見た目はまったく同じ、表わす意味が違う
現在分詞も《動名詞》も見た目はまったく同じです。
"fly"に"ing"を付けると → "flying"(現在分詞であり動名詞でもある)
"read"に"ing"を付けると → "reading"(現在分詞であり動名詞でもある)
違いは意味だけです。
# 【動名詞】:その名の通り、名詞として使った動詞
# 【現在分詞】:形容詞や副詞として使った動詞
なので、ing形の意味が「〜すること、〜している状態であること」だったら《動名詞》、それ以外だったら現在分詞です。
【例文】:It was good fun watching the people watching movie.
【和訳】:映画を見ている人を観察するのはけっこう面白かった。
一つ目の"watching"の意味は「〜を観察すること」。名詞として機能しているので《動名詞》です。二つ目の"watching"の意味は「映画を見ている〜」。"the people"の意味を補足して形容詞として機能しているので現在分詞です。
動名詞ができること
文の中で《動名詞》がどういう役割を果たすのかまとめます。
主語としての動名詞
動名詞の機能(1)
↑
《動名詞》は名詞として使う動詞なので、名詞と同じように文の主語にすることができます。
【例文】:馬に乗ることは思ったほど快適ではありません。
【英訳】:Riding a horse is not so comfortable as you expected.
《動名詞》の"riding a horse"は文全体の主語、意味は「馬に乗ること」です。
仮主語の"it"を文頭に置いて《動名詞》が意味上の主語になることもあります。ただし、仮主語の"it"を使う場合は、to不定詞を続けるほうが一般的です。
【例文】:馬に乗ることは思ったほど快適ではありません。
【 △ 】:It is not so comfortable as you expected riding a horse.
【 ○ 】:It is not so comfortable as you expected to ride a horse.
(= Riding a horse is not so comfortable as you expected.)
→"to ride a horse"のほうをよく使う
イディオムとしてよく使う「仮主語"it" + 動名詞」の構文もいくつかあります。これらの構文の場合、to不定詞を使うのは通例不可です→【参照】:『動名詞を使う主なイディオム』
補語としての動名詞
動名詞の機能(2)
↑
《動名詞》は名詞として使う動詞なので、名詞と同じように文の補語にすることができます。
《動名詞》をbe動詞の次に置くと、"be + 〜ing"となり進行形と同じ形になります。ing形が進行形(〜している)なのか、《動名詞》(〜すること)なのかは、前後の文脈から判断します。
【例文】:My secret of good health is eating natto every morning.
【 × 】:私の健康の秘訣は毎朝納豆を食べている。
【 ○ 】:私の健康の秘訣は毎朝納豆を食べることです。
前にbe動詞があるので一見進行形ですが、意味を考えると"eating"は《動名詞》です。"eating"の意味は「食べること」。主語の"My secret of good health"の「補語」として機能します。"eating natto every morning"の意味は「毎朝納豆を食べること」です。
【例文】:My bad habit is shaking my legs nervously.
【 × 】:私の悪い癖は貧乏揺すりで足を揺すっている。
【 ○ 】:私の悪い癖は貧乏揺すりで足を揺することです。
前にbe動詞があるので一見進行形ですが、意味を考えると"shaking"は《動名詞》です。"shaking"の意味は「揺すること」。主語の"My bad habit"の「補語」として機能します。"shaking my legs nervously"の意味は「貧乏揺すりで足を揺すること」です。
目的語としての動名詞
動名詞の機能(3)
↑
《動名詞》は名詞として使う動詞なので、名詞と同じように動詞や前置詞の目的語にすることができます。
【例文】:容疑者は博物館へ侵入したことを否定した。
【英訳】:The suspect denied breaking into the museum.
"breaking"は《動名詞》、動詞"deny"の目的語です。"breaking into the museum"の意味は「博物館に侵入すること」。
【例文】:強盗は誰にも気づかれることなく、博物館へ侵入した。
【英訳】:The burglar broke into the museum without being noticed.
"being noticed"は《動名詞》、前置詞"without"の目的語です。"being noticed"の意味は「気づかれること」。
動詞と同じく、目的語や補語を取る
《動名詞》はもともと動詞なので《動名詞》自身の目的語や補語を取ることができます。そのためときどき《動名詞》が妙に長い句を作ります。
# 「動名詞 + 目的語」
【例文】:一日中ゲームをすることで目が悪くなりますよ。
【英訳】:Playing video games all day long will make your eyes get worse.
