える
原形不定詞や"get"を使う例など
《受動態》の作り方と構文をまとめます。
be動詞 + 動詞の過去分詞形を使う
《受動態》を作る場合、文中に助動詞がないときの語順は「主語 + be動詞 + 動詞の過去分詞」です。主語の次にbe動詞を置きます。時制はbe動詞を変化させて表わします。
《能動態》の主語は《受動態》では"by 〜"で表わします。
# 受動態の基本型……主語 + be動詞 + 動詞の過去分詞形 + by 〜
能動態
【例文】:森林火災はたくさんの野生動物を犠牲にする。
【英訳】:Forest fires kill lots of wild animals.
受動態
【例文】:森林火災によってたくさんの野生動物が犠牲になる。
【英訳】:Lots of wild animals are killed by forest fires.
【例文】:森林火災によってたくさんの野生動物が犠牲になることはない。
【 × 】:Lots of wild animals not are killed by forest fires.
【 ○ 】:Lots of wild animals are not killed by forest fires.
→"not"は"are"の次に置く
助動詞 + be動詞の原形"be" + 動詞の過去分詞形を使う
《受動態》を作る場合、文中に助動詞があるときの語順は「主語 + 助動詞 + be + 動詞の過去分詞」です。助動詞の次にbe動詞の原形"be"を置きます。時制は主に助動詞を変化させて表わします。
《能動態》の主語は《受動態》では"by 〜"で表わします。
# 受動態の基本型……主語 + 助動詞 + be + 動詞の過去分詞形 + by 〜
能動態
【例文】:森林火災はたくさんの野生動物を犠牲にするかもしれない。
【英訳】:The forest fire may kill lots of wild animals.
受動態
【例文】:森林火災によってたくさんの野生動物が犠牲になるかもしれない。
【英訳】:Lots of wild animals may be killed by the forest fire.
否定文は助動詞の次に"not"を置きます。be動詞の次でありません。
【例文】:森林火災によってたくさんの野生動物が犠牲になることはないだろう。
【 × 】:Lots of wild animals may be not killed by the forest fire.
【 ○ 】:Lots of wild animals may not be killed by the forest fire.
→"not"は"may"の次に置く
"have been"を使う
《受動態》を作る場合、"may have done"のように助動詞が「have + 過去分詞」を伴うときの語順は「助動詞 + have been + 動詞の過去分詞」です。"have"の次に"been"を置きます。
《能動態》の主語は《受動態》では"by 〜"で表わします。
# 完了時制の受動態……主語 + 助動詞 + have + been + 動詞の過去分詞形 + by 〜
能動態
【例文】:森林火災はたくさんの野生動物を犠牲にしたかもしれない。
【英訳】:The forest fire may have killed lots of wild animals.
受動態
【例文】:森林火災によってたくさんの野生動物が犠牲になったかもしれない。
【英訳】:Lots of wild animals may have been killed by the forest fire.
否定文は助動詞の次に"not"を置きます。be動詞の次でありません。
【例文】:森林火災によってたくさんの野生動物が犠牲になることはないだろう。
【 × 】:Lots of wild animals may have been not killed by the forest fire.
【 ○ 】:Lots of wild animals may not have been killed by the forest fire.
→"not"は"may"の次に置く
be動詞のing形"being"を使う
前置詞の次に《受動態》は「前置詞 + being + 動詞の過去分詞」です。前置詞の次には名詞に相当する語句を置くので、be動詞は原形の"be"ではなく動名詞の"being"を使います。
《能動態》の主語は《受動態》では"by 〜"で表わします。
# 前置詞の次の受動態……前置詞 + being + 動詞の過去分詞形 + by 〜
能動態
【例文】:スパイは誰にも気づかれずに職務を遂行する。
【英訳】:Spies fulfil their duty without anybody noticing them.
受動態
【例文】:スパイは誰にも気づかれずに職務を遂行する。
【 × 】:Spies fulfil their duty without be noticed by anybody.
【 ○ 】:Spies fulfil their duty without being noticed by anybody.
→"without"は前置詞、"being"を使う
be動詞の原形"be"を使う
to不定詞の《受動態》は「to + be + 動詞の過去分詞」です。"to"次はbe動詞の原形の"be"です。
《能動態》の主語は《受動態》では"by 〜"で表わします。
# to不定詞の受動態……to + be + 動詞の過去分詞形 + by 〜
能動態
【例文】:温室効果ガスの削減はあらゆる先進国が進めるべきだ。
【英訳】:Every industrialized country ought to promote the reduction of greenhouse effect gases.
受動態
【例文】:温室効果ガスの削減はあらゆる先進国によって進められるべきだ。
【英訳】:The reduction of greenhouse effect gases ought to be promoted by every industrialized country.
→"ought"は次にto不定詞を取る、"be"を使う
二つの目的語をそれぞれ主語にできる
《受動態》を作る場合、"buy"や"give"のように目的語(「〜に」と「〜を」)を二つ取る動詞の一部は、それぞれの目的語を主語にして二種類の《受動態》が可能です。主語に置くほうを意味的に強調します→【参照】:『ゼロから始める動詞:「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文』
「〜を」を主語にして「〜に」を目的語にするとき、「〜に」には前置詞の"to"か"for"を付けます。"to"のみ省略することも可能ですが、意味があいまいになるのを避けるために付けるほうが無難です。
前置詞の"to"を使う動詞
受動態の作り方(6)目的語が二つある動詞(buyやgive)の場合(1)
↑
「〜に」を前置詞の"to"で表わす動詞の《受動態》をまとめます→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜を + to 〜」』
"sing"は前置詞の"to"も"for"も使えます。「〜の利益のために」というニュアンスを強調するときは"for"を使います。"write"は前置詞""to"を使って"意味が「〜に手紙などを書き送る」のときに二種類の《受動態》が可能です→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜を + to/for 〜」』
前置詞"to"で「〜に」を表現できる"bring, hand, mail, post, read, show, take"なども目的語を二つ取ることができますが《受動態》はたいてい一種類のみ可能です。直接目的語(〜を)を主語に置く《受動態》が普通です。
能動態
【例文】:息子が私の朝食を持って来てくれた。
【英訳】:My son brought me breakfast.
【英訳】:My son brought breakfast to me.
受動態
【例文】:私の朝食を息子が持って来てくれた。
【 △ 】:I was brought breakfast by my son.
【例文】:私の朝食を息子が持って来てくれた。
【 ○ 】:Breakfast was brought to me by my son.
→間接目的語の"me"を"I"にして主語に置く受動態はややまれ
能動態
【例文】:お父さんがこのテニスラケットをくれた。
【英訳】:My father gave me this tennis racket.
【英訳】:My father gave this tennis racket to me.
受動態
【例文】:私はこのテニスラケットを父さんからもらった。
【英訳】:I was given this tennis racket by my father.
【例文】:このテニスラケットは父さんからもらった。
【英訳】:This tennis racket was given to me by my father.
→"to"は省略しない
能動態
【例文】:兄ちゃんが一万円貸してくれた。
【英訳】:My big brother lent me ten thousand yen.
