【命令】や【被害】の意味を表わす
動詞の"have"は、「他人に〜させる、他人に〜してもらう」という意味を持つことがあります。
【例文】:I'll have my dad fix the flat tire on my bike.
【英訳】:父さんに自転車のパンクを修理してもらおう。
【例文】:I'll have my dad fixing the flat tire on my bike.
【英訳】:父さんに自転車のパンクを修理してもらおう。
【例文】:I'll have the flat tire on my bike fixed by my dad.
【英訳】:自転車のパンクを父さんに修理してもらおう。
「他人に〜させる、他人に〜してもらう」という意味を表わす場合、動詞の"have"を使って三つの構文が可能です。
いずれの構文も"have"の次に目的語の名詞や代名詞、その次にもう一つ別の動詞を置きます。この時、"have"の意味は「〜させる、〜してもらう」のみ。具体的に何をさせるのか、何をしてもらうのかは、二つ目の動詞が表現します。
二つ目の動詞は、意味によって動詞の(1)原形(= "to"のない不定詞(原形不定詞))、(2)ing形、(3)過去分詞の三つが可能です。二つ目の動詞にto付きのto不定詞が来ることはありません。
「have + 目的語 + 動詞」の構文は「〜させる、〜してもらう」以外にも、「〜させておく」【許可、許容】や「〜される」【被害、損害】といったニュアンスを表わすことができます。
主語 + have + 目的語 + 動詞の原形
「have + 目的語 + 動詞の原形」で、【お願い】や【命令】【容認】【経験】などの意味を持つ構文を作ります。
《主語》がお願いして、《目的語》に〜してもらう……【お願い、依頼】
have + 目的語 + 動詞の原形(1)
↑
ニュアンスは「お願いして〜してもらう」です。【お願い、依頼】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞の原形
# 【意味】:《主語》がお願いして、《目的語》に〜してもらう
前後の文脈によっては、同じ構文で【命令、指示】のニュアンスに近づくことがあります→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の原形(2)「〜させる」【命令、指示】』
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』と比べると、「何を」してもらうかではなく、「誰に」してもらうかを強調します。
【例文】:I will have the chef cook the true Chinese dishes.
(= I will have the true Chinese dishes cooked by the chef.)
【和訳】:料理長に本場の中華料理を作ってもらおう。
→頼んで作ってもらう
【例文】:I'll have the tour conductor take our photograph.
(= I'll have our photograph taken by the tour conductor.)
【和訳】:添乗員さんに写真を撮ってもらいましょう。
→お願いして撮ってもらう
「get + 目的語 + to不定詞」もほぼ同じ意味を表わします。"get"を使うと【お願い、依頼】がなかなか聞いてもらえそうにないニュアンスを強調することがあります→【参照】:『get + 目的語 + to不定詞(2)「〜してもらう」【お願い、依頼】』
【例文】:We'll have the principal join the costume parade.
【和訳】:仮装パレードには校長先生も参加してもらいたいものだ。
【例文】:We'll get the principal to join the costume parade.
【和訳】:仮装パレードには校長先生もできれば参加してもらいたいものだ。
→"get"を使うと参加してもらうのは難しいニュアンスを強調する
《主語》が命令や指示を与えて、《目的語》に〜させる……【命令、指示】
have + 目的語 + 動詞の原形(2)
↑
ニュアンスは「命令して〜させる」です。【命令、指示】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞の原形
# 【意味】:《主語》が命令や指示を与えて、《目的語》に〜させる
前後の文脈によっては、同じ構文で【お願い、依頼】のニュアンスに近づくことがあります→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の原形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞のing形(1)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、命令や指示を与えて「〜をすぐにさせる、速やかに〜を実行させる」というニュアンスを強調します。
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(2)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、「何を」させるかではなく、「誰に」させるかを強調します。
【例文】:I will have the chef cook the true Chinese dishes.
(= I will have the true Chinese dishes cooked by the chef.)
【和訳】:料理長に本場の中華料理を作らせよう。
→命令を与えて作らせる
【例文】:I'll have the tour conductor take our photograph.
(= I'll have our photograph taken by the tour conductor.)