【英訳】の場合、"playing"は《動名詞》です。目的語として"video games"を従えて意味は「ゲームをすること」。さらに、副詞句の"all day long"もあるので、"playing video games all day long"の意味は「一日中ゲームをすること」です。文全体の主語として機能します。
# 「動名詞 + 補語」
【例文】:私たちは人間であることに責任を持たねばなりません。
【英訳】:We must have responsibility of being humans.
【英訳】の場合、"being"は《動名詞》です。補語として"humans"を従えて意味は「人間であること」。前置詞"of"の目的語として機能します。
動名詞の意味上の主語
主語を明示しない場合
動名詞の主語はどこにある?(1)
↑
《動名詞》はもともと動詞なので目的語や補語を取ります→【参照】:『動名詞の目的語や補語はどこにある?』
なので当然、《動名詞》にも主語があります。ただし、表現しないこともよくあります。
すぐに主語が何なのかわかる場合、《動名詞》の主語は省略します。
【例文】:ホラー映画を見るのは嫌いだ。
【 × 】:I dislike me watching horror movies.
【 ○ 】:I dislike watching horror movies.
《動名詞》"watching"の主語は文全体の主語と同じ"I"(私は)です。「見る」のは「私」とわかっているのでわざわざ"me"は付けません。"me"を付けるとかえって不自然です。
【例文】:百聞は一見にしかず。
【 × 】:Our seeing is our believing.
【 × 】:Your seeing is your believing.
【 × 】:My seeing is my believing.
【 ○ 】:Seeing is believing.
《動名詞》"seeing"と"believing"の主語は不特定の人々です。特定の人物に限った話ではなく、誰にでも当てはまる「諺」の話なので、"our, your, my"などは付けません。
主語を明示する場合
動名詞の主語はどこにある?:
↑
《動名詞》の主語は普通、文全体の主語と同じです。なので、まどろっこしさを避けるためよく省略します→【参照】:『動名詞の主語はどこにある?……明示しない場合』
しかし、あえて主語を表現する場合もあります。《動名詞》の主語は必ず《動名詞》の前に置きます。
【例文】:なだれが発生する可能性が極めて高い。
【 × 】:The likelihood of happening some avalanche is very high.
【 ○ 】:The likelihood of some avalanche happening is very high.
→文全体の主語は"the likelihood"、動名詞"happening"の主語は"some avalanche"
「なだれが発生すること」は"some avalanche happening"です。《動名詞》の主語の「なだれ」を《動名詞》の後ろに置いた"happening some avalanche"は文法的に不可。《動名詞》の主語は必ず《動名詞》の前に置きます。
【例文】:若者が通りで唾を吐くのは我慢ならない。
【 × 】:I hate spitting young people on the street.
【 ○ 】:I hate young people spitting on the street.
→文全体の主語は"I"、動名詞"spitting"の主語は"young people"
「若者が唾を吐くこと」は"young people spitting"です。《動名詞》の主語の「若者」を《動名詞》の後ろに置いた"spitting young people"は文法的に不可。《動名詞》の主語は必ず《動名詞》の前に置きます。
目的格か所有格か
動名詞の主語はどこにある?:主語を明示する場合(1)
↑
《動名詞》の主語はたいてい目的格を使います。所有格を使うとやや堅苦しい表現になります。
たいていの名詞はそのままの形で目的格として使えます。なので、名詞を《動名詞》の前に置けば《動名詞》の主語として機能します。
【例文】:I never forget my father getting upset so terribly.
【和訳】:あんなにうろたえた父の姿は決して忘れない。
【例文】:I never forget my father's getting upset so terribly.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:あれ程狼狽した父の姿は絶対に忘れない。
"my father"は《動名詞》"getting upset so terribly"の主語なので目的格を使います。所有格の"my father's"はやや堅苦しい表現。
《動名詞》が人称代名詞の場合、目的格は"me, us, him, her, them"、所有格は"my, our, his, her, their"を使います。
【例文】:Do you mind me using this bike pump?