【英訳】:My big brother lent ten thousand yen to me.
受動態
【例文】:私は兄ちゃんから一万円貸してもらった。
【英訳】:I was lent ten thousand yen by my big brother.
【例文】:一万円は兄ちゃんが貸してくれた。
【英訳】:Ten thousand yen was lent to me by my big brother.
→"to"は省略しない
能動態
【例文】:企業は客に全額払い戻しを約束した。
【英訳】:The company promised the customers full refund.
【英訳】:The company promised full refund to the customers.
受動態
【例文】:客は企業に全額払い戻しを約束してもらった。
【英訳】:The customers was promised full refund by the company.
【例文】:全額払い戻しを企業が客に約束した。
【英訳】:Full refund was promised to the customers by the company.
→"to"は省略しない
能動態
【例文】:ブラームスは私にこの皮ジャンを売ってくれた。
【英訳】:Brahms sold me this leather jacket.
【英訳】:Brahms sold this leather jacket to me.
受動態
【例文】:私はこの皮ジャンをブラームスに売ってもらった。
【英訳】:I was sold this leather jacket by Brahms.
【例文】:この皮ジャンはブラームスから売ってもらった。
【英訳】:This leather jacket was sold to me by Brahms.
→"to"は省略しない
能動態
【例文】:男は警察にいたずらの手紙を何通も送りつけた。
【英訳】:The man sent the police prank letters.
【英訳】:The man sent prank letters to the police.
受動態
【例文】:警察は男からいたずらの手紙を何通も送りつけられた。
【英訳】:The police were sent prank letters by the man.
【例文】:いたずらの手紙が男から警察に何通も送りつけられた。
【英訳】:Prank letters were sent to the police by the man.
→"to"は省略しない
能動態
【例文】:生徒たちは保護者に校歌を歌った。
【英訳】:Students sang their parents the school song.
【英訳】:Students sang the school song to their parents.
受動態
【例文】:保護者は生徒たちに校歌を歌ってもらった。
【英訳】:The parents were sung the school song by their students.
【例文】:校歌は生徒たちが保護者に向けて歌った。
【英訳】:The school song was sung to the parents by their students.
→"to"は省略しない
能動態
【例文】:小学生に基礎的なプログラミングを教えています。
【英訳】:I teach elementary school children basic programming.
【英訳】:I teach basic programming to elementary school children.
受動態
【例文】:小学生は基礎的なプログラミングを私に教わっています。
【英訳】:Elementary school children are taught basic programming by me.
【例文】:基礎的なプログラミングは私が小学生たちに教えています。
【英訳】:Basic programming is taught to elementary school children by me.
→"to"は省略しない"
能動態
【例文】:機長は記者たちに真実を語った。
【英訳】:The chief pilot told the press the truth.
【英訳】:The chief pilot told the truth to the press.
受動態
【例文】:記者たちは機長から真実を語ってもらった。
【英訳】:The press was told the truth by the chief pilot.
【例文】:真実は機長から記者たちに語られた。
【英訳】:The truth was told to the press by the chief pilot.
→"to"は省略しない
能動態
【例文】:先生はクラスのみんなに年賀状を書いて送りました。
【英訳】:The teacher wrote every student in her class a New Year card.
【英訳】:The teacher wrote a New Year card to every student in her class.
受動態
【例文】:クラスのみんなは先生から自筆の年賀状が送られた。
【英訳】:Every student in her class was written a New Year card by the teacher.
【例文】:先生の自筆の年賀状がクラスのみんなに送られた。
【英訳】:A New Year card was written to every student in her class by the teacher.
→"to"は省略しない
前置詞の"for"を使う動詞
受動態の作り方(6)目的語が二つある動詞(buyやgive)の場合(2)
↑
「〜に」を前置詞の"for"で表わす動詞の《受動態》をまとめます。いずれの動詞も「誰かのために主語が〜してあげる」というニュアンスがあります→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜を + for 〜」』
"sing"は前置詞の"to"も"for"も使えます。「〜の利益のために」というニュアンスを強調するときは"for"を使います→【参照】:『「動詞 + 名詞 + 名詞」の構文:「主語 + 動詞 + 〜を + to/for 〜」』
前置詞"for"で「〜に」を表現できる"bring, cook, fetch, find, get, make, write"なども目的語を二つ取ることができますが《受動態》はたいてい一種類のみ可能です。直接目的語(〜を)を主語に置く《受動態》が普通です。
【例文】:弟にホットケーキを焼いてあげた。
【英訳】:I've cocked my little brother a pancake.
【英訳】:I've cocked a pancake for my little brother.
【例文】:弟は私にホットケーキを焼いてもらった。
【 △ 】:My little brother has been cooked a pancake by me.
【例文】:ホットケーキは私が弟に焼いてあげた。
【 ○ 】:A pancake has been cooked for my little brother by me.
→間接目的語の"my little brother"を主語に置く受動態はややまれ
能動態
【例文】:お母さんがミシンを買ってくれた。
【英訳】:My mother bought me a sewing machine.
【英訳】:My mother bought a sewing machine for me.
受動態
【例文】:私はお母さんにミシンを買ってもらった。
【英訳】:I was bought a sewing machine by my mother.
【例文】:ミシンはお母さんに買ってもらった。
【英訳】:A sewing machine was bought for me by my mother.
→"for"は省略しない
能動態
【例文】:私たちのために子供たちが国家を歌ってくれた。
【英訳】:The children sang us the national anthem.
【英訳】:The children sang the national anthem for us.
受動態
【例文】:私たちは子供たちに国家を歌ってもらった。
【英訳】:We were sung the national anthem by the children.
【例文】:国家は私たちのために子供たちによって歌われた。
【英訳】:The national anthem was sung for us by the children.
→"for"は省略しない
目的語にthat節を取る動詞の受動態
"think"や"say"などの動詞で目的語にthat節を置く場合、仮主語の"it"を使って《受動態》を作ります。動詞によってはto不定詞やthere構文が使えます。
仮主語の"it"を使う
受動態の作り方(7)「動詞 + that節」(thinkやsay)の場合(1)
↑
英語の場合、that節を主語に据えると文が不格好になるので、長くなったthat節はなんとか文の後ろのほうに置こうとします。なのでたいてい《受動態》を作るときは、綴りが短い仮主語の"it"を主語に置いてthat節をその後ろに置きます。
くわしくは別のコーナーにまとめています→【参照】:『間違えやすい人称代名詞の"it":【仮主語】:It's thought that 〜.(〜であると思われる)』
↑
能動態
【例文】:あなたは海外に住んでいるとみんなは思っていました。
【英訳】:Everyone thought that you lived abroad.
受動態
【例文】:あなたは海外に住んでいると思っていました。
【 × 】:That you lived abroad is thought.
【 ○ 】:It was thought that you lived abroad.
(= You were thought to live abroad.)
→長い主語の"That 〜 abroad"は不自然なので仮主語の"it"を使う、あるいは"you"を主語にする
↑
能動態
【例文】:その会社は倒産寸前だそうだ。
【英訳】:They say that the company is on the verge of going bankrupt.
