コンマ(,)=読点(、)ではない
なんとなく、コンマ(,)は日本語の読点(、)、ピリオド(.)は日本語の句点(。)と同じものと考えがちです。
【例文】:When I was a child, I often saw owls in the woods near my house.
【和訳】:小さい頃、家の近所の森でよくフクロウを見たものだ。
【例文】のコンマ(,)は和訳するとそのまま読点(、)になります。つまり、文の途中の「区切り」、あるいは、「小休止」として機能します。
ところが、コンマ(,)には日本語の読点(、)とはちょっと違う機能もあります。コンマ(,)を機械的に読点(、)に置き換えるだけでは、日本語として不自然な和訳になることもあり。
ダッシュ(―)やカッコ(())と同じ意味……「挿入句」を表わす
コンマ(,)ってナニ?(1)
↑
【例文A】:Abraham Lincoln, the 16th President of the United States, was assassinated in 1865.
【和訳A】:アブラハム・リンカーン、アメリカの第十六代大統領、は1865年に暗殺された。
【和訳B】:アメリカの第十六代大統領アブラハム・リンカーンは1865年に暗殺された。
コンマ(,)を機械的に読点(、)に置き換えた【和訳A】は、日本語としてやや不自然です。読点(、)を使わない【和訳B】のほうが自然です。
【例文A】場合、コンマ(,)ではさんだ"the 16th President of the United States"は挿入句を表わします。つまり、コンマ(,)ではさんだ部分は"Abraham Lincoln"にくわしい説明を追加しただけです。
なので、和訳のときも、コンマ(,)を機械的に読点(、)に置き換えるだけでは不可。コンマ(,)ではさんだ部分を丸かっこ(())でくくったつもりで行います。
【例文A】:Abraham Lincoln, the 16th President of the United States, was assassinated in 1865.
【和訳1】:アブラハム・リンカーン(アメリカの第十六代大統領)は1865年に暗殺された。
【和訳2】:アメリカの第十六代大統領アブラハム・リンカーンは1865年に暗殺された。
日本語文としては、【和訳1】よりも【和訳2】のように丸かっこ(())を使わないほうがわかりやすく感じられます。なので、テストの答案などは【和訳2】のほうがベターです。結局、二つあったコンマ(,)はどちらもなくなりました。
【例文A】のように、動詞の直前にコンマ(,)があり、文が唐突に途切れるように感じた場合は、挿入句である可能性があります。ペアになるもう一つのコンマ(,)がないかチェックしてみて下さい。挿入句を表わすコンマ(,)はたいてい二つ一組で使います。
次に同格の語句が来ることを表わす
コンマ(,)ってナニ?(2)
↑
コンマ(,)は「同格の語句」を導くことがあります。
【例文】:Beethoven, a great German composer wrote nine symphonies.
【 × 】:ベートーベン、偉大なドイツの作曲家は九つの交響曲を書いた。
【 ○ 】:ドイツの偉大な作曲家ベートーベンは九つの交響曲を書いた。
【例文】のコンマ(,)の次の"a great German composer"は"Beethoven "と「同格」です。【例文】の場合、コンマ(,)は文の「区切り」ではなく、次に「同格の語句」が来るよという“目印”です。
なので、和訳するときも、コンマ(,)を機械的に読点(、)に置き換えるだけでは不可。コンマ(,)の前の語句の追加説明になるようにコンマ(,)の後の語句を和訳します。
引用符("")ありの会話文の会話部分の「区切り」に使う
コンマ(,)ってナニ?(3)
↑
日本語でも、かぎかっこ(「」)を使った文章では、会話の部分と地の文(会話以外の文)の「区切り」に読点(、)を使います。しかし、読点(、)がなくてもさほど不自然ではありません。
【例文A】:「敵は本能寺にあり」と、光秀は言った。
【例文B】:「敵は本能寺にあり」と光秀は言った。
英語の場合、会話の部分と地の文(会話以外の文)の「区切り」にコンマ(,)が欠けるときわめて不自然です。必ず付けておきます。コンマ(,)の使用例をまとめます。
"yes "と"no "、"oh"や"ah"などの直後に使う
コンマ(,)ってナニ?(4)
↑
問いかけ対する返事の"yes "と"no "や、間投詞の"oh "や"ah"などの次には必ずコンマ(,)を置いて区切ります。
【例文】:宿題はすませたの。うん、終わった。
【 × 】:Have you finished your homework? Yes I have.
【 ○ 】:Have you finished your homework? Yes, I have.
→"Yes"の次にコンマ(,)が必要
【例文】:宿題はすませたの。いや、まだ。
【 × 】:Have you finished your homework? No I haven't.
【 ○ 】:Have you finished your homework? No, I haven't.
→"No"の次にコンマ(,)が必要
【例文】:えーっ、そんなことも知らないの。
【 × 】:Oh you don't know it!
【 ○ 】:Oh, you don't know it!
→"Oh"の次にコンマ(,)が必要
【例文】:あれ、自転車のタイヤがパンクしてる。
【 × 】:Ah my bicycle has a flat tire.
【 ○ 】:Ah, my bicycle has a flat tire.
→"Ah"の次にコンマ(,)が必要
コロン(:)にも意味がある
コロン(:)は単なる記号ではなく、意味があります。英文の場合、コロン(:)の次には必ずスペースを一つ置きます。
前の文を受けて、次の文でくわしい説明を続ける
コロン(:)ってナニ?(1)
↑
コロン(:)は"this is because 〜"に近い意味で使うことがあります。コロン(:)を「なぜなら〜である、というのは〜だ」と和訳します。
【例文】:I will eat gruel for dinner today: I have a pain in the stomach.
【和訳】:今日は夕飯はお粥だ。なぜなら、胃の調子がよくない。
複数の項目をリストアップする
コロン(:)ってナニ?(2)
↑
ダッシュ(―)と同じように、コロン(:)の次にリストアップする項目を連続で並べます。
【例文】:There are four prefectures in Shikoku: Ehime, Kagawa, Kouchi and Tokushima.
【和訳】:四国には四つの県がある。愛媛県、香川県、高知県、徳島県だ。
リストアップを表わすコロン(:)に日本語を当てはめる必要はありません。たいてい、コロン(:)を句点(。)に置き換えて、文章を区切ればOK。
セミコロン(;)にも意味がある
セミコロン(;)は単なる記号ではなく、意味があります。英文の場合、セミコロン(;)の次には必ずスペースを一つ置きます。
機能的に見て、セミコロン(;)はコンマ(,)よりもピリオド(.)に近く、コンマ(,)よりもさらに強い「区切り」として使います。
単純に二つの文をつなぐ
セミコロン(;)ってナニ?(1)
↑
セミコロン(;)はよく"and"や"but"に近い意味で使います。セミコロン(;)を「そして〜、それから〜」と和訳します。
【例文】:Yesterday we went to karaoke; each of us sang twenty songs.
【和訳】:昨日、カラオケに行って、そして、一人二十曲歌った。
このセミコロン(;)をコンマ(,)に置き換えることはできません。コンマ(,)を使うときは必ず、接続詞の"and"や"but"を追加します。
【例文】:昨日、カラオケに行って、そして一人二十曲歌った。
【 × 】:Yesterday we went to karaoke, each of us sang twenty songs.
【 ○ 】:Yesterday we went to karaoke, and each of us sang twenty songs.
→コンマ(,)の次の"and"が欠けると不自然になる
コンマ(,)の連続を避けて、文の「区切り」として使う
セミコロン(;)ってナニ?(2)
↑
コンマ(,)をたくさん使ってしまった場合、文の区切りをわかりやすくするためにセミコロン(;)を文の「区切り」として使うことがあります。
【和訳】:私は三人の科学者を尊敬しています。偉大な物理学者アインシュタインと著名な発明家エジソン、そして日本の物理学者湯川秀樹です。
【 △ 】:I respect three scientists: Einstein, a great physicist, Edison, a famous inventor, and Hideki Yukawa, a Japanese physicist.
【 ○ 】:I respect three scientists: Einstein, a great physicist; Edison, a famous inventor; and Hideki Yukawa, a Japanese physicist.
【例文】の場合、二つのセミコロン(;)をコンマ(,)に置き換えても文法的には何の問題もありません。しかし、セミコロン(;)をコンマ(,)に置き換えるとコンマ(,)が五つも連続することになり、「区切り」がどこなのかわかりにくくなります。
なので、意味が明確に分かれるところにセミコロン(;)を置いて「区切り」をはっきりさせます。
【例】:Einstein, a great physicist; Edison, a famous inventor; Hideki Yukawa, a Japanese physicist
【訳】:偉大な物理学者アインシュタイン、著名な発明家エジソン、日本の物理学者湯川秀樹
セミコロン(;)は文の「区切り」、コンマ(,)は次に同格の語句が来る“目印”であることがすぐにわかります。この場合、セミコロン(;)の和訳は読点(、)でOKです→【参照】:『「コンマ(,)って何?」次に同格の語句が来ることを表わす』
ダッシュ(―)にも意味がある
ダッシュ(―)は単なる記号ではなく、意味があります。ダッシュ(―)の前後のスペースは置いても、置かなくてもOK。
コンマ(,)やカッコ(())と同じ意味……「挿入句」を表わす
ダッシュ(―)ってナニ?(1)
↑
ダッシュ(―)は日本語の丸かっこ(())と同じように語句の挿入を表わします。ダッシュ(―)を二つ一組で使います。ダッシュ(―)は日本語ではあまり使わないので、和訳ではダッシュ(―)を使わないほうがベターです。
【例文】:The dog―the one with a flat nose and a short tail―is a bulldog.
