動詞を「助ける」から助動詞
《助動詞》とは、文中に出て来た動詞にプラスαの意味を付け加える語句です。
【例文】:We go to Disneyland.
【和訳】:私たちはディズニーランドへ行きます。
【例文】:We should go to Disneyland.
【和訳】:私たちはディズニーランドへ行くべきだ。
→「助動詞」"should"は「〜すべきだ」という意味を追加する
【例文】:We go to Disneyland.
【和訳】:私たちはディズニーランドへ行きます。
【例文】:We do not go to Disneyland.
【和訳】:私たちはディズニーランドへ行かない。
→「助動詞」"do"と副詞の"not"は否定の意味を追加する
助動詞の使い道
《助動詞》は動詞だけでは表現できない微妙なニュアンスを表わすことができます。
時制を表わす
なぜ助動詞を使うの?(1)
↑
進行時制は《助動詞》の"be"を使います。単純な現在時制とはかなりニュアンスが異なります。
【例文】:I love Disneyland.[※現在時制]
【和訳】:ディズニーランドが好きだ。
【例文】:I am loving Disneyland.[※現在進行時制]
【和訳】:今現在、ディズニーランドが好きだ。
完了時制は《助動詞》の"have"を使います。単純な過去時制とはかなりニュアンスが異なります。
【例文】:I loved Disneyland.[※過去時制]
【和訳】:(昔は)ディズニーランドが好きだった。(今は違う)
【例文】:I have loved Disneyland.[※現在完了時制]
【和訳】:(昔から)ディズニーランドがずっと好きだ。(今も好き)
疑問文や否定文を作る
なぜ助動詞を使うの?(2)
↑
疑問文は《助動詞》の"do"や"have", "be"を使います。
【例文】:Do you love thrill rides?
【和訳】:あなたは絶叫マシンが好きですか。
→文頭の"Do"が疑問を表わす
【例文】:Have you ever eaten truffle, which is famous for its rarity?
【和訳】:珍味として有名なトリュフを食べたことがありますか。
→文頭の"Have"が疑問を表わす
【例文】:Were you jogging at the park yesterday?
【和訳】:昨日、公園でジョギングしていましたか。
→文頭の"Were"が疑問を表わす
否定文は《助動詞》の"do"や"have", "be"と副詞の"not"を使います。
【例文】:I do not love thrill rides.
【和訳】:絶叫マシンは好きではない。
→"do not"が否定を表わす
【例文】:I have not ever eaten truffle, which is famous for its rarity.
【和訳】:珍味として有名なトリュフを食べたことはありません。
→"have not"が否定を表わす
【例文】:I was not jogging at the park yesterday.
【和訳】:昨日、公園ではジョギングしていませんでした。
→"was not"が否定を表わす
推量や義務などの「話し手の個人的な考え」を表わす
なぜ助動詞を使うの?(3)
↑
《助動詞》は「話し手の個人的な考え」を表わすことができます。
【例】:I see you tomorrow.(明日会います)
【例】:I will see you tomorrow.(明日会いましょう)
【例】:I should see you tomorrow.(明日会うべきだ)
【例】:I can see you tomorrow.(明日会うことができる)
【例】:I must see you tomorrow.(明日会わないといけない)
【例】:I may see you tomorrow.(明日会うかもしれない)
【例】:I ought to see you tomorrow.(明日会うべきだ)
【例】:I used to see you.(よく会っていたものだ)
【例】:I need see you tomorrow.(明日会う必要がある)
【例】:I dare see you tomorrow.(あえて明日会う)
どの文も《助動詞》を使わない文("I see you tomorwow.")と比べて、意味が微妙に変化しています。"will"や"should"などの《助動詞》を付け加えるだけで「話し手がどのように考えているか」がいっそう明確になります。
助動詞が二つ、三つ、四つ並ぶときの順番
《助動詞》が複数並ぶ場合は順番が決まっています。
# (1)will, shallなど + (2)完了時制のhave + (3)受動態のbe + (4)進行時制のbe
否定文を作る"not"は最初に出て来る《助動詞》の右隣に置きます→【参照】:『助動詞の構文:否定文、疑問文、否定疑問文』
助動詞の数 | 型 | 例文 |
---|---|---|
助動詞なし | [主語]+[動詞] | I drink tea. |
[主語]+[動詞] | I drank tea. | |
助動詞一つ | [主語]+have/has+[過去分詞] | I have drunk tea. |
[主語]+had+[過去分詞] | I had drunk tea. | |
[主語]+am/is/are+[ing形] | I am drinking tea. | |
[主語]+was/were+[ing形] | I was drinking tea. | |
[主語]+will+[原形][*] | I will drink tea. | |
助動詞二つ | [主語]+will+have+[過去分詞][*] | I will have drunk tea. |
[主語]+will+be+[ing形][*] | I will be drinking tea. | |
助動詞三つ | [主語]+will+have+been+[ing形][*] | I will have been drinking tea. |
助動詞の数 | 型 | 例文 |
---|---|---|
助動詞一つ | [主語]+am/is/are+[過去分詞] | The tea is drunk. |
[主語]+was/were+[過去分詞] | The tea was drunk. | |
助動詞二つ | [主語]+have/has+been+[過去分詞] | The tea has been drunk. |
[主語]+had+been+[過去分詞] | The tea had been drunk. | |
[主語]+am/is/are+being+[過去分詞] | The tea is being drunk. | |
[主語]+was/were+being+[過去分詞] | The tea was being drunk. | |
[主語]+will+be+[過去分詞][*] | The tea will be drunk. | |
助動詞三つ | [主語]+will+have+been+[過去分詞][*] | The tea will have been drunk. |
[主語]+will+be+being+[過去分詞][*] | The tea will be being drunk. | |
助動詞四つ | [主語]+will+have+been+being+[過去分詞][*] | The tea will have been being drunk. |
助動詞の連続は通例、不可
通例、"will"や"must"などの《助動詞》を複数連続させて使うことはできません。文法的に不可です。必ず、似た意味の動詞や副詞を使って、「助動詞 + 動詞」の形にします。
【例文】:あなたが謝るべきであろう。
【 × 】:You will should apologize.
【 ○ 】:You will have to apologize.
→"should"の代わりに"have to"を使う
【例文】:あなたならできるかもしれない。
【 × 】:You may can do it.
【 ○ 】:You may be able to do it.
→"can"の代わりに"be able to"を使う
【例文】:あなたはできたにちがいない。
【 × 】:You could must have done it.
【 ○ 】:You could certainly have done it.
→"must"の代わりに"certainly"を使う
【例文】:あなたができることかもしれなかった。
【 × 】:You could may do it.
【 ○ 】:You could possibly do it.
→"may"の代わりに"possibly"を使う
「助動詞 + 助動詞beや助動詞have」はOK
受動態を表わす"be"、進行時制を表わす"be"、完了時制を表わす"have"に限り、ほかの《助動詞》と一緒に使うことができます。"have"と"be"を同時に使って、"would have been sleeping"(眠り込んでいただろう)も可能です。
【例文】:You should have been staying home until the shaking stopped.
【和訳】:揺れがおさまるまで家に留まっているべきだった。
→"have"は完了時制、"been"は進行時制を表わすので"should have been"はOK
【例文】:You may be told off by our teacher.
【和訳】:先生に怒られるかもしれないぞ。
→"be"は受動態を表わすので"may be"はOK
助動詞が作る主な構文
《助動詞》で作る主な構文をまとめます。平叙文に《助動詞》を足して疑問文や否定文を作ります。
助動詞を含む場合の疑問文
助動詞の構文(1)
↑
文中に《助動詞》が存在する場合、《助動詞》を文頭に置いて疑問文を作ります。文の末尾には必ず疑問符(?)を付けます→【参照】:『ゼロから始める文の種類:疑問文』
# 【疑問文】:助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?
【例文】:Will the police investigate the case?
【和訳】:警察はその事件の捜査をするだろうか。
→助動詞を"will"を文頭へ、疑問符(?)を文尾に置く
受動態や進行時制で三つ、四つの《助動詞》が連続しても、文頭に移動させる《助動詞》は最初出て来た一つのみです。
【例文】:その事件は警察によって捜査されているだろうか。
【 × 】:Will have the case been being investigated by the police?
【 × 】:Will have been the case being investigated by the police?
【 × 】:Will have been being the case investigated by the police?
【 ○ 】:Will the case have been being investigated by the police?
→文頭に置くのは"will"のみ
"ought"と"used"は疑問文の場合、ほかの《助動詞》とはかなり異なる構文を作ります→【参照】:『助動詞oughtの構文』 『助動詞usedの構文』
"need"と"dare"は現代の英語では《助動詞》としてはあまり使いません。二つとも「need + to不定詞」や「dare + to不定詞」の形で動詞として使うのが普通です→【参照】:『助動詞の意味:need』 『助動詞の意味:dare』
助動詞を含む場合の否定文
助動詞の構文(2)
↑
文中に《助動詞》が存在する場合、《助動詞》の次に"not"を置いて否定文を作ります→【参照】:『ゼロから始める文の種類:肯定文と否定文』
# 【否定文】:主語 + 助動詞 + not + 動詞 + 〜.
"not"の場所が《助動詞》の右隣と決まっているので、"can't"や"won't"などの短縮形が存在します→【参照】:『助動詞を含む語句の短縮形の書き方:助動詞 + notの場合』
【例文】:The police may not investigate the case.
【和訳】:警察はその事件の捜査をしないかもしれない。
→否定文を作る"not"は助動詞"may"の次に置く
《助動詞》が複数ある場合は、一番最初に出て来た《助動詞》の右隣に"not"を置きます。
【例文】:警察はその事件の捜査をしなかったかもしれない。
【 × 】:The police may have not investigated the case.
【 ○ 】:The police may not have investigated the case.
→否定文を作る"not"は"may"の右隣に置く
受動態や進行時制で三つ、四つの《助動詞》が連続しても、"not"は一番最初に出て来た《助動詞》の右隣に置きます。
【例文】:その事件は警察によって捜査されていなかったかもしれない。
【 × 】:The case may have not been being investigated by the police.
【 × 】:The case may have been not being investigated by the police.
【 × 】:The case may have been being not investigated by the police.
【 ○ 】:The case may not have been being investigated by the police.
→否定文を作る"not"は"might"の右隣に置く
"ought"と"used"は、否定文の場合、ほかの《助動詞》とはかなり異なる構文を作ります→【参照】:『助動詞oughtの構文』 『助動詞usedの構文』
助動詞を含む場合の否定疑問文
助動詞の構文(3)
↑
文中に《助動詞》が存在する場合、《助動詞》 + "not"を文頭に置いて否定疑問文を作ります。文の末尾には必ず疑問符(?)を付けます。
# 【否定疑問文】:助動詞 + not + 主語 + 動詞 + 〜?
【例文】:May not the police investigate the case?
【和訳】:警察はその事件を捜査しないかな。
→"may not"を文頭へ、疑問符(?)を文尾に置く
受動態や進行時制で三つ、四つの《助動詞》が連続しても文頭に移動させるのは、最初出て来た「助動詞 + not」のみです。
【例文】:その事件は警察によって捜査されていなかったかもしれないね。
【 × 】:May not have the case been being investigated by the police?
【 × 】:May not have been the case being investigated by the police?
【 × 】:May not have been being the case investigated by the police?
【 ○ 】:May not the case have been being investigated by the police?
→文頭に置くのは"may not"のみ
"ought"と"used"は、否定疑問文の場合、ほかの《助動詞》とはかなり異なる構文を作ります→【参照】:『助動詞oughtの構文』 『助動詞usedの構文』
進行時制や受動態などを作る
助動詞beは主に七つの意味を表わします。
助動詞beは進行時制を作る
「助動詞be + 動詞のing形」で進行時制を作ります。「進行中の動作や継続中の状態」を表わします→【参照】:『ゼロから始める時制:進行時制』
# 助動詞be + 動詞のing形 = 進行時制
【例文】:The Earth's average temperature is increasing.
【和訳】:地球の平均気温は上昇しつつある。
→助動詞be + 動詞のing形(is increasing)で現在進行時制を表わす
【例文】:My cat was sleeping in the washbowl.
【和訳】:うちの猫が洗面器の中で寝ていた。
→助動詞be + 動詞のing形(was sleeping)で過去進行時制を表わす
助動詞beは受動態を作る
「助動詞be + 動詞の完了形」で受動態を作ります。「主語が〜された」の意味を表わします→【参照】:『ゼロから始める能動態と受動態』
# 助動詞be + 動詞の過去完了形 = 受動態
【例文】:政治家の無責任な物言いには腹が立つ。
【和訳】:I am angered by the irresponsible statements of politicians.
→助動詞be + 動詞の過去分詞形(am angered)で受動態
【例文】:Thirty houses were flooded above floor level.
【和訳】:三十軒の家屋が床上浸水の被害に遭った。
→助動詞be + 動詞の過去分詞形(were flooded)で受動態
※2011/10/21:一部誤りを修正→詳細
助動詞beは「be + to不定詞」構文を作る
「助動詞be + to不定詞」で「予定、義務、可能、運命、意図、目的」の意味を表わします。
# 主語 + 助動詞be + to不定詞 = 予定、義務、可能、運命、意図、目的
助動詞be + to不定詞:【予定】(〜する予定だ、〜するつもりだ)
助動詞beの意味と用法その(3)be + to不定詞(1)
↑
予定の意味は主に肯定文で使います。特に、公式の物事の日程を表わします。
【例文】:The graduation ceremony is to start at 9:00 am.
【和訳】:卒業式は午前九時から始まる予定です。
(= The graduation ceremony is going to start at 9:00 am.)
→助動詞be + to不定詞(be to start)で「予定」の意味を表わす
「be + have + 動詞の過去分詞」は予定されてはいたけれど実現しなかった物事を表わします。過去時制で使います。
# 「be + have + 動詞の過去分詞」= 実現しなかった物事
【例文】:The flea market was to have been held the other day, but it was cancelled due to heavy rain.
【和訳】:先日、フリーマーケットが開催される予定だったが、大雨のため中止になった。
→「be + have + 動詞の過去分詞」(was to have been held)は実現しなかった物事を表わす
助動詞be + to不定詞:【義務】(〜すべきだ、〜しなければならない)
助動詞beの意味と用法その(3)be + to不定詞(2)
↑
義務の意味は"should"や"had better"よりも強い強制力を暗示します。上からの命令でしなければならないこと、法律や規則などで決められた義務であることを表わします。
肯定文、疑問文、否定文で使います。原則として、疑問文ではbe動詞を文頭に置き、否定文ではbe動詞自体に"not"を付けます→【参照】:『be動詞の文型』
否定文では「義務」の反対の意味である「禁止」を表わします。
【例文】:We are to bring back our own garbage from campsites.[※肯定文]
【和訳】:キャンプ場のゴミは持ち帰るべきです。
(= We are supposed to bring back our own garbage from campsites.)
→助動詞be + to不定詞(be to bring back)で「義務」の意味を表わす
【例文】:Are we to bring back our own garbage from campsites?[※疑問文]
【和訳】:キャンプ場のゴミは持ち帰るべきですか。
→助動詞be + to不定詞(be to bring back)で「義務」の意味を表わす
【例文】:We are not to leave our own garbage in campsites.[※否定文]
【和訳】:キャンプ場にゴミを放置すべきではありません。
(= We must not leave our own garbage in campsites.)
→助動詞be + to不定詞(be not to leave)で「禁止」の意味を表わす
助動詞be + to不定詞:【可能】(〜することができる、〜が可能だ)
助動詞beの意味と用法その(3)be + to不定詞(3)
↑
「be動詞 + to不定詞」が可能の意味を表わすとき、たいてい副詞の"nowhere"を含むイディオムで使います。ニュアンスは否定(〜できない)です。
# [主語] + be + nowhere to be seen([主語]がどこにも見当たらない、[主語]がどこにもいない)
# [主語] + be + nowhere to be found([主語]がどこにも見当たらない、[主語]がどこにもいない)
【例文】:The magnificent scene is nowhere to be seen in any other place.
【和訳】:こんな絶景はよそでは見られない。
→[主語] + is + nowhere to be seen = [主語]がどこにも見当たらない
【例文】:Two of my cats are nowhere to be found in my house.
【和訳】:飼い猫が二匹とも家の中のどこにもいない。
→[主語] + is + nowhere to be found = [主語]がどこにも見当たらない
助動詞be + to不定詞:【運命】(〜する運命だ、〜は避けられない)
助動詞beの意味と用法その(3)be + to不定詞(4)
↑
運命の意味は、避けることができない将来やあらかじめ決まっていたと思える出来事を表わします。
【例文】:This cat was to be kept by our family.
【和訳】:この猫は家で飼われる運命だったんだ。
(= This cat was doomed to be kept by our family.)
→助動詞be + to不定詞(be to be kept)で「運命」の意味を表わす
"never"を使った「be動詞 + never + to不定詞」(決して〜しない運命だ)も可能です。
【例文】:The swallows were never to return to the nest.
【和訳】:ツバメは二度とその巣には帰って来なかった。
→助動詞be + to不定詞(be never to return)で「運命」の意味を表わす
助動詞be + to不定詞:【意図】(〜するつもりだ、〜しようと思う)
助動詞beの意味と用法その(3)be + to不定詞(5)
↑
意図の意味はたいていif文で使います。if文は事実に反する「仮定」の話ではなく、何かをするための「前提条件」を表わします。ニュアンスは「もし〜するつもりなら、まず〜しないといけない」。
主節の《助動詞》は"must"や"had better"をよく使います。
【例文】:You had better be careful of water you drink if you are to travel around Europe.
【和訳】:ヨーロッパを旅するつもりなら、飲み水には注意したほうがいいだろう。
→助動詞be + to不定詞(be to travel)で「意図」の意味を表わす
"intend to"や"mean to"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:You had better be careful of water you drink if you intend to travel around Europe.
【例文】:You had better be careful of water you drink if you mean to travel around Europe.
(= You had better be careful of water you drink if you are to travel around Europe.)
【和訳】:ヨーロッパを旅するつもりなら、飲み水には注意したほうがいいだろう。
助動詞be + to不定詞:【目的】(〜するためだ、目的は〜だ)
助動詞beの意味と用法その(3)be + to不定詞(6)
↑
目的の意味は、主語が何のために存在するのか、主語を何に使うのかを表わします。
【例文】:This underground channel is to prevent flood damage.
【和訳】:この地下水路は洪水の被害を防ぐためのものです。
→助動詞be + to不定詞(be to prevent)で「目的」の意味を表わす
助動詞beは「were + to不定詞」で仮定法を表わす
"if + 主語 + were + to不定詞"で仮定法過去を表わします→【参照】:『"if"を使う仮定法アレコレ:if + 主語 + were to不定詞(もしも万が一〜したら)』
"if + 主語 + were + to不定詞"は、実現の可能性がきわめて低い「未来の話」を表わします。主語の「数」が単数でも"were"を使うのが普通。"was"を使うのはややくだけた表現です。
# if + 主語 + were + to不定詞……「(そんなことはまずありえないが)もし〜だとしたら」
【例文】:If an alien were to land on Earth, could we be friends with them?
【例文】:If an alien was to land on Earth, could we be friends with them?[※ややくだけた言い方]
【和訳】:もし宇宙人が地球にやって来たら、我々は友好関係を築くことができるだろうか。
→"were"を使うのが普通
【例文】:The earth would become a dead planet if a third world war were to break out.
【例文】:The earth would become a dead planet if a third world war was to break out.[※ややくだけた言い方]
【和訳】:もし第三次世界大戦が勃発したら、地球は死の星と化すだろう。
→"were"を使うのが普通
「were + to不定詞」なしでもOK
"if + 主語 + were + to不定詞"は仮定法過去を表わすので、「were + to不定詞」なしでも意味はほとんど変わりません。ただし、動詞が"be"や"remain"などの状態動詞のときは、「were + to不定詞」をあまり使いません。
【例文】:部屋が整理整頓されていれば、物がなくなったりはしないだろう。
【 △ 】:If your room were to be tidy, you would lose nothing in your room.
【 ○ 】:If your room were tidy, you would lose nothing in your room.
→"be"は状態動詞なので「were + to不定詞」を使わないほうが普通
助動詞beはほかに助動詞がないときに疑問文を作る
助動詞beを使った構文「進行時制」「受動態」「be + to不定詞」の場合、"will"や"can"などほかの《助動詞》を使わないときは、助動詞be自体を文頭に置いて疑問文を作ります。"do, does, did"を付け加えて文頭に置くのは不可。
進行時制の疑問文("be"以外の助動詞がない場合)
助動詞beが作る疑問文(1)
↑
be動詞を文頭に置きます。"do, does, did"は不要。
# 助動詞be + 主語 + 動詞 + 〜?
【例文】:地球の平均気温は上昇しつつあるのかな。
【 × 】:Does the Earth's average temperature is increasing?
【 ○ 】:Is the Earth's average temperature increasing?
→助動詞be + 動詞のing形(is increasing)で現在進行時制を表わす
【例文】:授業中に弁当を食べていたよね。
【 × 】:Did you were eating your box lunch during class?
【 ○ 】:Were you eating your box lunch during class?
→助動詞be + 動詞のing形(were eating)で現在進行時制を表わす
受動態の疑問文("be"以外の助動詞がない場合)
助動詞beが作る疑問文(2)
↑
be動詞を文頭に置きます。"do, does, did"は不要。
# 助動詞be + 主語 + 動詞 + 〜?
【例文】:二酸化炭素は水素自動車から排出されますか。
【 × 】:Does carbon dioxide is emitted by a hydrogen car?
【 ○ 】:Is carbon dioxide emitted by a hydrogen car?
→助動詞be + 動詞の過去分詞形(is emitted)で受動態を表わす
【例文】:あなたの家は床上浸水の被害に遭いましたか。
【 × 】:Did your house was flooded above floor level?
【 ○ 】:Was your house flooded above floor level?
→助動詞be + 動詞の過去分詞形(was flooded)で受動態表わす
※2011/10/21:一部誤りを修正→詳細
be + to不定詞の疑問文("be"以外の助動詞がない場合)
助動詞beが作る疑問文(3)
↑
be動詞を文頭に置きます。"do, does, did"は不要。
# 助動詞be + 主語 + to不定詞 + 〜?
【例文】:卒業式は午前九時から始まる予定ですか。
【 × 】:Does the graduation ceremony is to start at 9:00 am?
【 ○ 】:Is the graduation ceremony to start at 9:00 am?
→助動詞be + to不定詞(be to start)で「予定」を表わす
【例文】:キャンプ場のゴミは持ち帰るべきですか。
【 × 】:Do we are to bring back our own garbage from campsites?
【 ○ 】:Are we to bring back our own garbage from campsites?
→助動詞be + to不定詞(be to bring back)で「義務」を表わす
【和訳】:この猫は家で飼われる運命だったのかな。
【 × 】:Did this cat was to be kept by our family?
【 ○ 】:Was this cat to be kept by our family?
→助動詞be + to不定詞(be to be kept)で「運命」を表わす
助動詞beは付加疑問文を作る
助動詞"be"は発言内容の同意や確認を表わす付加疑問文を作ります→【参照】:『ゼロから始める付加疑問文』
進行時制や、受動態の場合、「助動詞be + 主語」をコンマ(,)で区切って文尾に置きます。文全体が肯定文なら、"isn't/aren't 〜?, wasn't/weren't 〜?"、文全体が否定文なら"am/is/are 〜?, was/were 〜?"です。
文尾に置く「助動詞be + 主語」に"not"が入る場合は通例、短縮形(isn'tやweren'tなど)を使います→【参照】:『助動詞を含む語句の短縮形の書き方:助動詞 + notの場合』
# 〜(肯定文), isn't/aren't/wasn't/weren't + 主語?
# 〜(否定文), am/is/are/was/were + 主語?
主語が"I"の場合の付加疑問文
助動詞beの付加疑問文(1)
↑
一人称単数の代名詞"I"が主語の場合、肯定文の付加疑問文は"..., amn't I?"や"..., am not I?"ではなく、複数形の"aren't"を使って"..., aren't I?"とします。否定文の付加疑問文は"..., am I?"でOKです。
# I 〜(肯定文), aren't I?
# I 〜(否定文), am I?
【例文】:私はほめられていますよね。
【 × 】:I am complimented, amn't I?
【 × 】:I am complimented, am not I?
【 ○ 】:I am complimented, aren't I?
→肯定文の"I"の付加疑問は"aren't I?"を使う
【例文】:私はだまされていませんよね。
【 × 】:I am not deceived, are I?
【 ○ 】:I am not deceived, am I?
→否定文の"I"の付加疑問は"am I?"を使う
進行時制の付加疑問文
助動詞beの付加疑問文(2)
↑
助動詞beは進行時制の付加疑問文を作ります。"do, does, did"の追加は不要。
【例文】:あなた昨日、ここでチラシを配っていましたよね。
【 × 】:You were handing out flyers here yesterday, didn't you?
【 ○ 】:You were handing out flyers here yesterday, weren't you?
→助動詞wereがあるので"didn't"は使わない
【例文】:今生徒は視聴覚室のコンピューターを使っていませんよね。
【 × 】:Students are not using the computers in the audio-visual room, do they?
【 ○ 】:Students are not using the computers in the audio-visual room, are they?
→助動詞areがあるので"do"は使わない
受動態の付加疑問文
助動詞beの付加疑問文(3)
↑
助動詞beは受動態の付加疑問文を作ります。"do, does, did"の追加は不要。
【例文】:猫は鏡の中の自分に気づいてびくっとしましたよね。
【 × 】:The cat was startled when he noticed his reflection in the mirror, didn't he?
【 ○ 】:The cat was startled when he noticed his reflection in the mirror, wasn't he?
→助動詞wereがあるので"didn't"は使わない
【例文】:自白することを強要されていませんよね。
【 × 】:You were not forced to confess to the crime, did you?
【 ○ 】:You were not forced to confess to the crime, were you?
→助動詞wereがあるので"did"は使わない
人を表わす不定代名詞"〜body, 〜one"の付加疑問文
助動詞beの付加疑問文(4)
↑
"somebody"や"everybody"など「人を表わす不定代名詞」の付加疑問文は通例、複数形の"they"を使って"aren't they?, weren't they?, are they?, were they?"です。
"somebody"や"everybody"など「人を表わす不定代名詞」はたいてい単数扱いです。なので、助動詞beを使う疑問文は"Is somebody 〜?"や"Was everybody 〜?"と表現します。ただし、付加疑問文では複数形の"they"を使い、be動詞の「数」も複数に合わせて"are, were"を使うのが普通です。
【例文】:誰かが後を付けていますよね。
【 × 】:Somebody is following us, isn't he?
【 ○ 】:Somebody is following us, aren't they?
→"somebody"(人を表わす不定代名詞)のときは"aren't they?"を使う
【例文】:誰もけがしませんでしたよね。
【 × 】:No one was hurt, was he?
【 ○ 】:No one was hurt, were they?
→"no one"(人を表わす不定代名詞)のときは"aren't they?"を使う
物を表わす不定代名詞"〜thing"の付加疑問文
助動詞beの付加疑問文(5)
↑
"something"や"anything"など「物を表わす不定代名詞」はたいてい単数扱いです。なので、付加疑問文は通例、単数形の"it"を使って"isn't it?, wasn't it?, is it?, was it?"です。"something"や"anything"などは単数形の"it"で受けます。
【例文】:万事問題ないよね。
【 × 】:Everything is OK, isn't they?
【 ○ 】:Everything is OK, isn't it?
→"everything"(物を表わす不定代名詞)のときは"it"を使う
【例文】:ここの地層から何かあるはずのないものが見つかったよね。
【 × 】:Something out of place was found in this stratum, weren't they?
【 ○ 】:Something out of place was found in this stratum, wasn't it?
→"something"(物を表わす不定代名詞)のときは"it"を使う
助動詞beは倒置構文を作る
主語と動詞の位置がひっくり返った倒置の文で助動詞beを使うことがあります。倒置については、別のコーナーにくわしくまとめてあります→【参照】:『ゼロから始める倒置』
否定の意味を持つ語句や"only"などが強調のために文頭に出て来ると、たいてい倒置になります。助動詞beが存在するセンテンスでは、語順が「副詞 + 助動詞be + 主語 + 動詞」となります。助動詞beやほかの《助動詞》が存在しないセンテンスでは"do, does, did"を追加して文頭に置きます→【参照】:『助動詞doの意味と用法:倒置構文』
いずれの語句も、使えば必ず倒置になるわけではありません。強調のため文頭に置いたときに限り、倒置を使います。
否定の副詞:never, little, rarely, seldom, etc
be動詞が作る倒置(1)
↑
否定の意味を表わす"never(決して〜ない), little(まったく〜ない), rarely(めったに〜ない), seldom(めったに〜ない)"などを強調のために文頭に置くと、倒置を使うことがあります。
【例文】:Never am I frightened of cockroaches.