受動態
【例文】:その会社は倒産寸前だそうだ。
【 × 】:That the company is on the verge of going bankrupt is said.
【 ○ 】:It is said that the company is on the verge of going bankrupt.
(= The company is said to be on the verge of going bankrupt.)
→長い主語の"That 〜 bankrupt"は不自然なので仮主語の"it"を使う、あるいは"the company"を主語にする
↑
能動態
【例文】:寄せられた義援金はすべて被災者に分配すべきという提案がある。
【英訳】:People have proposed that all the donated money be divided among the disaster victims.
受動態
【例文】:寄せられた義援金はすべて被災者に分配すべきという提案が寄せられている。
【 × 】:That all the donated money be divided among the disaster victims has been proposed.
【 ○ 】:It has been proposed that all the donated money be divided among the disaster victims.
→長い主語の"That 〜 victimst"は不自然なので仮主語の"it"を使う
"suggest"や近い意味を表わす"advise, propose, recommend"は提案を表わすので、that節内はたいてい仮定法現在を使います→【参照】:『"if"を使わない仮定法アレコレ:提案」を表わす動詞:suggest, propose, advise, recommend』
to不定詞を使う
受動態の作り方(7)「動詞 + that節」(thinkやsay)の場合(2)
↑
仮主語の"it"で《受動態》を作る動詞の一部はto不定詞を使う構文も可能です→【参照】:『thatを目的語に取る動詞の受動態:仮主語の"it"を使う』
to不定詞を使うと、that節の中の主語を文全体に主語に置くことができます。thatを使わず語数が少なくてすむので、特に新聞や雑誌の記事でよく使います。
↑
能動態
【例文】:エジプトの最初のピラミッドは紀元前2700年ごろに作られたと我々は考えている。
【英訳】:We consider that the first Egyptian pyramid was built around 2700 BC.
受動態
【例文】:エジプトの最初のピラミッドは紀元前2700年ごろに作られたと考えられている。
【 × 】:That the first Egyptian pyramid was built around 2700 BC is considered.
【 ○ 】:The first Egyptian pyramid is considered to have been built around 2700 BC.
(= It is considered that the first Egyptian pyramid was built around 2700 BC.)
→長い主語の"That 〜 2700 BC"は不自然なのでto不定詞を使う
↑
能動態
【例文】:最初の揺れより次に来た揺れのほうがはるかに強かったと人々は感じた。
【英訳】:People felt that the second shaking was much stronger than the first shaking.
受動態
【例文】:最初の揺れより次に来た揺れのほうがはるかに強かったと感じられた。
【 × 】:That the second shaking was much stronger than the first shaking was felt.
【 ○ 】:The second shaking was felt to be much stronger than the first shaking.
(= It is felt that the second shaking was much stronger than the first shaking.)
→長い主語の"That 〜 shaking"は不自然なのでto不定詞を使う
↑
能動態
【例文】:人々はトマトを有毒だと考えていた。
【英訳】:People thought that tomatoes were poisonous.
受動態
【例文】:トマトは有毒だと考えられていた。
【 × 】:That tomatoes were poisonous was thought.
【 ○ 】:Tomatoes were thought to be poisonous.
(= It was thought that tomatoes were poisonous.)
→長い主語の"That tomatoes were poisonous"は不自然なのでto不定詞を使う
there構文を使う
受動態の作り方(7)「動詞 + that節」(thinkやsay)の場合(3)
↑
仮主語の"it"で《受動態》を作る動詞の一部はthere構文を使う構文も可能です。that節の中でthere構文を使った場合、"there"を主語に置いた《受動態》を作ることができます→【参照】:『thatを目的語に取る動詞の受動態:仮主語の"it"を使う』
"there"の中で使うto不定詞はたいていbe動詞を使います。【例】:People thought that there is/are/was/were 〜 → There is/are/was/were thought to be 〜.
↑
能動態
【例文】:この国はテロの危険性があると人々は考えている。
【英訳】:People consider that there is a threat from terrorism in this country.
→that節の中に"there 〜"がある
受動態
【例文】:この国はテロの危険性があると考えられている。
【 × 】:That there is a threat from terrorism in this country is considered.
【 ○ 】:There is considered to be a threat from terrorism in this country.
(= It is considered that there is a threat from terrorism in this country.)
→長い主語の"That 〜 country"は不自然なのでthere構文を使う
↑
能動態
【例文】:介護職員の需要が大幅に伸びると我々は予想している。
【英訳】:We expect that there will be a large increase in the need for nursing assistants.
→that節の中に"there 〜"がある
受動態
【例文】:介護職員の需要が大幅に伸びると予想される。
【 × 】:That there will be a large increase in the need for nursing assistants is expected.
【 ○ 】:There is expected to be a large increase in the need for nursing assistants.
(= It is expected that there will be a large increase in the need for nursing assistants.)
→長い主語の"That 〜 assistants"は不自然なのでthere構文を使う
↑
能動態
【例文】:全員が宇宙ステーションに損傷はないと考えていた。
【英訳】:Everyone understood that there was no damage to the space station.
→that節の中に"there 〜"がある
受動態
【例文】:宇宙ステーションに損傷はないと考えられていた。
【 × 】:That there was no damage to the space station was understood.
【 ○ 】:There was understood to be no damage to the space station.
(= It was understood that there was no damage to the space station.)
→長い主語の"That 〜 station"は不自然なのでthere構文を使う
seeやhearの受動態
知覚動詞(seeやhear)を《受動態》にするとき、目的語の次の原形不定詞はto不定詞に変更します。目的語の次のing形はそのままです。
知覚動詞を《受動態》で使うと、偶発的に「見られてしまった、気づかれてしまった、聞かれてしまった」というニュアンスを強調します。
不定詞の場合
受動態の作り方(8)知覚動詞(seeやhear)の場合(1)
↑
"see"や"hear"などの知覚動詞が不定詞を従える場合、《受動態》では"to"を付けてto不定詞とします。
能動態
【例文】:警官はあなたが車を運転していたのを見ました。
【 × 】:The policeman saw you to drive a car.
【 ○ 】:The policeman saw you drive a car.
→"to drive"は不可
受動態
【例文】:あなたが車を運転していたのは警官に見られていました。
【 × 】:You were seen drive a car by the policeman.
【 ○ 】:You were seen to drive a car by the policeman.
→受動態では"to drive"とする
能動態
【例文】:先生は授業中に私が寝ていたのに気づいた。
【 × 】:The teacher noticed me to sleep in the class.
【 ○ 】:The teacher noticed me sleep in the class.
→"to sleep"は不可
受動態
【例文】:私は授業中に寝ていたのを先生に気づかれた。
【 × 】:I was noticed sleep in the class by the teacher.
【 ○ 】:I was noticed to sleep in the class by the teacher.
→受動態では"to sleep"とする
能動態
【例文】:数人の男がワンボックスカーから急いで逃げ出すのを目撃した。
【 × 】:I observed several men to flee from the small van.
【 ○ 】:I observed several men flee from the small van.