【和訳】:この自転車用の空気入れを使ってもいいですか。
【例文】:Would you mind my using this bike pump?[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:この自転車用空気入れを使用してもよろしいでしょうか。
"me"は《動名詞》"using"の主語なので目的格を使います。所有格の"my"はやや堅苦しい表現。
所有格を使う場合
動名詞の主語はどこにある?:主語を明示する場合(2)
↑
《動名詞》の主語は通例、目的格を使います→【参照】:『動名詞の主語はどこにある?……目的格か所有格か』
ただし、《動名詞》自体が文全体の主語になる場合は所有格を使うほうが普通です。
# 動名詞が文の主語……所有格 + 動名詞
【例文】:私たちがワクチンを接種を受けると集団免疫の形成に貢献することができる。
【 × 】:Us being vaccinated can contribute to herd immunity.
【 ○ 】:Our being vaccinated can contribute to herd immunity.
《動名詞》の"being vaccinated"(ワクチンを接種を受けること)は文の主語なので、所有格の人称代名詞"our"を使います。目的格の"us"は通例、不可。
【例文】:父さんのいびきは掃除機並みにうるさい。
【 × 】:My father snoring is noisy like a vacuum cleaner.
【 ○ 】:My father's snoring is noisy like a vacuum cleaner.
《動名詞》の"snoring"(いびきをかくこと)は文の主語なので、所有格の名詞"my father's"を使います。"'s"なしの"my father"は通例、不可。
動名詞はいつを表わすのか
《動名詞》はもともと動詞なので、意味の上では時制を表わすことができます。
文全体の時制と同じ場合
動名詞の時制(1)
↑
【例文】:It is no fun staying home all day.
【和訳】:一日中家にいるのは本当につまらない。
《動名詞》"staying"の時制は"is"と同じ現在です。
【例文】:I liked traveling by local trains.
【和訳】:各駅停車の列車で旅をするのが好きだった。
《動名詞》"traveling"の時制は"liked"と同じ過去です。
文全体の時制より昔を表わす場合
動名詞の時制(2)
↑
文全体の時制より昔のことを表わす場合は「having + 過去分詞」を使います。意味は「〜していたこと」です。
# 「having + 過去分詞」……文全体より一つ前の時制を表わす
【例文】:I totally forgot having emailed you.
【和訳】:あなたにメールを出していたことをすっかり忘れていた。
文全体の時制は過去、《動名詞》"having emailed"の時制は過去のさらに過去になります。
ただし、文脈から時制が明確なときは、そのままing形を使うこともよくあります。
【例文】:I totally forgot having emailed you.
(= I totally forgot emailing you.)
【和訳】:あなたにメールを出していたことをすっかり忘れていた。
厳密に言えば、「メールを出していたこと」は過去のさらに過去の話なので文法的には"having emailed"とすべきです。しかし、実際の英語では簡略した表現として"emailing"のみですませることもよくあります。
文全体の時制より未来を表わすことはできない
動名詞の時制(3)
↑
《動名詞》が文全体の時制より未来を表わすことは、通例できません。文全体より未来の時制を表わすときはto不定詞を使います。
【例文】:この手紙は忘れずにポストに入れておいてくれ。
【 × 】:You have to remember mailing this letter.
【 ○ 】:You have to remember to mail this letter.
「ポストに手紙を投函する」のは話をしている時点より未来のことなので《動名詞》は不可。to不定詞を使います。
受動態は「being + 過去分詞」を使う
《動名詞》はもともと動詞なので、受動態を表わすことができます。形は「being + 過去分詞」です。受動態を表わすbe動詞のほうをing形にします。意味は「〜されること」です。
# 動名詞の受動態……「being + 過去分詞」(〜されること)
【例文】:I dislike being talked to while I am eating.
【和訳】:食べている最中に話しかけられるのは嫌だ。
"being talked to"は《動名詞》の受動態、意味は「話しかけられること」です。
【例文】:Being pushed on a packed train sometimes chokes me.
【和訳】:満員電車で押されると、ときどき息ができなくなります。
"being pushed"は《動名詞》の受動態、意味は「押されること」です。
【例文】:The former president has been accused of having been involved in corruption.