(= I am nerver frightened of cockroaches.)
【和訳】:ゴキブリなど恐れるに足らん。
→倒置では"never"を文頭に置いて、次に"am"を置く
副詞の"little"は思考などを表わす動詞(believe, dream, etc)の前に置くと、たいてい意味は「まったく〜ない、ちっとも〜ない」(= not at all)です→【参照】:『否定を表わす副詞:little(まったく〜ではない、少しも〜ではない)』
【例文】:Little were we to know how deeply computers would penetrate into our daily life.
(= We were little to know how deeply computers would penetrate into our daily life.)
【和訳】私たちの日々の暮らしの中にコンピューターがどれほど深く入り込むか知る由もなかった。
→倒置では"little"を文頭に置いて、次に"were"を置く
【例文】:Rarely are politicians praised by citizens.
(= Politicians are rarely praised by citizens.)
【和訳】:政治家が国民からほめられるなんてそうそうあることではない。
→倒置では"rarely"を文頭に置いて、次に"are"を置く
【例文】:Seldom were wild boars seen around here.
(= Wild boars were seldom seen around here.)
【和訳】:このあたりで野生のイノシシが目撃されることはほとんどなかった。
→倒置では"seldom"を文頭に置いて、次に"were"を置く
否定の副詞句:under no circumstances, at no time, etc, etc
be動詞が作る倒置(2)
↑
否定の意味を表わす"under no circumstances"(決して〜ない)や"at no time"(一度も〜ない、絶対に〜ない)などを強調のために文頭に置くと、倒置を使うことがあります。
【例文】:Under no circumstances are you to use elevators in case of fire or earthquake.
(= You are under no circumstances to use elevators in case of fire or earthquake.)
【和訳】:火災や地震発生時にエレベーターは決して使ってはならない。
→倒置では"under no circumstances"を文頭に置いて、次に"are"を置く
"circumstances"の本来の意味は「物事の状況、個人の事情」です→【参照】:『名詞の「数」:たいてい複数形で使う名詞(circumstances, lyrics, etc)』
【例文】:At no time are children permitted to ride bicycles in this park.
(= Children are permitted to ride bicycles in this park at no time.)
【和訳】:この公園で子供たちが自転車に乗ることは固く禁じられている。
→倒置では"at no time"を文頭に置いて、次に"are"を置く
その他:only
be動詞が作る倒置(3)
↑
"only"を含む句を強調のために文頭に置くと、倒置を使うことがあります→【参照】:『否定を表わす副詞:only(〜のみ、〜だけ)』
【例文】:Only in the early morning is the bakery open.
(= The bakery is open only in the early morning.)
【和訳】:そのパン屋が営業しているのは早朝だけだ。
→倒置では"only 〜"を文頭に置いて、次に"was"を置く
【例文】:Only a few days ago was the convenience store closed.
(= The convenience store was closed only a few days ago.)
【和訳】:そのコンビニが閉店したのはつい二三日前だ。
→倒置では"only 〜"を文頭に置いて、次に"was"を置く
疑問文や否定文を作る
助動詞doは主に六つの意味を表わします。
助動詞"do"は疑問文を作る
《助動詞》のないセンテンスでは、"do, does, did"を追加で文頭に置いて疑問文を作ります→【参照】:『ゼロから始める文の種類:疑問文』
# 疑問文 = 助動詞do + 主語 + 〜?
【例文】:Do you have a cell phone?
【和訳】:携帯電話を持っていますか。
【例文】:Did you mock me?
【和訳】:オレを馬鹿にしたな。
助動詞"do"は付加疑問文を作る
助動詞"do"は発言内容の同意や確認を表わす付加疑問文を作ります→【参照】:『ゼロから始める付加疑問文』
文中に助動詞beや助動詞haveが存在しない場合、「助動詞do + 主語」をコンマ(,)で区切って文尾に置きます。文全体が肯定文なら、"don't 〜?, doesn't 〜?, didn't 〜?"、文全体が否定文なら"do 〜?, does 〜?, did 〜?"です。
文尾に置く「助動詞do + 主語」に"not"が入る場合は通例、短縮形(don'tやdidn'tなど)を使います→【参照】:『助動詞を含む語句の短縮形の書き方:助動詞 + notの場合』
# 〜(肯定文), don't/doesn't/didn't + 主語?
# 〜(否定文), do/does/did + 主語?
【例文】:You smoked here, didn't you?
【和訳】:ここでたばこを吸いましたね。
【例文】:Japan doesn't have a huge desert, does it?
【和訳】:日本には広大な砂漠はありませんよね。
人を表わす不定代名詞"〜body, 〜one"の付加疑問文
助動詞"do"の付加疑問文(1)
↑
"somebody"や"everybody"など「人を表わす不定代名詞」の付加疑問文は通例、複数形の"they"を使って"don't they?, didn't they?, do they?, did they?"です。
"somebody"や"everybody"など「人を表わす不定代名詞」はたいてい単数扱いです。なので、通常の疑問文は"Does somebody 〜?"や"Does everybody 〜?"と表現します。ただし、付加疑問文では複数形の"they"を使い、助動詞"do"の「数」も複数に合わせて"does"ではなく"do"を使うのが普通です。
【例文】:誰もが日本国内のすべての原子力発電所の廃炉を望んでいますよね。
【 × 】:Everybody wants to decomission all nuclear power plants in Japan, doen't he?
【 ○ 】:Everybody wants to decomission all nuclear power plants in Japan, don't they?
→"everybody"(人を表わす不定代名詞)のときは"don't they?"を使う
【例文】:誰もあくびなんかしてませんよね。
【 × 】:Nobody gave a yawn, did he?
【 ○ 】:Nobody gave a yawn, did they?
→"nobody"(人を表わす不定代名詞)のときは"didn't they?"を使う
物を表わす不定代名詞"〜thing"の付加疑問文
助動詞"do"の付加疑問文(2)
↑
"something"や"anything"など「物を表わす不定代名詞」はたいてい単数扱いです。なので、付加疑問文は通例、"doesn't it?, didn't it?, does it?, did it?"です。"something"や"anything"などは単数形の"it"で受けます。
【例文】:何か白いものが空からフワフワと落ちて来ましたよね。
【 × 】:Something white floated down from the sky, didn't they?
【 ○ 】:Something white floated down from the sky, didn't it?
→"something"(物を表わす不定代名詞)のときは"it"を使う
【例文】:怪しいことは何も起りませんでしたよね。
【 × 】:Nothing weird happened, did they?
【 ○ 】:Nothing weird happened, did it?
→"nothing"(物を表わす不定代名詞)のときは"it"を使う
助動詞"do"は否定文を作る
《助動詞》やbe動詞のないセンテンスでは、"do, does, did"に"not"を足して否定文を作ります→【参照】:『ゼロから始める文の種類:否定文』
# 否定文 = 主語 + 助動詞do + not + 動詞 + 〜.
【例文】:I do not have my cell phone.
【和訳】:自分用の携帯電話は持っていない。
【例文】:The song didn't captivate me.
【和訳】:その歌は気に入らなかった。
助動詞"do"は動詞を強調する
ほかに《助動詞》がない肯定文や命令文の場合、"do, does, did"を使って動詞の意味を強調することができます。肯定文で使います。「動詞の原形」の直前に"do, does, did"を置きます。
# 動詞の強調 = 助動詞do + 動詞の原形
【例文】:I did take a walk with my dog for an hour.
(= I took a walk with my dog for an hour.)
【和訳】:愛犬と一時間も散歩しました。
→"did"は"take"の意味を強調
【例文】:Do stop playing the video game and go to bed.
(= Stop playing the video game and go to bed.)
【和訳】:とっととゲームをやめて寝なさい。
→"do"は"stop"の意味を強調
名詞や副詞を強調するときは強調構文を使います→【参照】:『ゼロから始める強調構文:何を強調するの?』
助動詞"do"は倒置構文を作る
主語と動詞の位置がひっくり返った倒置の文で"do, does, did"を使うことがあります。倒置については、別のコーナーにくわしくまとめてあります→【参照】:『ゼロから始める倒置』
否定の意味を持つ語句や"only"などが強調のために文頭に出て来ると、たいてい倒置になります。《助動詞》やbe動詞が存在しないセンテンスでは、語順が「副詞 + 助動詞do + 主語 + 動詞」となります。be動詞が存在するセンテンスではbe動詞を文頭に置きます→【参照】:『助動詞beの意味と用法:倒置構文』
いずれの語句も、使えば必ず倒置になるわけではありません。強調のため文頭に置いたときに限り、倒置を使います。
否定の副詞:never, little, rarely, seldom, etc
助動詞doが作る倒置(1)
↑
否定の意味を表わす"never(決して〜ない), little(まったく〜ない), rarely(めったに〜ない), seldom(めったに〜ない)"などを強調のために文頭に置くと、倒置を使うことがあります。
【例文】:Never did I realize that I had got my pocket picked.
(= I nerver realized that I had got my pocket picked.)
【和訳】:スリに財布を盗られたなんてちっとも気づかなかった。
→倒置では"never"を文頭に置いて"did"を追加する
副詞の"little"は思考を表わす動詞(believe, dream, etc)の前に置くと、たいてい意味は「まったく〜ない、ちっとも〜ない」(= not at all)です→【参照】:『否定を表わす副詞:little(まったく〜ではない、少しも〜ではない)』
【例文】:Little do human beings know about the deep sea as well as space.
(= Human beings little know about the deep sea as well as space.)
【和訳】:人類は、宇宙と同様に、深海のこともまったくわかっていない。
→倒置では"little"を文頭に置いて"do"を追加する
【例文】:Rarely did I drink soda.
(= I rarely drank soda.)
【和訳】:炭酸飲料はめったに飲んだことがなかった。
→倒置では"rarely"を文頭に置いて"did"を追加する
【例文】:Seldom do we have rain in this region.
(= We seldom have rain in this region.)
【和訳】:この地方ではめったに雨が降りません。
→倒置では"seldom"を文頭に置いて"do"を追加する
否定の副詞句:under no circumstances, at no time, etc, etc
助動詞doが作る倒置(2)
↑
否定の意味を表わす"under no circumstances"(決して〜ない)や"at no time"(一度も〜ない、絶対に〜ない)などを強調のために文頭に置くと、倒置を使うことがあります。
【例文】:Under no circumstances do you have to dump garbage.
(= You have to dump garbage under no circumstances.)
【和訳】:ゴミのポイ捨ては絶対にお断わりです。
→倒置では"under no circumstances"を文頭に置いて"do"を追加する
【例文】:At no time did the company admit that they had sold disguised foods.
(= The company admitted that they had sold disguised foods at no time.)
【和訳】:その会社は偽装した食品の販売を決して認めようとはしませんでした。
→倒置では"at no time"を文頭に置いて"did"を追加する
その他:only
助動詞doが作る倒置(3)
↑
"only"を含む句を強調のために文頭に置くと、倒置を使うことがあります→【参照】:『否定を表わす副詞:only』
【例文】:Only in summer do we want to eat shaved ice.
(= We want to eat shaved ice only in summer.)
【和訳】:かき氷は夏の間だけ食べたくなる。
→倒置では"only 〜"を文頭に置いて"do"を追加する
【例文】:Only yesterday did my baby start talking.
(= My baby started talking only yesterday.)
【和訳】:赤ちゃんがしゃべり始めたのはつい昨日のことだ。
→倒置では"only 〜"を文頭に置いて"do"を追加する
助動詞"do"は前に出た語句の代用
直前に使った動詞や「動詞 + 目的語 + 補語」などの代用として"do, does, did"を使うことがあります。
文が無駄に長くなるのを避ける
代用表現の助動詞do(1)
↑
前に出てきた語句を短く言い換えるとき《助動詞》の"do, does, did"を使います。動詞を含む同一の表現が重複して文が無駄に長くなるのを避けるためです。
【例文】:運転手にけがはなかった。同乗者もなかった。
【 × 】:The driver was unhurt and the passengers were unhurt.
【 × 】:The driver was unhurt and the passengers did.
【 ○ 】:The driver was unhurt and the passengers were.
(= The driver was unhurt. So were the passengers.)
(= The driver was unhurt. The passengers were unhurt, too.)
→前に出た動詞はbe動詞(was)なので"did"ではなく"were"で代用する
【例文】:あなたはギターを弾ける。私も弾ける。
【 × 】:You can play the guitar and I can play the guitar.
【 × 】:You can play the guitar and I can play.
【 △ 】:You can play the guitar and I can do.[※イギリス英語]
【 ○ 】:You can play the guitar and I can.
(= You can play the guitar. So can I.)
(= You can play the guitar. I can play the guitar, too.)
→前に出た動詞(play)には助動詞canが付いているので"can"のみで受ける
【例文】を英訳する場合、イギリス英語では"can do"とすることもあります。
【例文】:清掃ボランティアを希望していたので参加した。
【 × 】:I wanted to volunteer to clean up and I volunteered to clean up.
【 × 】:I wanted to volunteer to clean up and I volunteered.
【 ○ 】:I wanted to volunteer to clean up and I did.
【 ○ 】:I wanted to volunteer to clean up and I did so.
→"volunteer to clean up"(自動詞+to不定詞)を"did", "did so"で表現する
【例文】を英訳する場合、"volunteer"の主語は"I"、"did"の主語も"I"なので、"volunteer to clean up"の代用は"did"あるいは"did so"を使います。
【例文】:私はデザートにアイスクリームを頼んだがドロシーは頼まなかった。
【 × 】:I orderd ice-cream as a dessert but Dorothy didn't order ice-cream as a dessert.
【 × 】:I orderd ice-cream as a dessert but Dorothy didn't order.
【 ○ 】:I orderd ice-cream as a dessert but Dorothy didn't.
【 ○ 】:I orderd ice-cream as a dessert but Dorothy didn't it.
→"orderd ice-cream as a dessert"(他動詞+目的語)を"did", "did it"で表現する
【例文】を英訳する場合、"ordered"の主語は"I"、"did"の主語は"Dorothy"なので、"orderd ice-cream as a dessert"の代用は"do"あるいは"do it"を使います。
相手の話に対する賛成や反対
代用表現の助動詞do(2)
↑
相手の話に対して賛成や反対の意思を表わすとき《助動詞》の"do, does, did"を使います。前に出てきた動詞や動詞を含む表現の代用です。動詞を含む同一の表現が重複して文が無駄に長くなるのを避けるためです。
【例文】:「キースは食べ過ぎた」「ええ、ほんとに」
【 × 】":Keith ate too much." "Yes, he ate too much."
【 ○ 】:"Keith ate too much." "Yes, he did."
→"ate too much"(自動詞+副詞)を"did"で表現する、相手の話に対する賛成の意思を表わす
【例文】:「このあたりは自然が残っている」「いいえ、そんなことはありません」
【 × 】:"In this area the natural surroundings remain untouched." "No, they don't remain untouched"
【 ○ 】:"In this area the natural surroundings remain untouched." "No, they don't"
→"remain untouched"(自動詞+形容詞)を"don't"で表現する、相手の話に対する反対の意思を表わす
質問に対する返答
代用表現の助動詞do(3)
↑
疑問文に対する返事で《助動詞》の"do, does, did"を使います。前に出てきた動詞や動詞を含む表現の代用です。動詞を含む同一の表現が重複して文が無駄に長くなるのを避けるためです。
【例文】:「海外旅行に行きたいですか」「はい、行きたいです」
【 × 】:"Do you want to travel abroad?" "Yes, I want to travel aborad."
【 × 】:"Do you want to travel abroad?" "Yes, I want to."
【 ○ 】:"Do you want to travel abroad?" "Yes, I do."
→"want to travel aborad"(他動詞+to不定詞)を"do"で表現する
【例文】:「消費税が上がることに賛成ですか」「いいえ、反対です」
【 × 】:"Do you agree with the increase of the consumption tax?" No, I don't agree with the increase of the consumption tax."
【 × 】:"Do you agree with the increase of the consumption tax?" "No, I don't agree."
【 ○ 】:"Do you agree with the increase of the consumption tax?" "No, I don't."
→"agree with the increase of the consumption tax"(自動詞+前置詞+名詞句)を"do"で表現する
疑問形の返事
代用表現の助動詞do(4)
↑
疑問文に対して短く返事をするときに《助動詞》の"do, does, did"を使います。前に出てきた動詞や動詞を含む表現の代用です。動詞を含む同一の表現が重複して文が無駄に長くなるのを避けるためです→【参照】:『疑問文:疑問形の返事』
# 疑問形の返事……「助動詞 + 代名詞? 」「be動詞 + 代名詞?」
疑問形の返事は意味的には疑問ではなく、相手の話に興味が湧いたときの驚きや喜びなどの感情を表わします。
【例文】:「誰かが火災報知器を鳴らした」「鳴らしたんだ」
【 × 】:"Somebody set off the fire alarm." "Did they set off the fire alarm?"
【 ○ 】:"Somebody set off the fire alarm." "Did they?"
→"set off the fire alarm"(イディオム+目的語)を"did"で表現する
【例文】を英訳する場合、"Did they?"は軽い驚きや相手の発言内容に対する確認を表わします。
【例文】:「グーとお腹が鳴ったのは私じゃありません」「あなたじゃないんだ」
【 × 】:"My stomach didn't growl." "Didn't it growl? "
【 ○ 】:"My stomach didn't growl." "Didn't it?"
→"growl"(自動詞)を"did"で表現する
【例文】を英訳する場合、"Didn't it?"は軽い驚きや相手の発言内容に対する確認を表わします。
比較表現の"as"や"than"の次
代用表現の助動詞do(5)
↑
比較の表現の"as"や"than"の次に《助動詞》の"do, does, did"を使います。前に出てきた動詞や動詞を含む表現の代用です。動詞を含む同一の表現が重複して文が無駄に長くなるのを避けるためです。
【例文】:あなたは先生と同じくらい日本史にくわしい。
【 × 】:You know about Japanese history as much as the teacher knows about Japanese history.
【 × 】:You know about Japanese history as much as the teacher knows about.
【 ○ 】:You know about Japanese history as much as the teacher does.
→"know about Japanese history"(自動詞+前置詞+名詞)を"does"で表現する
【例文】:日本史に関する知識は先生よりもあなたのほうが豊富だ。
【 × 】:You have more knowledge about Japanese history than the teacher has knowledge about Japanese history.
【 × 】:You have more knowledge about Japanese history than the teacher has.
【 ○ 】:You have more knowledge about Japanese history than the teacher does.
→"has more knowledge about Japanese history"(他動詞+目的語)を"does"で表現する
代用として使う"as"や"than"の後に使う"do, does, did"は省略可能です。
【例文】:あなたは先生と同じくらい日本史にくわしい。
【英訳】:You know about Japanese history as much as the teacher.
(= You know about Japanese history as much as the teacher does.)
→"teaches"の次の"does"は省略可能
【例文】:日本史に関する知識は先生よりもあなたのほうが豊富だ。
【英訳】:You have more knowledge about Japanese history than the teacher.
(= You have more knowledge about Japanese history than the teacher does.)
→"teaches"の次の"does"は省略可能
「〜もまたそうである」の意味を表わす
代用表現の助動詞do(6)
↑
副詞の"so"を使って「〜もまたそうである」の意味を表わすとき、《助動詞》の"do, does, did"を使います。前に出てきた動詞や動詞を含む表現の代用です。動詞を含む同一の表現が重複して文が無駄に長くなるのを避けるためです。
副詞の"so"を使って「〜もまたそうである」の意味を表わす場合、倒置を使います。語順は「So + do/does/did + 主語」です→【参照】:『なぜ倒置を使うの?語句の省略を表わす:「〜もまた」の"so"』
# So + do/does/did + 主語(主語もまた〜そうである)
【例文】:ディーゼル車は温室効果ガスを排出する。ガソリン車もそうだ。
【 × 】:Diesel vehicles emit greenhouse gases. So emit greenhouse gases gasoline vehicles.
【 ○ 】:Diesel vehicles emit greenhouse gases. So do gasoline vehicles.
(= Diesel vehicles emit greenhouse gases. Gasoline vehicles emit greenhouse gases, too.)
→"emit greenhouse gases"を"do"で表現する
「〜もまたそうではない」の意味を表わす
代用表現の助動詞do(7)
↑
"neither"や"nor"を使って「〜もまたそうではない」の意味を表わすとき、《助動詞》の"do, does, did"を使います。前に出てきた動詞や動詞を含む表現の代用です。動詞を含む同一の表現が重複して文が無駄に長くなるのを避けるためです。
"neither"や"nor"を使って否定の「〜もまたそうではない」を表わす場合、"so"と同じく、倒置を使います。語順は「Neither/Nor + do/does/did + 主語」です→【参照】:『なぜ倒置を使うの?語句の省略を表わす:「〜もまたそうではない」の"neither"と"nor"』
# Neither + do/does/did + 主語(主語もまた〜そうではない)
# Nor + do/does/did + 主語(主語もまた〜そうではない)
【例文】:電気自動車は空気を汚さない。水素自動車も汚さない。
【 × 】:Electric vehicles don't pollute the air. Neither pollute the air hydrogen vehicles.
【 × 】:Electric vehicles don't pollute the air. Nor pollute the air hydrogen vehicles.
【 ○ 】:Electric vehicles don't pollute the air. Neither do hydrogen vehicles.
【 ○ 】:Electric vehicles don't pollute the air. Nor do hydrogen vehicles.
(= Electric vehicles don't pollute the air. Hydrogen vehicles don't pollute the air, either.)
→"pollute the air"を"do"で表現する
助動詞haveは完了時制を作る
"have"は動詞の過去分詞形と結び付いて完了時制を作ります。
「完了時制」については別のコーナーでくわしく解説しています→【参照】:『ゼロから始める時制:完了時制』
現在完了時制の助動詞have
助動詞haveが作る完了時制(1)
↑
# 主語 + have/has + 動詞の過去分詞形
【例文】:Chilly winter has come.
【和訳】:厳しい冬がやって来た。
→冬将軍到来、今も冬真っ只中
過去完了時制の助動詞have
助動詞haveが作る完了時制(2)
↑
# 主語 + had + 動詞の過去分詞形
【例文】:The fire had been already extinguished when the fire engines arrived.
【和訳】:消防車が到着したとき、すでに火は消えていました。
→消防が来る前に鎮火していた
未来完了時制の助動詞have
助動詞haveが作る完了時制(3)
↑
# 主語 + will have + 動詞の過去分詞形
【例文】:The letter of acceptance will have arrived by the end of this week.
【和訳】:合格通知は今週末までには届くだろう。
→今はまだ届いていないが今週末には届くだろう
助動詞haveは疑問文を作る
助動詞haveが完了時制の場合、"will"や"can"などのほかの《助動詞》を使わないときは、助動詞"have, has, had"を文頭に置いて疑問文を作ります。
未来完了時制の場合、常に"will"や"shall"を使うので、疑問文を作るときは《助動詞》の"will, shall"を文頭に置きます。完了時制を表わす"have"は動かしません。
現在完了時制の疑問文("have"以外の助動詞がない場合)
助動詞haveが作る疑問文(1)
↑
# Have/Has + 主語 + 動詞の過去分詞形 + 〜?
【例文】:厳しい冬はもうやって来ましたか。
【英訳】:Has chilly winter already come?
過去完了時制の疑問文("had"以外の助動詞がない場合)
助動詞haveが作る疑問文(2)
↑
# Had + 主語 + 動詞の過去分詞形 + 〜?
【例文】:消防車が到着したとき、もう火は消えていましたか。
【英訳】:Had the fire been already extinguished when the fire engines arrived?
未来完了時制の疑問文
助動詞haveが作る疑問文(3)
↑
未来完了時制は必ず"will"や"shall"を使うので、助動詞haveは動かさず、"will"や"shall"を文頭に置きます。
# Will + 主語 + have + 動詞の過去分詞形 + 〜?
【例文】:合格通知は今週末までには届くだろうか。
【英訳】:Will the letter of acceptance have arrived by the end of this week?
→"have"は動かさず、"will"を文頭に置く
助動詞haveは付加疑問文を作る
助動詞haveは発言内容の同意や確認を表わす付加疑問文を作ります→【参照】:『ゼロから始める付加疑問文』
文の述語に助動詞haveがあるときは、「助動詞have + 主語」をコンマ(,)で区切って文尾に置きます。文全体が肯定文なら、"haven't 〜?, hasn't 〜?, hadn't 〜?、文全体が否定文なら"have 〜?, has 〜?, had 〜?"です。
文の述語に助動詞haveが存在する場合、"do, does, did"は使いません。
文尾に置く「助動詞have + 主語」に"not"が入る場合は通例、短縮形(aren'tやwasn'tなど)を使います→【参照】:『助動詞を含む語句の短縮形の書き方:助動詞 + notの場合』
# 〜(肯定文), haven't/hasn't/hadn't + 主語?
# 〜(否定文), have/has/had + 主語?
【例文】:宿題はすませたの。
【 × 】:You've finished your homework, don't you?
【 ○ 】:You've finished your homework, haven't you?
→助動詞haveがあるので"don't"は使わない
【例文】:タロウは散歩に連れて行っていないんでしょう。
【 × 】:You haven't walked Taro, did you?
【 ○ 】:You haven't walked Taro, have you?
→助動詞haveがあるので"did"は使わない
不定代名詞"〜body, 〜one"の付加疑問文
助動詞"have"の付加疑問文(1)
↑
"somebody"や"everybody"など「人を表わす不定代名詞」の付加疑問文は通例、"haven't they?, hadn't they?, have they?, had they?"です。
"somebody"や"everybody"など「人を表わす不定代名詞」はたいてい単数扱いです。なので、通常の疑問文は"Has somebody 〜?"や"Has everybody 〜?"と表現します。ただし、付加疑問文では複数形の"they"を使い、助動詞"have"の「数」も複数に合わせて"has"ではなく"have"を使うのが普通です。
【例文】:誰かが私の名前を呼びましたよね。
【 × 】:Someone's called my name hasn't he?
【 ○ 】:Someone's called my name haven't they?
→"someone's"(= someone has)でも"haven't they?"とする
【例文】:まだ誰も来てませんよね。
【 × 】:Nobody has yet arrived, hasn't he?
【 ○ 】:Nobody has yet arrived, haven't they?
→"nobody has"でも"haven't they?"とする
不定代名詞"〜thing"の付加疑問文
助動詞"have"の付加疑問文(2)
↑
"something"や"anything"など「物を表わす不定代名詞」はたいてい単数扱いです。なので、付加疑問文は通例、"hasn't it?, had't it?, has it?, had it?"です。"something"や"anything"などは単数形の"it"で受けて、助動詞"have"の「数」も単数に合わせて"have"ではなく"has"を使います。
【例文】:何かわくわくするようなことがあったんだね。
【 × 】:Something exciting has happened to you, haven't they?
【 ○ 】:Something exciting has happened to you, hasn't it?
→"something"(物を表わす不定代名詞)のときは"it"を使う
【例文】:この辺りはすっかり変わってしまいましたね。
【 × 】:Everything around here has totally changed, haven't it?
【 ○ 】:Everything around here has totally changed, hasn't it?
→"everything"(物を表わす不定代名詞)のときは"it"を使う
will:未来(〜だろう)
助動詞の意味:will(1)
↑
"will"は未来時制を表わします→【参照】:『ゼロから始める時制:未来時制』
【例文】:The math test will be given next Monday.
【和訳】:次の月曜日は数学のテストだろう。
will:未来完了時制(〜してしまっているだろう)
助動詞の意味:will(2)
↑
"will"は「will + have + 過去分詞」の形で未来完了時制を表わします。未来のある時点で終了する物事を表わします→【参照】:『ゼロから始める時制:未来完了時制』
# will + have + 過去分詞(〜してしまっているだろう)【未来完了時制】
【例文】:The seismic reinforcement construction of our school will have been completed by next month.
【和訳】:校舎の耐震補強工事は来月までには終了するでしょう。
will:現在の意志(〜するつもりだ、〜しましょう)
助動詞の意味:will(3)
↑
"will"は単純な未来ではなく、「主語が何かをするつもり」であるという「現在の意志」を表わします。
【例文】:I will prepare lunch for you.
【英訳】:私がお昼御飯を作りましょう。
人間や動物以外に、車やびんなど「物の意志」を表わすこともあります。たいてい、否定文で使い、ニュアンスは「どうしても〜しようとしない、〜しようとしてもなぜか〜しない」です。
【例文】:The music room's door won't open.