→"to flee"は不可
受動態
【例文】:数人の男がワンボックスカーから急いで逃げ出すのが目撃された。
【 × 】:Several men were observed flee from the small van.
【 ○ 】:Several men were observed to flee from the small van.
→受動態では"to flee"とする
能動態
【例文】:私はあなたが独り言を言っていqのを聞きました。
【 × 】:I heard you to think aloud.
【 ○ 】:I heard you think aloud.
→"to think"は不可
受動態
【例文】:あなたが独り言を言っていたのが聞こえました。
【 × 】:You were heard think aloud by me.
【 ○ 】:You were heard to think aloud by me.
→受動態では"to think"とする
なぜ《受動態》になると"to"が復活するのか。おそらく、語調の関係と思われます。
《受動態》の場合、"to"を付けないと、"were seen drive"や"were heard think"のようにbe動詞の後に動詞が二つ連続します。英文としてはやや不格好なので"to"を付けて"were seen to drive"や"were heard to think"と表現するのではないかと思われます。
ing形の場合
受動態の作り方(8)知覚動詞(seeやhear)の場合(2)
↑
"see"や"hear"などの知覚動詞がing形を従える場合、《受動態》でもそのままing形を使います。
能動態
【例文】:一匹の犬が救急車を追いかけているのを見た。
【英訳】:I saw a dog chasing an ambulance.
受動態
【例文】:一匹の犬が救急車を追いかけているところを目撃された。
【英訳】:A dog was seen chasing an ambulance.
→"chasing"はそのままにしておく
能動態
【例文】:飼い猫がテレビを見ているのに気づいた。
【英訳】:I noticed my cat watching television.
受動態
【例文】:飼い猫はテレビを見ているところを気づかれた。
【英訳】:My cat was noticed watching television.
→"watching"はそのままにしておく
能動態
【例文】:容疑者がドアのロックをこじ開けようとしているところを見ました。
【英訳】:I observed the suspect forcing the lock of the door.
受動態
【例文】:容疑者はドアのロックをこじ開けようとしているところを見られた。
【英訳】:The suspect was observed forcing the lock of the door.
→"forcing"はそのままにしておく
能動態
【例文】:洗濯機が異音を出しているのが聞こえた。
【英訳】:I heard the washing machine making a strange noise.
受動態
【例文】:洗濯機から異音が出ているのが聞こえた。
【英訳】:The washing machine was heard making a strange noise.
→"making"はそのままにしておく
受動態では不定詞にtoを付ける
使役動詞の"make"を《受動態》にするとき、目的語の次の不定詞は"to"を付けてto不定詞とします。
能動態
【例文】:刑事は容疑者に自白を強要した。
【 × 】:The detective made the suspect to confess to the crime.
【 ○ 】:The detective made the suspect confess to the crime.
→"to confess"は不可
受動態
【例文】:容疑者は刑事によって無理やり自白させられた。
【 × 】:The suspect was made confess to the crime by the detective.
【 ○ 】:The suspect was made to confess to the crime by the detective.
→受動態では"to confess"とする
なぜ《受動態》になると"to"が復活するのか。おそらく、語調の関係と思われます。
《受動態》の場合、"to"を付けないと、"was made confess"のようにbe動詞の後に動詞が二つ連続します。英文としてはやや不格好なので"to"を付けて"was made to confess"と表現するのではないかと思われます。
"let"の受動態は通例不可
使役動詞の"let"の意味は「〜させておく、〜することを許す」です。しかし、"let"は通例、《受動態》では使いません。代わりの表現として「be allowed to不定詞、 be permitted to不定詞」を使います。
能動態
【例文】:父さんは僕たちがテレビゲームで遊ぶのを許さない。
【英訳】:Father doesn't let us play video games.
受動態
【例文】:僕たちがテレビゲームをするのは父さんによって許されていない。
【英訳】:We aren't allowed to play video games by Father.
【英訳】:We aren't permitted to play video games by Father.
→"let"の受動態は「be allowed to不定詞、be permitted to不定詞」を使う
《受動態》では"let"の代わりに"allow, permit"を使うので、不定詞は"to"のない不定詞(原形不定詞)ではなく、to不定詞になります。
受動態では不定詞にtoを付ける
「〜することを助ける、〜することを手伝う」の意味の"help"は、よく"to"のない不定詞(原形不定詞)を取ります。しかし、《受動態》の場合は必ず"to"が付いたto不定詞を使います。
能動態
【例文】:この錠剤はせきを止めるのに役に立った。
【英訳】:This tablet helped me to stop coughing.
【英訳】:This tablet helped me stop coughing.
→"to"は付けても付けなくてもOK
受動態
【例文】:この錠剤の助けによって私はせきが止まった。
【 × 】:I was helped stop coughing by this tablet.
【 ○ 】:I was helped to stop coughing by this tablet.
→受動態では必ず"to"を付けて"to stop coughing"とする
なぜ《受動態》になると"to"が復活するのか。おそらく、語調の関係と思われます。
《受動態》の場合、"to"を付けないと、"was helped stop"のようにbe動詞の後に動詞が二つ連続します。英文としてはやや不格好なので、"to"を付けて"was helped to stop"と表現するのではないかと思われます。
自動詞でも受動態は可能
自動詞でも単語によっては《受動態》を作ることが可能です。「自動詞 + 前置詞」の形であれば、前置詞の目的語を主語に置いて《受動態》を作ることができます。
ただし、《受動態》が可能な自動詞はごく少数です。
自動詞は前置詞なしでもよく使います。前置詞なしだと目的語(〜に、〜を)がなくなるので「やられる側」が存在せず、《受動態》は不可です。
【例文】:濃霧が発生した。
【例文】:The dense fog came down.
【 × 】:濃霧を発生させられた。
【 × 】:They were come down by the dense fog.
"come down"は「自動詞 + 副詞」の表現です。"down"は副詞なので目的語(〜に、〜を)を取りません。そのため、「やられる側」が存在しないので《受動態》は不可。
前置詞の目的語を主語にする
受動態の作り方(12)自動詞(listenやlook)の場合(1)
↑
自動詞が前置詞と結び付いて一つのイディオムとして機能する場合、たとえば、"listen to 〜"(〜に耳を傾ける)なら前置詞の目的語が存在するので、前置詞の目的語を主語に置いて《受動態》を作ることができます。
能動態
【例文】:No students listened to the teacher.
【和訳】:生徒たちは一人も先生の話を聞いていませんでした。
受動態
【例文】:The teacher was not listened to by all students.
【和訳】:先生の話は生徒にはまったく聞かれていなかった。
→"listened to"の次にある"the teacher"を主語にして受動態が可能
能動態
【例文】:Volunteers look after the park.
【和訳】:ボランティアの方々がこの公園の手入れをします。
受動態
【例文】:The park is looked after by volunteers.
【和訳】:この公園のはボランティアの方々が手入れをしてくれます。
→"looked after"の次にある"the park"を主語にして受動態が可能
「自動詞 + 前置詞」の形は崩さない
受動態の作り方(12)自動詞(listenやlook)の場合(2)
↑
"listen to 〜"や"look at 〜"など「自動詞 + 前置詞」の表現で《受動態》を作る場合、二つを分離せずそのままの形でbe動詞を前に置きます。「動詞 + 前置詞」で一語の動詞と考えればOKです。
能動態
【例文】:クラスの全員が先生を頼りにしている。
【英訳】:The whole class depends on the teacher.