【和訳】:添乗員に自分たちの写真を撮らせよう。
→命令を与えて撮らせる
命令する態度は"make"ほど強引ではないという程度。"make"のニュアンスは、"have"よりはるかに強い調子で「本人が何と言おうと無理矢理〜させる」です。
【和訳】:The policeman had me show him my driving licence.
【和訳】:警官は運転免許証の提示を求めてきた。
→「見せて下さい」と話しかけてきた
【例文】:The policeman made me show him my driving licence.
【和訳】:警官は運転免許証の提示を強制した。
→イヤとは言わせない態度で「見せなさい」と迫ってきた
「get + 目的語 + to不定詞」もほぼ同じ意味を表わします。"get"を使うと【命令、指示】がなかなか聞いてもらえそうにないニュアンスを強調することがあります→【参照】:『get + 目的語 + to不定詞(2)「〜させる」【命令、指示】』
【例文】:I had the kids take a bath and go to bed.
【和訳】:子供たちを風呂に入れて寝かせた。
【例文】:I got the kids to take a bath and to go to bed.
【和訳】:子供たちをなんとか風呂に入れて寝かせた。
→"get"を使うと風呂に入れて寝かせるのに苦労があったニュアンスを強調する
《目的語》が〜するのを《主語》がさせておく……【容認、許容】
have + 目的語 + 動詞の原形(3)
↑
ニュアンスは「自分以外が〜するのをさせておく」です。【容認、許容】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞の原形
# 【意味】:《目的語》が〜するのを《主語》がさせておく
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞のing形(3)「〜させておく」【容認、許容】』と比べると、「毎度のことだが許してやろう」というニュアンスを強調します。
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(4)「〜されるのを許す」【容認、許容】』と比べると、「何を」許すのかではなく、「誰を」許すのかを強調します。
【容認、許容】はよく否定文で使い、「ほかのものが〜するのを許さない」の意味を表わします。主語はたいてい一人称の"I"か"we"。「固執」を表わす助動詞の"will"や"would"をよく一緒に使います。
【例文】:I won't have cockroaches crawl around in the kitchen.
【和訳】:ゴキブリどもが台所で這いずり回るのは許せない。
→"will"は「現在の固執」を表わす
【例文】:My mother would not have me play video games for more than half an hour.
【和訳】:母親はテレビゲームを三十分以上はさせてくれませんでした。
→"would"は「過去の固執」を表わす
"allow"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I won't allow cockroaches to crawl around in the kitchen.
【和訳】:ゴキブリどもが台所で這いずり回るのは許せない。
【例文】:My mother would not allow me to play video games for more than half an hour.
【和訳】:母親はテレビゲームを三十分以上はさせてくれませんでした。
《目的語》が〜するということを《主語》が経験する……【経験、体験】
have + 目的語 + 動詞の原形(4)
↑
ニュアンスは「〜という事態が発生する、〜な目に遭う」です。【経験、体験】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞の原形
# 【意味】:《目的語》が〜するということを《主語》が経験する
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞のing形(4)「〜を経験する」【経験、体験】』と比べると、たいてい「過去の経験」であることを強調します。
【例文】:I had the audience sing one of my songs when I forgot the lyrics.
【和訳】:曲の歌詞を忘れたとき、来てくれたお客さんが代わりに歌ってくれた。
【例文】:We had a large bunch of hornets run after us.
【和訳】:スズメバチの大群に追いかけられた。
主語 + have + 目的語 + 動詞のing形
「have + 目的語 + 動詞のing形」で、【命令】や【影響】【容認】【経験】などの意味を持つ構文を作ります。
《主語》が命令や指示を与えて、《目的語》に〜させる……【命令、指示】
have + 目的語 + 動詞のing形(1)
↑
ニュアンスは「命令して〜させる」です。【命令、指示】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞のing形
# 【意味】:《主語》が命令や指示を与えて、《目的語》に〜させる
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の原形(2)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、命令や指示を与えて「〜の状態にしておく、〜するように手配しておく」というニュアンスを強調します。
【例文】:The examiner had all the examinees writing their full name on the papers.
(= The examiner had all the examinees write their full name on the papers.)
【和訳】:試験官は受験者全員に対して答案用紙に氏名を書かせた。
→命令を与えて書かせた
【例文】:The stewardess had all the passengers seating themselves.