【和訳】:音楽室の扉がどうしても開きません
過去の意志は"would"を使います→【参照】:『助動詞wouldの意味:過去の意志』
will:現在の固執、こだわり(どうしても〜する、〜するといって聞かない)
助動詞の意味:will(4)
↑
"will"は「意地でもしたがる現在の行動」を表わします。ニュアンスは「どうしても〜する、〜するといって聞かない」です。意味的には未来のことではなく、現在のことを指します。
【例文】:Our dog will go for a walk three times a day.
【 × 】:私たちの犬は一日に三回の散歩に行くだろう。
【 ○ 】:家の犬は一日三回散歩に行くといって聞かない。
→"will"は未来のことではなく、現在もこだわっている「固執、こだわり」を表わす
過去の「固執」は"would"で表わします→【参照】:『助動詞wouldの意味:過去の固執(どうしても〜しようとした、〜するといって聞かなかった)』
will:現在の確信(きっと〜だろう)
助動詞の意味:will(5)
↑
"will"は話し手の「現在の確信」を表わします。ニュアンスは「〜にちがいない、〜のはずだ、きっと〜だ」です→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
【例文】:Godzilla will be stronger than King Kong.
【和訳】:ゴジラはキングコングよりきっと強いだろう。
→"will"は現在の確信を表わす
"must"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『"must": 現在の確信(〜にちがいない)』
【例文】:Godzilla must be stronger than King Kong.
(= Godzilla will be stronger than King Kong.)
【和訳】:ゴジラはキングコングより強いにちがいない。
→"must"は現在の確信を表わす
「過去の確信」は「must + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『「must + have + 過去分詞」:過去の確信(〜したにちがいない)』
【例文】:Godzilla must have been stronger than King Kong.
【和訳】:ゴジラはキングコングより強かったちがいない。
→「must + have + been」は過去の確信を表わす」
「will + have + 過去分詞」はもっぱら未来完了時制を表わします→【参照】:『助動詞willの意味:未来完了時制』
【例文】:The giant cargo ship loaded with King Kong will have arrived by next Sunday.
【和訳】:キングコングを乗せた巨大貨物船は次の日曜日までには到着するだろう。
will:現在の習慣(いつも〜する、しょっちゅう〜している)
助動詞の意味:will(6)
↑
"will"は「定期的に行なう現在の行動」を表わします。ニュアンスは「いつも〜する、しょっちゅう〜している」です。意味的には未来のことではなく、現在のことを指します。
【例文】:My father will clean his teeth before breakfast.
【 × 】:私の父は朝食の前に歯を磨くだろう。
【 ○ 】:父さんはいつも朝御飯の前に歯を磨く。
→"will"は未来のことではなく、現在も続いている「習慣」を表わす
過去の習慣は"would"や"used"で表わします→【参照】:『助動詞wouldの意味:過去の習慣(よく〜したものだ、しょっちゅう〜していた)』『助動詞usedの意味:過去の習慣(昔はよく〜したものだ)』
will:依頼、お願い(〜してくれますか)
助動詞の意味:will(7)
↑
"will"が「依頼、お願い」を表わすときはたいてい"you"と一緒に使い、"Will you 〜?"と疑問文になります。
# Will you 〜?(〜してくれますか)【依頼、お願い】
【例文】:Will you send me some catalogue?
【和訳】:カタログを送ってくれますか。
見かけは「指示、指図」の"Will you 〜?"とまったく同じ構文です。どちらの意味になるかは、前後の文脈から判断します。
"would"や"could"を使うと、いっそう丁寧な表現になります→【参照】:『助動詞wouldの意味:丁寧な依頼、お願い(〜してもらえますか)』『could:丁寧な依頼、お願い(〜していただけますか)』
【例文】:Would you send me some catalogue?
【和訳】:カタログを送ってもらえますか。
【例文】:Could you send me some catalogue?
【和訳】:カタログを送っていただけませんか。
will:指示、指図(〜して下さい)
助動詞の意味:will(8)
↑
"will"が「指示、指図」を表わすときはたいてい"you"と一緒に使い、"Will you 〜?"と疑問文になります。「依頼、お願い」の意味よりは多少高圧的で、厳しい口調です。文尾は疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)を使うこともあります。
# Will you 〜?(〜して下さい)【指示、指図】
# Will you 〜!(〜して下さい)【指示、指図】
見かけは、「依頼、お願い」の"Will you 〜?"とまったく同じ構文です。どちらの意味になるかは、前後の文脈から判断します。
【例文】:Will you listen carefully?
【和訳】:注意して聞いて下さい。
【例文】:Will you listen carefully!
【和訳】:耳をかっぽじって聞きなさい。
will:命令、強制(〜しなさい)
助動詞の意味:will(9)
↑
"will"が「命令、強制」を表わすときはたいてい"you"を主語にして、"You will 〜 "となります。「指示、指図」の意味よりはかなり高圧的で、有無を言わさぬ言い方です。文尾はピリオド(.)の代わりに感嘆符(!)を使うこともあります。
# You will 〜.(〜しなさい)【命令、強制】
# You will 〜!(〜しなさい)【命令、強制】
【例文】:You will stop watching television and you will finish your meal.
【和訳】:テレビを見るのは止めて、早く御飯をすませなさい。
【例文】:You will stop watching television and you will finish your meal!
【和訳】:テレビはいいから、さっさと御飯をすませなさい。
will:物体の能力(〜できる)
助動詞の意味:will(10)
↑
"will"は人以外のものの能力や性能を表わします。たとえば、乗り物の収容可能な人数や建物の耐震性能など。"can"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞canの意味:現在の能力(〜できる)』
# 主語(人以外のもの) will 〜.(〜することができる、〜する能力がある)【能力、実力】
【例文】:The elevator will hold up to about twelve people.
(= The elevator can hold up to twelve people.)
【和訳】:このエレベーターにはおよそ十二人まで乗ることができる
【例文】:The new school buildings will withstand an earthquake of seismic intensity 7.
(= The new school buildings can withstand an earthquake of seismic intensity 7.)
【和訳】:新校舎は震度七の地震にも耐えることができます。
would:過去から見た未来(〜だろう)
助動詞の意味:would(1)
↑
"would"は過去の時点から見た未来を表わします。たいてい、that節などの中で時制の一致として使います→【参照】:『ゼロから始める時制:時制の一致』
【例文】:総理はすぐに辞任するだろうと思った。
【 × 】:I thought that the Prime Minister will resign very soon.
【 ○ 】:I thought that the Prime Minister would resign very soon.
→文全体の時制は過去なので"would"を使う
引用符("")のない会話表現でも、時制の一致で"will"の代わりに"would"を使うことがあります。
【例文】:予報官は来週も猛暑が続くでしょうと言った。
【 × 】:The forecaster said that heatwave will continue next week.
【 ○ 】:The forecaster said that heatwave would continue next week.
(= "Heatwave will continue next week," said the forecaster.)
→文全体の時制は過去なので"would"を使う
would:過去の意志(どうしても〜しようとしなかった)
助動詞の意味:would(2)
↑
"would"が「過去の意志」を表わすときはたいてい否定文で使い、「拒否、拒絶」を表わします。ニュアンスは「どうしても〜しようとしなかった、強情に〜することを拒んだ」です。
# would not 〜(どうしても〜しようとしなかった)【過去の意志】
【例文】:The man arrested would not talk about his accomplice.
【和訳】:逮捕された男は、共犯者について語ろうとはしなかった。
→「過去の意志」はたいてい否定文で使う
人間や動物以外に、車やびんなど「物の意志」を表わすこともあります。「物の意志」の場合もたいてい否定文で使い、ニュアンスは「どうしても〜しようとしなかった、やってみたけれどこちらの思う通りにはならなかった」です。
【例文】:The tap in the bath wouldn't turn on!
【和訳】:お風呂の水道の蛇口がどうしても回りませんでした。
現在の意志は"will"で表わします→【参照】:『助動詞willの意味:現在の意志』
would:過去の固執(どうしても〜しようとした、〜するといって聞かなかった)
助動詞の意味:would(3)
↑
"would"は「過去の固執、こだわり」を表わします。未来のことではなく、意地でもやりたがった過去の行動を表わします。ニュアンスは「どうしても〜しようとした、〜するといって聞かなかった」です。
【例文】:Our dog would go for a walk with my dad.
【 × 】:私たちの犬は私の父と散歩に行くだろう。
【 ○ 】:家の犬は必ず父と散歩に行った。
現在の「固執」は"will"で表わします→【参照】:『助動詞willの意味:現在の固執、こだわり(どうしても〜する、〜するといって聞かない)』
would:確信度が中くらいの現在の推量(〜だろう)
助動詞の意味:would(4)
↑
"would"は確信度が中くらいの推量を表わします。話し手の「現在の推量」を表現します。ニュアンスは「〜だろう、〜らしい」です。「would = 〜だっただろう」とは限りません→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
"would"自体は過去形ですが、意味は現在です。
【例文】:Now the watermelon would be chilled.
【 × 】:今そのスイカが冷やされただろう。
【 ○ 】:そろそろスイカが冷えているだろう。
→"would"は現在の推量を表わす
「確信度が中くらいの過去の推量」は「should + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『should + have + 過去分詞:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
【例文】:The watermelon should have been chilled.
【和訳】:そろそろスイカが冷えているはずだった。
→「should + have + been」は過去の推量を表わす
「would + have + 過去分詞」はもっぱら仮定法過去完了を表わします→【参照】:『「would + have + 過去分詞」:仮定法過去完了』
【例文】:If the watermelon had been chilled enough, we would have enjoyed it more.
【和訳】:スイカが充分に冷えていれば、もっとおいしかったのに。
→"would have enjoyed"は仮定法過去完了を表わす
would:過去の習慣(よく〜したものだ、しょっちゅう〜していた)
助動詞の意味:would(5)
↑
"would"は「過去の習慣」を表わします。今は違うが過去に繰り返し行なった動作を表わします。ニュアンスは「よく〜した、しょっちゅう〜していた」です。
【例文】:My father would drink two cans of low malt beer before dinner.
【 × 】:家の父は夕食前に発泡酒の二つの缶を飲んだだろう。
【 ○ 】:うちのオヤジは夕飯前に発泡酒を二缶よく飲んでいた。
→"would"は過去の習慣的動作を表わす
"used"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞usedの意味:過去の習慣(昔はよく〜したものだ)』
【例文】:My father used to drink two cans of low malt beer before dinner.
(= My father would drink two cans of low malt beer before dinner.)
【和訳】:うちのオヤジは夕飯前に発泡酒を二缶よく飲んでいた。
→"used"は過去の習慣的動作を表わす
"used"は過去の状態も表わすことができます。"would"は過去の状態を表わすことはできません。
【例文】:この建物はかつては市役所だった。
【 × 】:This building would be the city hall.
【 ○ 】:This building used to be the city hall.
→"be"(〜である)は状態を表わす、"would"は不可
現在の習慣は"will"で表わします→【参照】:『助動詞willの意味:現在の習慣(いつも〜する、しょっちゅう〜している)』
would:丁寧な依頼、お願い(〜してもらえますか)
助動詞の意味:would(6)
↑
"would"が「丁寧な依頼、お願い」を表わすときはたいてい"you"と一緒に使い、"Would you 〜?"と疑問文になります。
# Would you 〜?(〜してもらえますか)【丁寧な依頼、お願い】
【例文】:Would you take our picture?
【和訳】:写真を撮ってもらえますか。
【例文】の場合、"would"は「〜だったのだろうか」という過去ではなく、「〜してもらえますか」という現在を表わします。
現在形の"Will you 〜?"よりも、過去形を使う"Would you 〜?"のほうがいっそう丁寧な表現です→【参照】:『助動詞willの意味:依頼』
【例文】:Will you take our picture?
【和訳】:写真を撮ってくれますか。
【例文】:Would you take our picture?
【和訳】:写真を撮ってもらえますか。
→"Would you 〜?"のほうが丁寧な表現
"could"を使うといっそう丁寧な表現になります→【参照】:『could:丁寧な依頼、お願い(〜していただけますか)』
【例文】:Could you take our picture?
【和訳】:写真を撮っていただけませんか。
would:控え目な意見表明
助動詞の意味:would(7)
↑
"would"が一種の婉曲表現を表わすことがあります。自分の考えや希望を控え目に表現するときに使います。"would"が「もしよろしければ、もし可能であれば」という仮定のニュアンスを表わすので、多少控え目で丁寧なニュアンスを追加します。よく見かける表現をまとめます。
イギリス英語では"would"の代わりに"should"を使うことがあります。"should"を使うとやや堅苦しいニュアンスになります→【参照】:『助動詞shouldの意味:控え目な意見表明』
いずれの表現も"would"は過去ではなく、現在の「控え目な意見表明」を表わします。
【考え】を表わす動詞
助動詞の意味:would:控え目な意見表明(1)
↑
控え目な意見表明の"would"の場合、主語はたいてい一人称の"I"か"we"です。話し手の希望や考えを表わします。
# would say 〜(〜だと思われます), would imagine 〜(〜だと思われます), would think 〜(〜だと思われます)
【例文】:This year we were attacked by more typhoons than usual.
【和訳】:今年は例年よりも多くの台風が襲来した。
【例文】:I would say this year we were attacked by more typhoons than usual.
【和訳】:今年は例年よりも多くの台風が襲来したと思われます。
→"I would say"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:I imagine the complete restoration of the railroad will take about a year.
【和訳】:鉄道の完全復旧およそ一年は掛かると思います。
【例文】:I would imagine the complete restoration of the railroad will take about a year.
【和訳】:鉄道の完全復旧およそ一年は掛かるのではないかと思われます。
→"would imagine"のほうが控え目で丁寧な表現
【希望】を表わす動詞
助動詞の意味:would:控え目な意見表明(2)
↑
控え目な意見表明の"would"の場合、主語はたいてい一人称の"I"か"we"です。話し手の希望や考えを表わします。
# would like 〜(〜をもらえますか)
# would like to〜(〜をさせて下さい), would care to 〜(〜をさせて下さい), would love to〜(ぜひ〜をさせてもらいたいと思う)
# would care for 〜(〜を望みます), would hate to(〜することをあまり好まない)
"like, care, care for"は疑問文でも使えます。たいてい、二人称の"you"を使って質問相手の好き嫌いに配慮して「〜はどうですか、〜はいかがですか」と丁寧な勧誘を表わします。
【例文】:I want vanilla ice cream.
【和訳】:バニラアイスが欲しい。
【例文】:I would like vanilla ice cream.
【和訳】:バニラアイスを頂けますか。
→"would like"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:I want to join the beach cleaning volunteer activity.
【和訳】:海岸の清掃ボランティアに参加したい。
【例文】:I would like to join the beach cleaning volunteer activity.
【和訳】:よかったら海岸の清掃ボランティアに参加させて下さい。
→"would like"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:Do you want rice or bread?
【和訳】:御飯にしますかパンしますか。
【例文】:Would you like rice or bread?
【和訳】:御飯になさいますかパンになさいますか。
→"would like"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:I love to take an outdoor bath in a spa.
【和訳】:温泉地で露天風呂に入るのが大好きです。
【例文】:I'd love to take an outdoor bath in a spa.
(= I would love to take an outdoor bath in a spa.)
【和訳】:ぜひ温泉地で露天風呂に入らせていただきたいものです。
→"love to 〜"の意味は「〜することが好き」、"would love to 〜"の意味は「ぜひ〜したい」
"care"はたいてい疑問文や否定文で使います。疑問文では「〜はいかがでしょうか」という控え目な提案を表わします。否定文では「できれば〜は避けたい」という希望を表わします。
【例文】:Will you care for another coffee?
【和訳】:コーヒーのお替りはどうですか。
【例文】:Would you care for another coffee?
【和訳】:コーヒーのお替りはいかかでしょうか。
→"would you car for"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:I don't care to eat some oily food like pizza at breakfast.
【和訳】:朝からピザのような脂っこい食事は食べたくない。
【例文】:I wouldn't care to eat some oily food like pizza at breakfast.
【和訳】:できれば朝からピザのような脂っこい食事を取るのは控えたいと思います。
→"wouldn't care to"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:I hate to make a speech in front of many people.
【和訳】:大勢の人の前で話をするのは苦手です。
【例文】:I would hate to make a speech in front of many people.
【和訳】:大勢の人の前で話をするのはあまり得意ではありません。
→"would hate"のほうが控え目で丁寧な表現
would:仮定法過去(〜であるのに)
助動詞の意味:would(8)
↑
"would"は仮定法過去を表わします。現在の事実に反する仮定を表現します。ニュアンスは「(現実は違うけれどもし条件が満たされれば)〜であるのに」です→【参照】:『仮定法の三つの形:仮定法過去』
【例文】:What would happen to livning things on earth if there was no ozone layer?
【 × 】:もしオゾン層がなかったら、地球上の生物に何が起こったのだろう。
【 ○ 】:もしオゾン層がなかったら、地球上の生物はどうなるんだろう。
→現実にはオゾン層が存在する
仮定法過去は「今の現実はそうじゃないけれど」というニュアンスを含むので、和訳は「現在」になります。
would:仮定法過去完了(〜であったのに)
助動詞の意味:would(9)
↑
"would"は「would + have + 過去分詞」の形で仮定法過去完了を表わします。過去の事実に反する仮定を表現します。ニュアンスは「(現実はそうではなかったがもし条件が満たされていたら)〜であったのに」です→【参照】:『仮定法の三つの形:仮定法過去完了』
# would + have + 過去分詞(〜であったのに)【仮定法過去完了】
【例文】:If the helicopter hadn't found us, all of us would certainly have frozen to death.
【和訳】:ヘリコプターが見つけてくれなかったら、我々は全員間違いなく凍死していただろう。
→実際はヘリコプターに見つけてもらい全員が無事生還した
仮定法過去完了は「そんなことは実際には起こらなかったけれど」というニュアンスを含むので、和訳は「過去」になります。
"shall"はたいてい一人称の代名詞"I, we"と一緒に使い、"I shall 〜. We shall 〜. Shall I 〜? Shall we 〜?"の形になります。
shall:未来(〜だろう)
助動詞の意味:shall(1)
↑
「未来」を表わす"shall"はたいてい一人称の代名詞"I, we"と一緒に使います。やや堅苦しい言い方。"he, she, they, it"や固有名詞の人名などを主語に置くのは、通例不可。willを使うほうが普通です→【参照】:
『"shall"で表わす未来時制』
# I/we shall 〜.(〜するだろう、〜する)【未来】
【例文】:I shall return some day.
(= I will return some day.)
【和訳】:いつの日か、もどって来るだろう。
【例文】:We shall go to court the day after tomorrow.
(= We will go to court the day after tomorrow.)
【和訳】:明後日、私たちは裁判所へ出廷します。
shall:決意(きっと〜する、必ず〜してみせる)
助動詞の意味:shall(2)
↑
「決意」を表わす"shall"はたいてい話し手の決意を表わすので、一人称の代名詞"I, we"と一緒に使います。やや堅苦しい言い方。"he, she, they, it"や固有名詞の人名などを主語に置くのは、通例不可。
# I/we shall 〜.(きっと〜する、必ず〜してみせる)【決意】
【例文】:I shall return some day.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:いつの日か、きっともどって来ます。
【例文】:We shall go to court the day after tomorrow.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:明後日、私たちは裁判所へ必ず出廷します。
shall:お誘い(みんなで〜しませんか)
助動詞の意味:shall(3)
↑
「お誘い」を表わす"shall"はたいてい疑問文で"Shall we 〜?"の形で使います。意味は「話し手を含めてみんなで〜しませんか」です。"you, he, she, they, it"や固有名詞の人名などを主語に置くのは、通例不可。
# Shall we 〜?(みんなで〜しませんか)【お誘い】
【例文】:Shall we go to karaoke?
【和訳】:みんなでカラオケに行きませんか。
shall:申し出(私が〜しましょうか)
助動詞の意味:shall(4)
↑
「申し出」を表わす"shall"はたいてい疑問文で"Shall I 〜?"の形で使います。意味は「私が〜しましょうか」です。"you, he, she, they, it"や固有名詞の人名などを主語に置くのは、通例不可。
# Shall I 〜?(私が〜しましょうか)【申し出】
【例文】:Shall I take your picture?
【和訳】:私が写真を撮りましょうか。
shall:相談(〜しようか)
助動詞の意味:shall(5)
↑
「相談」を表わす"shall"はたいてい疑問詞の"what, when, where, how"を含む疑問文で使います。特に、相手から指示やアドバイスが欲しいときに使います。
# What/When/Where/How shall I/we 〜?(何を/いつ/どこで/どうやって〜しましょうか)【相談】
【例文】:I've lost my cell phone. What shall I do?
【和訳】:携帯電話を失くしてしまった。どうしよう。
→「もう一度捜そう」などのアドバイスを期待している
【例文】:When shall I phone you?
【和訳】:いつ電話したらいいですか。
→「夜の七時に」のような指示を待っている
【例文】:Where shall we clean next?
【和訳】:次はどこを掃除しましょうか。
→「次は理科室だ」のような指示を待っている
【例文】:How shall I stop oversleeping?
【和訳】:どうやったら朝寝坊から脱却できるんでしょうか。
→寝過ごし防止の具体的なアドバイスを期待している
shall:話し手の意志(主語に対して話し手が〜してやる、〜させる)
助動詞の意味:shall(6)
↑
"shall"の主語が二人称の"you"や三人称の"he, she, they, it"の場合、「話し手」が「主語」に対して「〜してやる、〜させる」という意味を表わすことがあります。やや古めかしい言い方で、現在ではあまり使いません。
# You/He/She/They/It shall 〜:主語に対して話し手が〜してやる、〜させる【話し手の意志】
【例文】:You shall have a new cell phone.[※やや古めかしい言い方]
(= I'll buy you a new cell phone.)
【 × 】:あなたは新しい携帯電話を持つだろう。
【 ○ 】:新しい携帯は私が買ってあげるよ。
【例文】の中にはどこにも「私」("I")という単語は存在しません。しかし、"shall"が「話し手」つまり「私」の意味を自動的に表わすので、「私があなたに対して〜する」の意味になります。
【例文】:You shall not marry my daughter.[※やや古めかしい言い方]
(= I will never allow you to marry my daughter.)
【 × 】:あなたは私の娘と結婚はしないだろう。
【 ○ 】:お前なんかに娘は絶対に嫁にやらん。
【例文】の中にはどこにも「私」("I")という単語は存在しません。しかし、"shall"が「話し手」つまり「娘の父親」の意味を自動的に表わすので、「父親が娘の彼氏に対して〜する」の意味になります。
should:過去から見た未来(〜だろう)
助動詞の意味:should(1)
↑
"should"は過去の時点から見た未来を表わします。たいてい、主語は一人称の"I"や"we"です。引用符("")なしの会話表現やthat節などの中で時制の一致として使います。"would"と比べるとやや堅苦しい表現。"would"を使うほうが普通です。
【例文】:明日は家にいますと私は言った。
【 × 】:I said that I shall be at home the next day.
【 ○ 】:I said that I should be at home the next day.[※やや堅苦しい言い方]
(= I said that I would be at home the next day.)
(= I said, "I shall be at home tomorrow.")
→時制は過去なので時制の一致で"should"を使う
【例文】:昼前には目的地に着くと思った。
【 × 】:I thought that I shall reach our destination before noon.
【 ○ 】:I thought that I should reach our destination before noon.[※やや堅苦しい表現]
(= I thought that I would reach our destination before noon.)
→時制は過去なので時制の一致で"should"を使う
should:義務(〜すべきだ)
助動詞の意味:should(2)
↑
"should"は「義務」を表わします。ニュアンスは「〜すべき、〜しなければならない」です。
【例文】:We should drink enough water to avoid dehydration while working outdoors.
【和訳】:屋外で活動する際は、脱水症状にならないように水分を充分に摂るべきだ。
"ought"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞の意味:ought』
【例文】:We ought to drink enough water to avoid dehydration while working outdoors.
(= We should drink enough water to avoid dehydration while working outdoors.)
【和訳】:屋外で活動する際は、脱水症状にならないように水分を充分に摂るべきだ。
should:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)
助動詞の意味:should(3)
↑
"should"は確信度が中くらいの推量を表わします。「現在の物事に対する話し手の推量」を表現します。「should = 〜すべきだ」とは限りません→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
"should"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。ニュアンスは「〜だろう、〜のはずだ」です。"should"は特に、こうなって欲しいという「期待」のニュアンスを強調します。
【例文】:It should stop snowing soon.
【 × 】:すぐに雪は止むべきだ
【 ○ 】:じきに雪は止むでしょう。
→"should"は現在の推量を表わす、話し手は雪が止むことを望んでいる
"ought"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞oughtの意味:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)』
【例文】:It ought to stop snowing soon.
(= It should stop snowing soon.)
【和訳】:じきに雪は止むでしょう。
→"ought"は現在の推量を表わす、話し手は雪が止むことを望んでいる
「確信度が中くらいの過去の推量」は「should + have + 過去分詞」や「ought to + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』『助動詞oughtの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
should:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)
助動詞の意味:should(4)
↑
"should"は「should + have + 過去分詞」の形で確信度が中くらいの推量を表わします。「過去の物事に対する話し手の推量」を表現します→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:過去の物事に対する話し手の推量、確信』
# should + have + 過去分詞:過去の推量(〜だったはずだ)【確信度が中くらいの過去の推量】
「could + have + 過去分詞」や「might + have + 過去分詞」と比べると確信度がかなり高く、自信がそこそこあることを表わします→【参照】:『助動詞couldの意味:確信度がかなり低い過去の推量(ひょっとして〜したかもしれない)』『助動詞mayの意味:確信度が低い過去の推量(〜したかもしれない)』
【例文】:The whole class should have got perfect score in math.
【和訳】:クラス全員が数学のテストで満点を取ったはずだ。
→"should have got"は確信度が中くらいの過去の推量を表わす
「ought to + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞oughtの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
【例文】:The whole class ought to have got perfect score in math.
(= The whole class should have got perfect score in math.)
【和訳】:クラス全員が数学のテストで満点を取ったはずだ。
→"ought to have got"は確信度が中くらいの過去の推量を表わす
「should + have + 過去分詞」や「ought to + have + 過去分詞」は実現しなかった過去の物事を表わすこともあります→【参照】:『助動詞shouldの意味:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)』『助動詞oughtの意味:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)』
「確信度が中くらいの現在の推量」は単独の"should"や"ought"を使います→【参照】:『should: 確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)』『ought: 確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)』
should:控え目な意見表明
助動詞の意味:should(5)
↑
イギリス英語では"should"が一種の婉曲表現を表わすことがあります。やや堅苦しい表現です。自分の考えや希望を控え目に表現するときに使います。"should"が「もしよろしければ、もし可能であれば」という仮定のニュアンスを表わすので、多少控え目で丁寧なニュアンスを追加します。よく見かける表現をまとめます。
アメリカ英語では"should"の代わりに"would"を使います→【参照】:『助動詞wouldの意味:控え目な意見表明』
控え目な意見表明の"should"の場合、主語はたいてい一人称の"I"か"we"です。話し手の希望や考えを表わします。
いずれの表現も"should"は過去ではなく、現在の「控え目な意見表明」を表わします。
【例文】:Microplastics come from not only straws but also bottles and bags made from plastic.
【和訳】:マイクロプラスチックはストローだけでなくペットボトルやレジ袋からも発生します。
【例文】:I'd say microplastics come from not only straws but also bottles and bags made from plastic.
【和訳】:マイクロプラスチックはストローだけでなくペットボトルやレジ袋からも発生すると思われます。
→"I'd say (= I should say)"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:I imagine that typhoon will bring torrential rain.
【和訳】:台風は激しい大雨をもたらすのではないかと予想します。
【例文】:I should imagine that typhoon will bring torrential rain.
【和訳】:台風は激しい大雨をもたらすのではないかと予想されます。
→"I should imagine"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:I want a pair of chopsticks.
【和訳】:箸が欲しい。
【例文】:I should like a pair of chopsticks.
【和訳】:お箸をもらえますか。
→"I should like"のほうが控え目で丁寧な表現
【例文】:We want offer a warm welcome to all the new students.
【和訳】:新入生のみんなを心から歓迎したい。
【例文】:We should like to offer a warm welcome to all the new students.
【和訳】:新入生のみなさんを心から歓迎させていただきたいと思います。
→"we should like"のほうが控え目で丁寧な表現
should:万が一の条件(万が一〜したら)
助動詞の意味:should(6)
↑
"should"はif文で「たぶんそうはならんだろうな」という話し手の気持ちを表わします。実現の可能性がかなり低い「未来」を指します。ニュアンスは「万が一〜したら」です。
# 【万が一の条件】:if 主語 + should + 〜(万が一主語が〜したら)
【例文】:If you should find something wrong with the product, please contact us by phone.