受動態
【例文】:先生はクラスの全員に頼られている。
【英訳】:The teacher is depended on by the whole class.
→"depend on"の形は崩さない
能動態
【例文】:クラスのみんなが私のことを笑った。
【英訳】:All my classmates laughed at me.
受動態
【例文】:クラスのみんなに笑われた。
【英訳】:I was laughed at by all my classmates.
→"laugh at"の形は崩さない
能動態
【例文】:医者たちは私が病院に到着するとすぐに私に対して手術を行った。
【英訳】:The doctors operated on me as soon as I arrived at the hospital.
受動態
【例文】:私が病院に着くとすぐに医者たちによって手術が行われた。
【英訳】:I was operated on by the doctors as soon as I arrived at the hospital.
→"operate on"の形は崩さない
「動詞 + 副詞 + 前置詞」の形は崩さない
"do away with 〜"や"look up to 〜"など「動詞 + 副詞 + 前置詞」の表現で《受動態》を作る場合、動詞を過去分詞形にして、三つを分離せずにそのままの形で前にbe動詞を置きます。
「動詞 + 副詞 + 前置詞」で一語の動詞と考えればOKです。
能動態
【例文】:Everyone looks forward to weekends.
【和訳】:みんな週末を楽しみに待っているものだ。
受動態
【例文】:Weekends are looked forward to by everyone.
【和訳】:週末はみんな楽しみに待っているものだ。
→"look forward to"の形は崩さない
能動態
【例文】:消費税は速やかに廃止すべきである。
【英訳】:We should do away with consumption tax soon.
受動態
【例文】:消費税は速やかに廃止されるべきである。
【英訳】:Consumption tax should be done away with soon.
→"do away with"の形は崩さない
能動態
【例文】:教師というものはみんなが尊敬する人物であるべきだ。
【英訳】:A teacher should be the person whom everyone looks up to.
受動態
【例文】:教師というものはみんなに尊敬される人物であるべきだ。
【英訳】:A teacher should be the person who is looked up to by eveyone
→"look up to"の形は崩さない
「動詞 + 名詞 + 前置詞」の形は崩さない
"take care of 〜"や"take account of 〜"など「動詞 + 名詞 + 前置詞」の表現で《受動態》を作る場合、動詞を過去分詞形にして、三つを分離せずにそのままの形で前にbe動詞を置きます。
「動詞 + 名詞 + 前置詞」で一語の動詞と考えればOKです。
能動態
【例文】:見習コックが調理器具の手入れをしている。
【英訳】:Cook trainees take care of cookware.
受動態
【例文】:Cookware is taken care of by cook trainees.
【英訳】:調理器具は見習いコックによって手入れされている。
→"takn care of"の形は崩さない
能動態
【例文】:高層ビルを建設する際は、周辺の環境を考慮すべきです。
【英訳】:You should take account of the surroundings when you build a high-rise building.
受動態
【例文】:高層ビルを建設する際は、周辺の環境も考慮されるべきです。
【英訳】:The surroundings should be taken account of when you build a high-rise building.
→"take account of"の形は崩さない
"have"や"get"を使う受動態
《受動態》は普通「be動詞 + 動詞の過去分詞」で表現します→【参照】:『能動態と受動態の構文』
be動詞の代わりに"have"や"get"を使って《受動態》を表わすこともできます。たいてい、被害や予想外などのニュアンスを強調します。
「get + 過去分詞」
受動態の作り方(15)be動詞を使わない受動態(1)
↑
be動詞の代わりに"get"を使って、「get + 過去分詞」の形で《受動態》を表わすことがあります。be動詞と異なり特別なニュアンスを持っているので、使える場面はかなり限られます。
「get + 過去分詞」は一種の《受動態》なので、主語には「やられる側」を置きます。
【例文】:The ATM (automated teller machine) was broken by someone.
【和訳】:そのATM(現金自動預け払い機)は何者かによって破壊された。
【例文】:The ATM (automated teller machine) got broken by someone.
【和訳】:そのATM(現金自動預け払い機)は誰かに壊された。
→"get"を使うと「意外性」を強調する
【例文】:My cookies were burnt at the bottom.
【和訳】:クッキーの裏側が焦げてしまった。
【例文】:My cookies got burnt at the bottom.
【和訳】:クッキーの裏側が焦げちゃった。
→"get"を使うと被害のニュアンスを強調する
【例文】:My new jeans was caught in the bike chain.
【和訳】:新品のジーパンが自転車のチェーンにはさまれた。
【例文】:My new jeans got caught in the bike chain.
【和訳】:下ろし立てのジーパンが自転車のチェーンにはさまれた。
→"get"を使うと被害のニュアンスを強調する
【例文】:My tablet password was changed without my knowledge.
【和訳】:タブレットのパスワードが知らないうちに変更されていた。
【例文】:My tablet password got changed without my knowledge.
【和訳】:タブレットのパスワードがいつの間にか変えられていた。
→"get"を使うと被害のニュアンスを強調する
【例文】:The bus was delayed an hour because of traffic jam.
【和訳】:バスは交通渋滞のために一時間遅れた。
【例文】:The bus got delayed an hour because of traffic jam.
【和訳】:バスは渋滞で一時間も遅れた。
→"get"を使うと「意外性」を強調する
【例文】:One of my friends was fined for being outside without a mask.
【和訳】:友達がマスクをつけずに外出したことで罰金を科せられた
【例文】:One of my friends got fined for being outside without a mask.
【和訳】:友達がマスクなしで外出して罰金を食らった。
→"get"を使うと被害のニュアンスを強調する
【例文】:I don't want to be involved in a conflict.
【和訳】:争いごとには関わりたくありません。
【例文】:I don't want to get involved in a conflict.
【和訳】:もめ事に巻き込まれるのはごめんだ。
→"get"を使うと被害のニュアンスを強調する
【例文】:If I'm late again, I'll be sacked.
【和訳】:あと一度遅刻したら解雇されます。
【例文】:If I'm late again, I'll get sacked.
【和訳】:今度遅刻したらくびになります。
→"get"を使うと被害のニュアンスを強調する
【例文】:I got stuck in an elevator for 5 hours after a power cut.
【和訳】:停電発生後五時間もエレベーターに閉じ込められた。
【例文】:I got stuck in an elevator for 5 hours after a power cut.
【和訳】:停電があってそのあと五時間もエレベーターに閉じ込められた。
→"get"を使うと被害のニュアンスを強調する
「主語 + have + 目的語 + 過去分詞」
受動態の作り方(15)be動詞を使わない受動態(2)
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be動詞の代わりに"have"を使って、「主語 + have + 目的語 + 過去分詞」の形で《受動態》を表わすことがあります。特に、被害や損害のニュアンスを強調します。
「主語 + have + 目的語 + 過去分詞」は別のコーナーでくわしく解説しています→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形』
# 主語 + have + 目的語 + 過去分詞……「主語は目的語に対して〜される」
【例文】:現金やクレジットカードは全部不良グループに取られた。
【英訳】:We were taken away all our money and credit cards by the gang.