(= The stewardess had all the passengers seat themselves.)
【和訳】:客室乗務員は乗客全員を座席に座らせた。
→命令を与えて座らせた
「have + 目的語 + 動詞のing形」の構文の場合、『have + 目的語 + 動詞の原形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』のような、比較的丁重な態度での【お願い、依頼】のニュアンスを持つことはほとんどありません。しかし、命令する態度は"make"ほど強引でもありません。
"make"のニュアンスは、"have"よりはるかに強い調子で「本人が何と言おうと無理矢理〜させる」です。
【和訳】:The teacher had the pupils playing outside.
【和訳】:先生は児童たちに外で遊ぶように言った。
→「外で遊びなさい」と言った
【例文】:The teacher made the pupils play outside.
【和訳】:先生は児童たちを外で遊ばせた。
→イヤとは言わせない態度で「外で遊びなさい」と命令した
「get + 目的語 + 動詞のing形」もほぼ同じ意味を表わします。"get"を使うと命令や指示を与えて「〜を始めさせる、〜をスタートさせる」というニュアンスを強調することがあります【参照】: 『get + 目的語 + 動詞のing形(1)「〜させる」【命令、指示】』
【例文】:Don't have my dad bragging about his school days.
【和訳】:オヤジに学生時代の自慢話をさせないでくれ。
【例文】:Don't get my dad bragging about his school days.
【和訳】:オヤジに学生時代の自慢話を始めさせないでくれ。
→"get"を使うと自慢話が始まることを強調する
《主語》が《目的語》に〜という影響や作用を及ぼす……【影響、作用】
have + 目的語 + 動詞のing形(2)
↑
ニュアンスは「ほかの人や動物、ものに影響を与えて〜させる」です。【影響、作用】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞のing形
# 【意味】:《主語》が《目的語》に〜という影響や作用を及ぼす
【命令、指示】や【お願い、依頼】のニュアンスはありません。良い影響でも悪い影響でも使います。
【例文】:The dense fog had us losing our way.
【和訳】:濃い霧のせいで、我々は道に迷わされた。
【例文】:My dad had my personal computer working properly.
【和訳】:父さんが私のパソコンをきちんと動くようにしてくれた。
《目的語》が〜するのを《主語》がさせておく……【容認、許容】
have + 目的語 + 動詞のing形(3)
↑
ニュアンスは「自分以外が〜するのをさせておく、自分以外が〜するのを許しておく」です。【容認、許容】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞のing形
# 【意味】:《目的語》が〜するのを《主語》がさせておく
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の原形(3)「〜させておく」【容認、許容】』と比べると、「いつもは許さないが、今回は許してやる」というニュアンスを強調します。
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(4)「〜されるのを許す」【容認、許容】』と比べると、「何を」許すのかではなく、「誰を」許すのかを強調します。
【容認、許容】はよく否定文で使い、「ほかのものが〜するのを許さない」の意味を表わします。主語はたいてい一人称の"I"か"we"。「固執」を表わす助動詞の"will"や"would"をよく一緒に使います。
【例文】:I won't have some opposition members saying such untrue things.
【和訳】:一部の野党議員がいい加減なことをほざくのは許しておけない。
→いつもはともかく今回は許さないの意味、"will"は「現在の固執」を表わす
【例文】:Our teachers wouldn't have students coming late for school.
【和訳】:先生たちは遅刻して来る生徒たちを許さなかった。
→いつもはともかく今回は許さなかったの意味、"would"は「過去の固執」を表わす
"allow"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I won't allow some opposition members to say such untrue things.
【和訳】:一部の野党議員がいい加減なことをほざくのは許しておけない。
→"will"は「現在の固執」を表わす
【例文】:Our teachers wouldn't allow students to come late for school.
【和訳】:先生たちは遅刻して来る生徒たちを許さなかった。
→"would"は「過去の固執」を表わす
《目的語》が〜するということを《主語》が経験する……【経験、体験】
have + 目的語 + 動詞のing形(4)
↑
ニュアンスは「〜という事態が発生する、〜な目に遭う」です。【経験、体験】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞のing形
# 【意味】:《目的語》が〜するということを《主語》が経験する
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の原形(4)「〜を経験する」【経験、体験】』と比べると、経験する物事がたいてい「進行中」であることを強調します。
【例文】:I have two stray cats fighting in my garden.