【和訳】:前大統領は汚職に関わったとして訴追されています。
"having been involved"は《動名詞》の受動態、意味は「関わったこと」です。
ing形で受動態のような意味を表わす
《動名詞》が能動態の形で受け身の意味を表わすことがあります。あえて表現していない言外の動作主が《動名詞》の主語を表わし、文全体の主語が《動名詞》の主語から何かをされるというニュアンスです。
deserve
意味的に受け身を表わす動名詞(1)
↑
# 主語 + deserve + ing形(主語は〜されるに値する)
【例文】:動物を虐待する人は罰せられるべきだ。
【 × 】:People who abuse animals deserve being punished.
【 ○ 】:People who abuse animals deserve punishing.
(= People who abuse animals deserve to be punished.)
動詞の"deserve"を使って【例文】を英訳する場合、"deserve being punished"とは言いません。"deserve punishing"です。文全体の主語の"people"は"punishing"の意味上の目的語として機能します。
need
意味的に受け身を表わす動名詞(2)
↑
# 主語 + need + ing形(主語は〜される必要がある)
【例文】:この花壇は毎日世話をする必要があります。
(= この花壇は毎日世話をされる必要があります)
【 × 】:This flower bed needs being taken care of every day.
【 ○ 】:This flower bed needs taking care of every day.
(= This flower bed needs to be taken care of every day.)
動詞の"need"を使って【例文】を英訳する場合、"need being taken care of"とは言いません。"need taking care of"です。文全体の主語の"this flower bed"は"taking care of"の意味上の目的語として機能します。
require
意味的に受け身を表わす動名詞(3)
↑
# 主語 + require + ing形(主語は〜される必要がある)
【例文】:古い建物は耐震化工事を施す必要がある。
(= 古い建物は耐震化工事が施される必要がある)
【 × 】:Old buildings require being retrofitted.
【 ○ 】:Old buildings require retrofitting.
(= Old buildings require to be retrofitted.)
動詞の"require"を使って【例文】を英訳する場合、"require being retrofitted"とは言いません。"require retrofitting"です。文全体の主語の"old buildings"は"retrofitting"の意味上の目的語として機能します。
want
意味的に受け身を表わす動名詞(4)
↑
# 主語 + want + ing形(主語は〜される必要がある)
【例文】:その朝顔は毎日の水遣りを必要とします。
(= その朝顔は毎日水を与えられる必要があります)
【 × 】:The morning glory wants being watered every day.
【 ○ 】:The morning glory wants watering every day.
(= The morning glory wants to be watered every day.)
動詞の"need"(〜を必要とする)の意味で"want"を使って【例文】を英訳する場合、"wants being watered"とは言いません。"wants watering"です。文全体の主語の"the morning glory"は"watering"の目的語として機能します。
worth
意味的に受け身を表わす動名詞(5)
↑
# 主語 + be + wroth + ing形(主語は〜される価値がある)
【例文】:この格闘ゲームはプレイする価値がある。
【 × 】:The battle game is worth being played.
【 ○ 】:The battle game is worth playing.
形容詞の"worth"を使って【例文】を英訳する場合、"worth being played"とは言いません。"worth playing"です。文全体の主語の"the battle game"は"playing"の目的語として機能します。
to不定詞は使わない
次に"to"を置く語句の中で《動名詞》つまりing形を置く名詞や動詞、形容詞をまとめます。to不定詞(to + 動詞の原形)は通例、使いません。
【名詞】
"to + 〜ing(動名詞)"の形を作るもの(1)
↑
「to + ing形」の形で使う主な名詞をまとめます。
【例文】:電話をかけるのが大嫌いだった。
【 × 】:I had a strong aversion to make a phone call.
【 ○ 】:I had a strong aversion to making a phone call.
→"aversion to make"は不可
【例文】:大使館を襲撃した一味の身元の確認につながる手がかりを警察は発見した。
【 × 】:Police found the clue to identify the group who had attacked the embassy.
【 ○ 】:Police found the clue to identifying the group who had attacked the embassy.
→"clue to identify"は不可
【例文】:避難に関してもっとも重要な鍵の一つは非常用持ち出し袋を準備することです。
【 × 】:One of the most important keys to evacuate is preparing a disaster emergency kit.
【 ○ 】:One of the most important keys to evacuating is preparing a disaster emergency kit.
→"keys to evacuate"は不可
【例文】:学校でスマートフォンを使うことに反対ではありません。
【 × 】:I have no objection to use a smartphone at school.
【 ○ 】:I have no objection to using a smartphone at school.