【英訳】:We had all our money and credit cards taken away by the gang.
【例文】の場合、"had"を使うと「盗まれてひどい目に遭った」という被害のニュアンスを強調します。
【例文】:その野良猫に右手を引っかかれた。
【英訳】:I was scratched my right hand by the stray cat.
【英訳】:I had my right hand scratched by the stray cat.
【例文】の場合、"had"を使うと「猫に引っかかれてひどい目に遭った」という被害のニュアンスを強調します。
「主語 + get + 目的語 + 過去分詞」
受動態の作り方(15)be動詞を使わない受動態(3)
↑
be動詞の代わりに"get"を使って、「主語 + get + 目的語 + 過去分詞」の形で《受動態》を表わすことがあります。特に、被害や損害のニュアンスを強調します。
「主語 + get + 目的語 + 過去分詞」は別のコーナーでくわしく解説しています→【参照】:『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形』
# 主語 + get + 目的語 + 過去分詞……「主語は目的語に対して〜される」
【例文】:うちの猫は尻尾を踏んづけられた。
【英訳】:My cat was stamped her tail.
【英訳】:My cat got her tail stamped.
【例文】の場合、"got"を使うと「踏まれて猫はひどい目に遭った」という被害のニュアンスを強調します。
【例文】:今朝、飼い犬に手をかまれた。
【英訳】:I was bitten my hand by my dog this morning.
【英訳】:I got my hand bitten by my dog this morning.
【例文】の場合、"got"を使うと「飼い犬に手をかまれてひどい目に遭った」という被害のニュアンスを強調します。
受動態を作らない動詞
よく間違えて《受動態》で使ってしまう動詞をまとめます。一部の例外を除いて、自動詞はたいてい《受動態》を作りません→【参照】:『受動態の作り方:自動詞(listenやlook)の場合』
"seem"の受動態は不可
受動態は常に不可の動詞(1)
↑
"It seems that 〜"の意味は「〜のようである」です。目的語(〜に、〜を)を取ることはありません。なので、《受動態》は常に不可→【参照】:『受動態が不可の場合』
【例文】:ラニーニャ現象はエルニーニョ現象ほど知られてはいないようだ。
【 × 】:It is seemed that La Nina is not so famous as El Nino.
【 ○ 】:It seems that La Nina is not so famous as El Nino.
→"is seemed"は文法的に不可
"seem"の場合、仮主語の"it"を使わない構文でも《受動態》は常に不可です。
【例文】:ラニーニャ現象はエルニーニョ現象ほど知られてはいないようだ。
【 × 】:La Nina is not seemed as famous as El Nino.
【 ○ 】:La Nina does not seem as famous as El Nino.
→"is not seemed"は文法的に不可
"turn out"の受動態は不可
受動態は常に不可の動詞(2)
↑
"It turns ourt that 〜"の意味は「〜であることが判明する」です。目的語(〜に、〜を)を取ることはありません。なので、《受動態》は常に不可→【参照】:『受動態が不可の場合』
【例文】:酷暑はしばしばエルニーニョ現象が原因であることが判明した。
【 × 】:It was turned out that El Nino has often caused scorching summers.
【 ○ 】:It turned out that El Nino has often caused scorching summers.
→"was turned out"は文法的に不可
"turn out"の場合、仮主語の"it"を使わない構文でも《受動態》は常に不可です。
【例文】:酷暑の主な原因はエルニーニョ現象であることが判明した。
【 × 】:El Nino was turned out to be the major cause of scorching summers.
【 ○ 】:El Nino turned out to be the major cause of scorching summers.
→"was turned out"は文法的に不可
"happen, occur"の受動態は不可
受動態は常に不可の動詞(3)
↑
二語とも意味は「[主語]が起こる、[主語]が発生する」です。目的語(〜に、〜を)を取ることはありません。なので、《受動態》は常に不可→【参照】:『受動態が不可の場合』
【例文】:昨日は日食だった。
【 × 】:The solar eclipse was happned yesterday.
【 ○ 】:The solar eclipse happned yesterday.
→"was happened"は文法的に不可
【例文】:地下鉄で火災が発生した。
【 × 】:A fire was occurred in the subway.
【 ○ 】:A fire occurred in the subway.
→"was occurred"は文法的に不可
"disappear"と"vanish"の受動態は不可
受動態は常に不可の動詞(4)
↑
二語とも意味は「[主語]が消え失せる、[主語]が見えなくなる、[主語]が消失する」です。目的語(〜に、〜を)を取ることはありません。なので、《受動態》は常に不可→【参照】:『受動態が不可の場合』
【例文】:最近、電話ボックスを見なくなった。
【 × 】:Recently phone boxes have been disappeared.
【 ○ 】:Recently phone boxes have disappeared.
→"have been disappeared"は文法的に不可
【例文】:ひったくりは人ごみの中に消えて行った。
【 × 】:The snatcher was vanished into the crowd.
【 ○ 】:The snatcher vanished into the crowd.
→"was vanished"は文法的に不可
目的語を"of 〜"で表わす動詞の場合
「〜を」を"of 〜"で表わす"remind"や"rob"などは《受動態》の構文がややわかりにくくなります。"of 〜"は意味的には目的語を表わし、意味は「〜を」です。ただし、"of 〜"を《受動態》の主語にすることはできません。
[主語] remind A of 〜([主語]が原因でAは〜を思い出す)
構文がわかりにくい受動態(1)
↑
「[主語] + remind + A + of 〜」の意味は「[主語]がAに〜を思い出させる」です。"remind"で《受動態》を作る場合、"of 〜"を[主語]にすることはできません。
"remind"の《受動態》の形は常に「A + be reminded of 〜 + by + [主語]」です。意味は「Aは[主語]よって〜を思い出させられる、[主語]が原因でAは〜を思い出す」です。
# 【能 動 態】:主語 + remind + A + of 〜
# 【×受動態】:of 〜 + be reminded A + by + 主語
# 【○受動態】:A + be reminded of 〜 + by + 主語
能動態
【例文】:Does this photo remind you of anything?
【和訳】:この写真はあなたに何かを思い出させますか。
受動態
【例文】:この写真を見てあなたは何かを思い出しますか。
【 × 】:Is of anything reminded you by this photo?
【 ○ 】:Are you reminded of anything by this photo?
→"of anything"を[主語]にするのは不可
"be reminded of 〜 "は直訳すると「〜を思い出させられる」です。しかし、「〜を思い出させられる」という和訳は日本語としてぎこちないので、「〜を思い出す」とするほうが無難です。
[主語] inform A of 〜([主語]がAに〜を知らせる)
構文がわかりにくい受動態(2)
↑
「[主語] + inform + A + of 〜」の意味は「[主語]がAに〜を知らせる」です。"inform"で《受動態》を作る場合、"of 〜"を[主語]にすることはできません。
"inform"の《受動態》の形は常に「A + be informed of 〜 + by + [主語]」です。意味は「Aは[主語]によって〜を知らされる、Aは[主語]が原因で〜を知る」です。
# 【能 動 態】:[主語] + inform + A + of 〜
# 【×受動態】:of 〜 + be informed A + by + [主語]
# 【○受動態】:A + be informed of 〜 + by + [主語]
能動態
【例文】:Television informed me of the news of flash flood.