【和訳】:庭で二匹の野良猫がケンカしている。
【例文】:We had an airliner making a vapor trail in the sky.
【和訳】:上空で旅客機が飛行機雲を引いていた。
主語 + have + 目的語 + 動詞の過去分詞
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」で、【お願い】や【命令】【被害】【完了】【容認】などの意味を持つ構文を作ります。
《主語》は《目的語》に対して〜してもらう……【お願い、依頼】
have + 目的語 + 動詞の過去分詞(1)
↑
ニュアンスは「お願いして〜してもらう」です。【お願い、依頼】を表わします。自分の手に負えない作業を専門家に頼むときによく使う表現です。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 動詞の過去分詞 + by 《誰か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜してもらう
前後の文脈によっては、同じ構文で【命令、指示】のニュアンスに近づくことがあります→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(2)「〜させる」【命令、指示】』
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の原形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』と比べると、「誰に」してもらうかではなく、「何を」してもらうかを強調します。なので、by 《誰か》はなくてもOKです。
【例文】:I will have the true Chinese dishes cooked by the chef.
(= I will have the chef cook the true Chinese dishes.)
【和訳】:本場の中華料理を料理長に作ってもらおう。
→頼んで作ってもらう
【例文】:I'll have our photograph taken by the tour conductor.
(= I'll have the tour conductor take our photograph.)
【和訳】:写真を添乗員さんに撮ってもらいましょう。
→お願いして撮ってもらう
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』
【例文】:I will get the true Chinese dishes cooked by the chef.
(= I will have the true Chinese dishes cooked by the chef.)
【和訳】:本場の中華料理を料理長に作ってもらおう。
【例文】:I'll get our photograph taken by the tour conductor.
(= I'll have our photograph taken by the tour conductor.)
【和訳】:写真を添乗員さんに撮ってもらいましょう。
《主語》は《目的語》に対して〜させる……【命令、指示】
have + 目的語 + 動詞の過去分詞(2)
↑
ニュアンスは「命令して〜させる」です。【命令、指示】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 過去分詞 + by 《誰か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜させる
前後の文脈によっては、同じ構文で【お願い、依頼】のニュアンスに近づくことがあります→【参照】:『have + 目的語 + 動詞の過去分詞形(1)「〜してもらう」【お願い、依頼】』
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の原形(2)「〜させる」【命令、指示】』や『have + 目的語 + 動詞のing形(1)「〜させる」【命令、指示】』と比べると、「誰に」させるかではなく、「何を」させるかを強調するときによく使います。なので、by 《誰か》はなくてもOKです。
【例文】:I will have the true Chinese dishes cooked by the chef.
(= I will have the chef cook the true Chinese dishes.)
(= I will have the chef cooking the true Chinese dishes.)
【和訳】:本場の中華料理を料理長に作らせよう。
→命令を与えて作らせる
【例文】:I'll have our photograph taken by the tour conductor.
(= I'll have the tour conductor take our photograph.)
(= I'll have the tour conductor taking our photograph.)
【和訳】:写真を添乗員に撮らせよう。
→命令を与えて撮らせる
命令する態度は"make"ほど強引ではないという程度。"make"のニュアンスは、"have"よりはるかに強い調子で「本人が何と言おうと無理矢理〜させる」です。
【例文】:The housemaster had our rooms tidied within half an hour.
【和訳】:寮長は三十分以内に各自の部屋を片づけるように言った。
→命令口調で言った
【例文】:The housemaster made us tidy our rooms within half an hour.
【和訳】:寮長は三十分以内に各自の部屋を片づけるよう命令した。
→イヤとは言わせない態度で命令を与えた
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(2)「〜させる」【命令、指示】』
【例文】:I will get the true Chinese dishes cooked by the chef.
(= I will have the true Chinese dishes cooked by the chef.)
【和訳】:本場の中華料理を料理長に作らせよう。
【例文】:I'll get our photograph taken by the tour conductor.