【 △ 】:その犬―ぺしゃんこの鼻で尻尾が短い犬―はブルドッグだ。
【 ○ 】:そのぺしゃんこの鼻で尻尾が短い犬はブルドッグだ。
英語でもダッシュ(―)の代わりに丸かっこ(())が使えます。また、コンマ(,)も使えます。日本語としては、丸かっこ(())を使わないほうがいっそう自然です。
【例文】:The dog (the one with a flat nose and a short tail) is a bulldog.
【例文】:The dog, the one with a flat nose and a short tail, is a bulldog.
【 △ 】:その犬(ぺしゃんこの鼻で尻尾が短い犬)はブルドッグだ。
【 ○ 】:そのぺしゃんこの鼻で尻尾が短い犬はブルドッグだ。
コロン(:)とほぼ同じ意味…複数の項目をリストアップする
ダッシュ(―)ってナニ?(2)
↑
ダッシュ(―)は、コロン(:)と同じように、ダッシュ(―)の次にリストアップする項目を連続で並べます。
【例文】:About 99% of the volume of air consists of two gases―nitrogen and oxygen.
【和訳】:空気の九十九パーセントは二つの気体から成ります。窒素と酸素です。
リストアップを表わすダッシュ(―)に日本語を当てはめる必要はありません。たいてい、ダッシュ(―)を句点(。)に置き換えて、文章を区切ればOK。
接続詞「すなわち」の意味で使う……接続詞の代わり
ダッシュ(―)ってナニ?(3)
↑
ダッシュ(―)は接続詞の"that is to say"の代わりに使います。ダッシュ(―)を「すなわち、つまり」と和訳します。
【例文】:The other day we―my father, my brother and I―took part in a bicycle race.
【和訳】:私たち、つまり、父と兄と私は先日、自転車のレースに参加した。
文の最後に思い出した語句を付け足す……補足、付け足し
ダッシュ(―)ってナニ?(4)
↑
ダッシュ(―)は付け足しを表わします。付け足しなので文の末尾に置きます。そのまま前から順々に訳し、ダッシュ(―)は句点(。)に置き換えて文章を区切ればOK。
【例文】:The Martians already have visited the Earth―at least, I think so.
【和訳】:すでに火星人は地球に来ている。少なくとも私はそう思います。
アポストロフィ(')にも意味がある
アポストロフィ(')は単なる記号ではありません。日本語ではまったく使わない記号なので、意味を整理します。
語句の短縮を表わす
アポストロフィ(')ってナニ?(1)
↑
アポストロフィ(')はよく使う表現を短く綴るときに使います。
"its"と"it's"はアポストロフィ(')のある、なしでまったく意味が違います。
アポストロフィ(')のない"its"は"it"の所有格、意味は「それの〜」です。アポストロフィ(')のある"it's"は、上記の通り、"it is"や"it has"の短縮形です→【参照】:『"it's"と"its"とでは全然違う』
名詞の所有格を作る
アポストロフィ(')ってナニ?(2)
↑
アポストロフィ(')は、代名詞ではない、通常の名詞や固有名詞の所有格を作るときに使います。意味は「〜の」です。
【例】:"Napoleon's horse"(ナポレオンの馬)
【例】:"Galileo's telescope"(ガリレオの望遠鏡)
【例】:"today's lessons"(今日のレッスン)
数字や文字、省略語などの複数形を作る
アポストロフィ(')ってナニ?(3)
↑
たとえば、アルファベットの"l"や西暦の"1970"、パーソナル・コンピュータ(personal computer)の略語"PC"などを複数形にするとき、アポストロフィ(') + "s"を使います。
上記の「所有格」の"'s"と勘違いしやすい使い方です。「所有格」の"'s"の場合、次に必ず名詞が続きます。「複数形」の"'s"は必ずしも名詞が続くわけではないので、次に来る語句の品詞からどちらの意味なのか見当をつけます。
【例文】:The word lullaby has three l's.
【和訳】:"lullaby"という単語の綴りには三つの"l"がある。
→ "ls "と綴るとほかの単語と混同しやすいので "l's "と綴る
【例文】:During the 1970's heavy metal was yet called hard rock.
【和訳】:1970年代では、ヘヴィ・メタルはまだハード・ロックと呼ばれていた。
→1970年〜1979年までの九年間を指すので"1970"が複数形となり"1970's"と綴る
【例文】:All the PC's in my university have been infected with the computer virus Blaster.
【和訳】:大学のパソコン全部がブラスターウィルスに感染した。
→"PC's"は"personal computers"の意味、「〜の」の意味を表わす「所有格」ではない
日本語と同じく、動詞やら形容詞やらのことです。どういう機能を果たすかによって語句をグループ分けしたもの。
英語は八品詞
品詞ってナニ?(1)
↑
英語の語句は通例、八つの品詞に分類されます。
この八つのうち、形容詞と副詞と前置詞の三つは、ほかの語句を補足説明するために使います。
通例、
# 形容詞は→名 詞、代名詞
# 副詞は→形容詞、副詞
# 前置詞は→名 詞、代名詞
を補足説明します。
冠詞
品詞ってナニ?(2)
↑
不定冠詞の"a, an"と定冠詞の"the"は、通例、形容詞に分類します。冠詞は二つともももっぱら名詞を補足説明するためです。
【例文】:There is still a possibility of an aftershock.
【和訳】:余震の可能性はまだあります。
→"a"は不定冠詞、"possibility"(名詞)の補足説明、"an"は不定冠詞、"aftershock"(名詞)の補足説明
前置詞
品詞ってナニ?(3)
↑
前置詞は名詞や代名詞を補足説明して前置詞句となり、さらに前置詞句として今度はほかの名詞や動詞、形容詞や副詞を補足説明します。
【例文】:We observed a couple of shooting stars yesterday.
【英訳】:昨日、私たちは二、三個の流れ星を観測した。
→"of shooting stars"は前置詞句、"couple"(名詞)の補足説明
【例文】:I hear ghosts gather around us when we begin talking about them.
【英訳】:幽霊の話をすると幽霊たちが集まって来るらしいよ。
→"around us"は前置詞句、"gather"(動詞)の補足説明、"about them"は前置詞句、"talk"(動詞)の補足説明
【例文】:I am crazy about cooking.
【英訳】:今、料理にハマっている。
→"about cooking"は前置詞句、"crazy"(形容詞)の補足説明
【例文】:I came late for school yesterday.
【英訳】:昨日、学校に遅刻しました。
→"for school"は前置詞句、"late"(副詞)の補足説明
「完了時制」とは、昔の出来事や動作がまだ続いていること
「時制」とは「時」の状態を表わし、「話題になっている物事がいつのことなのか」を示すことです。「現在、過去、未来」ですね。この三つは直感的に理解しやすいと思います。では、完了時制とは。
【例文A】:Misato has seen a ghost.
【和訳】:ミサトは幽霊を見たことがある。
【例文B】:Misato saw a ghost.
【和訳】:ミサトは幽霊を見た。
【例文A】は現在完了時制、【例文B】は過去時制です。それぞれの文の“言外の意味”に注目すると、違いが見えてきます。
【例文A】:ミサトは過去に幽霊を見た。その上、今もまだ見える。
【例文B】:ミサトは過去のある時に幽霊を見た。それ以前や今は見えるかどうかは不明。
“言外の意味”をまとめます。
# 【現在完了】:昔は〜であったし、今でも〜である→昔の出来事や動作が今も続いている
# 【過去時制】:昔は〜であったが、それ以前や今のことは不明→昔の出来事や動作がその時一回限り
動詞が「状態」を表わすタイプだと、過去時制と現在完了時制の違いがいっそうはっきりします。
【例文A】:Misato has been angry.
【和訳】:ミサトは怒っていた。(昔も怒っていたし、今もたぶん怒っている)
【例文B】:Misato was angry.
【和訳】:ミサトは怒っていた。(昔は怒っていたが、今はたぶん怒っていない)
「ミサトが怒った」という事実は両方で共通です。ミサトが今もまだ怒っているなら現在完了時制を、もう怒っていなかったら過去時制を使います。
「人称」とは「話し手」と「それ以外のもの」を区別して分類したもの
人称ってナニ?(1)
↑
一般に、「話し手」つまり「私」は一人称、「聞き手」つまり「あなた」は二人称、「それ以外のもの」はすべて三人称、となります。
一人称、二人称、三人称はそれぞれ英語で"first person", "second person", "third person"と言います。「一人称」は「一人の称」ではなく「一番目の人称」という意味です。
英語では、名詞と代名詞、動詞で「人称」を区別します。日本語では「私、彼、彼女、あなた」など代名詞のみで「人称」を区別します。
名詞の人称
人称ってナニ?(2)
↑
通例、すべての名詞は三人称として扱います。つまり、代名詞以外の名詞で「私」と「あなた」を表現することは不可能です。
【例文】:心臓がドキドキいっている。
【 × 】:My heart am beating rapidly.
【 ○ 】:My heart is beating rapidly.