【和訳】:テレビが私に鉄砲水のニュースを伝えた。
受動態
【例文】:鉄砲水のニュースはテレビで知らされた。
【 × 】:Of the news of flash flood was informed me by television.
【 ○ 】:I was informed of the news of flash flood by television.
→"of the news of flash flood"を[主語]にするのは不可
[主語] rob A of 〜([主語]がAから〜を奪う)
構文がわかりにくい受動態(3)
↑
「[主語] + rob + A + of 〜」の意味は「[主語]がAから〜を奪う、盗む」です。"rob"で《受動態》を作る場合、"of 〜"を[主語]にすることはできません。
"rob"の《受動態》の形は常に「A + be robbed of 〜 + by + [主語]」です。意味は「Aは[主語]によって〜を奪われる、盗まれる」です。
# 【能 動 態】:[主語] + rob + A + of 〜
# 【×受動態】:of 〜 + be robbed A + by + [主語]
# 【○受動態】:A + be robbed of 〜 + by + [主語]
能動態
【例文】:A masked man robbed the woman of her handbag.
【和訳】:目出し帽を被った男が女性のハンドバックを奪った。
受動態
【例文】:女性は目出し帽の男にハンドバックを奪われた。
【 × 】:Of her handbag was robbed the woman by a masked man.
【 ○ 】:The woman was robbed of her handbag by a masked man.
→"of her handbag"を[主語]にするのは不可
[主語] deprive A of 〜([主語]がAから〜を奪う)
構文がわかりにくい受動態(4)
↑
「[主語] + deprive + A + of 〜」の意味は「[主語]がAから〜を奪う」です。"deprive"で《受動態》を作る場合、"of 〜"を[主語]にすることはできません。
"deprive"の《受動態》の形は常に「A + be deprived of 〜 + by + [主語]」です。意味は「Aは[主語]によって〜を奪われる」です。
# 【能 動 態】:[主語] + deprive + A + of 〜
# 【×受動態】:of 〜 + be deprived A + by + [主語]
# 【○受動態】:A + be deprived of 〜 + by + [主語]
能動態
【例文】:Wars deprive children of the opportunity of education.
【和訳】:戦争は子供たちから教育の機会を奪う。
受動態
【例文】:子供たちは戦争によって教育の機会を奪われる。
【 × 】:Of the opportunity of education is deprived children by wars.
【 ○ 】:Children are deprived of the opportunity of education by wars.
→"of the opportunity of education"を[主語]にするのは不可
[主語] defraud A of 〜([主語]がAから〜をだまし取る)
構文がわかりにくい受動態(5)
↑
「[主語] + defraud + A + of 〜」の意味は「[主語]がAから〜をだまし取る」です。"defraud"で《受動態》を作る場合、"of 〜"を[主語]にすることはできません。
"defraud"の《受動態》の形は常に「A + be defrauded of 〜 + by + [主語]」です。意味は「Aは[主語]によって〜をだまし取られる」です。
# 【能 動 態】:[主語] + defraud + A + of 〜
# 【×受動態】:of 〜 + be defrauded A + by + [主語]
# 【○受動態】:A + be defrauded of 〜 + by + [主語]
能動態
【例文】:A self-styled 'researcher' defrauded the university of five million yen.
【和訳】:自称「研究者」が大学から五百万円をだまし取った。
受動態
【例文】:大学は自称「研究者」に五百万円をだまし取られた。
【 × 】:Of five million yen was defrauded the the university by a self-styled 'researcher'.
【 ○ 】:The university was defrauded of five million yen by a self-styled 'researcher'.
→"of five million yen"を[主語]にするのは不可
和訳は能動態が適切な場合
日本語では《能動態》で表わすけれど英語ではたいてい《受動態》で表わす表現をまとめます。「be + 過去分詞」を和訳ではたいてい「〜される、〜された」ではなく「〜する、〜した」と表わします。
感情を表わす動詞(surpriseやdelightなど)
日本語では能動態、英語では受動態(1)
↑
"surprise"や"delight"などの感情を表わす動詞の場合、日本語では「驚く、喜ぶ」ですが、英語では通例《受動態》を使います。意味は「〜によって驚かされる、〜によって喜ばされる」です。和訳の際は、日本語らしくするため「〜に驚く、〜に喜ぶ」でたいていの場合OKです。
# [主語] + be surprised by 〜 =「[主語が]〜に驚かされる」=「[主語が]〜に驚く」
# [主語] + be delighted by 〜 =「[主語が]〜に喜ばされる」=「[主語が]〜に喜ぶ」
能動態
【例文】:その巨大なクモは私を驚かせた。
【英訳】:The gigantic spider surprised me.
→"surprise"の意味は「〜を驚かせる」
受動態
【例文】:私はその巨大なクモに驚いた。
【 × 】:I surprised by the gigantic spider.
【 ○ 】:I was surprised by the gigantic spider.
→"surprise"の意味は「〜を驚かせる」、"be surprised by 〜"の意味は「〜に驚く」
能動態
【例文】:後ろから鳴らされたクラクションが私をびくっとさせた。
【英訳】:The car horn from behind shocked me.
→"shock"の意味は「〜をびくっとさせる」
受動態
【例文】:後ろからクラクションを鳴らされてびくっとした。
【 × 】:I shocked by his the car horn from behind.
【 ○ 】:I was shocked by the car horn from behind.
→"shock"の意味は「〜をびくっとさせる」、"be shockd by 〜"は「〜にびくっとする」の意味
能動態
【例文】:宇宙探査機の無事の帰還は研究者たちを喜ばせた。
【英訳】:The safe return of the space probe pleased the researchers.
→"please"の意味は「〜を喜ばせる」
受動態
【例文】:研究者たちは宇宙探査機の無事の帰還を喜んだ。
【 × 】:The researchers pleased by the safe return of the space probe.
【 ○ 】:The researchers were pleased by the safe return of the space probe.
→"please"の意味は「〜を喜ばせる」、"be pleased by 〜"は「〜に喜ぶ」の意味
能動態
【例文】:工事の騒音がみんなをイライラさせている。
【英訳】:The noise of constructionn irritbyes everyone.
→"irritbye"の意味は「〜をイライラさせる」
受動態
【例文】:工事の騒音でみんなイライラしている。
【 × 】:Everyone irritated by the noise of construction.
【 ○ 】:Everyone is irritated by the noise of construction.
→"irritate"の意味は「〜をイライラさせる」、"be irritated by 〜"は「〜にイライラする」の意味
能動態
【例文】:大きな余震が住民たちを不安に陥れました。
【英訳】:The big aftershock upset the inhabitants.