【和訳】:万が一製品に不具合がありましたら、電話でご連絡下さい。
→"should"は実現の可能性がかなり低い「未来」を表わす
should:仮定法過去(〜であるのに)
助動詞の意味:should(7)
↑
"should"は仮定法過去を表わします。現在の事実に反する仮定を表現します。意味的には"would"との違いはほとんどありません。ニュアンスは「(現実は違うけれどもし条件が満たされれば)〜であるのに」です→【参照】:『仮定法の三つの形:仮定法過去』
【例文】:If I were an alien from another planet, I should not live in Earth.
(= If I were an alien from another planet, I would not live in Earth.)
【 × 】:もし私が異星人だったら、私は地球には住むべきではない。
【 ○ 】:もし私が異星人だったら、地球には住まないだろう。
→現実は私は異星人ではない
仮定法過去は「今の現実はそうじゃないけれど」というニュアンスを含むので、和訳は「現在」になります。「should = 〜すべきだ」とは限りません。
should:仮定法過去完了(〜であったのに)
助動詞の意味:should(8)
↑
"should"は「should + have + 過去分詞」の形で仮定法過去完了を表わします。過去の事実に反する仮定を意味します。意味的には"would"との違いはほとんどありません。ニュアンスは「(現実はそうではなかったがもし条件が満たされていたら)〜であったのに」です→【参照】:『仮定法の三つの形:仮定法過去完了』
# should + have + 過去分詞(〜であったのに)【仮定法過去完了】
【例文】:If I had not changed my flight, I should have involved in the plane accident.
【 × 】:もし、乗る飛行機を替えていなかったら、飛行機事故に巻き込まれるべきだった。
【 ○ 】:もし、乗る飛行機を替えていなかったら、飛行機事故に巻き込まれていただろう。
→実際は乗る飛行機を変更して事故を免れた
仮定法過去完了は「そんなことは実際には起こらなかったけれど」というニュアンスを含むので、和訳は「過去」になります。「should = 〜すべきだ」とは限りません。
should:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)
助動詞の意味:should(9)
↑
"should"は「should + have + 過去分詞」の形で実現しなかった過去の物事を表わします。ニュアンスは「〜すべきだったのに」です。
# should + have + 過去分詞(〜すべきだった)【実現しなかった過去の物事】
【例文】:We should have reinforced the tide embankment earlier.
【和訳】:もっと早い時期に防潮堤を補強しておくべきでした。
→実際は補強していなかった
やるべきことをやらなかった手落ちや怠慢を責めるニュアンスを表わすことがあります。
【例文】:The government should have done adequate seismic retrofitting of historic buildings.
【和訳】:政府は歴史的建築物に対して適切な耐震化工事をすませておくべきだったのだ。
→"should have done"は非難を表わす
「ought to + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞の意味:ought to + have + 過去分詞:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)』
【例文】:We ought to have reinforced the tide embankment earlier.
【和訳】:もっと早い時期に防潮堤を補強しておくべきでした。
(= We should have reinforced the tide embankment earlier.)
【例文】:The government ought to have done adequate seismic retrofitting of historic buildings.
(= The government should have done adequate seismic retrofitting of historic buildings.)
【和訳】:政府は歴史的建築物に対して適切な耐震化工事をすませておくべきだったのだ。
「should + have + 過去分詞」や「ought to + have + 過去分詞」は「確信度が中くらいの過去の推量」を表わすこともあります→【参照】:『助動詞oughtの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
should:提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望みを表わすthat節
助動詞の意味:should(10)
↑
「提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望み」などの意味を表わす動詞や形容詞がthat節を従えるとき、that節の中で"should"を使うことがあります。that節の内容が事実をそのまま述べるのではなく、「〜してはどうか」「〜することが重要だ」という将来の話なので、"should"でこれからの話であることを表現します。
【提案】
助動詞の意味:should:提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望みを表わすthat節(1)
↑
「〜しましょう、〜したらどうですか」など「提案」の意味を持つ動詞(suggest, propose, advise, recommend, etc)の場合、後に続くthat節の中で"should"を使うことがあります。"should"が「これから〜しよう」というニュアンスを表わします。
# 主語 + suggest + that + 主語 + should + 〜
【例文】:もう三十分、先生を待つことを提案した。
【 × 】:I suggested that we waited for our teacher another half an hour.
【 ○ 】:I suggested that we should wait for our teacher another half an hour.[※イギリス英語]
【 ○ 】:I suggested that we wait for our teacher another half an hour.[※アメリカ英語]
通例、"should"を使うのはイギリス英語です。アメリカ英語では動詞の原形を使います。【例文】の場合、時制が過去でも"waited"は普通使いません。
「提案」の意味の場合、"should"は特に和訳する必要はありません。「義務」の意味と間違えて「〜するべきだ」と和訳すると、文全体の意味が不自然になります。
【要求】
助動詞の意味:should:提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望みを表わすthat節(2)
↑
「〜してくれませんか、〜して下さい」など「要求」の意味を持つ動詞(ask, beg, demand, desire, insist, request, require, etc)の場合、後に続くthat節の中で"should"を使うことがあります。"should"が「〜してくれませんか」というニュアンスを表わします。
# 主語 + ask + that + 主語 + should + 〜
【例文】:難民たちは一刻も早く入国を認めるよう求めた。
【 × 】:The refugees asked that they were permitted to enter the country as soon as possible.
【 ○ 】:The refugees asked that they should be permitted to enter the country as soon as possible.[※イギリス英語]
【 ○ 】:The refugees asked that they be permitted to enter the country as soon as possible.[※アメリカ英語]
通例、"should"を使うのはイギリス英語です。アメリカ英語では動詞の原形を使います。【例文】の場合、時制が過去でも"were"は普通使いません。
「要求」の意味の場合、"should"は特に和訳する必要はありません。「義務」の意味と間違えて「〜するべきだ」と和訳すると、文全体の意味が不自然になります。
【決定】
助動詞の意味:should:提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望みを表わすthat節(3)
↑
「〜することにしましょう、〜することを決定します」など「決定」の意味を持つ動詞(decide, resolve, etc)の場合、後に続くthat節の中で"should"を使うことがあります。"should"が「〜することにしましょう」というニュアンスを表わします。
shouldを使うのはたいてい仮主語の"it"を使う受動態の場合です→【参照】:『仮主語"it"を使う主な他動詞(受動態で使うもの)【決定】:decide(〜だと決める, resolve(〜だと決定する)』
# It is decided + that + 主語 + should + 〜
【例文】:光化学スモッグ警報発令のため運動会は延期されることが決定しました。
【 ○ 】:It has been decided that the field day will be postponed because a photochemical smog warning was issued.
【 ○ 】:It has been decided that the field day should be postponed because a photochemical smog warning was issued.[※イギリス英語]
【 ○ 】:It has been decided that the field day be postponed because a photochemical smog warning was issued.[※アメリカ英語]
通例、"should"を使うのはイギリス英語です。アメリカ英語では動詞の原形を使います。【例文】の場合、"should be"や"be"ではなく"will be"を使うこともあります。
「決定」の意味の場合、"should"は特に和訳する必要はありません。「義務」の意味と間違えて「〜するべきだ」と和訳すると、文全体の意味が不自然になります。
【意図】
助動詞の意味:should:提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望みを表わすthat節(4)
↑
「〜するつもりだ、意図的に〜する」など「意図」の意味を持つ動詞(intend, etc)の場合、後に続くthat節の中で"should"を使うことがあります。"should"が「〜するつもりだ」というニュアンスを表わします。
shouldを使うのはたいてい仮主語の"it"を使う受動態の場合です→【参照】:『仮主語"it"を使う主な他動詞(受動態で使うもの)【意図】:intend(〜であるつもりだ)』
# It is intended + that + 主語 + should + 〜
【例文】:ダムの放水は意図的なものだった。
【 ○ 】:It was intended the dam would release its water.
【 ○ 】:It was intended the dam should release its water.[※イギリス英語]
【 ○ 】:It was intended the dam release its water.[※アメリカ英語]
通例、"should"を使うのはイギリス英語です。アメリカ英語では動詞の原形を使います。【例文】の場合、"should release"や"release"ではなく、"would release"を使うこともあります。
「意図」の意味の場合、"should"は特に和訳する必要はありません。「義務」の意味と間違えて「〜するべきだ」と和訳すると、文全体の意味が不自然になります。
【重要性】
助動詞の意味:should:提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望みを表わすthat節(5)
↑
「〜は重要である」という「重要性」の意味を持つ形容詞(important, necessary, better, best, desirable, etc)の場合、後に続くthat節の中で"should"を使うことがあります。やや堅苦しい表現です。
# it is important + that + 主語 + should + 〜[※やや堅苦しい言い方]
【例文】:地震発生時に各個人で何をすべきか熟知していることが重要です。
【 ○ 】:It is important that each person fully knows what to do when an earthquake strikes.
【 ○ 】:It is important that each person fully should know what to do when an earthquake strikes.[※イギリス英語]
【 ○ 】:It is important that each person fully know what to do when an earthquake strikes.[※アメリカ英語]
通例、"should"を使うのはイギリス英語です。アメリカ英語では動詞の原形を使います。
「重要性」の意味の場合、"should"は特に和訳する必要はありません。「義務」の意味と間違えて「〜するべきだ」と和訳すると、文全体の意味が不自然になります。
【不可欠】
助動詞の意味:should:提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望みを表わすthat節(6)
↑
「〜は不可欠である」という「不可欠」の意味を持つ形容詞(essential, vital, urgent, etc)の場合、後に続くthat節の中で"should"を使うことがあります。やや堅苦しい表現です。
# it is essential + that + 主語 + should + 〜[※やや堅苦しい言い方]
【例文】:リハビリは資格を持った専門家の監督下で行うことがなによりも重要です。
【 ○ 】:It is essential that rehabilitation is performed under the supervision of a qualified professional.
【 ○ 】:It is essential that rehabilitation should be performed under the supervision of a qualified professional.[※イギリス英語]
【 ○ 】:It is essential that rehabilitation be performed under the supervision of a qualified professional.[※アメリカ英語]
通例、"should"を使うのはイギリス英語です。アメリカ英語では動詞の原形を使います。
「不可欠」の意味の場合、"should"は特に和訳する必要はありません。「義務」の意味と間違えて「〜するべきだ」と和訳すると、文全体の意味が不自然になります。
【望み】
助動詞の意味:should:提案、要求、決定、意図、重要性、不可欠、望みを表わすthat節(7)
↑
「望み、希望」を表わす形容詞(anxious, eager, keen, etc)の場合、後に続くthat節の中で"should"を使うことがあります。やや堅苦しい表現です。
# 主語 + be動詞 + anxious + that + 主語 + should + 〜[※やや堅苦しい言い方]
【例文】:学生たちは返済が不要な奨学金の導入を強く望んだ。
【 ○ 】:The students were very anxious that scholarships which didn't have to be repaid were introduced.
【 ○ 】:The students were very anxious that scholarships which didn't have to be repaid should be introduced.[※イギリス英語]
【 ○ 】:The students were very anxious that scholarships which didn't have to be repaid be introduced.[※アメリカ英語]
通例、"should"を使うのはイギリス英語です。アメリカ英語では動詞の原形を使います。
「望み」の意味の場合、"should"は特に和訳する必要はありません。「義務」の意味と間違えて「〜するべきだ」と和訳すると、文全体の意味が不自然になります。
should:驚き、怒り、喜びなどを表わすthat節
助動詞の意味:should(11)
↑
「驚き、怒り、喜び」などの感情を表わす動詞、名詞、形容詞がthat節を従えるとき、that節の中で"should"を使うことがあります。"should"を使うと、話し手がthat節の内容に対して驚きや喜びを感じたことを強調します。"should"の和訳は「〜するとは、〜するなんて」などを当てます。
感情を表わす"should"はwhat節やhow節でも使うことがあります→【参照】:『助動詞shouldの意味:驚き、不満、怒りなどを表わすwho/what/why/how節』
that節の内容がすでに発生した過去の出来事であることを明確にするために「should + have + 動詞の過去分詞形」を使うことがあります。
動詞
助動詞の意味:should:驚き、怒り、喜びなどを表わすthat節(1)
↑
感情を表わす動詞の"amaze, astonish, surprise(〜を驚かせる)、concern, worry(〜を心配させる)、puzzle(〜をまごつかせる)"はthat節を従えるとき、that節内に感情を表わす"should"を使うことがあります。
# 主語 + 感情を表わす動詞 + that + 主語 + should + 〜
【例文】:It amazes me that Lucy should change schools.
【和訳】:ルーシーが転校してしまうなんてびっくりした。
→"should"は驚きを表わす
【例文】:It puzzles us that the ceasefire agreement should be broken.
(= It puzzles us that the ceasefire agreement should have been broken.)
【和訳】:停戦合意が破棄されたなんて理解に苦しみます。
→"should"は困惑を表わす
【例文】:I was surprised that your house should be damaged by the flood.
(= I was surprised that your house should have been damaged by the flood.)
【和訳】:あなたの家が洪水の被害に遭ったとはびっくりしました。
→"should"は驚きを表わす
【例文】:It really worries me that heatwave should make an impact on our health and crop growth.
【和訳】:猛暑が人の健康や作物の成長に及ぼす影響がひどく不安だ。
→"should"は不安を表わす
名詞
助動詞の意味:should:驚き、怒り、喜びなどを表わすthat節(2)
↑
感情を表わす名詞の"marvel(すばらしいこと), pity, shame(残念)"はthat節を従えるとき、that節内に感情を表わす"should"を使うことがあります。
# it + be動詞 + a + 感情を表わす名詞 + that + 主語 + should + 〜
【例文】:It is a marvel that the bridge should resist the tornado.
(= It is a marvel that the bridge should have resisted the tornado.)
【和訳】:この橋があの竜巻に耐え切れたとは驚異的なことです。
→"should"は賞賛を表わす
【例文】:It is a pity that the player should retire due to injury.
【和訳】:選手がけがのために引退してしまうとは残念だ。
→"should"は残念を表わす
【例文】:It is a great shame that the vegetables in the field should be ruined by drought.
(= It is a great shame that the vegetables in the field should have been ruined by drought.)
【和訳】:日照りで畑の野菜が全滅してしまったとは残念至極だ。
→"should"は残念を表わす
形容詞
助動詞の意味:should:驚き、怒り、喜びなどを表わすthat節(3)
↑
感情を表わす形容詞の"fortunate, lucky(幸いな)、right, natural(当然の)、odd, strange(奇妙な)、sad, sorry(残念な)"はthat節を従えるとき、that節内に感情を表わす"should"を使うことがあります。
# it + be動詞 + 感情を表わす形容詞 + that + 主語 + should + 〜
【例文】:It is fortunate for me that the school should be closed because of the typhoon.
【和訳】:台風のため休校になってしまうのは私にとっては好都合だ。
→"should"は好都合を表わす
【例文】:It is only natural that you should worry about what your children do online.
【和訳】:あなたの子供がネットで何をしているのか気にかけるのはごく当り前のことです。
→"should"は当然を表わす
【例文】:It is extremely strange that you should have no appetite.
【和訳】:あなたに食欲がないなんてすこぶる変だよ。
→"should"は不思議を表わす
【例文】:It is very sad that my bike should get stolen from the bike parking lot at the station.
(= It is very sad that my bike should have got stolen from the bike parking lot at the station.)
【和訳】:駅の駐輪場に停めていたのに自転車を盗まれてしまったのが本当に悲しい。
→"should"は悲嘆を表わす
should:驚き、不満、怒りなどを表わすwho/what/why/how節
助動詞の意味:should(12)
↑
疑問詞の"who, what, why, how"が作る節の中に"should"を置いて驚き、不満、怒りなどの感情を強調することがあります。平叙文や疑問文で使います。
感情を表わす"should"はthat節でも使うことがあります→【参照】:『助動詞shouldの意味:驚き、怒り、喜びなどを表わすthat節』
【例文】:I don't understand what you should complain about.
【和訳】:何が不満なのかさっぱりわからんな。
→"should"はイライラを表わす
【例文】:Why should we give financial aid to that country? They won't give up developing nuclear weapons.
【和訳】:なぜあの国に財政支援をしなければならないのか。あの国は核兵器の開発を止めようとはしないぞ。
→"should"は怒りを表わす
【例文】:Do you know where I put my smartphone?
【和訳】:父さんのスマホ、どこに置いたか知らないか。
【例文】:How should I know!
【和訳】:私が知るわけないでしょ。
→"should"はイライラを表わす
感情を表わす"should"は反語(修辞疑問)を表わす"who"や"what"と一緒に使って、感情をさらに強調することがあります。文末の句読点は疑問符(?)の代わりによく感嘆符(!)を使います。
【例文】:When I went to a certain restaurant, who should I see but the ex-president eating parfait with his wife!
【和訳】:あるレストランに行ったらなんと前の大統領が奥さんとパフェを食べていたよ。
→"should"は意外を表わす
【例文】の直訳は「ある有名レストランに行ったら、奥さんとパフェを食べている前の大統領以外のいったい誰を私が見たのか(前大統領以外の何者でもない) 」です。"who"は反語(修辞疑問)を表わします。"but"は前置詞、意味は「〜以外の」です。
【例文】:The other day I was swimming in the sea when what should I see but a dog surfing!
【和訳】:先日海で泳いでいたらなんとサーフィンをする犬に出くわした。
→"should"は驚きを表わす
【例文】の直訳は「先日海で泳いでいたら、サーフィンをする犬以外のいったい何を私は見たのか(サーフィンをする犬以外の何ものでもない)」です。"what"は反語(修辞疑問)を表わします。"but"は前置詞、意味は「〜以外の」です。
must:強い必要性(〜しなければならない)
助動詞の意味:must(1)
↑
"must"は「強い必要性」を表わします。
【例文】:You must stop the engine when you put gas in your car.
【和訳】:車に給油するときはエンジンを切らなければならない。
否定文の"must not"は「禁止、不許可」を表わします。ニュアンスは「〜してはいけない、〜は禁止だ」です。
【例文】:You must not start the engine while you putting gas in your car.
【和訳】:給油中に車のエンジンをかけてはいけない。
「〜することは必要ない、〜するのは不要だ」は、"need not", "do not need to", "don't have to"で表わします→【参照】:『助動詞の意味:need』
【例文】:You need not start the engine when you put gas in your car.
→"need"は助動詞
【例文】:You don't need to start the engine when you put gas in your car.
→"need"は動詞
【例文】:You don't have to start the engine when you put gas in your car.
【和訳】:車に給油するときにエンジンをかける必要はありません。
"must"には過去形が存在しないので、過去の強い必要性「〜しなければならなかった」は"had to"を使います。
【例文】:仮設住宅を早急に建設しなければならなかった。
【 × 】:Temporary housing must be constructed quickly.
【 ○ 】:Temporary housing had to be constructed quickly.
→"must"ではなく"had to"を使う
must:現在の確信(〜にちがいない)
助動詞の意味:must(2)
↑
"must"は話し手の「現在の確信」を表わします。ニュアンスは「〜にちがいない、〜のはずだ、きっと〜だ」です→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
【例文】:Vampires must be immortal.
【和訳】:吸血鬼は不死にちがいない。
→"must"は現在の確信を表わす
"will"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『will: 現在の確信(きっと〜だろう)』
【例文】:Vampires will be immortal.
(= Vampires must be immortal.)
【和訳】:吸血鬼はきっと不死だろう。
→"will"は現在の確信を表わす
「過去の確信」は「must + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『「must + have + 過去分詞」:過去の確信(〜したにちがいない)』
【例文】:Vampires must have been immortal.
【和訳】:吸血鬼は不死だったにちがいない。
→「must + have + been」は過去の確信を表わす
must:過去の確信(〜したにちがいない)
助動詞の意味:must(3)
↑
"must"は「must + have + 過去分詞」の形で「過去の確信」を表わします。ニュアンスは「〜したにちがいない、〜だったはずだ」です→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:過去の物事に対する話し手の推量、確信』
# must + have + 過去分詞:過去の確信(〜したにちがいない)【過去の確信】
【例文】:The meltdown must have occurred in the reactor.
【和訳】:原子炉内でメルトダウン(炉心溶融)が発生したにちがいない。
→"must have occurred"は過去の確信を表わす
「現在の確信」は単独の"must"や"will"を使います→【参照】:『must: 現在の確信(〜にちがいない)』『will: 現在の確信(きっと〜だろう)』
【例文】:The meltdown must occur in the reactor.
【例文】:The meltdown will occur in the reactor.
【和訳】:原子炉内でメルトダウン(炉心溶融)が発生しているにちがいない。
→"must occur"と"will occur"は現在の確信を表わす
「過去の強い必要性(〜しなければならなかった)」は"had to 〜"を使います。"must"には過去形がありません。
【例文】:スマートフォンの電池が切れかかっていたので、充電しなければならなかった。
【 × 】:Since my smartphone's battery was nearly drained, I must recharge it.
【 ○ 】:Since my smartphone's battery was nearly drained, I had to recharge it.
→「過去の強い必要性」は"had to"を使う
must:提案(〜してみて下さい、〜はどうですか)
助動詞の意味:must(4)
↑
"must"は「提案、お薦め」を表わします。ニュアンスは「〜してみませんか、〜はどうですか」です。たいてい、話し手が良かれと思ったことを相手に勧めるときに使います。
和訳は「〜しなければならない」よりも、「〜してみて下さい、〜はどうですか、〜しましょう」が適切です。
【例文】:You must try this fish. It looks weird but is really delicious.
【 × 】:あなたはこの魚を食べなければならない。見かけは奇妙だけれども、本当においしいですよ。
【 ○ 】:この魚を食べてごらんなさい。見かけは気持ち悪いけど、本当に美味ですよ。
【例文】:We must meet next Sunday and play the shooting video game.
【 × 】:私たちは次の日曜日に会わなければならない。そして、シューティングのビデオゲームをする。
【 ○ 】:次の日曜日に会いましょう。そして、一緒にシューティングのゲームをしましょう。
must:皮肉(〜する必要があるのか)
助動詞の意味:must(5)
↑
"must"は「皮肉、嫌味」を表わします。たいてい疑問文で使います。ニュアンスは「どうしても〜しなければならないのか(〜しなくてもいいだろうに)」です。問いかけの裏には「そんなことは止めてくれ」という嫌悪や不快感があります。
【例文】:Must you slurp noodles like that?
【和訳】:そんなにズルズルと音を立てて麺を食べなきゃいけないのか。
→"must"は皮肉を表わす、「音を立てずに食べてくれ」という裏の意味がある
【例文】:Why must you always mess things up?
【和訳】:どうしていつも散らかしっぱなしにしなければならないの。
→"must"は皮肉を表わす、「きちんと片づけなさいよ」という裏の意味がある
can:現在の能力(〜できる)
助動詞の意味:can(1)
↑
"can"は「人や動物の現在の能力」を表わします。生まれつき持っている能力でも、あとから身につけた技術や技巧などの能力でも表現可能です。
【例文】:I can pilot a light aircraft.
【和訳】:軽飛行機を操縦することができます。
→"can"は身につけた技術を表わす
【例文】:Flying fish can fly 200 meters or more.
【和訳】:トビウオは二百メートル以上も飛ぶことができる。
→"can"は生来の能力を表わす
"be able to"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I am able to pilot a light aircraft.
(= I can pilot a light aircraft.)
【和訳】:軽飛行機を操縦することができます。
【例文】:Flying fish is able to fly 200 meters or more.
(= Flying fish can fly 200 meters or more.)
【和訳】:トビウオは二百メートル以上も飛ぶことができる。
人以外の物体の能力や性能を表わすときは"will"も使えます→【参照】:『助動詞willの意味:物体の能力(〜できる)』
【例文】:The van will seat up to eight people.
(= The van can seat up to eight people.)
【和訳】:このワゴンは八人まで乗ることができる。
→"will"は物体の能力や性能を表わす
「過去の能力」は"could"を使います。"was/were able to 〜"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I could speak both French and German when I was a collge student.
(= I was able to speak both French and German when I was a collge student.)
【和訳】:大学生のころは、フランス語もドイツ語も話すことができた。
can:現在の可能(〜できる)
助動詞の意味:can(2)
↑
"can"は現在の「可能」を表わします。ニュアンスは「状況から判断して〜をすることは可能である、理論的に考えて〜することができる」です。何かができる能力があるのかないのかではなく、その時の状況から判断して物事や動作が実現可能であることを表わします。
【例文】:You could withdraw your money at any time from an ATM in the convenience store.
【和訳】:コンビのATMでいつでもお金を下ろすことができます。
→"could"は「お金を下ろすことが可能」を表わす
【例文】:The meeting could wait. I have to eat lunch.
【和訳】:会議は後回しでいい。昼御飯を食べないと。
→"could"は「後回しにすることが可能」を表わす
can:現在の傾向(〜はありうる)
助動詞の意味:can(3)
↑
"can"は「現在の傾向」を表わします。ニュアンスは「ある物事をきっかけに何かが起る場合がある」です。そういうことがときどき起こるという一般論を表わします。たいてい、あまり好ましくない出来事が起こってしまうことを表現します。
【例文】:Too much exposure to ultraviolet can cause damage to the human body.
【和訳】:必要以上に長い時間紫外線を浴びることは人体にダメージを与える可能性があります。
→"can"は「傾向としてダメージが発生する可能性が存在すること」を表わす
【例文】:How high blood pressure can lead to heart failure.
【和訳】:高血圧は心不全につながる可能性がある。
→"can"は「傾向として心不全が発生する可能性が存在すること」を表わす
「過去の傾向」は"could"を使います→【参照】:『助動詞couldの意味:過去の傾向(〜はありえた)』
can:過去の否定の可能性(〜したのはありえない)
助動詞の意味:can(4)
↑
"can"は「can + have + 過去分詞」の形で「過去の可能性」を表わします。ニュアンスは「客観的に見て、人や動物が何かをやった可能性がある、何か物事が発生した可能性がある」です。たいてい否定文で使います。和訳は「〜だったはずがない、〜したことはありえない」などを当てます。
# cannot + have + 過去分詞(〜したのはありえない)【過去の可能性】
【例文】:The outage cannot have been caused by lightning.
【和訳】:停電は落雷が原因で発生したはずがない。
→"cannot"は「停電の原因が落雷である可能性がなかった」ことを表わす
【例文】:It can't have been easy for a two-year-old boy to survive alone for two days.
【和訳】:二歳の男の子が一人で二日間生き延びることが楽であったはずがない。
→"can't"は「一人で生き延びるのが楽であった可能性がなかった」ことを表わす
「could + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞couldの意味:過去の否定の可能性(〜したのはありえない)』
【例文】:The outage could not have been caused by lightning.
(= The outage cannot have been caused by lightning.)
【和訳】:停電は落雷が原因で発生したはずがない。
【例文】:It couldn't have been easy for a two-year-old boy to survive alone for two days.
(= It can't have been easy for a two-year-old boy to survive alone for two days.)
【和訳】:二歳の男の子が一人で二日間生き延びることが楽であったはずがない。
「現在の可能性」は"may"で表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:現在の可能性(〜するのはありえる)』
【例文】:A wrong sleeping position or a poor posture may cause backache.
【和訳】:不適切な寝方や悪い姿勢が腰痛を引き起こすことがある。
→"may"は現在の可能性を表わす
can:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずがない)
助動詞の意味:can(5)
↑
"can"は確信度が中くらいの推量を表わします。「現在の物事に対する話し手の推量」を表現します。「can = 〜できる」とは限りません→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
現在の推量の"can"はたいてい否定文で使います。ニュアンスは「〜であることはありえない、〜であるはずがない」です。
【例文】:That man cannot be my father. He's in the US.
【 × 】:その人は私の父であることができない。父は今アメリカにいます。
【 ○ 】:その人は私の父であるはずがありません。父は今アメリカにいます。
→"cannot"は確信度が中くらいの現在の推量を表わすを表わす
【例文】:It can't be helped. The tickets were already sold out.
【 × 】:それは助けられることができない。チケットはすでに売り切れていたんだ。
【 ○ 】:仕方ないだろう。チケットはすでに売り切れていたんだ。
→"can't"は確信度が中くらいの現在の推量を表わす、"help"は"avoid"(〜を避ける)の意味
"It can't be helped."の直訳は「その状況は避けられないだろう」つまり「そうなることは仕方がないだろう」です。会話でよく使う表現です。
「確信度が中くらいの現在の肯定の推量」はshouldやoughtを使います→【参照】:『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)』 『助動詞oughtの意味:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)』
「確信度が中くらいの過去の肯定の推量」は「should + have + 過去分詞」や「ought to + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『should: 確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』『ought: 確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
「確信度が中くらいの過去の否定の推量」は「cannot + have + 過去分詞」です。→【参照】:『cannot + have + 過去分詞:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずがない)』
can:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずがない)
助動詞の意味:can(6)
↑
"can"は「cannot + have + 過去分詞」の形で確信度が中くらいの推量を表わします。「過去の物事に対する話し手の推量」を表わします。通例、否定文で使います。→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:過去の物事に対する話し手の推量、確信』
# cannot + have + 過去分詞:過去の推量(〜だったはずがない)【確信度が中くらいの過去の推量】
【例文】:You cannot have eaten up such extremely spicy curry.