"my heart"は「話し手の心臓」、つまり「私の心臓」ですが、三人称として扱います。なので、be動詞は"is"を使います。"am"ではありません。「私の心臓」は「話し手」ではなく「話し手の身体の一部」なので、一人称とは見なしません。
代名詞の人称
人称ってナニ?(3)
↑
英語と日本語を比較してみます。
このように、代名詞の中で特に人称を表わすものを人称代名詞と言います。
英語 | |||
---|---|---|---|
一人称 | 二人称 | 三人称 | |
単数 | I, my, me, mine | you, your, yours | he, his, him, she, her, hers, it, its |
複数 | we, our, us, ours | you, your, yours | they, their, them, theirs |
日本語 | |||
一人称 | 二人称 | 三人称 | |
単数 | 私、俺、自分 | あなた、貴様、あんた | 彼、彼女、それ |
複数 | 私たち、我々、我ら | あなた方、君たち、お前ら | 彼ら、彼女ら、それら、そいつら |
英語でも日本語でも、どの人称のときにどの代名詞を使うのか、はっきりと区別します。日本語の場合は上記以外にもたくさんの代名詞が存在します。【例】:わて、我が輩、わし、おぬし、そなた。
動詞の人称
人称ってナニ?(4)
↑
英語の場合、主語の人称が「三人称」で数が「単数」、時制が「現在」のとき、動詞の語尾に"s"または"es"が付きます。いわゆる、三・単・現の"s"です。
なお、"have"の場合は、三・単・現のとき、"has"になります。"haves"ではありません。
【例文】:私はコーヒーを飲む。
【英訳】:I drink coffee.
→主語は一人称の"I"、動詞は"drink"
【例文】:あなたはコーヒーを飲む。
【英訳】:You drink coffee.
→主語は二人称の"You"、動詞は"drink"
【例文】:兄はコーヒーを飲む。
【英訳】:My brother drinks coffee.
→主語は三人称の"My brother"、動詞は"drinks"
動詞についての人称の区別はこれだけです。三・単・現の"s"を付けるか付けないかのみ。
目的語や補語の人称が三人称("him"や"coffee"など)でも、動詞に"s"や"es"を付けるようなことはしません。動詞に"s"や"es"を付けるか、付けないかは必ず「主語」を見て決めます。
「受動態」とは「〜される」というニュアンスを持つ表現
受動態ってナニ?(1)
↑
日本語で考えると、「兄さんは私にノートパソコンをくれた」は能動態です。一方、「私」を主語にして「私は兄さんからノートパソコンをもらった」が受動態です。
二つの日本語文を英訳してみます。
【例文】:兄さんは私にノートパソコンをくれた。
【英訳】:My brother gave me a laptop.
→能動態:「AがBに〜する」
【例文】:私は兄さんからノートパソコンをもらった。
【英訳】:I was given a laptop by my brother.
→受動態:「BがAに〜される」
「ノートパソコンを与える」という動作に注目して、動作を行なう人やものを主語にすれば能動態、動作のターゲットとなる人やものを主語にすれば受動態になります。【例文】の場合、動作を行なうのは「兄さん」、動作のターゲットは「私」、動作そのものは「ノートパソコンを与える」です。
受動態=「be + 動詞の過去分詞」
受動態ってナニ?(2)
↑
受動態は通例、「be + 動詞の過去分詞」で作ります。動詞は現在形や過去形ではなく、「過去分詞形」になるのがポイントです。
【例文】:私は兄さんからノートパソコンをもらった。
【 × 】:I was give a laptop by my brother.
【 × 】:I was gave a laptop by my brother.
【 ○ 】:I was given a laptop by my brother.
また、受動態では通例、動作を行なう人やものは前置詞の"by"で表わします、日本語に釣られて"from"を使うのは不可。
【例文】:私は兄さんからノートパソコンをもらった。
【 × 】:I was given a laptop from my brother.
【 ○ 】:I was given a laptop by my brother.
小文字の単語はそのまま小文字
コンマ(,)の次の単語をなんでかんでも大文字にするミスをよく見かけます。
コンマ(,)の次だからといって大文字に書き換える必要はまったくありません。小文字の単語は小文字のままに、固有名詞や"I"など、先頭の一文字が元から大文字の単語はそのまま大文字にしておきます。
【例文】:イアンは長身だが、イアンのお父さんは小柄だ。
【 × 】:Though Ian is tall, His father is little.
【 ○ 】:Though Ian is tall, his father is little.
→"his"は小文字で始める
【例文】:ジョンが来れば、ポールも喜ぶだろう。
【 × 】:Paul will be happy, If John comes.
【 ○ 】:Paul will be happy, if John comes.
→"if"は小文字で始める
もちろん、"if"はもともと"i"も"f"も小文字なので、コンマ(,)の次でも"if"と書きます。"If"と大文字で始めるときは"if"が文頭にある時です。
【例文】:ジョンが来れば、ポールも喜ぶだろう。
【 × 】:if John comes, Paul will be happy.
【 ○ 】:If John comes, Paul will be happy.
→文頭の"if"は大文字で始める
"not"は一番最初に出て来る助動詞の次に置く
特に、助動詞を使った文の場合、否定を意味する"not"をどこに置いたらいいのか迷うことがあります。通例、一番最初に出て来る助動詞の右隣に"not"を置きます。
【例文】:ジミーは東京ディズニーランドに行ったことがなかったかもしれない。
【 × 】:Jimmy might have been not to Tokyo Disneyland.
【 × 】:Jimmy might have not been to Tokyo Disneyland.
【 ○ 】:Jimmy might not have been to Tokyo Disneyland.
【例文】の場合、"might"の次に"not"を置きます。
意味は「行ったことがあったかもしれない」を否定して「行ったことがなかったかもしれない」になります。
比較級のmore型とer型
なので、"small"「小さい」の比較級は"smaller"です。"more small"ではありません。もちろん、"more smaller"も間違い。"more"と"er"両方を同時に使うのは不可です。
【例文】:火星も金星も地球よりも小さい。
【 × 】:Both Mars and Venus are more small than the earth.
【 × 】:Both Mars and Venus are more smaller than the earth.
【 ○ 】:Both Mars and Venus are smaller than the earth.
語尾に"er"を付けるタイプか、前に"more"を付けるタイプかは単語によってほぼ決まっています。必ず、各単語を辞書で引いてチェックして下さい。原則として、綴りの短い単語には"er"を付け、綴りの長い単語には"more"を付ます。ただし、例外も多数あります。
一つだけ、間違えやすい単語の例を挙げます。
"wealthy"や"healthy"は綴りがやや長いので"more"を付けがちですが、間違いです。語尾に"er"を付けるタイプです。
【例文】:小さな国よりも裕福な個人が存在する。
【 × 】:There are some individuals who are more wealthy than a small country.
【 ○ 】:There are some individuals who are wealthier than a small country.
【例文】:二十代のころより今のほうが健康です。
【 × 】:Today I'm more healthy than I was in my twenties.
【 ○ 】:Today I'm healthier than I was in my twenties.
語尾の"y"が"i"に変化することも注意して下さい。
"more"が補足説明する名詞、形容詞、副詞のすぐ前に置く
比較を表わす"A more 〜 than B"(AはBより〜だ)の場合、"more"をどこに置くのか迷うことがあります。基本的には、「名詞、形容詞、副詞」の直前に置きます。"than"に引きずられてなんでも"more than"とするのは不可。
【例文】:だいたい、猫は犬よりも動きが素早い。
【 × 】:Generally cats can move quickly more than dogs.
【 ○ 】:Generally cats can move more quickly than dogs.
→"more"は"quickly"の補足説明
名詞に付く"more"の場合も、補足説明する名詞 の直前に置きます。"than"に引きずられてなんでも"more than"とするのは不可。
【例文】:オレよりあんたのほうがたくさん食べた。
【 × 】:You ate food more than me.
【 ○ 】:You ate more food than me.
→"more"は"food"の補足説明
ただし、"more"が"many"や"much"の比較級の場合、ほかに形容詞や副詞が存在しないので、"more than"の形になることがあります。
【例文】:子供は大人よりもクリスマスを楽しみにしています。
【 × 】:Children more look forward to Christmas than grown-ups.
【 × 】:Children look forward to more Christmas than grown-ups.
【 ○ 】:Children look forward to Christmas more than grown-ups.
→"more"は"much"の比較級
【例文】を英訳する場合、"look forward to Christmas much"を比較表現にするので、"much"を"more"に変えます。なので、語順は"more than grown-ups"となります。
"A and B 〜"の場合、「〜」はたいていAとBの両方にかかる
前後の文脈にも依りますが、"A and B"の次に何か続く場合、たいてい、次に続く部分はAとBの両方にかかります。
【例文】:Picasso was painting the dogs and the cats running around in the garden.
【 × 】:ピカソは犬と庭で走り回っている猫を絵に描いていた。
【 ○ 】:ピカソは庭で走り回っている犬と猫を絵に描いていた。
→"running"以下は"dogs"と"cats"の両方の補足説明
「庭を走り回っていたのは犬と猫の両方」です。「犬」と「猫」とが別々の場所にいたわけではありません。
【例文】:We need a lot of time and money to protect nature.