→"objection to use"は不可
【例文】:ワクチン接種はパンデミックを終結させる有効な解決策であろう。
【 × 】:Vaccination would be an effective solution to end the pandemic.
【 ○ 】:Vaccination would be an effective solution to ending the pandemic.
→"solution to end"は不可
【動詞】
"to + 〜ing(動名詞)"の形を作るもの(2)
↑
「to + ing形」の形で使う主な動詞をまとめます。
【例文】:男は万引きしたことを認めた。
【 × 】:The man confessed to shoplift.
【 ○ 】:The man confessed to shoplifting.
→"confess to shoplift"は不可
【例文】:待ち合い室で座っているのを楽しみにしている人なんていないでしょう。
【 × 】:Nobody looks forward to sit in the waiting room, don't they?
【 ○ 】:Nobody looks forward to sitting in the waiting room, don't they?
→"look forward to sit"は不可
【例文】:夏休みの宿題を大量に出すのは反対です。
【 × 】:I object to give tons of homework during summer vacation.
【 ○ 】:I object to giving tons of homework during summer vacation.
→"object to give"は不可
【例文】:警察はデモ隊を解散させるため最終的に催涙弾を使用した。
【 × 】:Police resorted to use tear gas bombs to disperse the demonstrators.
【 ○ 】:Police resorted to using tear gas bombs to disperse the demonstrators.
→"resort to use"は不可
【形容詞】
"to + 〜ing(動名詞)"の形を作るもの(3)
↑
「to + ing形」の形で使う主な形容詞をまとめます。
【例文】:突然めまいがして崖から落ちそうになった。
【 × 】:I suddenly felt dizzy and was close to fall off the cliff.
【 ○ 】:I suddenly felt dizzy and was close to falling off the cliff.
→"close to fall"は不可
【例文】:多くの人は一日中マスクをつけていることに慣れてきました。
【 × 】:Lots of people have become accustomed to wear a mask all day.
【 × 】:Lots of people have become useed to wear a mask all day.
【 ○ 】:Lots of people have become accustomed to wearing a mask all day.
【 ○ 】:Lots of people have become used to wearing a mask all day.
→"accustomed to wear", "used to wear"は不可
"be accustomed to"と"be used to"はほぼ同じ意味です。
【例文】:我々人類は住むための新しい惑星を探す羽目に陥るのだろうか。
【 × 】:Will we humans be resigned to find a new planet to live on?
【 ○ 】:Will we humans be resigned to finding a new planet to live on?
→"resigned to find"は不可
ing形を名詞として使うイディオム
《動名詞》を使う代表的なイディオムをまとめます→【参照】:『分詞を使う主なイディオム』
it is fun + 動名詞(〜することは面白い)
動名詞を使う主なイディオム(1)
↑
「やると面白いこと」を表わします。to不定詞を使う「it is fun + to不定詞」も可能。
【例文】:緩衝材のプチプチをつぶすのは楽しい。
【 ○ 】:It's fun to crush bubble wrap.
【 ○ 】:It's fun crushing bubble wrap.
→動名詞の"crushing bubble wrap"は文の意味上の主語
否定はたいてい"no fun"を使います。
【例文】:夕食を自宅で一人で食べるのはつまらない。
【 ○ 】:It is no fun to eat dinner alone at home.
【 ○ 】:It is no fun eating dinner alone at home.
→動名詞の"eating dinner alone at home"は文の意味上の主語
it is no good + 動名詞(〜することは無駄である)
動名詞を使う主なイディオム(2)
↑
「やる価値のないこと」を表わします。"good"は名詞です。たいてい否定の意味の"no good"(無駄、役に立たないこと)の形で使います。to不定詞を使う「it is no good + to不定詞」は通例不可。
【例文】:すでに起こってしまったことを気に病んでも無駄である。
【 × 】:It is no good to worry about what already happened.
【 ○ 】:It is no good worrying about what already happened.
→動名詞の"worrying about what already happened"は文の意味上の主語
"good"の代わりに"use"を使う「it is no use + 動名詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『it is no use + 動名詞(〜することは無駄である)』
【例文】:すでに起こってしまったことを気に病んでも無駄である。
【英訳】:It is no use worrying about what already happened.