【和訳】:あんな激辛カレーをあなたが完食したはずがない。
→"cannot have eaten"は確信度が中くらいの過去の推量を表わす
【例文】:My cat can't have opened this door. It was locked.
【和訳】:うちの猫がこの戸を開けたはずがない。鍵がかかっていた。
→"cannot have opened"は確信度が中くらいの過去の推量を表わす
「確信度が中くらいの現在の肯定の推量」は"should"を使います→【参照】:『should: 確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずがない)』
「確信度が中くらいの現在の否定の推量」は"can"を使います→【参照】:『can:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずがない)』
「確信度が中くらいの過去の肯定の推量」は「should + have + 過去分詞」や「ought to + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『should: 確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』『ought: 確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
can:許可(〜してもよい、〜することを許す)
助動詞の意味:can(7)
↑
"can"は現在の「許可」を表わします。同じ「許可」を表わす"may"よりも、多少くだけたニュアンスになります。和訳は「〜してもよい、〜することを許す」です→【参照】:『助動詞mayの意味:許可』
【例文】:Students can attend the concert free of charge.
【和訳】:このコンサートは学生は無料で入れます。
【例文】:Students may attend the concert free of charge.
【和訳】:このコンサートは学生の方は無料で入場できます。
→"Students can 〜 "のほうがややくだけた言い方
"can"はたいてい話し手が与える許可ではなく、その場の状況によって許されている、禁止されていないというニュアンスを強調します。
【例文】:Anyone aged sixteen or over can join volunteer work.
(= Anyone aged sixteen or over are allowed to join volunteer work.)
【和訳】:十六歳以上の方なら誰でもボランティア活動に参加できます。
→十六歳以上なら参加が認められる
【例文】:You may join volunteer work.
(= I allow you to join volunteer work.)
【和訳】:ボランティア活動に参加することを許可する。
→話し手が相手に参加の許可を与える
"can"の否定文は「不許可」や「拒否」を表わします。さらに強い意味の「禁止」はmustを使います→【参照】:『助動詞の意味:強い必要性(〜しなければならない)』
【例文】:Anyone can't sleep on the benches.
【和訳】:誰であろうとベンチで寝るのはいけない。
【例文】:Anyone must not sleep on the benches.
【和訳】:誰であろうとベンチで寝るのは禁止です。
過去の許可は"could"や"might"で表わします→【参照】:『助動詞couldの意味:過去の許可』 『助動詞mightの意味:過去の許可』
can:依頼(〜してもらえますか)
助動詞の意味:can(8)
↑
"can"が他人に対する「依頼」を表わすときはたいてい"you"と一緒に使い、"Can you 〜?"と疑問文になります。和訳は「〜してもらえますか、〜していただけませんか」です。
# Can you 〜?(〜してもらえますか、〜していただけませんか)
【例文】:Can you tell me your web site address?
【和訳】:ホームページのアドレスを教えてくれませんか。
→"Can you〜?"は依頼を表わす
【例文】:Can you open this jam jar?
【和訳】:このジャムの蓋を開けてくれませんか。
→"Can you 〜?"は依頼を表わす
"could"を使うといっそう丁寧なニュアンスになります→【参照】:『could:丁寧な依頼、お願い(〜していただけますか)』
【例文】:Could you tell me your web site address?
【和訳】:ホームページのアドレスを教えていただけませんでしょうか。
【例文】:Could you open this jam jar?
【和訳】:このジャムの蓋を開けていただけませんでしょうか。
can:申し出(私が〜してもいいですか)
助動詞の意味:can(9)
↑
"can"が他人に対する「申し出」を表わすときはたいてい一人称の代名詞を主語にして、"Can I 〜?", "Can we 〜?"と疑問文で使います。ニュアンスは「自分が何かをすることに対して、相手から許可をもらう」です。和訳は「私が〜してもいいですか、私たちが〜しても構いませんか」などを当てます。
# Can I 〜?(私が〜してもいいですか)
# Can we 〜?(私たちが〜してもいいですか)
【例文】:Can I turn off the light?
【和訳】:明りを消しましょうか。
→"Can I 〜?"は申し出を表わす
"could", "may", "might"もほぼ同じ意味を表わします。丁寧さの度合は低いほうから"can", may, "could", "might"です→【参照】:『助動詞mayの意味:丁寧な申し出(私が〜してもよろしいでしょうか)』『助動詞couldの意味:丁寧な申し出(私が〜させてもらえますか)』『助動詞mightの意味:控え目な申し出(私が〜してもよろしいでしょうか)』
【例文】:Can I turn off the light?
【和訳】:明りを消しましょうか。
【例文】:May I turn off the light?
【和訳】:明りをお消ししましょうか。
【例文】:Could I turn off the light?
【例文】:Might I turn off the light?
【和訳】:明りを消して差し上げましょうか。
→"Could I 〜?", "May I 〜?", "Might I〜?"のほうが丁寧
can:驚き(〜するとは、〜するなんて)
助動詞の意味:can(10)
↑
"can"は疑問文や否定文に限り「驚き、怒り、疑い」などの感情を表わします。疑問詞の"what"や"how"を使う疑問文でも使います。
# 疑問文:Can 〜?(本当に〜できるのだろうか)
# 疑問文:What can 〜?(いったい何を〜)
# 疑問文:Where can 〜?(いったいどこで〜)
# 疑問文:How can 〜?(いったいどうやって〜)
# 否定文:cannot 〜.(〜しないとは、〜しないなんて)
【例文】:Can that man be truthful?
【和訳】:本当にあの男は信用できるんだろうな。
→"can"は「不審、疑い」を表わす
【例文】:What can you be doing there?
【和訳】:一体全体そこで何をしてるんだ。
→"can"は「不審、疑い」を表わす
【例文】:Where can my budgie have flown away?
【和訳】:うちのインコはどこに飛んで行っちゃったんだろう。
→"can"は「驚き、戸惑い」を表わす
【例文】:How can you be such a grumbler?
【和訳】:どうしてそう文句ばっかり言うのかな。
→"can"は「イライラ、怒り」を表わす
【例文】:You can't already get finished your homework!
【和訳】:もう宿題をすませたなんてありえないよ。
→"can"は「驚き、疑い」を表わす
付加疑問文でいらだちを表わすとき"can't you?"を使うことがあります。命令文で使います→【参照】:『間違えやすい付加疑問文:イライラを表わす"can't you?"』
【例文】:Tidy up your room, won't you?
【和訳】:部屋を片づけなさいよ。
【例文】:Tidy up your room, can't you?
【和訳】:とっとと部屋を片づけなさいってば。
→"can't you?"は話し手のいらだちを表わす
can:現在進行中の動作(〜している)
助動詞の意味:can(11)
↑
一部の知覚動詞(see, hear, feel, smell, taste)とcanの組み合わせで、進行中の動作を表わすことができます。canなしでも意味はほとんど変わりませんが、canを付けると物事が現在進行中であることを強調します。
今現在進行中の動作を表わすので、目的語の次の動詞は"to"のない不定詞(原形不定詞)ではなく、ing形を使うのが普通です。現在の能力(〜できる)や現在の可能(〜できる)の"can"と同じ構文になるので、文全体からcanが何を意味するのか区別します。
【例文】:I can see nobody in the park.
【和訳】:公園には人っ子一人見当たらない。
→"can see"は進行中の動作を表わす
【例文】:I cannot see what is written on the blackboard from this seat.
【和訳】:この席からだと黒板が見えません。
→"can see"は現在の可能を表わす
【例文】:I can hear something rattling under the roof.
【和訳】:屋根裏で何かガタゴト音がしているのが聞こえる。
→"can hear"は進行中の動作を表わす、進行中の動作なので"rattle"ではなく"rattling"を使う
【例文】:Adults cannot hear the mosquito sound, but kids can hear it.
【和訳】:モスキート音は大人には聞こえないが子供には聞こえる。
→"can hear"現在のは能力を表わす
【例文】:I can feel something in my throat.
【和訳】:のどに何か違和感があります。
→"can feel"は進行中の動作を表わす
【例文】:I hear that birds can feel the earth's magnetic field.
【和訳】:鳥は地球の磁場を感じることができるらしい。
→"can feel"は現在の能力を表わす
【例文】:I can smell roses in this botanical garden.
【和訳】:この植物園はバラの香りが漂っている。
→"can smell"は進行中の動作を表わす
【例文】:My nose is so stuffy that I cannot smell anything.
【和訳】:鼻詰まりがひどくてにおいがわからない。
→"can smell"は現在の可能を表わす
【例文】:I can taste soy sauce in the soft icecream.
【和訳】:このソフトクリーム、しょう油の味がする。
→"can taste"は進行中の動作を表わす
【例文】:Dogs can taste sweetness, but cats can't taste it.
【和訳】:犬は甘味を感じることができるが猫はできない。
→"cant taste"は現在の能力を表わす
could:過去の能力(〜できた)
助動詞の意味:could(1)
↑
"could"は「過去の能力」を表わします。現在形の"can"の「能力」の意味がそのまま過去になったものです→【参照】:『助動詞canの意味:能力』
【例文】:When I was a child I could become friends with any people.
【和訳】:子供のころは誰とでも友達になることができました。
"be able to"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:When I was a child I was able to become friends with any people.
(= When I was a child I could become friends with any people.)
【和訳】:子供のころは誰とでも友達になることができました。
could:過去の可能(〜できた)
助動詞の意味:could(2)
↑
"could"は過去の「可能」を表わします。ニュアンスは「状況から判断して〜をすることが可能であった、理論的に考えて〜することができた」です。何かができる能力があったなかったではなく、その時の状況から判断して物事や動作が実現可能であったことを表わします。
【例文】:We could see many fireflies glowing around here.
【和訳】:この辺りでもたくさんのホタルが光るのを見ることができた。
→"could"は「見ることが可能だった」を表わす
【例文】:The bridge was so narrow that vehicles couldn't cross it.
【和訳】:この橋は非常にせまかったので車両が渡ることはできなかった。
→"could"は「橋を渡ることが可能だった」を表わす
could:過去の傾向(〜はありえた)
助動詞の意味:could(3)
↑
"could"は単独で「過去の傾向」を表わします。ニュアンスは「ある物事をきっかけに何かが起る場合があった」です。当時そういうことがときどき起こったという一般論を表わします。たいてい、あまり好ましくない出来事が起こってしまったことを表現します。
【例文】:Heavy rainfall could trigger massive landslides.
【和訳】:大雨が大規模な地すべりの引き金となることがあった。
→"could"は「傾向として地すべりが発生する可能性があった」ことを表わす
【例文】:Protests by high school students could make a great impact on politics.
【和訳】:高校生たちの抗議の声が政治に多大な影響を与える場合があった。
→"could"は「傾向として高校生たちが政治に影響を与える可能性があった」ことを表わす
「現在の傾向」は"can"を使います→【参照】:『助動詞canの意味:現在の傾向(〜はありうる)』
could:過去の否定の可能性(〜したのはありえない)
助動詞の意味:could(4)
↑
「could + have + 過去分詞」は「過去の可能性」を表わします。ニュアンスは「客観的に見て、人や動物が何かをやった可能性がある、何か物事が発生した可能性がある」です。たいてい否定文で使います。和訳は「〜だったはずがない、〜したことはありえない」などを当てます。
# could not + have + 過去分詞(〜したのはありえない)【過去の可能性】
【例文】:An airplane could not have flown at this time of night.
【和訳】:飛行機が夜のこの時間に飛んでいたはずがない。
→"could not"は「飛行機が飛んでいた可能性はなかった」ことを表わす
【例文】:The sea could not have been calm because a typhoon was coming.
【和訳】:台風が接近中だったので海が穏やかだったはずがない。
→"could not"は「海が穏やかだった可能性はなかった」ことを表わす
「cannot + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞canの意味:過去の否定の可能性(〜したのはありえない)』
【例文】:An airplane cannot have flown at this time of night.
(= An airplane could not have flow at this time of night.)
【和訳】:飛行機が夜のこの時間に飛んでいたはずがない。
【例文】:The sea cannot have been calm because a typhoon was coming.
(= The sea could not have been calm because a typhoon was coming.)
【和訳】:台風が接近中だったので海が穏やかだったはずがない。
「現在の可能性」は"may"で表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:現在の可能性(〜するのはありえる)』
【例文】:A very small wave may capsize a boat.
【和訳】:ごく小さな波で小型の船が転覆することがある。
→"may"は現在の可能性を表わす
could:確信度がかなり低い現在の推量(もしかしたら〜かもしれない)
助動詞の意味:could(5)
↑
"could"は確信度がかなり低い推量を表わします。「現在の物事に対する話し手の推量」を表現します。「could = 〜できた」とは限りません→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
"could"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。
【例文】:You could have a tick allergy.
【 × 】:あなたはダニアレルギーを持つことができた。
【 ○ 】:ひょっとするとあなたはダニアレルギーかもしれない。
→"could"は確信度がかなり低い現在の推量を表わす
"might"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞mightの意味:確信度がかなり低い現在の推量(もしかしたら〜かもしれない)』
【例文】:You might have a tick allergy.
(= You could have a tick allergy.)
【和訳】:ひょっとするとあなたはダニアレルギーかもしれない。
→"might"は確信度がかなり低い現在の推量を表わす
「確信度がかなり低い過去の推量」は「could + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『could + have + 過去分詞:確信度がかなり低い過去の推量(ひょっとして〜したかもしれない)』
【例文】:You could have had a tick allergy.
【和訳】:ひょっとするとあなたはダニアレルギーだったかもしれない。
→「could + have + been」は確信度がかなり低い過去の推量を表わす
could:確信度がかなり低い過去の推量(ひょっとして〜したかもしれない)
助動詞の意味:could(6)
↑
"could"は「could + have + 過去分詞」の形で確信度がかなり低い推量を表わします。「過去の物事に対する話し手の推量」を表現します→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:過去の物事に対する話し手の推量、確信』
# could + have + 過去分詞(ひょっとして〜したかもしれない)【確信度がかなり低い過去の推量】
「should + have + 過去分詞」と比べると確信度がかなり低く、自信がほとんどないことを表わします→【参照】:『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
【例文】:A certain kind of organism could have lived on Mars.
【和訳】:火星にはひょっとしてある種の有機体が棲息していたかもしれない。
→「could + have + 過去分詞」は確信度がかなり低い過去の推量を表わす
「might + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞mightの意味:確信度がかなり低い過去の推量(ひょっとして〜したかもしれない)』
【例文】:A certain kind of organism might have lived on Mars.
(= A certain kind of organism could have lived on Mars.)
【和訳】:火星にはひょっとしてある種の有機体が棲息していたかもしれない。
→「might + have + 過去分詞」は確信度がかなり低い過去の推量を表わす
「確信度がかなり低い現在の推量」は単独の"could"や"might"を使います→【参照】:『could: 確信度がかなり低い現在の推量(もしかしたら〜かもしれない)』『might: 確信度がかなり低い現在の推量(もしかしたら〜かもしれない)』
【例文】:A certain kind of organism could live on Mars.
【例文】:A certain kind of organism might live on Mars.
【和訳】:火星にはひょっとしてある種の有機体が棲息しているかもしれない。
→"could, might"は確信度がかなり低い現在の推量を表わす
could:過去の許可(〜してよかった、〜することを許可した)
助動詞の意味:could(7)
↑
"could"は「過去の許可」を表わします。ニュアンスは「〜することを許した、〜することを許可した」です。現在形の"can"の「許可」の意味がそのまま過去になったものです→【参照】:『助動詞canの意味:許可』
【例文】:My teacher said that I could leave school early.
【 × 】:先生は私が早く学校を去ることができたと言った。
【 ○ 】:先生は早退を許可すると言った。
"might"も同じ「過去の許可」を表わしますが、"might"は時制の一致以外ではあまり使いません→【参照】:『might: 過去の許可』
時制の一致以外で「過去の許可」の意味を表わすときは、たいてい"could"や"was/were allowed to 〜"を使います。
【例文】:バイク通学が許された。
【 △ 】:I might go to school by motorcycle.
【 ○ 】:I could go to school by motorcycle.
【 ○ 】:I was allowed to go to school by motorcycle.
could:丁寧な依頼、お願い(〜していただけますか)
助動詞の意味:could(8)
↑
"could"が「丁寧な依頼」を表わすときはたいてい"you"と一緒に使い、"Could you 〜?"と疑問文になります。ニュアンスは「〜することをお願いできませんか」です。
# Could you 〜?(〜していただけますか)
"could"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。
【例文】:Could you show me your driver's licence?
【 × 】:あなたは私に運転免許証を見せることができましたか。
【 ○ 】:恐れ入りますが、運転免許証を拝見できますか。
【例文】の場合、"could"は「〜できましたか」という過去の意味ではなく、「〜していただけますか」という現在の意味を表わします。
"will"や"would"が表わす「依頼」よりもいっそう丁寧なニュアンスになります→【参照】:『助動詞の意味:will:依頼、お願い(〜してくれますか)』『助動詞wouldの意味:丁寧な依頼、お願い(〜してもらえますか)』
could:丁寧な申し出(私が〜させてもらえますか)
助動詞の意味:could(9)
↑
"could"が他人に対する「丁寧な申し出」を表わすときはたいてい一人称の代名詞を主語にして、"Could I 〜?", "Could we 〜?"と疑問文で使います。ニュアンスは「自分が何かをすることに対して、相手から許可をもらう」です。和訳は「〜させてもらえますか、〜しても構いませんか」などを当てます。
# Could I 〜?(私が〜させてもらえますか)
# Could we 〜?(私たちが〜させてもらえますか)
"could"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。
【例文】:Could I take this folding chair?
【和訳】この折り畳み椅子を使わせてもらえますか。
→"Could I 〜?"は丁寧な申し出を表わす
【例文】:Could we have a non-smoking seat?
【和訳】:禁煙席をお願いできますか。
→"Could we 〜?"は丁寧な申し出を表わす
"can, may, might"もほぼ同じ意味を表わします。丁寧さの度合は低いほうから"can, may, could, might"です→【参照】:『助動詞canの意味:申し出(私が〜してもいいですか)』『助動詞mayの意味:丁寧な申し出(私が〜してもよろしいでしょうか)』『助動詞mightの意味:控え目な申し出(私が〜してもよろしいでしょうか)』
【例文】:Can I take this folding chair?
【和訳】この折り畳み椅子を借りてもいいですか。
【例文】:May I take this folding chair?
【和訳】この折り畳み椅子をお借りできますか。
【例文】:Could I take this folding chair?
【和訳】この折り畳み椅子を使わせてもらえますか。
【例文】:Might I take this folding chair?
【和訳】この折り畳み椅子をお借りしてもよろしいでしょうか。
→"Could I 〜?", "May I 〜?", "Might I 〜?"のほうが丁寧
【例文】:Can we have a non-smoking seat?
【和訳】:禁煙席にしてくれますか。
【例文】:May we have a non-smoking seat?
【和訳】:禁煙席をお願いできますか。
【例文】:Could we have a non-smoking seat?
【和訳】:禁煙席をお願いできませんか。
【例文】:Might we have a non-smoking seat?
【和訳】:禁煙席をお願いできませんでしょうか。
→"Could I 〜?", "May I 〜?", "Might I 〜?"のほうが丁寧
could:提案(〜しましょうか、〜したらどうですか)
助動詞の意味:could(10)
↑
"could"は「提案」を表わします。ニュアンスは「私が〜してみましょうか、あなたは〜したらどうですか」です。通例、"I, we, you"を主語に置いて平叙文で使います。
# I could 〜.(私が〜しましょうか)
# We could 〜.(みんなで〜してみませんか)
# You could 〜.(あなたは〜したらどうですか)
"could"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。
【例文】:We could pay the New Year's visit to the shrine.
【和訳】:初詣でに行きませんか。
→"could"は提案(〜しませんか)を表わす
【例文】:You could text him if he hasn't answered your call.
【和訳】:電話に出ないのならメールを送ってみたらどうでしょう。
→"could"は提案(〜してみたらどうでしょう)を表わす
【例文】の場合は二つとも、"could"は「〜できた」という過去の意味ではなく、「〜してみたらどうですか、〜しませんか」という現在の意味を表わします。
"might"を使うと、よりいっそう丁寧で控え目なニュアンスになります→【参照】:『助動詞mightの意味:控え目な提案(〜したらいかがでしょう)』
【例文】:We could pay the New Year's visit to the shrine.
【和訳】:初詣でに行きませんか。
【例文】:We might pay the New Year's visit to the shrine.
【和訳】:初詣でに参りませんか。
→"might"を使うほうが丁寧な言い方
【例文】:You could text him if he hasn't answered your call.
【和訳】:電話に出ないのならメールを送ってみたらどうでしょう。
【例文】:You might text him if he hasn't answered your call.
【和訳】:電話に出ないのならメールを送ってみたらいかがでしょう。
→"might"を使うほうが丁寧な言い方
could:現在のいらだち(〜してくれてもいいのに)
助動詞の意味:could(11)
↑
"could"は「現在のいらだち」を表わします。ニュアンスは「当然そんなことはしてくれてもよさそうなのに、なぜしてくれないのかな」です。和訳は「〜してくれてもいいのに、〜してくれないかな」などを当てます。
"could"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。
【例文】:You could tell me you've changed your email addresses.
【 × 】:メールアドレスを替えたって言うことができた。
【 ○ 】:メールアドレスを替えたって言ってくれてもいいのに。
→"could"は現在のいらだちを表わす
【例文】の場合、"could"は「〜できた」という過去の意味ではなく、「〜してくれてもいいのに」という現在の意味を表わします。
「過去のいらだち」は「could + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『助動詞couldの意味:過去のいらだち(〜してくれてもよかったのに)』
【例文】:You could have told me you changed your email addresses.
【和訳】:メールアドレスを替えたって言ってくれたらよかったのに。
→"could have told"は過去のいらだちを表わす
"might"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞mightの意味:現在のいらだち(〜してくれてもいいのに)』『助動詞mightの意味:過去のいらだち(〜してくれてもよかったのに)』
【例文】:You might tell me you've changed your email addresses.
(= You could tell me you've changed your email addresses.)
→"might, could"は現在のいらだちを表わす
【和訳】:メールアドレスを替えたって言ってくれてもいいのに。
【例文】:You might have told me you changed your email addresses.
(= You could have told me you changed your email addresses.)
→"might have let", "could have let"は過去のいらだちを表わす
【和訳】:メールアドレスを替えたって言ってくれたらよかったのに。
could:過去のいらだち(〜してくれてもよかったのに)
助動詞の意味:could(12)
↑
"could"は「could + have + 過去分詞」の形で「過去のいらだち」を表わします。ニュアンスは「当然そんなことはしてくれていてもよさそうなのに、なぜしてくれなかったのかな」です。和訳は「〜してくれてもよかったのに、〜して欲しかった」などを当てます。
# could + have + 過去分詞(〜してくれてもよかったのに)【過去のいらだち】
【例文】:The local government could have issued an evacuation order earlier.
【和訳】:自治体は避難指示をもっと早く出してくれてもよかった。
→"could have issued"は過去のいらだちを表わす
現在のいらだちは単独のcouldを使います→【参照】:『助動詞couldの意味:現在のいらだち(〜してくれてもいいのに)』
【例文】:The local government could issue an evacuation order earlier.
【和訳】:自治体は避難指示をもっと早く出してくれてもいいのに。
→"could"は現在のいらだちを表わす
"might"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞mightの意味:現在のいらだち(〜してくれてもいいのに)』『助動詞mightの意味:過去のいらだち(〜してくれてもよかったのに)』
【例文】:The local government might have issued an evacuation order earlier.
(= The local government could have issued an evacuation order earlier.)
【和訳】:自治体は避難指示をもっと早く出してくれてもよかった。
→"might have issued"は過去のいらだちを表わす
【例文】:The local government might issue an evacuation order earlier.
【和訳】:自治体は避難指示をもっと早く出してくれてもいいのに。
→"might"は現在のいらだちを表わす
could:仮定法過去(〜できるのに)
助動詞の意味:could(13)
↑
"could"は仮定法過去を表わします。現在の事実に反する仮定を表わします。ニュアンスは「(現実は違うけれどもし条件が満たされれば)〜できるのだが」です→【参照】:『仮定法の三つの形:仮定法過去』
【例文】:If I were a little taller I could be a fashion model.
【 × 】:背がもう少し高ければ、ファッションモデルになることができた。
【 ○ 】:背がもう少し高ければ、ファッションモデルになれるんだが。
→現実はモデルになるには身長が足りない
仮定法過去は「今の現実はそうじゃないけれど」というニュアンスを含むので、和訳は「現在」になります。
could:仮定法過去完了(〜できたのに)
助動詞の意味:could(14)
↑
"could"は「could + have + 過去分詞」の形で仮定法過去完了を表わします。過去の事実に反する仮定を表わします。ニュアンスは「(現実はそうではなかったがもし条件が満たされていたら)〜できたのに」です→【参照】:『仮定法の三つの形:仮定法過去完了』
# could + have + 過去分詞(〜できたのに)【仮定法過去完了】
【例文】:If power generation by natural energy had been widely available, we could have avoided a power shortage.
【和訳】:自然エネルギーを使った発電が広く普及していれば、電力不足は回避できたのに。
→現実は普及が遅れて電力は不足気味だった
仮定法過去完了は「そんなことは実際には起こらなかったけれど」というニュアンスを含むので、和訳は「過去」になります。
could:実現しなかった過去の物事(〜できただろうに)
助動詞の意味:could(15)
↑
"could"は「could + have + 過去分詞」の形で実現しなかった過去の物事を表わします。ニュアンスは「やってみれば〜できただろうに」です。
# could + have + 過去分詞(〜できただろうに)【実現しなかった過去の物事】
【例文】:You could have got home before seven o'clock.
【和訳】:七時前には帰ることができたでしょうに。
→帰宅は七時を過ぎてしまった
could:過去に進行中の動作(〜していた)
助動詞の意味:could(16)
↑
一部の知覚動詞(see, hear, feel, smell, taste)とcouldの組み合わせで、過去に進行中の動作を表わすことができます。couldなしでも意味はほとんど変わりませんが、couldを付けると過去に起こった物事が進行中であったことを強調します。
過去に進行中の動作を表わすので、目的語の次の動詞は"to"のない不定詞(原形不定詞)ではなく、ing形を使うのが普通です。過去の能力(〜することができた)や過去の可能(〜することができた)の"could"と同じ構文になるので、文全体からcouldが何を意味するのか区別します。
【例文】:I could see a helicopter rescuing a man from the roof.
【和訳】:ヘリコプターが男性を屋根から救助するのが見えていました。
→"could see"は過去に進行中の動作を表わす、進行中の動作なので"recue"ではなく"recuing"を使う
【例文】:On clear days, you could see the Eiffel tower from here.
【和訳】:快晴の日にはここからエッフェル塔が見ることができた。
→"could see"は過去の可能を表わす
【例文】:I could hear a couple arguing furiously in the next room.
【和訳】:隣の部屋で男女が激しく言い争っているのが聞こえた。
→"could hear"は過去に進行中の動作を表わす、"argue"ではなく"arguing"を使う
【例文】:The rain was so heavy that we couldn't even hear ourselves talk.
【和訳】:雨が激しくてお互いに相手が何をしゃべっているのかさえ聞こえなかった。
→"could hear"は過去の可能を表わす
【例文】:I could feel discomfort in my right elbow during the game.
【和訳】:試合中、右肘に違和感がずっとありました。
→"could feel"は過去に進行中の動作を表わす
【例文】:It seemed that one of my cats could feel an earthquake before it hit.
【和訳】:昔飼っていたうちの猫の中の一匹は地震が起こる前に感づくことができたようだ。
→"could feel"は過去の能力を表わす
【例文】:I could smell alcohol while talking with my dad.
【和訳】:話をしている最中父さんはずっと酒くさかった。
→"could smell"は過去に進行中の動作を表わす
【例文】:Nobody could smell cigarette smoke in the restaurant.
【和訳】:そのレストランで煙草のにおいを感じた人はいませんでした。
→"could smell"は過去の可能を表わす
【例文】:I could taste bitterness on my tongue after I took the powder medicine.