【 × 】:私たちはたくさんの時間と自然を守るためのお金が必要だ。
【 ○ 】:私たちは自然を守るためにたくさんの時間とお金が必要だ。
→"to"以下は"time"と"money"の両方の補足説明
「自然」を守るためには「時間」と「お金」の両方が必要です。「お金」だけではありません。
【例文】:All sausages and hams in the refrigerator were eaten by our house dog Tom.
【 × 】:全部のソーセージと冷蔵庫の中のハムは、飼犬のトムに食べられてしまいました。
【 ○ 】:冷蔵庫の中にあったソーセージとハムは全部、飼犬のトムに食べられてしまいました。
→"in the refrigerator"は"sausages"と"hams"の両方の補足説明
「冷蔵庫」の中には「ソーセージ」と「ハム」の両方がありました。どっちも全部「トム」が食べてしまいました。
「百」と「千」と「万」
数字の表現(万、十万、百万、千万、一億…)(1)
↑
「百」は"hundred"、「千」は"thousand"です。では、「一万」はどう表わすのか。
「一万」は"ten thousand"と表現します。
実は、英語には「万」に相当する単語が存在しません。そこで、「一万」を「千の十倍」、つまり、1,000×10=10,000と考えて、"ten thousand"と表現します。
さらに大きな数
数字の表現(万、十万、百万、千万、一億…)(2)
↑
「一万」より大きな数になると、英語では四桁ごとに位(くらい)の名前が変化します。日本語では「一万」より大きな数は五桁ごとに位(くらい)の名前が変化します。そのため、英語と比較すると微妙にズレて行きます。
ポイントは"thousand, million, billion, trillion"の四つです。
あとは、それぞれの単語の前に「一倍、十倍、百倍」に相当する英語の"a, ten, a hundred"を付け足していくだけです。この方法で「百兆」まで表現できます。
あとは、それぞれの単語の前に「一倍、十倍、百倍」に相当する英語の"a, ten, a hundred"を付け足していくだけです。この方法で「百兆」まで表現できます。
ちなみに、「百万長者」は"millionaire"、「億万長者」は"billionaire"です。「兆万長者」という日本語は存在しません。英語にも"trillionaire"という単語は存在しません。
自分の判断で数が多い少ないを表現する
たとえば、日本語でも「人数が二十五人」と正確に言い表わすのではなく、話し手の主観的な判断で「人数はゼロ、ほとんどいない、少ない、多い、きわめて多い」と表現することがあります。
英語でも同じように、人数や個数を話し手の主観で「ゼロ、ゼロではないがほとんどいない、大人数ではないが少しはいる、けっこう大勢いる、かなりの大人数だ、全員である」と表現します。
どの語句も実際の英文では「人の数」に限らず、動物や植物、物体などあらゆる「数えられる名詞」に対して使うことができます。
また、数が一つではない、二つ以上であることを表わすので、どの語句も次の名詞はたいてい「数えられる名詞」の「複数形」を使います→【参照】:『名詞の「数」【構文】:数えられる名詞と数えられない名詞』
"a number of 〜"や"a great number of 〜"などで数の多い少ないを表わすことも可能です→【参照】:『数が多い少ないの表現(a number of 〜, etc)』
人数や個数、頭数がゼロ
数が多い少ないの表現(few, a few, many, etc)(1)
↑
# none, no
ニュアンスは「〜の人は一人もいない、〜のものは一つもない」です。数がゼロであることを表わします。
【例文】:None of the students are absent from school.
【例文】:None of the students is absent from school.[※やや堅苦しい表現]
【例文】:No students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒は一人もいない。
代名詞の"none"は単数形で受けるとやや堅苦しい表現になります→【参照】:『原則として複数扱いの不定代名詞(none)』
"none of 〜"や"no"を「〜の人は一人もいない、〜のものは一つもない」の意味で使う場合、次に置く「数えられる名詞」は「複数形」が普通です。
人数や個数、頭数がほとんどいない
数が多い少ないの表現(few, a few, many, etc)(2)
↑
# few, almost no, hardly any
ニュアンスは「ほとんどの人は〜ない、ほとんどのものは〜ない」です。数が限りなくゼロに近いことを表わします。
【例文】:Few students are absent from school.
【例文】:Almost no students are absent from school.
【例文】:Hardly any students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒はほとんどいない。
"few, hardly any"を「ほとんどの人は〜ない、ほとんどのものは〜ない」の意味で使う場合、次に置く「数えられる名詞」は必ず複数形です。
人数や個数、頭数が少数
数が多い少ないの表現(few, a few, many, etc)(3)
↑
# a few, a couple of, several, some
ニュアンスは「数人が〜だ、少数が〜だ」です。数が多くはないが少しはいることを表わします。
【例文】:A few students are absent from school.
【例文】:A couple of students are absent from school.
【例文】:Several students are absent from school.
【例文】:Some students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒が数人いる。
"a few, a couple of, several, some"を「数人が〜だ、少数が〜だ」の意味で使う場合、次に置く「数えられる名詞」は必ず複数形です。
人数や個数、頭数が多少
数が多い少ないの表現(few, a few, many, etc)(4)
↑
# quite few, a good few, not a few
ニュアンスは「多少の人が〜、多少のものが〜」です。数が少数ではないが多くもないことを表わします。
「数」を表わす表現としてはニュアンスにかなりの幅があるので、和訳は「多少の、少なからずの、ある程度の、かなりの、そこそこの、けっこうな、相当な」などが考えられます。
【例文】:Quite a few students are absent from school.
【例文】:A good few students are absent from school.
【例文】:Not a few students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒が多少いる。
"quite few, a good few, not a few"を「多少の人が〜、多少のものが〜」の意味で使う場合、次に置く「数えられる名詞」は必ず複数形です。
人数や個数、頭数が多数
数が多い少ないの表現(few, a few, many, etc)(5)
↑
# many, a lot of, lots of, plenty of, numerous
ニュアンスは「多くの人が〜、多くのものが〜」です。数が多いことを表わします。
【例文】:Many students are absent from school.
【例文】:A lot of students are absent from school.
【例文】:Lots of students are absent from school.
【例文】:Plenty of students are absent from school.
【例文】:Numerous students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒が多い。
"many, a lot of, lots of, plenty of, numerous"を「多くの人が〜、多くのものが〜」の意味で使う場合、次に置く「数えられる名詞」は必ず複数形です。
人数や個数、頭数が非常に多数
数が多い少ないの表現(few, a few, many, etc)(6)
↑
# very many, a great many, a good many
ニュアンスは「非常に多くの人が〜、非常に多くのものが〜」です。数がきわめて多いことを表わします。
【例文】:Very many students are absent from school.
【例文】:A great many students are absent from school.
【例文】:A good many students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒が非常に多い。
"very many, a great many, a good many"を「非常に多くの人が〜、非常に多くのものが〜」の意味で使う場合、次に置く「数えられる名詞」は必ず複数形です。
人数や個数、頭数のほぼ全部
数が多い少ないの表現(few, a few, many, etc)(7)
↑
# most, most of, almost all, nearly all
ニュアンスは「ほとんどの人が〜、ほとんどのものが〜」です。全部ではないがほぼ全部であることを表わします。
【例文】:Most students are absent from school.
【例文】:Almost all students are absent from school.
【例文】:Nearly all students are absent from school.
【和訳】:ほとんどの生徒が欠席だ。
【例文】:Most of the students are absent from school.
【和訳】:その生徒たちのほとんどが欠席だ。
"most, most of, almost all, nearly all"を「ほとんどの人が〜、ほとんどのものが〜」の意味で使う場合、次に置く「数えられる名詞」は必ず複数形です。
「most + 複数形の名詞」は漠然と「ほとんどの〜は」の意味を表わします。「ある程度限定した人や物の中でほとんどの〜は」は「most of + the/my/their/etc + 数えられる名詞の複数形」を使います。"of"の次の名詞には定冠詞(the)や代名詞の所有格を付けます。
【例文】:今時の子供はほとんどが自分の携帯電話を持っている。
【 × 】:Today most the children have their own cell phones.
【 ○ 】:Today most children have their own cell phones.
【例文】の場合、「子供」は「漠然と最近の子供たち」を指すので、英語では定冠詞(the)を付けず、"most children"でOKです。
【例文】:私の学校の子供たちはほとんどが自分用の携帯電話を持っている。
【 × 】:Most of children in my school have their own cell phones.
【 ○ 】:Most of the children in my school have their own cell phones.
【例文】の場合、「子供たち」は「私の学校の生徒」を指すので、英語では定冠詞(the)を付けて、"most of the children in my school"とします。定冠詞(the)がない"most of children in my school"は不可。
人数や個数、頭数が全部
数が多い少ないの表現(few, a few, many, etc)(8)
↑
# all, every, each
ニュアンスは「すべての人が〜、すべてのものが〜、あらゆる人が〜、あらゆるものが〜、人がことごとく〜、ものがことごとく〜」です。例外なく全部であることを表わします。
【例文】:All students are absent from school.
【和訳】:生徒は全員が欠席だ。
【例文】:Every student is absent from school.
【和訳】:あらゆる生徒が欠席だ。
【例文】:Each student is absent from school.