→"upset"の意味は「〜を不安に陥れる」
受動態
【例文】:住民たちは大きな余震に不安に感じた。
【 × 】:The inhabitants upset by the big aftershock.
【 ○ 】:The inhabitants were upset by the big aftershock.
→"upset"の意味は「〜を不安に陥れる」、"be upset by 〜"は「〜を不安に感じる」の意味
能動態
【例文】:来客はうちの犬を興奮させます。
【英訳】:Visitors excite my dog.
→"excite"の意味は「〜を興奮させる」
受動態
【例文】:うちの犬は人が来ると興奮します。
【 × 】:My dog excited by visitors.
【 ○ 】:My dog is excited by visitors.
→"excite"の意味は「〜を喜ばせる」、"be excited by 〜"は「〜に興奮する」の意味
もっぱら受動態で使う動詞(be born, be obligedなど)
日本語では能動態、英語では受動態(2)
↑
英語ではもっぱら《受動態》で使うけれど、和訳では《能動態》を使う表現をまとめます。
[主語] + be born([主語]が生まれる)
日本語では能動態、英語では受動態:もっぱら受動態で使う動詞(be born, be obligedなど)(1)
↑
「[主語]が〜で生まれる」は通例、"bear"の《受動態》を使って"[主語] + be born in 〜"と表現します。"bear"の意味は「子供を生む」です。
【例文】:私は北京で生まれ育った。
【 × 】:I bore and was raised in Peking.
【 ○ 】:I was born and raised in Peking.
→「〜で生まれる」の英訳は"bear"の受動態"be born in 〜"を使う
[主語] + be obliged to 〜([主語]が〜しなければならない)
日本語では能動態、英語では受動態:もっぱら受動態で使う動詞(be born, be obligedなど)(2)
↑
"[主語] + be obliged to 〜"の意味は「[主語]が(法律や規則により)〜しなければならない、〜することは当然である」です。この意味の場合、"oblige"は《受動態》で使います。"oblige"の意味は「〜させる、〜することを義務とする」です。
【例文】:旅行者は検問所でパスポートを見せなければならない。
【 × 】:Travellers oblige to show their passport at the checkpoint.
【 ○ 】:Travellers are obliged to show their passport at the checkpoint.
→「〜しなければならない」の英訳は"oblige"の受動態"be obliged to 〜"を使う
[主語] + be supposed to 〜([主語]が〜しなければならない)
日本語では能動態、英語では受動態:もっぱら受動態で使う動詞(be born, be obligedなど)(3)
↑
"[主語] + be suppose to 〜"の意味は「[主語]が(義務や決まりごと、約束などで)〜しなければならない、〜することは当然である」です。この意味の場合、"suppose"は《受動態》で使います。"suppose"の意味は「〜であると思う、〜であるという考えを持つ」です。
【例文】:十時には寝なさい。
【 × 】:You supposed go to bed at ten o'clock.
【 ○ 】:Your are suppose to go to bed at ten o'clock.
→「〜しなければならない」の英訳は"suppose"の受動態の"be supposed to 〜"を使う
"[主語] + be suppose to 〜"を「[主語が]〜だと思われている、考えられている」ので意味で使うこともあります。
【例文】:Lions are supposed to be the kings of beasts
【和訳】:ライオンは百獣の王と考えられている。
→"be supposed to 〜"の意味は「〜であると考えられている」
そののまま受動態では不可
英訳の際、日本語では《受動態》だけど、英語では《受動態》を使わない表現をまとめます。
「医者に診てもらう」(go to see a doctor)
日本語の受動態の直訳では不可の表現(1)
↑
「〜してもらう」とあるので《受動態》のような気がします。しかし、英語では「医者に診てもらう」は、「医者のところへ行く」(= go to see a doctor)と表現するのが普通です。
「医者に診てもらう」の直訳"be seen by a doctor"は、「自分が何かしているところを医者に見られてしまう」の意味です。
# 「医者に診てもらう」……go to see a doctor
【例文】:せきが止まらないので、医者に診てもらいました。
【 × 】:I was seen by a doctor because of continued cough.
【 ○ 】:I went to see a doctor because of continued cough.
「医者に診てもらう」は他に"go to a doctor, see a doctor, consult a doctor, visit a doctor"などが使えます。いずれの表現も病院やクリニックに出向いて医師の診察を受けることを表わします。
【例文】:My backache lasts for more then two weeks, so I'll go to my doctor.
【例文】:My backache lasts for more then two weeks, so I'll see my doctor.
【例文】:My backache lasts for more then two weeks, so I'll consult my doctor.
【例文】:My backache lasts for more then two weeks, so I'll visit my doctor.
【和訳】:腰痛が二週間以上も続くのでかかりつけの先生に診てもらいます。
「待たされる」(be kept waiting)
日本語の受動態の直訳では不可の表現(2)
↑
「〜される」とあるので《受動態》のような気がします。しかし、"wait"に「〜を待たせる」の意味はないので"I am waited"は文法的に不可です。
「待たされる」は「待つことを強いられる」と解釈して、"keep"の《受動態》を使い"be kept 〜ing"と表現します。
# 「待たされる」 = 「待つことを強いられる」 = "be kept waiting"
【例文】:バスの定期券を買うのに三十分以上も待たされた。
【 × 】:I was waited more than half an hour when I bought a bus pass.
【 ○ 】:I was kept waiting more than half an hour when I bought a bus pass.
「〜だと思われる」(I think 〜, it seems 〜)
日本語の受動態の直訳では不可の表現(3)
↑
「〜われる」とあるので《受動態》のような気がします。
よくよく考えてみると、日本語で「〜だと思われる」と表現する場合、第三者の影響で「〜だと思う」わけではありません。ニュアンスは「自分で素直に考えてそう思う」です。自分以外の第三者が原因となる「受動」のニュアンスはありません。
英語の場合も《受動態》を使わずに、"I think 〜."や"I suppose 〜."とします。あるいは、「〜と思われる」=「〜のようだ、〜のように見える」と解釈して"It seems 〜. It looks 〜. It appears 〜."と表現します。
# 「〜だと思われる」=「〜だと思う」 = "I think/suppose that 〜"
# 「〜だと思われる」=「〜のようだ」 = "It seems/looks/appears that 〜"
【例文】:この地区の放射性物質の除染は完了したと思われる。
(= この地区の放射性物質の除染は完了したと思う)
【 × 】:I am thought that radioactive decontamination in this area has been completed.
【 ○ 】:I think that radioactive decontamination in this area has been completed.
【 ○ 】:I suppose that radioactive decontamination in this area has been completed.
【例文】:この地区の放射性物質の除染は完了したと思われる。
(= この地区の放射性物質の除染は完了したようだ)
【 × 】:It is seemed that radioactive decontamination in this area has been completed.
【 ○ 】:It seems that radioactive decontamination in this area has been completed.
【 ○ 】:It looks that radioactive decontamination in this area has been completed.
【 ○ 】:It appears that radioactive decontamination in this area has been completed.
"seem, look, appera"には「他者に〜だと思わせる」という意味はありません。なので、"It is seemed 〜. It is looked 〜. It is appeared 〜."は文法的にも不可です。