【和訳】:粉薬を飲んだら舌に苦みが残った。
→"could taste"は過去に進行中の動作を表わす
【例文】:I could taste wasabi in the spaghetti.
【和訳】:あのスパゲッティはワサビの味がした。
→"couldt taste"は過去の可能を表わす
may:確信度が低い現在の推量(〜かもしれない)
助動詞の意味:may(1)
↑
"may"は確信度が低い推量を表わします。「現在の物事に対する話し手の推量」を表現します。ニュアンスは「〜かもしれない、たぶん〜だろう」です→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
【例文】:The rainy season may be already over.
【和訳】:梅雨はとうに明けたかもしれない。
→"may"は確信度が低い現在の推量を表わす
「確信度が低い過去の推量」は「may + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『may + have + 過去分詞:確信度が低い過去の推量(〜したかもしれない)』
【例文】:The rainy season may have been already over.
【和訳】:梅雨はとうに明けていたかもしれない。
→「may + have + been」は確信度が低い過去の推量を表わす
may:確信度が低い過去の推量(〜したかもしれない)
助動詞の意味:may(2)
↑
"may"は「may + have + 過去分詞」の形で確信度が低い推量を表わします。「過去の物事に対する話し手の推量」を表現します。ニュアンスは「〜したかもしれない」です→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:過去の物事に対する話し手の推量、確信』
# may + have + 過去分詞:過去の推量(〜したかもしれない)【確信度が低い過去の推量】
【例文】:Early Earth may have had two moons.
【和訳】:初期の地球は月を二つ持っていたかもしれない。
→「may + have + 過去分詞」は確信度が低い過去の推量を表わす
「could + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞couldの意味:確信度がかなり低い過去の推量(ひょっとして〜したかもしれない)』
【例文】:Early Earth could have had two moons.
(= Early Earth may have had two moons.)
【和訳】:ひょっとすると初期の地球は月を二つ持っていたかもしれない。
→"could"を使うと確信度が多少低下する
「確信度が低い現在の推量」は単独の"may"を使います→【参照】:『may: 確信度が低い現在の推量(〜かもしれない)』
【例文】:Earth may be unique in the universe.
【和訳】:地球は宇宙の中で唯一無二の存在かもしれない。
→"may"は確信度が低い現在の推量を表わす
may:現在の可能性(〜するのはありえる)
助動詞の意味:may(3)
↑
"may"は「現在の可能性」を表わします。ニュアンスは「客観的に見て、人がこれから何かをする可能性がある、何か物事が発生する可能性がある」です。和訳は「〜することがある、〜の可能性がある」などを当てます。同じ意味の"might"よりは可能性が高いことを表現します。
【例文】:Even cat lovers may get scratched or bitten by their cats.
【和訳】:猫好きな人でさえ飼い猫に引っ掻かれたりかじられたりすることがある。
【例文】:Even cat lovers might get scratched or bitten by their cats.
【和訳】:猫好きな人でさえ飼い猫に引っ掻かれたりかじられたりするこのはありえないことではない。
→"may, might"は現在の可能性を表わす
【例文】:El Nino may lead to rainfall deficit or drought.
【和訳】:エルニーニョが発生すると少雨や干ばつにつながる可能性がある。
【例文】:El Nino might lead to rainfall deficit or drought.
【和訳】:エルニーニョが発生すると少雨や干ばつにつながる可能性がないとは言えない。
→"may, might"は現在の可能性を表わす
"may"に副詞の"well"を付けると可能性が多少高くなります。
【例文】:Even cat lovers may get scratched or bitten by their cats.
【和訳】:猫好きな人でさえ飼い猫に引っ掻かれたりかじられたりすることがある。
【例文】:Even cat lovers may well get scratched or bitten by their cats.
【和訳】:猫好きな人でさえ飼い猫に引っ掻かれたりかじられたりするだろう。
→"well"は"may"の可能性を多少高くする
【例文】:El Nino may lead to rainfall deficit or drought.
【和訳】:エルニーニョが発生すると少雨や干ばつにつながる可能性がある。
【例文】:El Nino may well lead to rainfall deficit or drought.
【和訳】:エルニーニョが発生すると少雨や干ばつにつながるだろう。
→"well"は"may"の可能性を多少高くする
過去の可能性は「may + have + 過去分詞」や「might + have + 過去分詞」で表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:過去の可能性(〜したのはありえる)』 『助動詞mightの意味:過去の可能性(〜したのはありえる)』
may:過去の可能性(〜したのはありえる)
助動詞の意味:may(4)
↑
「may + have + 過去分詞」は「過去の可能性」を表わします。ニュアンスは「客観的に見て、人や動物が何かをやった可能性がある、何か物事が発生した可能性がある」です。和訳は「〜したことはありえる、〜であった可能性がある」などを当てます。
# may + have + 過去分詞(〜したのはありえる)【過去の可能性】
【例文】:Poor construction may have caused the collapse of the concrete block walls.
【和訳】:ブロック塀が倒壊した原因は手抜き工事だった可能性がある。
→"may have caused"は「原因だった可能性がある」ことを表わす
【例文】:Some pets may have sensed the approach of the earthquake.
【和訳】:一部のペットたちがあの地震の襲来を感知していた可能性がある。
→"may have sensed"は「感知していた可能性がある」ことを表わす
「might + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞mightの意味:過去の可能性(〜したのはありえる)』
【例文】:Poor construction might have caused the collapse of the concrete block walls.
(= Poor construction may have caused the collapse of the concrete block walls.)
【和訳】:ブロック塀が倒壊した原因は手抜き工事だった可能性がある。
【例文】:Some pets might have sensed the approach of the earthquake.
(= Some pets may have sensed the approach of the earthquake.)
【和訳】:一部のペットたちがあの地震の襲来を感知していた可能性がある。
現在の可能性は単独の"may"や"might"で表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:現在の可能性(〜したのはありえる)』『助動詞mightの意味:現在の可能性(〜したのはありえる)』
may:許可(〜することを許可する)
助動詞の意味:may(5)
↑
"may"は「許可」を表わします。同じ「許可」を表わす"can"よりも、多少堅苦しいニュアンスになります。目上の人物から命令を受けるような意味合いです→【参照】:『助動詞canの意味:許可』
【例文】:You may go to school if your fever goes down.[※やや堅苦しい言い方]
(= I allow you to go to school if your fever goes down.)
【和訳】:熱が下がったら登校を許可します。
【例文】:You can go to school if your fever goes down.
【和訳】:熱が下がったら学校へ行ってもいいよ。
→"You may 〜 "のほうが多少堅苦しい言い方
"may"は特に主語が行うことに対して話し手が許可を与えることを表わします。
【例文】:You may take pictures in the exhibition area.
(= I allow you to take pictures in the exhibition area.)
【和訳】:展示会場内での撮影を許可します。
→展示会の主催者の発言
【例文】:We can take pictures in the exhibition area.
(= We are allowed to take pictures in the exhibition area.)
【和訳】:展示会場内での撮影は許可されている。
→会場内の見学者の間での話
"may"の否定文は「不許可」や「拒否」を表わします。特に警告を記した掲示板の文言や公式の文書などでよく使います。さらに強い意味の「禁止」はmustを使います→【参照】:『助動詞の意味:強い必要性(〜しなければならない)』
【例文】:Any person may not walk into the tunnel.
【和訳】:トンネル内への立ち入りは許可されていません。
【例文】:Any person must not walk into the tunnel.
【和訳】:トンネル内への立ち入りは固く禁止されています。
過去の許可は"could"や"might"で表わします→【参照】:『助動詞couldの意味:過去の許可』 『助動詞mightの意味:過去の許可』
may:丁寧な申し出(私が〜してもよろしいでしょうか)
助動詞の意味:may(6)
↑
"may"は疑問文で"I"を主語にすると「丁寧な申し出」を表わします。ニュアンスは「自分が何かをすることに対して、相手から許可をもらうこと」です。和訳は「〜してもよろしいでしょうか、〜させてもらってもよろしいでしょうか」などを当てます。
# May I 〜?(私が〜してもよろしいでしょうか)
【例文】:May I have your name please?
【 × 】:私はあなたの名前を持っているかもしれないのか。
【 ○ 】:お名前を伺ってもよろしいでしょうか。
→"may"は丁寧な申し出を表わす
"can", "could", "might"もほぼ同じ意味を表わします。丁寧さの度合は低いほうから"can", may, "could", "might"です→【参照】:『助動詞canの意味:申し出(私が〜してもいいですか)』『助動詞couldの意味:丁寧な申し出(私が〜させてもらえますか)』『助動詞mightの意味:控え目な申し出(私が〜してもよろしいでしょうか)』
【例文】:Can I have your name please?
【和訳】:お名前を聞いてもいいですか。
【例文】:May I have your name please?
【和訳】:お名前を伺ってもかまいませんか。
【例文】:Could I have your name please?
【例文】:Might I have your name please?
【和訳】:お名前を伺ってもよろしいでしょうか。
→"May I 〜?", "Could I 〜?", "Might I 〜?"のほうが丁寧
may:祈願(〜でありますように)
助動詞の意味:may(7)
↑
"may"は祈願文を作ります。「祈願や希望」を表わします。和訳は「〜であれ、〜せんことを願う」などを当てます。やや堅苦しい言い方です。
語順は"may"が文頭に出て来るので一見疑問文ですが、文尾に疑問符(?)はなく、意味も疑問でありません。文尾に感嘆符(!)を付けることもあります。
# May + 主語 + 動詞の原形 〜.(〜でありますように)【祈願文】
【例文】:May you both have a happy and healthy life.[※やや堅苦しい言い方]
【 × 】:あなたの両方は幸せで健康な生活を送るかもしれませんか。
【 ○ 】:これからの二人の生活に健康と幸あれ。
→祈願を表わす"may"はやや堅苦しい言い方
【例文】は"may"が文頭にあるので一見疑問文に見えますが、文尾に疑問符(?)がありません。なので、"may"は「祈願」を表わし、和訳は「〜であれ」です。
"may"をthat節の中で使うこともあります。「may = 〜かもしれない」とは限りません。
【例文】:We sincerely hope that you may live long and prosper.[※やや堅苦しい言い方]
【 × 】:長く生きるかもしれない、そして繁栄することを心から望みます。
【 ○ 】:長寿と繁栄を心からお祈り申し上げます。
→祈願を表わす"may"はやや堅苦しい言い方
may:現在の譲歩(〜だけれども)
助動詞の意味:may(8)
↑
"may"は"現在の「譲歩」の意味を強調することがあります。過去の「譲歩」の意味は"might"で表わします→【参照】:『助動詞mightの意味:過去の譲歩(〜だったけれども)』
A may 〜, but B(Aは〜ではあるけれど、しかしBだ)
助動詞の意味:may:現在の譲歩(〜だけれども)(1)
↑
"may"は"A may 〜, but B"の構文で「譲歩」の意味を強調することがあります。和訳は「なるほどAは〜であるが、しかしBである、たとえAが〜であるとしても、実際はBだ」などを当てます。
【例文】:The school may have a small number of students, but each of them is eager in club activities.
【和訳】:生徒数は少ない学校ですが、クラブ活動は盛んです。
→"may"は譲歩の意味を強調する
whoever, whatever, wherever, whenever, however
助動詞の意味:may:現在の譲歩(〜だけれども)(2)
↑
"may"は"whoever, whatever, wherever, whenever, however"を使う構文で「譲歩」の意味を強調することがあります。ニュアンスは「今はそういう状況であるかもしれないが〜であることは間違いない」です。"may"を使わなくても意味に大きな変化はありませんが、"may"を使うとやや堅苦しい表現になります。
【例文】:Whoever may win the election, I don't think politics will improve.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:誰が選挙に勝ったところで政治が良くなるとは思えない。
【例文】:Whoever wins the election, I don't think politics will improve.
【和訳】:誰が選挙に勝ったとしても政治が良くなるとは思えない。
→"may"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
【例文】:Never enter the railroad whatever may happen.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:何が起こったとしても線路内には絶対に立ち入らないで下さい。
【例文】:Never enter the railroad whatever happens.
【和訳】:何があっても線路内には絶対に立ち入らないで下さい。
→"may"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
【例文】:However much you may take care of your health, you feel somewhat sick at times.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:どれほど健康に配慮していたとしても、体調がややすぐれないことはある。
【例文】:However much you take care of your health, you feel somewhat sick at times.
【和訳】:どんなに健康に注意していても、体調がややすぐれないことはある。
→"may"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
though, although(〜だけれども)
助動詞の意味:may:現在の譲歩(〜だけれども)(3)
↑
"may"は接続詞の"though"や"although"を使う構文で「譲歩」の意味を強調することがあります。ニュアンスは「今はそういう状況であるかもしれないが〜であることは間違いない」です。"may"を使わなくても意味に大きな変化はありませんが、"may"を使うとやや堅苦しい表現になります。
【例文】:Though we may not predict occurrence of natural disasters, we need to prepare for them.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:自然災害の発生は予見できないかもしれないが、備えをしておく必要はある。
【例文】:Though we can not predict occurrence of natural disasters, we need to prepare for them.
【和訳】:自然災害の発生は予見できないけれど、備えをしておく必要はある。
→"may"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
【例文】:Although electricity may be fully restored, water supply is still cut off.[※やや堅苦しい言い方]
(= Even though electricity may be fully restored, water supply is still cut off.)
【和訳】:電気は完全に復旧したけれども、水道はまだ止まったままだ。
【例文】:Although electricity is fully restored, water supply is still cut off.
(= Even though electricity is fully restored, water supply is still cut off.)
【和訳】:電気は完全に復旧したかもしれないが、水道はまだ止まったままだ。
→"may"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
Young as/though he may be(彼は若いけれど)
助動詞の意味:may:現在の譲歩(〜だけれども)(4)
↑
mayは"as"や"though"を使う倒置構文で「譲歩」の意味を表わすことがあります→【参照】:『なぜ倒置を使うの?文に特別な意味を持たせる持たせる……「譲歩」の"as, though": Cold as it was(寒かったけれど)』
形容詞や副詞、名詞、動詞に"as"や"though"を付け加えて主語の前に置きます。助動詞の"do, does, did"の追加は不要。「〜 as/though + 主語 + may + 動詞」の形で使います。やや堅苦しい表現です。
# 形容詞 + as/though + 主語 + may + 動詞 + 〜
# 副詞 + as/though + 主語 + may + 動詞 + 〜
# 名詞 + as/though + 主語 + may + 動詞 + 〜
# 動詞 + as/though + 主語 + may + 〜
【例文】:Tasty as it may look, the fungus is poisonous.
【例文】:Tasty though it may look, the fungus is poisonous.
(= Although it may look tasty, the fungus is poisonous.)
【和訳】:おいしそうに見えるけれど、それは毒キノコです。
→"may"は譲歩の意味を強調する
【例文】:Much as I may dislike seafood I will only eat salmon.
【例文】:Much though I may dislike seafood I will only eat salmon.
(= Although I may dislike seafood very intensely, I will only eat salmon.)
【和訳】:魚介類は大嫌いだけれど、鮭だけは食べることができます。
→"may"は譲歩の意味を強調する
【例文】:Teacher as my father may be, he has taught me nothing about school subject.
【例文】:Teacher though my father may be, he has taught me nothing about school subject.
(= Although my father may be a teacher, he has taught me nothing about school subject.)
【和訳】:父親は教師だけど、学校の勉強のことは一切教えてくれない。
→"may"は譲歩の意味を強調する
【例文】:Try as I may to have breakfast every morning, I don't feel like eating it.
【例文】:Try though I may to have breakfast every morning, I don't feel like eating it.
(= Although I may try to have breakfast every morning, I don't want to eat it.)
【和訳】:毎朝、朝食を食べようとはしていますが、食欲が湧きません。
→"may"は譲歩の意味を強調する
may:現在の目的(〜するために)
助動詞の意味:may(9)
↑
"may"は「目的」を表わします。"so that 〜"と"in order that 〜"の構文で使います。"may"の代わりに"will"や"can"を使うこともできます。"may"を使うとやや堅苦しいニュアンスになります。
過去の「目的」は"might"で表わします→【参照】:『助動詞mightの意味:過去の目的(〜するために)』
# A so that B may 〜.(Bが〜するためにAである)[※やや堅苦しい言い方]
# A in order that B may 〜.(Bが〜するためにAである)[※やや堅苦しい言い方]
【例文】:I choose the bypass so that we may avoid a traffic jam.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:渋滞を避ける目的のためにバイパスを行きます。
→"may"は現在の目的を表わす
【例文】:I choose the bypass so that we can avoid a traffic jam.
【和訳】:渋滞を避けるためにバイパスを行きます。
【例文】:I'll cut all kinds of sugar from my diet in order that I may lose ten kilograms.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:十キロやせる目的のために食事から糖類をすべて排除します。
→"may"は現在の目的を表わす
【例文】:I'll cut all kinds of sugar from my diet in order that I will lose ten kilograms.
【和訳】:十キロやせるために食事から糖類をすべて排除します。
過去の「目的」を表わす場合は"might"を使います→【参照】:『助動詞mightの意味:過去の目的(〜するために)』
【例文】:I chose the bypass so that we might avoid a traffic jam.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:渋滞を避ける目的のためにバイパスを行った。
→"might"は過去の目的を表わす
【例文】:I cut all kinds of sugar from my diet in order that I might lose ten kilograms.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:十キロやせる目的のために食事から糖類をすべて排除した。
→"might"は過去の目的を表わす
might:過去の許可(〜してよかった、〜することは許されていた)
助動詞の意味:might(1)
↑
"might"は「過去の許可」を表わします。ニュアンスは「〜してよかった、〜することは許されていた」です。現在形の"may"の「許可」の意味がそのまま過去になったものです→【参照】:『助動詞mayの意味:許可(〜することを許可する)』
"might"が「過去の許可」を表わす場合はたいてい時制の一致で、that節の中などで使います→【参照】:『ゼロから始める時制:時制の一致』
【例文】:I thought that we might park our car here.
【和訳】:以前はここに車を停めてもよかったんだが。
→"might"は過去の許可を表わす、that節の中で時制の一致として使う
【例文】:When I was an elementary school student, we might play in the schoolyard after school.
【和訳】:私が小学生のころは放課後に校庭で遊ぶことができました。
→"might"は過去の許可を表わす、接続詞のwhenに続く節の中で時制の一致として使う
時制の一致以外で「過去の許可」の意味を表わすときは、たいてい"could"や"was/were allowed to 〜"を使います→【参照】:『助動詞couldの意味:過去の許可(〜してよかった、〜することを許可した)』
【例文】:バイク通学が許された。
【 △ 】:I might go to school by motorcycle.
【 ○ 】:I could go to school by motorcycle.
【 ○ 】:I was allowed to go to school by motorcycle.
might:過去の祈願(〜でありますように)
助動詞の意味:might(2)
↑
"might"は祈願文で「過去の祈願」を表わします。ニュアンスは「〜でありますように」です。現在形の"may"の「祈願」の意味がそのまま過去になったものです→【参照】:『助動詞mayの意味:祈願(〜でありますように)』
"might"が「過去の祈願」を表わす場合はたいてい時制の一致で、that節の中などで使います→【参照】:『ゼロから始める時制:時制の一致』
【例文】:The girl prayed that the world might be filled with peace and love.
【和訳】:世界中が愛と平和で満たされますようにと女の子は願った。
(= The girl said, "May the world be filled with peace and love.")
→"might"はthat節の中で時制の一致として使う
might:確信度がかなり低い現在の推量(もしかしたら〜かもしれない)
助動詞の意味:might(3)
↑
"might"は確信度がかなり低い推量を表わします。「現在の物事に対する話し手の推量」を表現します。「might = 〜かもしれなかった」とは限りません→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
"might"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。ニュアンスは「もしかしたら〜かもしれない」です。
【例文】:I might have the CD.
【 × 】:私はそのCDを持っていたかもしれなかった。
【 ○ 】:もしかしたらそのCDは持っているかもしれない。
→"might"は確信度がかなり低い現在の推量を表わす
"could"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞couldの意味:確信度がかなり低い現在の推量(もしかしたら〜かもしれない)』
【例文】:I could have the CD.
(= I might have the CD.)
【和訳】:もしかしたらそのCDは持っているかもしれない。
→"could"は確信度がかなり低い現在の推量を表わす
「確信度がかなり低い過去の推量」は「might + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『might + have + 過去分詞:確信度がかなり低い過去の推量(ひょっとして〜したかもしれない)』
【例文】:I might have had the CD.
【和訳】:もしかしたらそのCDは持っていたかもしれない。
→「might + have + had」は確信度がかなり低い過去の推量を表わす
might:確信度がかなり低い過去の推量(ひょっとして〜したかもしれない)
助動詞の意味:might(4)
↑
"might"は「might + have + 過去分詞」の形で確信度がかなり低い推量を表わします。「過去の物事に対する話し手の推量」を表現します。ニュアンスは「ひょっとして〜したかもしれない」です→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:過去の物事に対する話し手の推量、確信』
# might + have + 過去分詞(ひょっとして〜したかもしれない)【確信度がかなり低い過去の推量】
「should + have + 過去分詞」と比べると確信度がかなり低く、自信がほとんどないことを表わします→【参照】:『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
【例文】:A secondary disaster such as cliff collapse might have occurred.
【和訳】:崖崩れのような二次災害が発生する可能性がないとは言えなかった。
→"might + have + occurred"は確信度がかなり低い過去の推量を表わす
「could + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞 + have + 過去分詞」の意味……「could + have + 過去分詞」確信度がかなり低い過去の推量』
【例文】:A secondary disaster such as cliff collapse could have occurred.
(= A secondary disaster such as cliff collapse might have occurred.)
【和訳】:崖崩れのような二次災害が発生する可能性がないとは言えなかった。
→"could + have + occurred"は確信度がかなり低い過去の推量を表わす
「確信度がかなり低い現在の推量」は"might"を単独で使います→【参照】:『might: 確信度がかなり低い現在の推量(もしかしたら〜かもしれない)』
【例文】:A secondary disaster such as cliff collapse might occur.
【和訳】:崖崩れのような二次災害が発生する可能性がないとは言えない。
→"might"は確信度がかなり低い現在の推量を表わす
might:現在の可能性(〜するのはありえる)
助動詞の意味:might(5)
↑
"might"は「現在の可能性」を表わします。ニュアンスは「客観的に見て、人がこれから何かをする可能性がある、何か物事が発生する可能性がある」です和訳は「もしかすると〜することがある、ひょっとすると〜の可能性がある」などを当てます。同じ意味の"may"よりは可能性が低いことを表現します。
【例文】:Two typhoons might approach Japan early next week.
【和訳】:ひょっとすると来週の前半に二つの台風が日本に接近する可能性があります。
【例文】:Two typhoons may approach Japan early next week.
【和訳】:来週の前半に二つの台風が日本に接近する可能性があります。
→"might, may"は現在の可能性を表わす
【例文】:The trade war between the two countries might never end.
【和訳】:もしかすると両国の間の貿易戦争は終らない可能性がある。
【例文】:The trade war between the two countries may never end.
【和訳】:両国の間の貿易戦争は終らない可能性がある。
→"might, may"は現在の可能性を表わす
"might"に副詞の"well"を付けると可能性が多少高くなります。
【例文】:Two typhoons might approach Japan early next week.
【和訳】:ひょっとすると来週の前半に二つの台風が日本に接近する可能性があります。
【例文】:Two typhoons might well approach Japan early next week.
【和訳】:来週の前半に二つの台風が日本に接近する可能性があります。
→"well"は"might"の可能性を多少高くする
【例文】:The trade war between the two countries might never end.
【和訳】:もしかすると両国の間の貿易戦争は終らない可能性がある。
【例文】:The trade war between the two countries might well never end.
【和訳】:両国の間の貿易戦争は終らない可能性がある。
→"well"は"might"の可能性を多少高くする
過去の可能性は「may + have + 過去分詞」や「might + have + 過去分詞」で表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:過去の可能性(〜したのはありえる)』 『助動詞mightの意味:過去の可能性(〜したのはありえる)』
might:過去の可能性(〜したのはありえる)
助動詞の意味:might(6)
↑
「might + have + 過去分詞」は「過去の可能性」を表わします。ニュアンスは「客観的に見て、人や動物が何かをやった可能性がある、何か物事が発生した可能性がある」です。和訳は「〜したことはありえる、〜であった可能性がある」などを当てます。
# might + have + 過去分詞(〜したのはありえる)【過去の可能性】
【例文】:All the computers in the company might have been bugged.
【和訳】:会社内のすべてのコンピューターが盗聴されていた可能性がある。
→"might have been bugged"は過去の可能性を表わす
【例文】:The summer time system might have had a negative effect on the working conditions.
【和訳】:サマータイム制が職場の環境に負の影響を与えた可能性がある。
→"might have had"は過去の可能性を表わす
「may + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:過去の可能性(〜したのはありえる)』
【例文】:All the computers in the company may have been bugged.
(= All the computers in the company might have been bugged.)
【和訳】:会社内のすべてのコンピューターが盗聴されていた可能性がある。
【例文】:The summer time system may have had a negative effect on the working conditions.
(= The summer time system might have had a negative effect on the working conditions.)
【和訳】:サマータイム制が職場の環境に負の影響を与えた可能性がある。
現在の可能性は"may"や単独の"might"で表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:現在の可能性(〜するのはありえる)』『助動詞mightの意味:現在の可能性(〜するのはありえる)』
過去の否定の可能性は「cannot + have + 過去分詞」や「could not + have + 過去分詞」で表わします→【参照】:『助動詞canの意味:過去の否定の可能性(〜したのはありえない)』 『助動詞couldの意味:過去の否定の可能性(〜したのはありえない)』
might:控え目な提案(〜いたしましょうか、〜したらいかがでしょうか)
助動詞の意味:might(7)
↑
"might"は「控え目な提案」を表わします。ニュアンスは「私が〜いたしましょうか、あなたは〜してみてもよろしいのでは」です。通例、"I, we, you"を主語に置いて平叙文で使います。
"might"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。
# I might 〜.(私が〜いたしましょうか)
# We might 〜.(私たちが〜いたしませんか)
# You might 〜.(〜したらいかがでしょうか)
【例文】:I wonder if we might go to karaoke next Sunday.
【 × 】:次の日曜日に私たちはもしかするとカラオケに行くかもしれない。
【 ○ 】:次の日曜日にみんなでカラオケに参りませんか。
→"might"は提案(〜いたしませんか)を表わす
【例文】:You might try asking some advice for your teacher.
【 × 】:あなたはあなたの先生にいくつかのアドバイスを求めたかもしれない。
【 ○ 】:先生に相談してみたらいかがでしょう。
→"might"は提案(〜いかがでしょう)を表わす
【例文】の場合、"might"は「〜だったかもしれない」という過去の意味ではなく、「〜したらいかがでしょうか、〜はしてみてもよろしいのでは」という現在の意味を表わします。
"could"が表わす「提案」よりも、いっそう丁寧で控え目なニュアンスです→【参照】:『助動詞couldの意味:提案(〜しましょうか、〜したらどうですか)』
【例文】:I wonder if we might go to karaoke next Sunday.
【和訳】:次の日曜日にみんなでカラオケに参りませんか。
【例文】:I wonder if we could go to karaoke next Sunday.
【和訳】:次の日曜日にみんなでカラオケに行きませんか。
→"might"のほうがいっそう丁寧
【例文】:You might try asking some advice for your teacher.
【和訳】:先生に相談してみたらいかがでしょう。
【例文】:You could try asking some advice for your teacher.
【和訳】:先生に相談したらどうかな。
→"might"のほうがいっそう丁寧
might:控え目な申し出(私が〜してもよろしいでしょうか)
助動詞の意味:might(8)
↑
"might"は疑問文で"I"を主語にすると「控え目な申し出」を表わします。ニュアンスは「自分が何かをすることに対して、相手から許可をもらう」です。和訳は「〜してもよろしいでしょうか、〜しても構いませんでしょうか」などを当てます。
# Might I 〜?(私が〜してもよろしいでしょうか)
# Might we 〜?(私たちが〜してもよろしいでしょうか)
"might"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。
【例文】:Might I see your driving licence?
【和訳】:運転免許証を拝見できませんでしょうか。
→"might"は控え目な申し出を表わす
"can, could, may"もほぼ同じ意味を表わします。丁寧さの度合は低いほうから"can, may, could, might"です→【参照】:『助動詞canの意味:申し出(私が〜してもいいですか)』『助動詞mayの意味:丁寧な申し出(私が〜してもよろしいでしょうか)』『助動詞couldの意味:丁寧な申し出(私が〜させてもらえますか)』
【例文】:Can I see your driving licence?