(= It is no good worrying about what already happened.)
it is no use + 動名詞(〜することは無駄である)
動名詞を使う主なイディオム(3)
↑
「やる価値のないこと」を表わします。"use"は名詞です。たいてい否定の意味の"no use"(無駄、役に立たないこと)の形で使います。to不定詞を使う「it is no use + to不定詞」は通例不可。
【例文】:目標を持たずに勉強することは無駄だ。
【 × 】:It is no use to study without a purpose.
【 ○ 】:It is no use studying without a purpose.
→動名詞の"studying without a purpose"は文の意味上の主語
"use"の代わりに"good"を使う「it is no good + 動名詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『it is no good + 動名詞(〜することは無駄である)』
【例文】:目標を持たずに勉強することは無駄だ。
【英訳】:It is no good studying without a purpose.
(= It is no use studying without a purpose.)
it is a nuisance + 動名詞(〜することは面倒だ)
動名詞を使う主なイディオム(4)
↑
「やるのが面倒こと、やるとトラブルを引き起こしそうなこと」を表わします。to不定詞を使う「it is a nuisance + to不定詞」は通例不可。
【例文】:土曜日に登校するのは面倒だ。
【 × 】:It is a nuisance to go to school on Saturday.
【 ○ 】:It is a nuisance going to school on Saturday.
→動名詞の"going to school on Saturday"は文の意味上の主語
it is worth + 動名詞(〜するほどの価値がある)
動名詞を使う主なイディオム(5)
↑
「やる価値があること」を表わします。to不定詞を使う「it is worth + to不定詞」は通例不可。
"worth"が作るほかの構文は別のコーナーでくわしくまとめています→【参照】:『ゼロから始める形容詞:限定用法と叙述用法:叙述用法のみの形容詞(worth)』
【例文】:「2001年宇宙の旅」は見る価値のある映画だ。
【 × 】:It is worth to watch the movie "2001: A Space Odyssey".
【 ○ 】:It is worth watching the movie "2001: A Space Odyssey".
→動名詞の"watching the movie 2001: A Space Odyssey"は文の意味上の主語
cannot help + 動名詞(〜せざるを得ない)
動名詞を使う主なイディオム(6)
↑
ニュアンスは「やめようとしてもどうしても〜してしまう、〜することを止めることができない」です。"help"の次には《動名詞》を置きます。"to"のない不定詞(原形不定詞)やto不定詞は不可。
【例文】:流しの中で寝ていた猫を見て笑わざるを得なかった。
【 × 】:I couldn't help laugh when I saw my cat sleeping in the sink.
【 × 】:I couldn't help to laugh when I saw my cat sleeping in the sink.
【 ○ 】:I couldn't help laughing when I saw my cat sleeping in the sink.
look forward to + 動名詞(〜するを楽しみにしている)
動名詞を使う主なイディオム(7)
↑
ニュアンスは「これから起こることを楽しみにしている」です。"to"の次には名詞か名詞に相当する語句を置くので《動名詞》を使います。
【例文】:子供たちは恐竜博物館に行くのを楽しみにしていた。
【 × 】:My children were looking forward to go to the dinosaur museum.
【 ○ 】:My children were looking forward to going to the dinosaur museum.
→"to go"は文法的に不可
feel like + 動名詞(〜したい気分である)
動名詞を使う主なイディオム(8)
↑
ニュアンスは「その時に気分的にやりたいこと」です。"like"の次には名詞か名詞に相当する語句を置くので《動名詞》を使います。
【例文】:カラオケに行きたい。
【 × 】:I feel like go to karaoke.
【 × 】:I feel like to go to karaoke.
【 ○ 】:I feel like going to karaoke.
→"feel like go"や"feel like to go"は文法的に不可
be accustomed/used to + 動名詞(〜することに慣れている)
動名詞を使う主なイディオム(9)
↑
ニュアンスは「過去に何度も同じ経験をしているので慣れている」です。"to"の次には名詞か名詞に相当する語句を置くので《動名詞》を使います。
"be accustomed to"と"be used to"はほぼ同じ意味です。
【例文】:枕なしで寝ることに慣れています。
【 × 】:I'm accustomed to sleep without a pillow.
【 ○ 】:I'm accustomed to sleeping without a pillow.
→"be accustomed to sleep"は文法的に不可
【 × 】:I'm used to sleep without a pillow.
【 ○ 】:I'm used to sleeping without a pillow.