【和訳】:生徒はことごとく欠席している。
"all"を「すべての人が〜、すべてのものが〜」の意味で使う場合、次に置く「数えられる名詞」はたいてい複数形です。一方、"every, each"の次に置く「数えられる名詞」は必ず単数形です。
"a number of"基にして数の多い少ないを表わす
英語では"few, a few, many"などを使って、話し手の主観的な判断で数が多い少ないを表現することがあります→【参照】:『多い少ないの表現(few, a few, many, etc)』
同じように、"a number of 〜"を使って数の多い少ないを表わすことができます。"number of"の前に置く形容詞や副詞をいろいろと変化させて「少数」から「非常に多い」まで表現可能。
どの語句も実際の英文では「人の数」に限らず、動物や植物、物体などあらゆる「数えられる名詞」に対して使うことができます。
また、数が一つではない、二つ以上であることを表わすので、"number of"の次の名詞は必ず「数えられる名詞」の「複数形」を使います→【参照】:『名詞の「数」【構文】:数えられる名詞と数えられない名詞』
人数や個数、頭数が少数(= a few)
数が多い少ないの表現(a number of 〜, etc)(1)
↑
ニュアンスは「少数の人が〜だ、少数のものが〜だ」です。数が多くはないが少しはいることを表わします。
# a number of, a small number of
【例文】:A number of students are absent from school.
【例文】:A small number of students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒が数人いる。
"a number of 〜"は場合によっては「多い(= many)」の意味で使うこともあります。前後の文脈から判断して、言いたいことは数が多いことなのか、少ないことなのか判断します。
【例文】:A number of students are absent because flu is widespread.
【和訳】:インフルエンザが流行しているので、数人の生徒が休んでいる。
【例文】:A number of students are absent because flu is very widespread.
【和訳】:インフルエンザが大流行しているので、多くの生徒が休んでいる。
→"because"以下の内容から判断して和訳を「数人の」か「多くの」か判断する
人数や個数、頭数が多数(= many)
数が多い少ないの表現(a number of 〜, etc)(2)
↑
ニュアンスは「多くの人が〜、多くのものが〜」です。数が少数ではないことを表わします。
# a large mumber, a great number of, a considerable number of, quite a number of
【例文】:A large number of students are absent from school.
【例文】:A great number of students are absent from school.
【例文】:A considerable number of students are absent from school.
【例文】:Quite a number of students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒が多い。
人数や個数、頭数が非常に多数(= very many)
数が多い少ないの表現(a number of 〜, etc)(3)
↑
ニュアンスは「非常に多くの人が〜、非常に多くのものが〜」です。数がきわめて多いことを表わします。
# an enormous number of, a huge number of, a vast number of
【例文】:An enormous number of students are absent from school.
【例文】:A huge number of students are absent from school.
【例文】:A vast number of students are absent from school.
【和訳】:欠席の生徒が非常に多い。
"we has"や"we doesn't"は文法的に不可
"has"と"does"はもっぱら「三人称、単数、現在時制」のときに使います。なので、"we has"や"we doesn't"は文法的に誤りです。"we"は一人称で、しかも複数です→【参照】:『人称ってナニ?』
"does"と"has"が文法的に使える例、使えない例を簡単にまとめます。
【例文】:私たちは自分の自転車を持っている。
【 × 】:We has our own bicycles.
【 ○ 】:We have our own bicycles.
→時制は現在だけど、"we"の「人称」は一人称、「数」は複数→"we has"は不可
【例文】:私たちは自分の自転車を持っていない。
【 × 】:We doesn't have our own bicycles.
【 ○ 】:We don't have our own bicycles.
→時制は現在だけど"we"の「人称」は一人称、「数」は複数→"we doesn't"は不可
【例文】:ジョンは自分の自転車を持っている。
【 × 】:John have his own bicycle.
【 ○ 】:John has his own bicycle.
→時制は現在、"John"の「人称」は三人称、「数」は単数→"John has"でOK
【例文】:ジョンは自分の自転車を持っていない。
【 × 】:John don't have his own bicycle.
【 ○ 】:John doesn't have his own bicycle.
→時制は現在、"John"の「人称」は三人称、「数」は単数、"John doesn't"でOK
"will be rain"や"should be go"は文法的に不可
「be動詞 + 動詞の原形」という表現は、英語には存在しません。「be動詞 + 動詞」の場合、可能な形は二つのみです。
# 「be動詞 + 動詞の〜ing」……進行時制
# 「be動詞 + 動詞の過去分詞」……受動態
"will be rain"と"should be go"の場合、どちらもbe動詞を取り去れば、文法的にも正しい文章になります。
【例文】:明日は雨だろう。
【 × 】:It will be rain tomorrow.
【 ○ 】:It will rain tomorrow.
→"will be"の"be"は不要
【例文】:すぐに医者に診てもらうべきだよ。
【 × 】:You should be go to see the doctor immediately.
【 ○ 】:You should go to see the doctor immediately.
→"should be"の"be"は不要
時制が変化すると動詞がどのような助動詞とつながるのか、簡単にまとめます。「be動詞 + 動詞の原形」という表現はどこにも存在しません。
be動詞(be, am, is, are, was, were, been, being)の次は必ずing形か過去分詞です。
過去時制 | ||
---|---|---|
非進行時制 | 進行時制 | |
能動態 | I drank tea. | I was drinking tea. |
受動態 | Tea was drunk. | Tea was being drunk. |
現在時制 | ||
非進行時制 | 進行時制 | |
能動態 | I drink tea. | I am drinking tea. |
受動態 | Tea is drunk. | Tea is being drunk. |
未来時制 | ||
非進行時制 | 進行時制 | |
能動態 | I will drink tea. | I will be drinking tea. |
受動態 | Tea will be drunk. | Tea will be being drunk. |
過去完了 | ||
---|---|---|
非進行時制 | 進行時制 | |
能動態 | I had drunk tea. | I had been drinking tea. |
受動態 | Tea had been drunk. | Tea had been being drunk. |
現在完了 | ||
非進行時制 | 進行時制 | |
能動態 | I have drunk tea. | I have been drinking tea. |
受動態 | Tea has been drunk. | Tea has been being drunk. |
未来完了 | ||
非進行時制 | 進行時制 | |
能動態 | I will have drunk tea. | I will have been drinking tea. |
受動態 | Tea will have been drunk. | Tea will have been being drunk. |
いいえ、文中ならもちろんそのまま小文字です
すべての"it"を大文字で始めるミスをよく見かけます。
"it"は代名詞や名詞として使うので、文頭に置く以外は通例、小文字で始めます。固有名詞のように、大文字で始めたりはしません。
【例文】:三日前に液晶テレビを買ったけど、昨日壊れた。
【 × 】:I bought LCD television three days ago. However, It broke down yesterday.
【 ○ 】:I bought LCD television three days ago. However, it broke down yesterday.
→"it"は小文字で始める
【例文】:サバンナでライオンと出くわしても、きっとライオンは逃げちゃうよ。
【 × 】:If you come across a lion in the savanna, It will surely run away.
【 ○ 】:If you come across a lion in the savanna, it will surely run away.
→"it"は小文字で始める
【例文】の場合、代名詞の"I"(私は)と混同して"It"と書くとスペルミスと見なされます。文頭以外では、必ず小文字で"it"と書きます。
いいえ、文中ならもちろんそのまま小文字です
すべての"if"を大文字で始めるミスをよく見かけます。
"if"は接続詞なので、文頭に置く以外は通例、小文字で始めます。固有名詞のように、大文字で始めたりはしません。
【例文】:一晩ぐっすり寝れば、元気が出るさ。
【 × 】:You feel better If you get a good night's sleep.
【 ○ 】:You feel better if you get a good night's sleep.
→"if"は文頭ではないので小文字で始める
【例文】:数学のテストで満点取ったら、マウンテンバイクを買ってやる。
【 × 】:I'll buy you a mountain bike If you get full marks in a math exam.
【 ○ 】:I'll buy you a mountain bike if you get full marks in a math exam.
→"if"は文頭ではないので小文字で始める
【例文】の場合、代名詞の"I"(私は)と混同して"If"と書くとスペルミスと見なされます。文頭以外では、必ず小文字で"if"と書きます。
いいえ、「自分」が"you"や"we"のこともある
日本語の「自分」を英語に直すと、"you"や"we"になることもあります。
【例文】:自分の真の実力を知りたいのなら、試験を受けるべきだ。
【 × 】:You should take exams, if you want to know my true ability.
【 ○ 】:You should take exams, if you want to know your true ability.
【例文】を英訳すると、「自分の真の実力」は"my true ability"ではなく"your true ability"です。"my"と書くと「話し手としての私の〜」の意味になります。すると、"my ability"の意味は、「話し手としての私の能力」です。
【例文】の意味はそうではありません。
【例文】の「能力」とは、特定の個人や集団が持つ「能力」を指すのではなく、「一般論としての人間の能力」です。「話し手や聞き手に関係なく、人間一人一人が持っている能力」を表わすので"your"を使います。
誰にでも当てはまる話では主語に"you"や"we"や"they"を使う
英語では、誰にでも当てはまる話の場合、主語に"you"や"we"や"they"を使います。なので、"you"で始めたらその後の代名詞はすべて"you, your"で受けます。「自分の」という日本語に引きずられて機械的に"my"とするのは不可。
もう一つ例文を。
【例文】:鏡は自分自身の姿を映します。
【 × 】:Mirrors reflect my own image.
【 ○ 】:Mirrors reflect our own image.