【和訳】:運転免許証を見せてくれますか。
【例文】:May I see your driving licence?
【和訳】:運転免許証を見せてもらえますか。
【例文】:Could I see your driving licence?
【和訳】:運転免許証を拝見できませんか。
【例文】:Might I see your driving licence?
【和訳】:運転免許証を拝見できませんでしょうか。
→"might, could"がもっとも丁寧
"I wonder if I might 〜"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I wonder if I might see your driving licence?
(= Might I see your driving licence?)
【和訳】:運転免許証を拝見できませんでしょうか。
→"might"は控え目な申し出を表わす
might:現在のいらだち(〜してくれてもいいのに)
助動詞の意味:might(9)
↑
"might"は「現在のいらだち」を表わします。ニュアンスは「当然そんなことはしてくれてもよさそうなのに、なぜしてくれないのかな」です。和訳は「〜してくれてもいいのに、〜してくれないかな」などを当てます。
"might"自体は過去形ですが、意味は「現在」です。
【例文】:You might phone me before you come to my house.
【 × 】:あなたが私の家に来る前に電話をしたかもしれない。
【 ○ 】:家に来るときは事前に電話をしてくれるといいのに。
→"might"は現在のいらだちを表わす
【例文】の場合、"might"は「〜だったかもしれない」という過去の意味ではなく、「〜してくれるといいのに」という現在の意味を表わします。
「過去のいらだち」は「might + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『助動詞mightの意味:過去のいらだち(〜してくれてもよかったのに)』
【例文】:You might haved phoned me before you came to my house.
【和訳】:家に来るときは事前に電話をしてくれるとよかったのに。
→"might have phoned"は過去のいらだちを表わす
"could"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞couldの意味:現在のいらだち(〜してくれてもいいのに)』『助動詞のcould意味:過去のいらだち(〜してくれてもよかったのに)』
【例文】:You could phone me before you come to my house.
(= You might phone me before you come to my house.)
【和訳】:家に来るときは事前に電話をしてくれるといいのに。
→"could"は現在のいらだちを表わす
【例文】:You could haved phoned me before you came to my house.
(= You might haved phoned me before you came to my house.)
【和訳】:家に来るときは事前に電話をしてくれるとよかったのに。
→"could have phoned"は過去のいらだちを表わす
might:過去のいらだち(〜してくれてもよかったのに)
助動詞の意味:might(10)
↑
"might"は「might + have + 過去分詞」の形で「過去のいらだち」を表わします。ニュアンスは「当然そんなことはしてくれていてもよさそうなのに、なぜしてくれなかったのかな」です。和訳は「〜してくれてもよかったのに、〜して欲しかった」などを当てます。
# might + have + 過去分詞(〜してくれてもよかったのに)【過去のいらだち】
【例文】:There might have been air-conditioning in each classroom before the summer vacation.
【和訳】:夏休み前に各教室にエアコンを付けてくれてもよかったのに。
→"might have bee"は過去のいらだちを表わす
現在のいらだちは単独のmightを使います→【参照】:『助動詞mightの意味:現在のいらだち(〜してくれてもいいのに)』
【例文】:There might be air-conditioning in each classroom.
【和訳】:各教室にエアコンを付けてくれるといいのに。
→"might"は現在のいらだちを表わす
couldもほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞couldの意味:現在のいらだち(〜してくれてもいいのに)』『助動詞couldの意味:過去のいらだち(〜してくれてもよかったのに)』
【例文】:There could have been air-conditioning in each classroom before the summer vacation.
(= There might have been air-conditioning in each classroom before the summer vacation.)
【和訳】:夏休み前に各教室にエアコンを付けてくれてもよかったのに。
→"could have bee"は過去のいらだちを表わす
【例文】:There could be air-conditioning in each classroom.
(= There might be air-conditioning in each classroom.)
【和訳】:各教室にエアコンを付けてくれるといいのに。
→"could"は現在のいらだちを表わす
might:仮定法過去(〜かもしれないのに)
助動詞の意味:might(11)
↑
"might"は仮定法過去を表わします。現在の事実に反する仮定を表わします。ニュアンスは「(現実は違うけれどもし条件が満たされれば)〜であるかもしれないのに」です→【参照】:『仮定法の三つの形:仮定法過去』
【例文】:If the moon didn't exist, the Earth might not have ocean tides.
【 × 】:もし月がなかったら、潮の満ち引きはなくなったかもしれない。
【 ○ 】:もし月がなかったら、潮の満ち引きはなくなるかもしれない。
→実際は潮の満ち引きは存在する
仮定法過去は「今の現実はそうじゃないけれど」というニュアンスを含むので、和訳は「現在」になります。
might:仮定法過去完了(〜だったかもしれないのに)
助動詞の意味:might(12)
↑
"might"は「might + have + 過去分詞」の形で仮定法過去完了を表わします。過去の事実に反する仮定を表わします。ニュアンスは「(現実はそうではなかったがもし条件が満たされていたら)〜だったかもしれないのに」です→【参照】:『仮定法の三つの形:仮定法過去完了』
# might + have + 過去分詞(〜だったかもしれないのに)【仮定法過去完了】
【例文】:If I had been a fast runner, I might have been able to catch the purse snatcher.
【和訳】:足が速ければ、引ったくり犯を捕まえることができたかもしれない。
→現実は引ったくり犯に逃げられた
仮定法過去完了は「そんなことは実際には起こらなかったけれど」というニュアンスを含むので、和訳は「過去」になります。
might:実現しなかった過去の物事(ひょっとして〜だったかもしれないのに)
助動詞の意味:might(13)
↑
"might"は「might + have + 過去分詞」の形で実現しなかった過去の物事を表わします。ニュアンスは「(現実は違うが)ひょっとして〜だったかもしれないのに」です。
# might + have + 過去分詞(ひょっとして〜だったかもしれないのに)【実現しなかった過去の物事】
【例文】:You might have been run over! Never pass out and sleep on the road.
【和訳】:ひょっとして車に轢かれていたかもしれないんですよ。酔いつぶれて道路で寝るようなマネはやめて下さい。
→道路には寝ていたが轢かれはしなかった
might:譲歩(〜だったけれども)
助動詞の意味:might(14)
↑
"might"は"過去の「譲歩」の意味を強調することがあります。現在の「譲歩」の意味は"may"で表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:現在の譲歩(〜だけれども)』
A might 〜, but B(Aは〜ではあったけれど、しかしBだった)
助動詞の意味:might:譲歩(〜だったけれども)(1)
↑
"might"は"A might 〜, but B"の構文で「譲歩」の意味を強調することがあります。和訳は「なるほどAは〜であったが、しかしBであった、たとえAが〜であったとしても、実際はBだった」などを当てます。
【例文】:The typhoon might not have brought so much rain, but it left severe wind damage.
【和訳】:台風の雨はたいしたことはなかったが、風の被害がきわめてひどかった。
→"might"は譲歩の意味を強調する
whoever, whatever, wherever, whenever, however
助動詞の意味:might:譲歩(〜だったけれども)(2)
↑
"might"は"whoever, whatever, wherever, whenever, however"を使う構文で「譲歩」の意味を強調することがあります。ニュアンスは「かつてはそういう状況であったかもしれないが〜であったことは間違いない」です。"might"を使わなくても意味に大きな変化はありませんが、"might"を使うとやや堅苦しい表現になります。
【例文】:Whoever might come, the person left without ringing the bell.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:誰が訪ねてきたにせよ、その人物は呼び鈴を鳴らさずに立ち去った。
【例文】:Whoever came, the person left without ringing the bell.
【和訳】:来たのが誰であろうと、その人物は呼び鈴を鳴らさずに立ち去った。
→"might"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
【例文】:I don't suppose it was a aircraft or a bird whatever you might see.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:あなたが何を目撃したにせよ、それは航空機や鳥ではなさそうだ。
【例文】:I don't suppose it was a aircraft or a bird whatever you saw.
【和訳】:あなたが何を見たとしても、それは航空機や鳥ではなさそうだ。
→"might"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
【例文】:However thoroughly we might clean up, the beach is covered with trash like plastic bottles and bags soon.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:どれほど徹底的に掃除をしたとしても、海岸はすぐにペットボトルやレジ袋などのごみで覆われてしまう。
【例文】:However thoroughly we clean up, the beach is covered with trash like plastic bottles and bags soon.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:どんなにきちんと掃除をしても、海岸はすぐにペットボトルやレジ袋などのごみで覆われてしまう。
→"might"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
though, although(〜だったけれども)
助動詞の意味:might:譲歩(〜だったけれども)(3)
↑
"might"は接続詞の"though"や"although"を使う構文で「譲歩」の意味を強調することがあります。ニュアンスは「今はそういう状況であるかもしれないが〜であることは間違いない」です。"might"を使わなくても意味に大きな変化はありませんが、"might"を使うとやや堅苦しい表現になります。
【例文】:Though we might pile up sandbags at the entrance, the flood water came into our house.
【和訳】:入り口に土嚢を積み上げていたけれども、水は家の中まで入って来ました。[※やや堅苦しい言い方]
【例文】:Though we piled up sandbags at the entrance, the flood water came into our house.
【和訳】:入り口に土嚢を積み上げていたけれど、水は家の中まで入って来ました。
→"might"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
【例文】:Although I might brush my teeth frequently, I had a decayed tooth.
(= Even though I might brush my teeth frequently, I had a decayed tooth.)
【和訳】:まめに歯磨きは行っていたけれど、虫歯になってしまった。[※やや堅苦しい言い方]
【例文】:Although I brushed my teeth frequently, I had a decayed tooth.
(= Even though I brushed my teeth frequently, I had a decayed tooth.)
【和訳】:まめに歯磨きはしてたけど、虫歯になってしまった。
→"might"は譲歩の意味を強調する、やや堅苦しい表現
Young as/though he might be(彼は若かったけれど)
助動詞の意味:might:譲歩(〜だったけれども)(4)
↑
mightは"as"や"though"を使う倒置構文で「譲歩」の意味を表わすことがあります→【参照】:『なぜ倒置を使うの?文に特別な意味を持たせる持たせる……「譲歩」の"as, though": Cold as it was(寒かったけれど)』
形容詞や副詞、名詞、動詞に"as"や"though"を付け加えて主語の前に置きます。助動詞の"do, does, did"の追加は不要。「〜 as/though + 主語 + might + 動詞」の形で使います。やや堅苦しい表現です。
# 形容詞 + as/though + 主語 + might + 動詞 + 〜
# 副詞 + as/though + 主語 + might + 動詞 + 〜
# 名詞 + as/though + 主語 + might + 動詞 + 〜
# 動詞 + as/though + 主語 + might + 〜
【例文】:Disappointed as I might be at failing in the entrance examination, I found other aim than going to college.
【例文】:Disappointed though I might be at failing in the entrance examination, I found other aim than going to college.
(= Althouth I might be disappointed at failing in the entrance examination, I found other aim than going to college.)
【和訳】:大学入試に失敗して落胆したけれど、進学とは別の目的が見つけることができた。
→"might"は譲歩の意味を強調する
【例文】:Carefully as I might search for my contact lens I had dropped, I was unable to find it.
【例文】:Carefully though I might search for my contact lens I had dropped, I was unable to find it.
(= Although I might search for my contact lens I had dropped, I was unable to find it.)
【和訳】:落したコンタクトレンズを丹念に探してみたけれど、見つからなかった。
→"might"は譲歩の意味を強調する
【例文】:Sailor as I might be, I got seasick once in a while.
【例文】:Sailor though I might be, I got seasick once in a while.
(= Although I might be a sailor, I got seasick once in a while.)
【和訳】:仕事は船乗りでしたが、たまに船酔いにかかっていました。
→"might"は譲歩の意味を強調する
【例文】:Walk as I might, all the shops in the shopping streets were closed and shuttered.
【例文】:Walk though I might, all the shops in the shopping streets were closed and shuttered.
(= Although I might walk much, all the shops in the shopping streets were closed and shuttered.)
【和訳】:どれだけ歩いても、商店街の店はすべてシャッターを下ろして閉まっていました。
→"might"は譲歩の意味を強調する
might:過去の目的(〜するために)
助動詞の意味:might(15)
↑
"might"は過去の「目的」を表わします。"so that 〜"と"in order that 〜"の構文で使います。"might"の代わりに"would"や"could"を使うこともできます。"might"を使うとやや堅苦しいニュアンスになります。
現在の「目的」は"may"で表わします→【参照】:『助動詞mayの意味:現在の目的(〜するために)』
# A so that B might 〜.(Bが〜するためにAであった)[※やや堅苦しい言い方]
# A in order that B might 〜.(Bが〜するためにAであった)[※やや堅苦しい言い方]
【例文】:We placed a seismometer so that we mightt observe the volcano activity.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:火山活動を観察する目的のために地震計を設置した。
→"might"は過去の目的を表わす
【例文】:We placed a seismometer so that we could observe the volcano activity.
【和訳】:火山活動を観察するために地震計を設置した。
【例文】:The sea gates were closed in order that we might protect the town from the tsunami.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:津波から町を守る目的のために防潮扉が閉められた。
→"might"は過去の目的を表わす
【例文】:The sea gates were closed in order that we would protect the town from the tsunami.
【和訳】:津波から町を守るために防潮扉が閉められた。
現在の「目的」を表わす場合は"may"を使います→【参照】:『助動詞mayの意味:現在の目的(〜するために)』
【例文】:We place a seismometer so that we mayt observe the volcano activity.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:火山活動を観察する目的のために地震計を設置する。
→"may"は現在の目的を表わす
【例文】:The sea gates are closed in order that we may protect the town from the tsunami.[※やや堅苦しい言い方]
【和訳】:津波から町を守る目的のために防潮扉は閉められる。
→"may"は現在の目的を表わす
助動詞oughtの構文
助動詞の意味:ought(1)
↑
"ought"はれっきとした《助動詞》ですが、ほかの《助動詞》とは違い、いつも次にto不定詞を置きます。
【例文】:誰もが自然災害に備えておくべきだ。
【 × 】:Everybody ought prepare for natural disasters.
【 ○ 】:Everybody ought to prepare for natural disasters.
→"prepare"の前に"to"が必要
"ought"はいつも次にto不定詞を置くので、特に否定文と疑問文の構文がほかの《助動詞》とはかなり違います。
文の種類 | oughtの構文 |
---|---|
肯定文 |
You ought to go.(あなたは行くべきだ) |
否定文 |
You oughtn't (= ought not) to go.(あなたは行くべきではない) [※"not"はto不定詞の前に置く] |
肯定疑問文 |
Ought I to go?(私は行くべきか) [※"ought"を文頭に置く] |
否定疑問文 |
Ought I not to go?(私は行かないほうがよいか) [※"ought"を文頭へ、"not"をto不定詞の前に置く] Oughtn't I to go?(私は行かないほうがよいか) [※"oughtn't"(= ought not)を文頭に置く、やや堅苦しい表現] |
付加疑問文 |
I ought to go, oughtn't I?(私はいくべきかな) [※"oughtn't"(= ought not)を使う] I ought to go, shouldn't I?(私はいくべきかな) [※"oughtn't"(= ought not)の代わりに"shouldn't"も使える] |
ought:義務(〜すべきだ)
助動詞の意味:ought(2)
↑
"ought"は「義務」を表わします。ニュアンスは「〜しなければならない、〜する必要がある」です。常に「ought + to不定詞」の形で使います→【参照】:『助動詞oughtの構文』
【例文】:あなたは明日医者に行くべきだ。
【 × 】:You ought see a doctor tomorrow.
【 ○ 】:You ought to see a doctor tomorrow.
→"see"の前に"to"が必要
"should"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞shouldの意味:義務(〜すべきだ)』
【例文】:あなたは明日医者に行くべきだ。
【和訳】:You should see a doctor tomorrow.
(= You ought to see a doctor tomorrow.)
ought:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)
助動詞の意味:ought(3)
↑
"ought"は確信度が中くらいの推量を表わします。「現在の物事に対する話し手の推量」を表現します。「ought = 〜すべきである」とは限りません→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:現在の物事に対する話し手の推量、確信』
"ought"は特に、こうなって欲しいという「期待」のニュアンスを強調します。"ought"は常に「ought + to不定詞」の形で使います→【参照】:『助動詞oughtの構文』
【例文】:There ought to be buses at this hour.
【 × 】:この時間にバスがあらなければならない。
【 ○ 】:この時間ならバスはあるはずだ。
→"ought"は確信度が中くらいの現在の推量を表わす、"ought"の次に"to"が必要
"should"もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)』
【例文】:There should be buses at this hour.
(= There ought to be buses at this hour.)
【和訳】:この時間ならバスはあるはずだ。
→"should"は確信度が中くらいの現在の推量を表わす
「確信度が中くらいの過去の推量」は「ought to + have + 過去分詞」「should + have + 過去分詞」を使います→【参照】:『助動詞oughtの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
【例文】:There ought to have been buses at this hour.
【例文】:There should have been buses at this hour.
【和訳】:この時間ならバスはあったはずだ。
→"ought to have"や"should have"は確信度が中くらいの過去の推量を表わす
ought:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)
助動詞の意味:ought(4)
↑
"ought"は「ought to + have + 過去分詞」の形で確信度が中くらいの推量を表わします。「過去の物事に対する話し手の推量」を表現します。「ought = 〜すべきである」とは限りません→【参照】:『助動詞の一覧:意味別:話し手の推量、確信:過去の物事に対する話し手の推量、確信』
# ought to + have + 過去分詞:過去の推量(〜だったはずだ)【確信度が中くらいの過去の推量】
"ought"は特に、こうなって欲しかったという「期待」のニュアンスを強調します。"ought"は常に「ought + to不定詞」の形で使います→【参照】:『助動詞oughtの構文』
【例文】:The typhoon ought to have been downgraded to a tropical cyclone.
【和訳】:台風は温帯低気圧に変化したはずだ。
「should + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
【例文】:The typhoon should have been downgraded to a tropical cyclone.
(= The typhoon ought to have been downgraded to a tropical cyclone.)
【和訳】:台風は温帯低気圧に変化したはずだ。
「ought to + have + 過去分詞」や「should + have + 過去分詞」は実現しなかった過去の物事を表わすこともあります→【参照】:『助動詞oughtの意味:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)』『助動詞shouldの意味:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)』
【例文】:I ought to have saved some money for my old age.
【例文】:I should have saved some money for my old age.
【和訳】:老後のために貯金をしておくべきだった。
→貯金がないまま歳を取った
「ought to + have + 過去分詞」は実現すべき未来を表わすこともあります→【参照】:『助動詞oughtの意味:実現すべき未来(〜しておくべきだ、〜しておかねばならない)』
【例文】:You ought to have decided which college you want to go to before the summer vacation starts.
【和訳】:夏休みが始まる前に志望大学を決めておくべきだ。
→志望大学はまだ決めていない
「確信度が中くらいの現在の推量」は単独の"ought"や"should"を使います→【参照】:『助動詞oughtの意味:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)』『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの現在の推量(〜のはずだ)』
【例文】:The typhoon ought to be downgraded to a tropical cyclone.
【例文】:The typhoon should be downgraded to a tropical cyclone.
【和訳】:台風は温帯低気圧に変化するはずだ。
→"ought, should"は現在の推量を表わす
ought:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)
助動詞の意味:ought(5)
↑
"ought"は「ought to + have + 過去分詞」の形で実現しなかった過去の物事を表わします。ニュアンスは「〜すべきだったのに」です→【参照】:『助動詞 + have + 過去分詞」の意味……「現在形の助動詞 + have + 過去分詞」の一覧』
# ought to + have + 過去分詞(〜すべきだった)【実現しなかった過去の物事】
【例文】:The government ought to have disclosed full information about the accident at the nuclear plant.
【和訳】:政府は原発事故に関する情報公開を充分にしておくべきだった。
→実際は充分な情報公開がなかった
やるべきことをやらなかった手落ちや怠慢を責めるニュアンスを表わすことがあります。
【例文】:You ought to have checked whether the fire doors would function properly.
【和訳】:防火扉が正常に機能するかどうか確認しておくべきでしたね。
→"ought have checked"は非難を表わす
「should + have + 過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『助動詞の意味:should + have + 過去分詞:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)』
【例文】:The government should have disclosed full information about the accident at the nuclear plant.
(= The government ought to have disclosed full information about the accident at the nuclear plant.)
【和訳】:政府は原発事故に関する情報公開を充分にしておくべきだった。
【例文】:You should have checked whether the fire doors would function properly.
(= You ought to have checked whether the fire doors would function properly.)
【和訳】:防火扉が正常に機能するかどうか確認しておくべきでしたね。
「ought to + have + 過去分詞」や「should + have + 過去分詞」は「確信度が中くらいの過去の推量」を表わすこともあります→【参照】:『助動詞oughtの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』『助動詞shouldの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』
【例文】:The cold medicine ought to have relieved your runny nose and sneezing.
【例文】:The cold medicine should have relieved your runny nose and sneezing.
【和訳】:風邪薬が鼻水とくしゃみを抑えていたはずだ。
「ought to + have + 過去分詞」は実現すべき未来を表わすこともあります→【参照】:『助動詞oughtの意味:実現すべき未来(〜しておくべきだ、〜しておかねばならない)』
【例文】:The school buildings ought to have been retrofitted before the next major earthquake.
【和訳】:次の大地震が来る前に校舎の耐震化工事を行っておくべきだ。
→耐震化工事は未着工
ought:実現すべき未来(〜しておくべきだ、〜しておかねばならない)
助動詞の意味:ought(6)
↑
"ought"は「ought to + have + 過去分詞」の形で実現すべき未来を表わします。今後必ずやっておくべき物事を表現します→【参照】:『助動詞 + have + 過去分詞」の意味……「現在形の助動詞 + have + 過去分詞」の一覧』
# ought to + have + 過去分詞(〜しておくべきだ)【実現すべき未来】
「ought to + have + 過去分詞」は「確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)」や「実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)」を表わすこともあります→【参照】:『oughtの意味:確信度が中くらいの過去の推量(〜だったはずだ)』 『oughtの意味:実現しなかった過去の物事(〜すべきだった)』
「ought to + have + 過去分詞」の意味がどれなのかは、前後の流れから判断します。文中に未来を表わす語句、たとえば"tomorrow"(明日)や"next week"(来週)などがあれば、たいてい「ought to + have + 過去分詞」は「実現すべき未来(〜しておくべきだ、〜しておかねばならない)」を表わします。
【例文】:You ought to have got a passport before you travel to foreign countries.
【和訳】:海外旅行に行く前にパスポートを取得しておく必要がある。
→パスポートはまだ取得していない
【例文】:We ought to have finished the student newspaper by the end of this week.
【和訳】:学校新聞を今週末までに仕上げなければならない。
→学校新聞はまだ作成途中
助動詞の"need"と動詞の"need"
助動詞の意味:need(1)
↑
《助動詞》の"need"はたいてい疑問文か否定文で使います。 平叙文で使うときはたいてい、"dare"と同じように「need + to不定詞」の形で動詞として使います。
現代の英語では《助動詞》の"need"は比較的まれです。英作文ではなるべく動詞として使います。"need"の次にto不定詞を続ければ「動詞用法」となります。
構文を間違えやすいので、助動詞の"need"と動詞の"need"の構文を比較してまとめます。特に疑問文と否定文のとき、構文をミスりがち。"need"を通常の動詞として使うときは"need"に必ずto不定詞を続けます。
# 【動詞のneed】:主語 + need + to + 動詞の原形
# 【助動詞のneed】:主語 + need + 動詞の原形
文の種類 | needの構文 | |
---|---|---|
現在 | 過去 | |
平叙文 |
I need go. [助動詞] [※あまり使わない] I need to go. [動詞] |
[なし][助動詞] [※助動詞のneedには過去形がない] I needed to go. [動詞] |
疑問文 |
Need you go? [助動詞] [※あまり使わない] Do you need to go? [動詞] |
[なし][助動詞] [※助動詞のneedには過去形がない] Did you need to go? [動詞] |
否定文 |
I need not (= needn't) go. [助動詞] [※あまり使わない] I don't need to go. [動詞] |
[なし][助動詞] [※助動詞のneedには過去形がない] I didn't need to go. [動詞] |
need:現在の必要性(〜する必要がある、〜すべきである)
助動詞の意味:need(2)
↑
《助動詞》"need"は「現在の必要性」を表わします。ニュアンスは「〜する必要がある、〜すべきである」です。
【例文】:あなたは医者に行くべきだ。
【 △ 】:You need go to see a doctor.[※"need"は助動詞]
【 ○ 】:You need to go to see a doctor.[※"need"は動詞]
→平叙文での助動詞の"need"はややまれ
《助動詞》の"need"はたいてい疑問文や否定文で使います。
【例文】:医者に行く必要があるかな。
【英訳】:Need I go to see a doctor?
(= Do I need to go to see a doctor?)
【例文】:あなたは医者に行く必要はない。
【英訳】:You need'nt go to see a doctor.
(= You don't need to go to see a doctor.)
否定に近い意味を表わす語句を含む場合、《助動詞》の"need"を平叙文で使うことがあります。
【例文】:I hardly need remind you that a strong typhoon is approaching.
【和訳】:改めて言う必要もほとんどありませんが、強い台風が接近中です。
【例文】:I need hardly tell you that hand-washing is effective in preventing flu.
【和訳】:あえて話す必要もほとんどありませんが、手洗いはインフルエンザ予防に有効です。
【例文】:Nothing need be done if the alarm is false.
【和訳】:警報が誤報であれば何をする必要もありません。
【例文】:When it is hard for you do something by yourself, you need only ask for help.
【和訳】:一人ではできないことなら助けを求めさえすればよい。
【例文】:All you need bring is writing tools.
【和訳】:持って来るのは筆記用具だけでよい。
need:過去の不必要な物事(〜する必要はなかったのに)
助動詞の意味:need(3)
↑
《助動詞》の"need"は「need + not + have + 過去分詞」の形で過去の不必要な物事を表わします。ニュアンスは「してしまったけれど〜する必要はなかったのに」です→【参照】:『助動詞 + have + 過去分詞」の意味……「現在形の助動詞 + have + 過去分詞」の一覧』
# need + not + have + 過去分詞(〜する必要はなかったのに)【過去の不必要な物事】
【例文】:I need not have bought a smartphone. It's too bulky to carry around.
【和訳】:スマートフォンなんて買う必要はなかった。持って歩くには大き過ぎる。
→スマホを買ってしまった
単純に「そんなことをする必要はなかった」を表わすときは、動詞の"need"を使って"didn't need to 〜"とします。あるいは"did not have to 〜"を使います。
【例文】:I didn't need to buy a smartphone. A cell phone was enough for me.
【例文】:I didn't have to buy a smartphone. A cell phone was enough for me.
【和訳】:スマートフォンを買う必要はなかった。携帯電話で充分だ。
→スマホは買っていない
助動詞の"dare"と動詞"dare"
助動詞の意味:dare(1)
↑
《助動詞》の"dare"は動詞としても使うことができます。現在の英語では動詞の"dare"のほうをよく使います。"dare"を《助動詞》として使う場合も動詞として使う場合も、たいてい疑問文や否定文で使います。平叙文ではあまり使いません。
構文を間違えやすいので、《助動詞》の"dare"と動詞の"dare"の構文を比較してまとめます。特に疑問文と否定文のとき、構文をミスりがち。通常の動詞として使うときは、"dare"にto不定詞を続けます。
ただし、"dare"を動詞として使った「dare + to不定詞」の場合、"to"をよく省略します。
【例文】:ここから飛び下りる勇気はないよ。
【 ○ 】:I don't dare to jump down from here.
【 ○ 】:I don't dare jump down from here.
(= I daren't jump down from here.)