(= I'll have our photograph taken by the tour conductor.)
【和訳】:写真を添乗員に撮らせよう。
《主語》は《目的語》に対して〜される……【被害、損害】
have + 目的語 + 動詞の過去分詞(3)
↑
ニュアンスは「事件や事故など悪いことが原因で〜な目に遭ってしまう」です。【被害、損害】を表わします。《目的語》にはたいてい物体や機械などを置きます。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 過去分詞 + by 《誰か、何か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜される
特に、被害や損害の原因が「誰だ、何だ」ではなく、「どんな被害だったか」を強調するときによく使います。なので、by 《誰か、何か》はなくてもOKです。
【例文】:We had our house washed away in the flood.
【和訳】:洪水で家が流されてしまった。
【例文】:The car had all the locks broken.
【和訳】:その自動車はロックがすべて壊されていた。
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(3)「〜される」【被害、損害】』
【例文】:We got our house washed away in the flood.
(= We had our house washed away in the flood.)
【和訳】:洪水で家が流されてしまった。
【例文】:The car got all the locks broken.
(= The car had all the locks broken.)
【和訳】:その自動車はロックがすべて壊されていた。
《主語》は《目的語》に対して〜し終える……【完了、終了】
have + 目的語 + 動詞の過去分詞(4)
↑
ニュアンスは「ある出来事や物事が原因で〜という状態になる、あることをやり終えた結果〜となる」です。【終了、完了】を表わします。《目的語》にはたいてい物体や機械などを置きます。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 過去分詞 + by 《誰か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜し終える
特に、「何が完了したのか」を強調するときによく使います。なので、by 《誰か》はなくてもOKです。たいてい、「《主語》が自分で〜をし終える」ことを表わします。
【例文】:You had better have the difficult job done soon.
【和訳】:そんなやっかいな仕事はさっさとすませたほうがいいよ。
→仕事をするのは主語("you")自身
【例文】:We had all the strawberries finished.
【和訳】:イチゴはぜんぶ食べちゃった。
→イチゴを食べ尽したのは主語("we")自身
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『get + 目的語 + 動詞の過去分詞形(4)「〜してしまう」【完了、終了】』
【例文】:You had better get the difficult job done soon.
(= You had better have the difficult job done soon.)
【和訳】:そんなやっかいな仕事はさっさとすませたほうがいいよ。
【例文】:We got all the strawberries finished.
(= We had all the strawberries finished.)
【和訳】:イチゴはぜんぶ食べちゃった。
《主語》は《目的語》に対して〜されるのを許す……【容認、許容】
have + 目的語 + 動詞の過去分詞(5)
↑
ニュアンスは「(誰かに、何かに)〜されるのを許す、(誰かに、何かに)〜されるのを止めはしない」です。【容認、許容】を表わします。
# 【構文】:《主語》 + have + 《目的語》 + 過去分詞 + by 《誰か、何か》
# 【意味】:《主語》は《目的語》に対して〜されるのを許す
似た意味を表わす『have + 目的語 + 動詞の原形(3)「〜させておく」【容認、許容】』や『have + 目的語 + 動詞のing形(3)「〜させておく」【容認、許容】』と比べると、許す相手が「誰だ、何だ」ではなく、許すことは「何か」を強調します。なので、by 《誰か、何か》はなくてもOKです。
【容認、許容】はよく否定文で使い、「(誰かに、何かに)〜されるのを許さない」の意味になります。主語はたいてい一人称の"I"か"we"。「固執」を表わす助動詞の"will"や"would"をよく一緒に使います。
【例文】:I won't have my sushi criticized.
【和訳】:俺の寿司にケチをつけられるのは勘弁ならねぇ。
→"will"は「現在の固執」を表わす
【例文】:We wouldn't have even ordinary citizens killed in air strikes.
【和訳】:空爆で一般の市民までが命を落とすのは許せなかった。
→"would"は「過去の固執」を表わす
"allow"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I won't allow my sushi to be criticized.
【和訳】:俺の寿司にケチをつけられるのは勘弁ならねぇ。
【例文】:We wouldn't allow even ordinary citizens to be killed in air strikes.
【和訳】:空爆で一般の市民までが命を落とすのは許せなかった。