"my own image"だと、「話し手の姿形が鏡に映っている」という状況に限定されます。
【例文】の意味はそうではなく、一般論として「鏡というものは誰でも覗いた人の姿形を映し出す」ということです。なので、特定の個人である話し手を指す"my"ではなく、鏡を覗いたあらゆる人物を指す"our"を使います。
いいえ、時制は現在や未来もありえる
英作文のとき、「もしも」と来たら"if"を使い、話の内容が現在であろうと未来であろうと動詞や助動詞を過去形にしてしまいがちです。もちろん、"if"は現在時制でも未来時制でも使うことができます。ただし、文全体のニュアンスは微妙に変化します。
"if" + 過去時制の場合
"if"と来たら時制は必ず過去だ?!(1)
↑
【例文】:南極に行ったら、オーロラを見てみてたい。
【英訳】:If I went to the Antarctica, I would want to see the Southern Lights.
→南極旅行は夢のまた夢、実現は不可能
いわゆる仮定法過去です。時制は過去。現実にはありえない「仮に〜だとすれば」の話です。話し手にとって、南極旅行は百パーセント「ありえない話」です。
"if" + 現在時制の場合
"if"と来たら時制は必ず過去だ?!(2)
↑
【例文】:南極に行けば、オーロラを見ることができるよ。
【英訳】:If you go to the Antarctica, you are able to see the Southern Lights.
(= When you go to the Antarctica, you are able to see the Southern Lights.)
→「南極旅行に行けばオーロラ見学できるよ」という一般論
話の主眼は「仮定」ではなく「条件」です。時制は現在。ありえない話ではなく、前提条件さえ満たせば「ありうる話」です。
現在時制で"if"を使う場合、よく「一般論」を表わします。誰にでも当てはまる話です。なので、"if"を"when"(〜すると)に置き換えても意味はほとんど変わりません。
"if" + 未来時制の場合
"if"と来たら時制は必ず過去だ?!(3)
↑
【例文】:南極に行ったら、オーロラを見ることができるだろう。
【英訳】:If I go to the Antarctica, I will be able to see the Southern Lights.
→南極へ行くことは決定事項、オーロラ見学もおそらく可能
話の主眼は「仮定」ではなく「条件」です。時制はif節が現在で、if節以外は未来。ありえない話ではなく、前提条件さえ満たせば「ありうる話」です。
未来時制は実現可能な予定がすでに決まっていて、将来、その予定が実現したとき「〜をしよう、〜することができる」というニュアンスでよく使います。
いいえ、話の内容は「未来」です
「もし明日晴れたら〜」は過去時制?!(1)
↑
「もし明日晴れたら〜」と来ると「晴れたら」とあるので、英訳すると時制は「過去」と考えがちです。しかし、たいてい誤りです。「もし明日晴れたら〜」を英訳するには通例、現在時制や未来時制を使います。
まず、日本語で考えてみます。
【例文】:もし明日晴れたら、学校で体育祭だ。
→学校行事として明日、体育祭が開かれる予定である
【例文】:もし明日晴れたら、連続百日雨なしだ。
→明日の天気はわからないが、もし晴れれば連続百日晴れ
【例文】は二つとも、話の内容は「未来」になります。今現在を基準にして、未来である「明日の天気」についての話です。しかし、日本語では「晴れたら」と過去の表現を使います。
英語では、現在時制や未来時制で「未来」を表現する
「もし明日晴れたら〜」は過去時制?!(2)
↑
ところが英語の場合、原則として「明日」のことを過去時制で表現することはできません。「明日」のことは通例、現在時制や未来時制で表現します。なので、日本語の過去時制をそのまま英語に持って行くのは不可です。
【例文】:もし明日晴れたら、学校で体育祭だ。
【 × 】:If it was fine tomorrow, we held the field day at our school.
→「明日」のことで過去時制は不可
【 ○ 】:If it is fine tomorrow, we will hold the field day at our school.
→現在時制と未来時制を使う
【例文】:もし明日晴れたら、連続百日雨なしだ。
【 × 】:If it was fine tomorrow, we had not had rain for one hundred days.
→「明日」のことで過去時制や過去完了時制は不可
【 ○ 】:If it is fine tomorrow, we will not have had rain for one hundred days.
→現在時制と未来完了時制を使う
日本語では、過去時制で「未来」を表現できる
「もし明日晴れたら〜」は過去時制?!(3)
↑
よくよく考えると日本語の場合、「明日晴れたら」を現在時制で「明日晴れると」と表現しても、意味はほとんど変わりません。日本語では「明日のこと」を話すのに、現在時制と過去時制の両方を使うことができます。
英語の場合そうはいきません。なので、日本語の「もし〜だったら」を英語に直すときには、話の内容が「未来」なのか「過去」なのか必ず確認して、未来の話なら現在時制や未来時制を使います。「〜だったら」に釣られて機械的に過去時制に置き換えるのは、たいてい不可です。
【例文】:もし明日晴れたら、学校で体育祭だ。
(= もし明日晴れると、学校で体育祭だ。)
【英訳】:If it is fine tomorrow, we will hold the field day at our school.
→【例文】は一部過去時制だが、内容全体は未来の話、英語では過去時制は不可
【例文】:もし明日晴れたら、連続百日雨なしだ。
(= もし明日晴れると、連続百日雨なしだ。)
【英訳】:If it is fine tomorrow, we will not have had rain for one hundred days.
→【例文】は一部過去時制だが、内容全体は未来の話、英語では過去時制は不可
いいえ、「もし〜」が仮定法とは限らない
実は、日本語の「もし〜」には二つのニュアンスがあります。
【例文1】:もし月が二つあったら、夜はかなり明るくなるだろう。
【例文2】:もし月が出なかったら、夜の山道は真っ暗闇だろう。
【例文】は二つとも、「もし〜」で始まり、「〜だろう」で終ります。一見、ニュアンスにさほどの違いはなさそうですが、物の見方には大きな違いがあります。【例文1】は月が二つあるなんて「絶対にありえない話」、【例文2】は月が雲に隠れれば「かなりありえる話」です。
日本語では、「絶対にありえない話」でも「かなりありえる話」でも「もし〜だったら、…だろう」と表現します。ところが英語の場合、「もし〜」は"if"を使いますが、「絶対にありえない話」では過去時制や過去完了時制を使い、「かなりありえる話」では現在時制や未来時制を使います。
【例文】の二つの日本語文を英訳すると、英語と日本語での時制の違いが明白です。
【例文】:もし月が出なかったら、夜の山道は真っ暗闇だろう。
【 × 】:If the moon hid behind clouds, mountain tracks were completely dark at night.
→「かなりありえる話」なので過去時制は不可
【 ○ 】:If the moon hides behind clouds, mountain tracks will be completely dark at night.
→「かなりありえる話」なので現在時制と未来時制を使う
【例文】:もし月が二つあったら、夜はかなり明るくなるだろう。
【 × 】:If the Earth has two moons, night is much brighter than now.
→「絶対にありえない話」なので現在時制は不可
【 ○ 】:If the Earth had two moons, night would be much brighter than now.
→「絶対にありえない話」なので過去時制を使う
英語の場合、過去時制や過去完了時制を使った「絶対にありえない話」は仮定法と呼ばれます。仮定法はもっぱら、「現実は違うけど仮に〜だとしたら」の話です。
いいえ、"I think it is right."の否定は"I don't think it is right."
日本語の場合、否定の表現は「〜ではないと思う、〜とは思わない」のどちらでも可能です。多少、否定の強弱に差が出ますが、意味はほぼ同じ。どちらもごく自然な日本語です。
英語の場合、"I think it isn't〜"は英文としてやや不自然な表現になります。"not"が前に出て来た"I don't think it is〜"のほうが一般的です。英語では、「〜ではないと思う」よりも「〜とは思わない」という言い方を好みます。
# 「私は〜とは思わない」=「私は〜ではないと思う」= "I don't think that 〜"
【例文】:それは正しくないと思う。
【 △ 】:I think it is not right.
【 ○ 】:I don't think it is right.
【例文】:それが正しいとは思わない。
【 △ 】:I think it is not right.
【 ○ 】:I don't think it is right.
【例文】の日本語は二つとも英訳すると"I don't think 〜"です。"not"の位置は"think"の前です。日本語では、「〜ではないと思う」と「〜とは思わない」の二通りの表現が可能ですが、英語ではもっぱら"I don't think 〜"のほうを使います。
いいえ、"abroad"の意味は「外国で、外国へ」
"abroad"の意味は「外国の、外国」である?!(1)
↑
"abroad"の意味は「外国で、外国へ、外国に」です。
"abroad"は副詞です。一語で"in a foreign country"や"to a foreign country"の意味を表わします。形容詞や名詞としての用法はありません。なので、"abroad"に「外国の」という意味や「外国」という意味は存在しません。
"abroad"の品詞は通例、副詞のみ
"abroad"の意味は「外国の、外国」である?!(2)
↑
形容詞の「外国の」は"foreign"を使い、名詞の「外国」は"foreign countries"を使います。
【例文】:大学で外国の文化を研究したい。
【 × 】:I want to study abroad cultures at college.
【 ○ 】:I want to study foreign cultures at college.
→「外国の」は"foreign"を使う
【例文】:外国で車を運転するには、国際運転免許証が必要です。
【 × 】:You need the international driver's licence when you drive in the abroad.
【 ○ 】:You need the international driver's licence when you drive in foreign countries.