→"dare"は動詞なので否定は"don't"を使う、"to"は省略可能
文の種類 | dareの構文 | |
---|---|---|
現在 | 過去 | |
平叙文 |
I dare go. [助動詞][※あまり使わない] I dare to go. [動詞][※あまり使わない] I dare go. [動詞][※あまり使わない] |
I dared go. [助動詞][※あまり使わない] I dared to go. [動詞][※あまり使わない] I dared go. [動詞][※あまり使わない] |
疑問文 |
Dare you go? [助動詞] Do you dare to go? [動詞] Do you dare go? [動詞] |
Dared you go? [助動詞] Did you dare to go? [動詞] Did you dare go? [動詞] |
否定文 |
I dare not (= daren't) go. [助動詞] I don't dare to go. [動詞] I don't dare go. [動詞] |
I dared not go. [助動詞 I didn't dare to go. [動詞] I didn't dare go. [動詞] |
dare:勇気(あえて〜する、勇気を持って〜する)
助動詞の意味:dare(2)
↑
"dare"は「勇気」を表わします。ニュアンスは「あえて〜する、勇気を持って〜する、〜する勇気がある」です。
"dare"は《助動詞》の一つですが、たいてい疑問文か否定文で使います。
"dare"は動詞として使うとき、to不定詞の"to"を省略して「dare + 原形不定詞」の形になることもあります。見かけは《助動詞》の構文と同じですが、否定文では「do/does/did not dare + 原形不定詞」となるので、"dare"が動詞であることがわかります。
【例文】:賞味期限が二年も過ぎたこの桃の缶詰を開ける勇気はない。
【 △ 】:I daren't open the canned peach, which expired two years ago.[※"dare"は助動詞]
【 ○ 】:I don't dare to open the canned peach, which expired two years ago.[※"dare"は動詞]
【 ○ 】:I don't dare open the canned peach, which expired two years ago.[※"dare"は動詞]
→"dare"の次の"to"は省略可能
"dare"を使うイディオム
助動詞の意味:dare(3)
↑
"dare"を使うイディオムをまとめます。いずれも会話でよく使います。
I dare say 〜(おそらく〜だ)【推測】
助動詞の意味:dare:"dare"を使うイディオム(1)
↑
"I dare say"で【推測】を表わします。"I daresay"と縮めて綴ることもあります。意味は同じ。ニュアンスは「断言はできないけれどあえて言わせてもらうならば」です。"I dare say, I daresay"は文尾に置くこともできます。
【例文】:I dare say there'll be a taxi at the station.
【例文】:There'll be a taxi at the station, I dare say.
(= I suppose there'll be a taxi at the station.)
【和訳】:たぶん駅でタクシーが拾えるでしょう。
"I dare say, I daresay"単独でも使うことができます。
【例文】:"Are face masks sold out?" "I daresay."
(= "Are face masks sold out?" "I suppose so.")
【和訳】:「マスクは売り切れかな」「たぶん」
"that"を足した"I dare say that 〜"の意味は「あえて〜と言う」です。
【例文】:I dare say that you have to admit your mistake and apologize as soon as possible.
【 × 】:おそらく、あなたは自分のミスを認めてなるべく早く謝罪すべきだ。
【 ○ 】:あえて言うが、あなたは自分のミスを認めてなるべく早く謝罪すべきだ。
→"I dare say that 〜"の意味は「あえて〜と言う」
How dare 〜?(よくも〜できるものだ)【怒り】
助動詞の意味:dare:"dare"を使うイディオム(2)
↑
"How dare 〜?"は【怒り】を表わします。ニュアンスは「よくも〜のようなひどいことができるね、〜するとは上等だ」です。たいてい、すでにやらかしてしまった行ないに対する【怒り】を表わします。文末には疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)を使うこともできます。
【例文】:How dare you betray me?
【和訳】:よくも裏切ったな。
【例文】:How dare the government increase the consumption tax!
【和訳】:政府はよくも増税なんでできたものだ。
Don't you dare 〜(〜をしたら承知しないぞ)【警告】
助動詞の意味:dare:"dare"を使うイディオム(3)
↑
"Don't you dare 〜"は【警告】を表わします。ニュアンスは「そんなことをしたら承知しないぞ、やらなくてもいいことをあえてしないように」です。文末には疑問符(?)の代わりに感嘆符(!)を使うこともできます。
【例文】:Don't you dare interrupt us?
【和訳】:話の腰を折らないで下さいよ。
【例文】:Don't you dare use my shampoo!
【和訳】:私のシャンプーを使ったら承知しないわよ。
used:助動詞usedの構文
助動詞の意味:used(1)
↑
"used"はれっきとした《助動詞》ですが、ほかの《助動詞》とは違い、いつも次にto不定詞を置きます。"used"の発音は「ユースト」です。
【例文】:昔は焼き肉が大好きだった。
【 × 】:I used love yakiniku.
【 ○ 】:I used to love yakiniku.
→"love"の前に"to"が必要
"used"はいつも次にto不定詞を置くので、特に否定文と疑問文がほかの《助動詞》とはかなり違います。
文の種類 | usedの構文 |
---|---|
肯定文 |
I used to live here. |
否定文 |
I didn't use to live here. [※現在形の"use"を使う、"used"の否定でもっともよく使う形] I never used to live here. [※"never"を"used"の前に置く] I usedn't (= used not) to live here. [※"not"を"used"の次に置く、やや堅苦しい言い方] |
肯定疑問文 |
Did you use to live here? [※"did"を文頭に置く、現在形の"use"を使う] Used you to live here? [※"used"を文頭に置く、やや堅苦しい言い方] |
否定疑問文 |
Didn't you use to live here? [※"didn't"を文頭に置く、現在形の"use"を使う] Usedn't you to live here? [※"usedn't"を文頭に置く、やや堅苦しい言い方] |
付加疑問文 |
You used to live here, didn't you? [※"didn't"を使う、"usedn't you?"とは言わない] |
《助動詞》の"used"は疑問文や否定文では《助動詞》の"did"を使うのが普通です。"Used you to 〜?"や"You usedn't to 〜."はやや堅苦しい表現です。
《助動詞》の"used"は過去を表わすので、否定や疑問で使う《助動詞》は"do"ではなく、もっぱら過去形の"did"を使います。また、否定文や疑問文で"did"を使うときに限り、"use"{発音:ユース}という現在形を使います。
used:過去の習慣(昔はよく〜したものだ)
助動詞の意味:used(2)
↑
"used"は「過去の習慣」を表わします。昔、繰り返して行った動作や行動を表現します。ニュアンスは「昔はよく〜したものだ」です。常に「主語 + used + to不定詞」の形で使います→【参照】:『助動詞usedの構文』
【例文】:昔はよく医者に行っていたものだ。
【 × 】:I used see a doctor.
【 ○ 】:I used to see a doctor.
→今は医者にはあまり行かない
"would"もほぼ同じ意味を表わします。"would often"の形でよく使います。
【例文】:昔はよく医者に行っていたものだ。
(= I used to see a doctor.)
【和訳】:I would often see a doctor.
現在の習慣は"will"で表わします→【参照】:『助動詞willの意味:現在の習慣(いつも〜する、しょっちゅう〜している)』
used:過去の状態(昔は〜だった)
助動詞の意味:used(3)
↑
"used"は「過去の状態」を表わします。ニュアンスは「今とは違って昔は〜だった」です。常に「主語 + used + to不定詞」の形で使います→【参照】:『助動詞usedの構文』
"would"が「過去の状態」を表わすことはありません。"would"は過去に定期的に行った「動作」を表わします→【参照】:『助動詞wouldの意味:過去の習慣(よく〜したものだ、しょっちゅう〜していた)』
【例文】:このクマのぬいぐるみはお母さんのものだった。
【 × 】:This stuffed bear used belong to my mother.
【 × 】:This stuffed bear would belong to my mother.
【 ○ 】:This stuffed bear used to belong to my mother.
→今は母のものではない、"would"は不可、"used"の次に"to"が必要
be used to + 動名詞(〜に慣れている)
助動詞の意味:used(4)
↑
似たような表現でbe動詞を使う「be used to + 動名詞」の意味は「〜に慣れている」です。"used"は形容詞。"to"の次には動詞の原形ではなくing形を置きます。
# used + to不定詞(昔はよく〜したものだ、昔は〜だった)[※usedは助動詞]
# be used to + 動名詞(〜することに慣れている)[※usedは形容詞]
【例文】:昔はよく絶叫マシンに乗っていました。
【 × 】:I am used to riding a thrill ride.
【 ○ 】:I used to ride a thrill ride.
→「昔はよく〜していた」は「used + to不定詞」、usedは助動詞
【例文】:絶叫マシンに乗るのは慣れています。
【 × 】:I used to ride a thrill ride.
【 ○ 】:I am used to riding a thrill ride.
→「〜に慣れている」は「be used + 動名詞」、usedは形容詞
現在形の助動詞の意味
現在形の《助動詞》の意味を一覧にまとめます。
過去形の助動詞の意味
過去形の《助動詞》の意味を一覧にまとめます。
独特の意味がある「助動詞 + have + 過去分詞」
「助動詞 + have + 過去分詞」は、《助動詞》単体からは想像できない意味を持つものがあるのでここでまとめます。「現在形の助動詞 + have + 過去分詞」と「過去形の助動詞 + have + 過去分詞」の二つに分けます。
「現在形の助動詞 + have + 過去分詞」の意味
「助動詞 + have + 過去分詞」の意味(1)現在形の助動詞
↑
「過去形の助動詞 + have + 過去分詞」の意味
「助動詞 + have + 過去分詞」の意味(2)過去形の助動詞
↑
意味ごとのグループ分け
「時」を表わす
助動詞の意味別の一覧(1)
↑
《助動詞》の中で「時」を表わすものを一覧にまとめます。
「様子、状態」を表わす
助動詞の意味別の一覧(2)
↑
《助動詞》の中で「様子、状態」を表わすものを一覧にまとめます。
「主語や話し手の気持ち」を表わす
助動詞の意味別の一覧(3)
↑
《助動詞》の中で「主語や話し手の気持ち」を表わすものを一覧にまとめます。
「他人に対する呼び掛け」を表わす
助動詞の意味別の一覧(4)
↑
《助動詞》の中で「他人に対する呼び掛け」を表わすものを一覧にまとめます。
「話し手の推量、確信」を表わす
助動詞の意味別の一覧(5)
↑
《助動詞》の中には、それぞれの《助動詞》としての特有の意味のほかに、「話し手の推量、確信」を表わすものが九つあります。
九つの《助動詞》はすべて共通のニュアンスである「話し手の推量、確信」を表わします。ただし、確信の強さに応じて、およそ四段階に分かれます。なので、文脈によっては、"should"や"ought"を「〜のはずだ」、"will"を「きっと〜だ」と和訳することもありえます。
「現在の物事に対する話し手の推量、確信」を表わす
助動詞の一覧:意味別:「話し手の推量、確信」を表わす助動詞(1)
↑
現在の物事に対する話し手の推量、確信は「助動詞 + 動詞の原形」で表わします。使用可能な《助動詞》は"will, would, should, must, can, could, may, might, ought"の九つです。
どの《助動詞》でも「話し手の推量、確信」を表わすとき、意味は「現在」です。なので、過去形の"would, should, could, might"でも、現在の意味で「〜だろう」や「もしかしたら〜かもしれない」と和訳します。
「過去の物事に対する話し手の推量、確信」を表わす
助動詞の一覧:意味別:「話し手の推量、確信」を表わす助動詞(2)
↑
過去の物事に対する話し手の推量、確信は「助動詞 + have + 過去分詞」で表わします。使用可能な《助動詞》は"should, must, can, could, may, might, ought"の七つです。
# should/must/can/could/may/might/ought to + have + 過去分詞【過去の物事に対する推量】
「will + have + 過去分詞」はもっぱら未来完了時制を表わします→【参照】:『will + have + 過去分詞:未来完了時制(〜してしまっているだろう)』
「would + have + 過去分詞」はもっぱら仮定法過去完了を表わします→【参照】:『would + have + 過去分詞:仮定法過去完了(〜であったのに)』
「shall + have + 過去分詞」は実際には使わない表現です。
"must, ought, can, may"は現在形ですが、どれも「have + 過去分詞」が続くと「過去の物事に対する話し手の推量、確信」を表わします。ニュアンスは「must + have + 過去分詞 = 〜したにちがいない」「ought to have + 過去分詞 = 〜したはずだ」「cannot + have + 過去分詞 = 〜だったはずがない」「may + have + 過去分詞 = 〜したかもしれない」です。
「仮定法」を表わす
助動詞の意味別の一覧(6)
↑
過去形の《助動詞》"would, should, could, might"は仮定法過去と仮定法過去完了を表わします。
「実現しなかった過去の物事」を表わす
助動詞の意味別の一覧(7)
↑
現在形の《助動詞》"ought"と過去形の《助動詞》"should, could, might"は「ought to/should/could/might + have 過去分詞」の形で「実現しなかった過去の物事」を表わします。意味的には仮定法過去完了とほぼ同じですが、「実現しなかった過去の物事」の場合、もしもの条件を表わす"if 〜"が存在しません。
「would + have + 過去分詞」はもっぱら仮定法過去完了を表わします→【参照】:『助動詞wouldの意味:仮定法過去完了(〜であったのに)』
「敬語表現」を表わす
助動詞の意味別の一覧(8)
↑
過去形の《助動詞》"would, should, could, might"は敬語に近い意味を表わします。他人に物事を頼んだり、自分の意見を表明するときにやや控え目なニュアンスを付け加えます。「〜して下さい」や「〜だと思う」というストレートな物言いから一歩退いて「〜してくれませんか」や「〜ではないかと思います」という謙虚さを表現します。
「許可」の"may"はやや堅苦しい、"can"はくだけた
"may"と"can"はどちらも「許可」を表わします。"may"のほうが多少堅苦しい表現になり、やや高圧的です。
【例文】:You may go.
【和訳】:行ってもよろしい。
【例文】:You can go.
【和訳】:行ってもいいよ。
→"Yo may 〜"のほうが高圧的に聞こえる
疑問文を使って他人に「許可」を求めるときは、多少堅苦しいニュアンスを持つ"may"のほうが丁寧な表現になります。
【例文】:May I have your name?
【和訳】:お名前を伺ってもよろしいでしょうか。
【例文】:Can I have your name?
【和訳】:名前を聞いてもいいですか。
→"May I 〜"のほうが丁寧に聞こえる
「見る、聞く」など感覚を表わす動詞は"can"を使う
通例、"can"も"be able to"も「〜できる」の意味で使います。ただし、場合によっては"can"を好んで使う場合があります。
see(見る), hear(聞こえる), feel(感じる), smell(においがする), taste(味がする)など五感の働きを表わす動詞(知覚動詞)は"can"を使うほうが普通です→【参照】:『「知覚動詞」って何だっけ?』
# 主語 + can + see/hear/feel/taste/smell【知覚動詞】
「can + 知覚動詞」の意味は普通、「〜できる能力がある」ではなく「今現在〜を感じている」という進行中の知覚の状態を表わします→【参照】:『助動詞canの意味:現在進行中の動作(〜している)』
【例文】:遠くの島がはっきり見える。
【 △ 】:I'm able to see the distant island clearly.
【 ○ 】:I can see the distant island clearly.
→"can"を使うほうが自然
【例文】:聞こえますか。
【 △ 】:Are you able to hear me?
【 ○ 】:Can you hear me?
→"can"を使うほうが自然
【例文】:何者かに見られている気がする。
【 △ 】:I'm able to feel somebody watching me.
【 ○ 】:I can feel somebody watching me.
→"can"を使うほうが自然
【例文】:このリンゴなんか苦い味がする。
【 △ 】:I'm able to taste something bitter in this apple.
【 ○ 】:I can taste something bitter in this apple.
→"can"を使うほうが自然
【例文】:この部屋なんか腐った物のにおいがする。
【 △ 】:I'm able to smell something rotten in this room.
【 ○ 】:I can smell something rotten in this room.
→"can"を使うほうが自然
「〜できた」のニュアンスの違い
通例、"could"も"was/were able to"も「〜できた」の意味で使います。ただし、場合によっては"could"が使えないことがあります。
「〜できる能力があった」の意味
似た意味を持つ表現の使い分け(3)"could"と"was/were able to"【能力と成功】(1)
↑
「能力、力、才能」を表わすとき、"could"と"was/were able to"はどちらでも使えます。
【例文】:十代のころは十キロ泳ぐことができた。
【 ○ 】:I could swim ten kilometers when I was a teenager.
【 ○ 】:I was able to swim ten kilometers when I was a teenager.
→単に「能力」があったの意味、実際に泳げたかどうかは不明
「〜することに成功した、なんとか〜することができた」の意味
似た意味を持つ表現の使い分け(3)"could"と"was/were able to"【能力と成功】(2)
↑
「〜することに成功した、首尾よく成し遂げた、うまくいった」を表わすとき、"could"は使えません。"was/were able to"のみ使用可能。
【例文】:昨日、十キロ泳ぐことができた。
【 × 】:Yesterday I could swim ten kilometers.
【 ○ 】:Yesterday I was able to swim ten kilometers.
→「能力」に関係なく、実際に「やり遂げた」の意味なので"could"は不可
「〜することに成功した」の意味の"was/were able to"は、"succeeded in 〜"や"managed to 〜"の意味に近くなります。
【例文】:Yesterday I succeeded in swimming ten kilometers.
【和訳】:昨日、十キロ泳ぐことに成功した」
【例文】:Yesterday I managed to swim ten kilometers.
【和訳】:昨日、なんとか十キロ泳ぐことができた」
「〜できなかった」(否定文)の場合
似た意味を持つ表現の使い分け(3)"could"と"was/were able to"【能力と成功】(3)
↑
否定文や否定を表わす副詞(hardly, only, etc)などを使う場合は、couldも"was/were able to"も一回限りの不成功を表わすことができます→【参照】:『ゼロから始める副詞:否定を表わす副詞』
【例文】:We managed to reach the summit but couldn't enjoy the panorama due to dense fog.
【例文】:We managed to reach the summit but weren't able to enjoy the panorama due to dense fog.
【和訳】:なんとか山頂にたどり着いたが、濃い霧のため絶景を楽しむことはできなかった。
→"couldn't 〜" = "weren't able to 〜"(〜できなかった)
【例文】:I could only eat half of my fried rice and took the rest home.
【例文】:I was able to eat only half of my fried rice and took the rest home.
【和訳】:チャーハンを半分しか食べられなかったので残りはお持ち帰りにしました。
→"could only 〜" = "was able to 〜 only"(〜しかできなかった)
「〜できる」のニュアンスの違い」
似た意味を持つ表現の使い分け(4):"can"と"be capable of"【潜在能力や性能】(1)
通例、"can"も"be capable of"も「〜できる」の意味で使います。ただし、場合によっては"be capable of"を好んで使うことがあります。
本来持っている能力は"capable"を使う
似た意味を持つ表現の使い分け(4)"can"と"be capable of"【潜在能力や性能】(1)
↑
「人が潜在的に能力を持っている」や「機械が性能を秘めている」というニュアンスでは"be capable of"をよく使います。
【例文】:最新型の新幹線は時速三百キロで走行可能です。
【 ○ 】:The latest Shinkansen can travel 300 kilometers per hour.
【 ○ 】:The latest Shinkansen is capable of traveling 300 kilometers per hour.
「最新型の新幹線」が持つ性能を強調するときは"be capable of"をよく使います。
「もともとそんなことはできない」というニュアンスを表わすときは、"capable"の否定形の"incapable"を使います。
【例文】:魂は不滅かもしれないけど、肉体は永遠には生きられない。
【 ○ 】:The human soul may be immortal, but the human body can't live forever.
【 ○ 】:The human soul may be immortal, but the human body is incapable of living forever.
「人の肉体の特徴として不滅ではない」ことを強調する場合は"be incapable of"をよく使います。
「be capable/incapable of + 名詞」も可能
似た意味を持つ表現の使い分け(4)"can"と"be capable of"【潜在能力や性能】(2)
↑
"be capable/incapable of"の場合、"of"の次は動名詞以外に名詞も可能です。
【例文】:An ecosystem is capable of recovery from some damage.
【和訳】:生態系はある程度のダメージから回復することができる。
→"is capable of recovery"の意味は「回復することができる」、"recovery"は名詞
【例文】:I don't think you are incapable of courage.
【和訳】:あなたが意気地なしとは思えない。
→"are incapable of courage"の意味は「勇気を持てない(= 意気地なしである)」、"courage"は名詞
"be capable of 〜"は傾向や可能性も表わす
似た意味を持つ表現の使い分け(4)"can"と"be capable of"【潜在能力や性能】(3)
↑
"be capable of 〜"は「人が〜しがちである、よく〜する」という傾向や可能性のニュアンスを表わすことがあります。"can"にはない意味です。
【例文】:Ted is capable of losing his temper.
【 × 】:テッドは腹を立てることができる。
【 ○ 】:テッドはすぐにカッとなる。
→"be capable of"は能力ではなく傾向を表わす
「義務」のニュアンスの違い
通例、"should"も"be supposed to"も「義務」を表わします。"be supposed to"は特に法律や慣習、取り決めなどで「義務」と定められていることを表わします。
"be supposed to"は決まりに基づく「義務」を表わす
似た意味を持つ表現の使い分け(5)"should"と"be supposed to"【義務、思考、予定】(1)
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"be supposed to 〜"を直訳すると「〜すると思われている」なので、ここから派生して「〜すると期待されている、〜しなければならない、〜すべきだ」の意味が生まれたようです。
【例文】:私は一日一回飼犬を散歩に連れて行ってやらなければならない。
【英訳】:I am supposed to walk our dog once a day.
【英訳】:I should walk our dog once a day.
"am supposed to 〜"は「家族内の取り決め、家族ルール」で犬の散歩が私の「義務」であることを強調します。"should"は取り決めがあるにせよないにせよ、話し手がこうしなければならないと考えていることを表わします。
【例文】:この公園で犬を散歩させてはいけない。
【英訳】:You are not supposed to walk a dog in this park.
【英訳】:You should not walk a dog in this park.
"are not supposed to 〜"は「公園内の規則」として犬の散歩は「禁止」であることを強調します。"should not"は規則があるにせよないにせよ、話し手が公園内で犬を散歩させてはならないと考えていることを表わします。
be supposed to 〜(〜だと思われている)【思考、想像】
似た意味を持つ表現の使い分け(5)"should"と"be supposed to"【義務、思考、予定】(2)
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"be supposed to 〜"は「〜だと思われている、〜だと考えられている」という意味もあります。"suppose"の本来の意味は「〜だと思う」です。
【例文】:Japan is supposed to be one of the safest countries.
【 × 】:日本は最も安全な国の一つであるべきだ。
【 ○ 】:日本は最も安全な国の一つだと考えられている。
"be thought to 〜"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:Japan is thought to be one of the safest countries.
(= Japan is supposed to be one of the safest countries.)
【和訳】:日本は最も安全な国の一つだと考えられている。
be supposed to 〜(〜するはずだ、〜であるはずだ)【予定、期待】
似た意味を持つ表現の使い分け(5)"should"と"be supposed to"【義務、思考、予定】(3)
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"be supposed to 〜"は「こうなるはずだ」という予定や期待を表わすことがあります。
【例文】:This dam is supposed to prevent from flood.
【 × 】:このダムは洪水を防ぐべきだ。
【 ○ 】:このダムは洪水を防ぐはずである。
時制が過去になると、予定通りにはいかなかった、期待は裏切られたことを表わします。
【例文】:This dam was supposed to prevent from flood.
【 × 】:このダムは洪水を防ぐべきだった。
【 ○ 】:このダムは洪水を防ぐはずだった。
→ダムは洪水を防いでくれなかった
義務の意識は"had better"のほうが強い
似た意味を持つ表現の使い分け(6)【義務、忠告】:"should"と"had better"(1)
通例、"should"も"had better"も「義務」を表わします。"had better"のほうが「しなきゃならん」という緊迫感が強く現われます。
# 主語 + had better + 動詞の原形(主語が〜したほうがよい)
# 主語 + had better not + 動詞の原形(主語が〜しないほうがよい)
"had better"は会話でよく使うので、主語が"you"や"I"などの人称代名詞の場合、"you'd better"(= you had better)や"I'd better"(= I had better)などの短縮形をよく使います→【参照】:『助動詞を含む語句の短縮形の書き方:代名詞 + 助動詞の場合(I am → I'm)』
【例文】:You should gargle now. Flu is widespread, isn't it?
【和訳】:すぐにうがいをするべきだ。インフルエンザが流行ってるからね。
【例文】:You had better gargle now or you'll catch flu.
(= You'd better gargle now or you'll catch flu.)
【和訳】:すぐにうがいをしなさい。さもないとインフルエンザにかかっちゃうよ。
→義務のニュアンスは"had better"のほうが強い
"had better 〜"の否定は"had better not 〜"です。"had not better 〜"や"didn't have better 〜"ではありません。
【例文】:薬はコーヒーやお茶で飲んではいけません。
【 × 】:You had not better take medicines with coffee or green tea.
【 × 】:You didn't have better take medicines with coffee or green tea.
【 ○ 】:You had better not take medicines with coffee or green tea.
→"had better"の否定は"had better not"
"had better"の主語は一人称や三人称も可能です。
【例文】:I had better see a dentist. I have a pain in a back tooth.
【和訳】:歯医者に行かないと。奥歯が痛い。
→I had better 〜 = 私が〜しなければならない
【例文】:Middle-aged people had better be careful about rubella. It's spread again.
【和訳】:中年は風疹に注意したほうがよい。再流行している。
→middle-aged peope had better = 中年の人は〜したほうがよい
話し手の意思があるかないか
似た意味を持つ表現の使い分け(7)【強い必要性と確信】:"must"と"have to"(1)
「〜しなければならない」の意味
似た意味を持つ表現の使い分け(7)【強い必要性と確信】"must"と"have to"(1)
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通例、"must"も"have to"も「〜しなければならない、〜に違いない」の意味で使います。ただし、場合によって多少ニュアンスが異なります。
# must(〜しなければならない)……原因は話し手自身にある
# have to(〜しなければならない)……原因は周囲の状況や話し手以外の人物にある
"must"を使うと、話し手自身の意思であることを強調します。
【例文】:I must stop smoking. I'm scared of getting lung cancer.
【和訳】:禁煙しなければならない。肺ガンは怖い。
→「話し手」自身が健康維持やマナー向上などを考えて、禁煙を決意
【例文】:I have to stop smoking. There is almost no place I can smoke.
【和訳】:禁煙しなければならない。タバコを吸える場所がほとんどなくなってしまった。
→医者や家族などの忠告や世間の反タバコ風潮などにより、禁煙を決意
「〜にちがいない」の意味
似た意味を持つ表現の使い分け(7)【強い必要性と確信】"must"と"have to"(2)
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「〜にちがいない」という確信の意味を表わす場合、"must"と"have to"のどちらも使えます。
【例文】:あの男は刑事に違いない。
【英訳】:That man must be a detective.
【英訳】:That man has to be a detective.
→"must" = " have to"(〜にちがいない)、確信を表わす
have toの否定形と過去形
似た意味を持つ表現の使い分け(7)【強い必要性と確信】"must"と"have to"(2)
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"have to"の否定形は"don't have to"です。"have not to"や"haven't to"ではありません。過去形は"had to"です。
【例文】:靴を脱ぐ必要はありません。
【 × 】:We haven't to take our shoes off.
【 ○ 】:We don't have to take our shoes off.
→"have to"の否定形は"don't have to"
【例文】:子供たちは五キロ以上のかばんを持って通学しなければならなかった。
【英訳】:Children had to go to school carrying a bag of five kilograms or more.
→"have to"の過去形は"had to"
過去の習慣的行為と過去の状態
過去に繰り返し行なわれた習慣的行為を表わす場合、"would"と"used"のどちらも使えます。
【例文】:子供のころは毎週日曜日、野球をしたものだった。
【 ○ 】:I would play baseball every Sunday when I was a child.
【 ○ 】:I used to play baseball every Sunday when I was a child.
→"would, used to"は過去の習慣を表わす
"used"は「過去の状態」を表わすことができます。"would"は不可。"would"は必ず動作動詞と一緒に使います。
【例文】:昔は野球が好きだった。(今は好きではない)
【 × 】:I would like baseball.
【 ○ 】:I used to like baseball.
→「would + 状態を表わす動詞」は不可
アポストロフィ(')を使って縮める
《助動詞》を含む語句の短縮形の書き方についてまとめます。主に二つのパターンがあります。どちらもアポストロフィ(')を使います。
代名詞 + 助動詞の場合(I am → I'm)
助動詞を含む語句の短縮形の書き方(1)
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「代名詞 + 助動詞」の短縮形を作る《助動詞》は"be, have, will, would, shall"の五語のみです。"can"や"may"が代名詞の次で短縮形になることはありません。たとえば、"I can"の短縮形で"I'an"や"I'n"とは言いません。
アポストロフィ(')は単語を短縮したことを表わす目印です→【参照】:『アポストロフィ(')の使い方』
# 「代名詞 + 助動詞」で短縮形を作る助動詞 :be,
have,
will,
would,
shall,
should
助動詞の短縮形の一覧:助動詞 + not
助動詞を含む語句の短縮形の書き方(2)
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「助動詞 + not」はよく一語に縮めた短縮形を使います。
たいてい、《助動詞》に"not"の短縮形である"n't"を追加すればOKです。ただし、中には"will not " → "won't", "shall not" → "shan't", "am not" → "aren't"のような例外もあります。
アポストロフィ(')は単語を短縮したことを表わす目印です→【参照】:『アポストロフィ(')の使い方』