→"be used to sleep"は文法的に不可
「慣れてしまう」という状態の変化を表わすときは、be動詞の代わりに"become"や"get"を使います。"become accustomed to"と"become used to", "get accustomed to"と"get used to"はほぼ同じ意味です。
【例文】:素手でミミズに触るのも慣れてしまいました。
【 × 】:I have become accustomed to touch earthworms with bare hands.
【 ○ 】:I have become accustomed to touching earthworms with bare hands.
→"become accustomed to touch"は文法的に不可
【 × 】:I have got accustomed to touch earthworms with bare hands.
【 ○ 】:I have got accustomed to touching earthworms with bare hands.
→"get accustomed to touch"は文法的に不可
【例文】:早起きして自分の弁当を作るのにも慣れました。
【 × 】:I have become used to get up early in the morning and make my box lunch.
【 ○ 】:I have become used to getting up early in the morning and making my box lunch.
→"become used to get up", "become used to make"は文法的に不可
【 × 】:I have got used to get up early in the morning and make my box lunch.
【 ○ 】:I have got used to getting up early in the morning and making my box lunch.
→"get used to get up", "get used to make"は文法的に不可
似た表現に「used + to不定詞」があります。意味は「よく〜したものだ、昔は〜だった」です。こちらの"used"は助動詞です。なので、"used"の前にbe動詞を置くことはありません。
# used + to不定詞(昔はよく〜したものだ、むかしは〜だった)[※usedは助動詞]
# be used to + 動名詞(〜することに慣れている)[※usedは形容詞]
【例文】:昔はよくホラー映画を見ていた。
【 × 】:I was used to watching horror movies.
【 ○ 】:I used to watch horror movies.
→「昔はよく〜していた」は「used + to不定詞」(usedは助動詞)
【例文】:ホラー映画を見るのは慣れています。
【 × 】:I used to watch horror movies.
【 ○ 】:I am used to watching horror movies.
→「〜に慣れている」は「be used + 動名詞」(usedは形容詞)
on + 動名詞(〜するとすぐに)
動名詞を使う主なイディオム(10)
↑
ニュアンスは「何かが起こった直後に〜、何かが起こると同時に〜」です。《動名詞》の主語はたいてい文全体の主語と同じです。
【例文】:On arriving home I realized that I had forgotten my umbrella.
(= As soon as I arrived home, I realized that I had forgotten my umbrella.)
【和訳】:帰宅するとすぐに傘をどこかに置き忘れたことに気づいた。
→"On arriving 〜"は時を表わす、"arriving"の主語は"I"(文全体と同じ)
in + 動名詞(〜すると、〜している最中に)
動名詞を使う主なイディオム(11)
↑
「in + 動名詞」は【結果】や【同時進行】を表わします。ニュアンスは「〜したその結果、〜している最中に」です。《動名詞》の主語はたいてい文全体の主語と同じです。
【例文】:In moving here, I have more friends.
(= As a result of moving here, I have more friends.)
【和訳】:こっちに引っ越して来てから前よりたくさんの友達ができました。
→"In moving 〜"は結果を表わす、"moving"の主語は"I"(文全体の主語と同じ)
【例文】:In sleeping, the dog was moving his legs as if running.
(= While the dog was sleeping, he was moving his legs as if running.)
【和訳】:寝入っている最中に犬はまるで走っているかのように足を動かしていた。
→"In sleeping"は同時進行を表わす、"sleeping"の主語は"the dog"(文全体の主語と同じ)
there is no + 動名詞(〜できない)
動名詞を使う主なイディオム(12)
↑
ニュアンスは「〜することができない」です。動詞はよく"know"と"tell"を使います。
【例文】:There is no knowing what will happen to us tomorrow.
(= It is impossible to know what will happen to us tomorrow.)
【和訳】:明日自分の身に何が起こるかはわからない。
【例文】:There is no telling why the sinkhole opened up in the middle of the town.
(= It is impossible to tell why the sinkhole opened up in the middle of the town.)
【和訳】:なぜ町の真ん中の地面に大穴が開いたのか原因はわからない。
ing形の付け方
たいていの動詞は語尾に"ing"を付けると《動名詞》になります。
【例】:happen → happening, listen → listening, talk → talking, watch → watching
くわしくはゼロから始める動詞の動詞の現在進行形の作り方にまとめてあります。