→「外国」は"foreign countries"を使う
"in foreign countries"の意味は「外国で」なので、"abroad"一語で表わすこともできます。"in"や"countries"は不要です。
【例文】:外国で車を運転するには、国際運転免許証が必要です。
【和訳】:You need the international driver's licence when you drive abroad.
→「外国で」は"abroad"を使う
「前置詞 + abroad」は通例不可
"abroad"の意味は「外国の、外国」である?!(3)
↑
"abroad"の意味は「外国で、外国に」です。"abroad"自体に前置詞の"in"や"to"に相当する「〜で」や「〜に」の意味を含みます。なので、"abroad"を使って「外国で〜する」を表現するとき、前置詞の"in"や"to"は不要です。
【例文】:成績優秀者は海外留学のチャンスがあります。
【 × 】:Students with good grades may have chance of studying in abroad.
【 × 】:Students with good grades may have chance of studying at abroad.
【 ○ 】:Students with good grades may have chance of studying abroad.
→"study abroad"のみで「外国で勉強する、留学する」の意味
【例文】:クーデター発生時、大統領は国外にいた。
【 × 】:The president was at abroad when the coup broke out.
【 ○ 】:The president was abroad when the coup broke out.
→"abroad"のみで「国外に」の意味
"abroad"は国名と一緒には使えない
"abroad"の意味は「外国の、外国」である?!(4)
↑
"abroad"のニュアンスは、「(どことは特定しないある)外国で、外国に」です。アメリカだのイギリスだのと国名を明らかにせず、漠然と「外国で、外国に」という意味。なので、国名の"USA"や"England"と一緒に使うことはできません。
【例文】:イギリスへ留学してシェイクスピアを研究するつもりです。
【 × 】:I will go abroad to England and study Shakespeare in England.
【 ○ 】:I will go to England and study Shakespeare.
「留学して」に釣られて"abroad"を使いがちですが、英語としては不自然です。「イギリスへ」という国名が出ているので"go to Engalnd"でOK。
「海外で」の英訳なら、"abroad"を使います。日本語の「海外で」のニュアンスは、「(どこの国とは特定せずに)外国で」です。
【例文】:海外へ留学してシェイクスピアを研究するつもりです。
【和訳】:I will go abroad and study Shakespeare.
→「どこの国」なのかは不明、あるいは、伏せてある
いいえ、"〜. However, …."です
"however"の意味は「だけど〜」です。"however"は、似た意味を持つ"but"とは構文が微妙に異なります。
"but"は接続詞なので、前にコンマ(,)を置いて二つの文をつなげることができます。一方、"however"は接続詞ではないので、前にコンマ(,)を置いて二つの文をつなげることはできません。
【例文】:雨は降ったけれども、ダムの貯水率はほとんど回復しなかった。
【 ○ 】:We had some rain, but the water storage rates in dams have hardly increased.
【 × 】:We had some rain, however the water storage rates in dams have hardly increased.
→"however"は接続詞ではないので、二つの文をつなぐことはできない
では、どうするのか。
"however"の前に、コンマ(,)ではなく、ピリオド(.)を置いてセンテンスを二つに分断します。"however"の次にはコンマ(,)が必要です。
# 「〜である。しかし、…だ」= 〜. However, …. ( = 〜, but ….)
【例文】:雨は降ったけれども、ダムの貯水率はほとんど回復しなかった。
【 × 】:We had some rain, however the water storage rates in dams have hardly increased.
【 ○ 】:We had some rain. However, the water storage rates in dams have hardly increased.
(= We had some rain, but the water storage rates in dams have hardly increased.)
→"However"の次にはコンマ(,)が必要
いいえ、"〜. Moreover, …."です
"moreover"の意味は「その上〜、さらに〜」です。"moreover"は、似た意味を持つ"and"とは構文が微妙に異なります。
"and"は接続詞なので、前にコンマ(,)を置いて二つの文をつなげることができます。一方、"moreover"は接続詞ではないので、前にコンマ(,)を置いて二つの文をつなげることはできません。
【例文】:地震のせいで電気が止まり、その上、断水した。
【 ○ 】:The earthquake caused power cuts, and it cut off the water supply.
【 × 】:The earthquake caused power cuts, moreover it cut off the water supply.
→"moreover"は接続詞ではないので、二つの文をつなぐことはできない
では、どうするのか。
"moreover"の前に、コンマ(,)ではなく、ピリオド(.)を置いてセンテンスを二つに分断します。"moreover"の次にはコンマ(,)が必要です。
# 「〜である。その上、…だ」= 〜. Moreover, ….
【例文】:地震のせいで電気が止まり、その上、断水した。
【 × 】:The earthquake caused power cuts, moreover it cut off the water supply.
【 ○ 】:The earthquake caused power cuts. Moreover, it cut off the water supply.
→"moreover"の次にはコンマ(,)が必要
いいえ、"〜. Therefore, …."です
「〜なので…だ」は"〜, therefore …."である?!(1)
↑
"therefore"の意味は「なので〜」です。似た意味を持つ"so"とは、微妙に構文が異なります。
"so"は接続詞なので、前にコンマ(,)を置いて二つの文をつなげることができます。一方、"therefore"は接続詞ではないので、前にコンマ(,)を置いて二つの文をつなげることはできません。
【例文】:現在ダイエット中なので、一日一食です。
【 ○ 】:I'm losing weight, so I eat just one meal a day.
【 × 】:I'm losing weight, therefore I eat just one meal a day.
→"therefore"は接続詞ではないので、二つの文をつなぐことはできない
では、どうするのか。
"therefore"の前に、コンマ(,)ではなく、ピリオド(.)を置いてセンテンスを二つに分断します。"therefore"の次にはコンマ(,)が必要です。
# 「〜なので、…である」= 〜. Therefore, ….
【例文】:現在ダイエット中なので、一日一食です。
【 × 】:I'm losing weight, therefore I eat just one meal a day.
【 ○ 】:I'm losing weight. Therefore, I eat just one meal a day.
→"therefore"の次にはコンマ(,)が必要
いいえ、"so A that 〜"の意味は「非常にAなので〜である」です
"so A that 〜"の意味は「非常にAなので〜である、たいそう〜なので〜だ」です。「原因とその結果」を表わします。
たいてい、「so + 形容詞 + that 〜」か「so + 副詞 + that 〜」の形で使います。「so + 形容詞/副詞」で物事の「原因や理由」を表わし、that以下でその「結果」を表わします。
"so A that 〜"の場合、"that"は関係代名詞ではなく、たいてい結果を導く接続詞として機能します。
# "so A that 〜"……「非常にAなので〜である」
【例文】:The weather was so sunny that we succeeded in observing the total solar eclipse.
【 × 】:皆既日食を観察できた天気は晴れだった。
【 ○ 】:天候が快晴だったので、皆既日食を観察することができた。
→"sunny"は形容詞、意味は「(天気が)晴れの」
【例文】:It rained so heavily that that we were unable to observe the total solar eclipse.
【 × 】:皆既日食を観察できなかった激しい雨が降った。
【 ○ 】:雨が土砂降りだったので、皆既日食を観察することはできなかった。
→"heavily"は副詞、意味は「(雨が)土砂降りに」
いいえ、"too A to 〜"の意味は「あまりに〜なので…でない」です
"too A to 〜"の意味は、「物事の程度がひどすぎて〜できない、〜ではない、〜しない」です。"not"や"never"はありませんが、意味的には否定を表わします。
たいてい、「too + 形容詞 + to 〜」か「too + 副詞 + to 〜」の形で使います。「too + 形容詞/副詞」で物事の「原因や理由」を表わし、to以下でその「結果」を表わします。
# "too A to 〜"……「あまりAになので〜でない」
【例文】:This curry and rice is too spicy for me to eat.
【 × 】:このカレーは私にとって非常に辛いので食べる。
【 ○ 】:このカレーは辛すぎてとても食べられない。
→"spicy"は形容詞、意味は「辛い」
【例文】:Shooting stars fall too fast for us to make a wish three times.
【 × 】:流星は私たちにとって非常に速く落ちるので願い事を三回唱える。
【 ○ 】:流れ星はあまりに速く流れるので、願い事を三回唱えることなんてとてもできない。
→"fast"は副詞、意味は「速く」
いいえ、"for A"はto不定詞の主語を表わす
"it is 〜 for A to …"の意味は「Aが…するのは〜である」です。
仮主語itの構文の場合、to不定詞の前にある"for A"はたいていto不定詞の主語を表わします。なので、"it is 〜 for A to …"の意味は「Aが…することは〜である」です。"for A"の意味は「Aが〜、Aは〜」です。
"for 〜"=「〜のために、〜のせいで」とは限りません。
# "it is 〜 for A to …"……「Aが…することは〜である」
【例文】:It is impossible for me to get 80 marks or more in a math test.
【 × 】:私のために数学のテストで八十点以上取るのは不可能だ。
【 ○ 】:私が数学のテストで八十点以上を取るのは不可能だ。
→"for me"は"to get"の主語を表わす、意味は「私が〜」
【例文】:It is rare for you to read such a bulky book.
【 × 】:あなたのためにそのようなぶ厚い本を読むことは珍しい。
【 ○ 】:あなたがこんなぶ厚い本を読むなんてめったにないことだ。
→"for you"は"to read"の主語を表わす、意味は「あなたが〜」
いいえ、「なぜなら〜である」は"This is because 〜."や"The reason is that 〜."です
直前のセンテンスを受けて「なぜなら〜である」と原因や理由を表現するとき、接続詞の"for"を文頭に置くことはできません。代わりに、"This is because 〜"や"The reason is that 〜"を使います。
# 「なぜなら〜である」= This is because 〜, The reason is that 〜
【例文】:渇水は避けられないだろう。なぜなら、今月は雨が一滴も降っていない。
【 × 】:Water shortage will surely occur. For we have had no rain this month.
【 ○ 】:Water shortage will surely occur. This is because we have had no rain this month.
【 ○ 】:Water shortage will surely occur. The reason is that we have had no rain this month.
→接続詞"for"を文頭に置くのは不可
接続詞の"for"は必ず前にコンマ(,)を置いて、追加で理由を説明するときに使います。原因や理由としてはやや根拠が乏しいニュアンスを含みます。
# 原因や理由を表わす接続詞の"for"は前にコンマ(,)を置く
【例文】:渇水は避けられないだろう。というのは、今月は雨が一滴も降っていない。
【 × 】:Water shortage will surely occur. For we have had no rain this month.
【 ○ 】:Water shortage will surely occur, for we have had no rain this month.
→"for"の前にコンマ(,)を置いて、二つのセンテンスを一つにまとめればOK
ただし、接続詞の"for"は古めかしい使い方としてすでに廃れつつあります。原因や理由を表わす接続詞は"because"を使うほうが無難です。
【例文】:今月は雨が一滴も降っていないので、渇水は避けられないだろう。
【 △ 】:Water shortage will surely occur, for we have had no rain this month.
【 ○ 】:Water shortage will surely occur, because we have had no rain this month.
→"because"を使うほうが無難
いいえ、「なぜなら〜である」は"This is because 〜."や"The reason is that 〜."です
接続詞の"because"は次に原因や理由が続きます。前のセンテンスを受けて原因や理由を表現するときは、"This is because 〜"や"The reason is that 〜"を使います。
"This is because"の"This"は前のセンテンスを指します。ニュアンスは「その理由はこれから述べる〜である」「その原因はこれから述べる〜である」です。
# 「なぜなら〜である」= This is because 〜 = The reason is that 〜
【例文】:今年の梅雨は例年に比べて長かった。なぜなら、太平洋高気圧の勢力が極端に弱かったからだ。
【 × 】:This year's rainy season was longer than usual. Because the Pacific High was extremely weak.
【 ○ 】:This year's rainy season was longer than usual. This is because the Pacific High was extremely weak.
【 ○ 】:This year's rainy season was longer than usual. The reason is that the Pacific High was extremely weak.
→前のセンテンスを受けて"because"を単独で文頭に置くのは不可
直前のセンテンスの続きではなく、同じセンテンスの中で原因や理由を表わす場合は、"because"を使います。"because 〜"の位置は文頭でも文の途中でもOK。"because 〜"の和訳は「なぜなら〜である」ではなく、「〜なので、〜だから」です。
# 「〜なのでAである」= A, because 〜 = Because 〜, A
【例文】:太平洋高気圧の勢力が極端に弱かったので、今年の梅雨は例年に比べて長かった。
【 × 】:This year's rainy season was longer than usual. Because the Pacific High was extremely weak.
【 ○ 】:This year's rainy season was longer than usual, because the Pacific High was extremely weak.
【 ○ 】:Because the Pacific High was extremely weak, this year's rainy season was longer than usual.
→"because"の意味は「なぜなら〜である」ではなく「〜なので、〜だから」
いいえ、「食べてもらいたい」は"I want you to eat 〜."です、目的語に"you"が入る
"I want to 〜"の意味は「私が〜したい」です。なので、"I want to eat sushi."の意味は「私が寿司を食べたい」です。
自分で作って誰かに食べてもらいたいと表現するときは、"want"の次に目的語を置いて"I want you to eat my sushi."(私はあなたに私が作った寿司を食べてもらいたい)とします。
"want"の次に目的語がなければ意味は「主語が〜したい」、"want"の次に目的語があると意味は「主語が目的語に〜してもらいたい」です。
# 「自分が〜したい」= I want to 〜
# 「あなたに〜してもらいたい」= I want you to 〜
# 「先生に〜してもらいたい」= I want our teacher to 〜
【例文】:I want to have a cat.
【 × 】:猫を飼ってもらいたい。
【 ○ 】:猫を飼いたい。
→"wantの目的語がないので「(主語が)〜したい」の意味"
【例文】:I want you to take care of our cats for a few days.
【 × 】:二三日の間、私たちの猫の世話をしたい。
【 ○ 】:二三日の間、あなたにうちの猫たちの世話をしてもらいたい。
→"wantの目的語として"you"があるので「(主語が目的語に)〜してもらいたい」の意味"
いいえ、"And"と"But"の次にコンマ(,)は原則として不要です
"And"と"But"を文の先頭に置いて文を始める場合、たいてい次にコンマ(,)は不要です。
【例文】:妻はチョコパフェを頼んだ。そして、私はアイスティーを頼んだ。
【 × 】:My wife ordered chocolate parfait. And, I ordered iced tea.
【 ○ 】:My wife ordered chocolate parfait. And I ordered iced tea.
→"And"の次のコンマ(,)は不要
【例文】:飼うとしたら私は犬だ。しかし、両親は猫だ。
【 × 】:I want to have a dog. But, my parnets want to have a cat.
【 ○ 】:I want to have a dog. But my parnets want to have a cat.
→"But"の次のコンマ(,)は不要
"but"近い意味の"however"を使うときは、次にコンマ(,)が必要です。
【例文】:飼うとしたら私と弟は犬だ。だけど、両親は猫だ。
【 × 】:My brother and I want to have a dog. However my parnets want to have a cat.
【 ○ 】:My brother and I want to have a dog. However, my parnets want to have a cat.
→"However"の次にコンマ(,)が必要
時を表わす前置詞"by"(〜までに)と"until"(〜まで)
まず、日本語の「〜までに」と「〜まで」をくわしく見てみます。
【例文A】:試験会場には午前十時までに来て下さい。
【例文B】:試験会場には午前十時まで来て下さい。
【例文A】のニュアンスは「八時や九時でもいいから午前十時前には来てくれ」です。【例文B】は日本語として不自然。意味がよくわかりません。
【例文1】:昨日降り始めた雨は今朝まで降っていた。
【例文2】:昨日降り始めた雨は今朝までに降っていた。
【例文1】のニュアンスは「昨日から今朝まで雨がずっと降っていた」です。【例文2】はやはり日本語として不自然。意味がよくわかりません。
日本語の「〜までに」と「〜まで」の意味を整理します。
# 〜までに = 〜までのいずれかの時に
# 〜まで = 〜までずっと継続して
これを"by"と"until"に当てはめます。
# by 〜 = 〜までのいずれかの時に = 〜までに
# until 〜 = 〜までずっと継続して = 〜まで
by(〜までのいずれかの時に、〜までのどの時点でも)
"by"と"until"(1)
↑
"by"のニュアンスは、「ある時点までのいずれかの時までに」=「〜までに」です。
【例文】:土曜日までには読書感想文を提出して下さい。
【 × 】:Please hand in the book report until Saturday.
【 ○ 】:Please hand in the book report by Saturday.
→「提出する」のは木曜日でも金曜日でもよい
until(〜までずっと継続して、〜まで引き続いて)
"by"と"until"(2)
↑
"until"のニュアンスは、「ある時点までずっと継続して」=「〜まで、〜までずっと」です。
【例文】:地下鉄ダイヤのマヒは深夜まで続くでしょう。
【 × 】:The confusion of the subway schedule will continue by midnight.
【 ○ 】:The confusion of the subway schedule will continue until midnight.
→「ダイヤのマヒ」は深夜までずっと継続するだろう
時と場所を表わす前置詞"between"、時のみを表わす前置詞"during"
どちらもよく「〜の間に」と和訳しますが、ニュアンスはかなり異なります。
時を表わす前置詞"between"
"between"と"during"(1)
↑
"between"はたいていすでに二つのものが先に存在し、第三番目のものがその二者の間に存在することを表わします。"between"は二者の間を表わすのでよく"and"と一緒に使います。
【例文】:朝食と昼食の間に短い中休みがあります。
【 × 】:We have a short break during breakfast and lunch.
【 ○ 】:We have a short break between breakfast and lunch.
→「短い中休み」は二つの食事の間にあるので"during"は不可
場所を表わす"between"
"between"と"during"(2)
↑
"between"は場所も表わします。ニュアンスは「二つのものの間に何かが存在する」です。
【例文】:この写真、あなたと私の間になんかヘンなモノが写ってる。
【 × 】:In this picture there's something weird during you and me.
【 ○ 】:In this picture there's something weird between you and me.
→場所的にあなたと私の間なので"during"は不可
時を表わす前置詞"during"
"between"と"during"(3)
↑
"during"はある一つの物事が継続中に別の物事が同時進行することを表わします。あるいは、ある一つの物事が継続中に別の物事が発生することを表わします。"during"は必ず「時」を表わし、「場所」を表わすことはありません。
【例文】:夕食の間、みんな押し黙っていた。
【 × 】:Everynbody was quiet between dinner.
【 ○ 】:Everynbody was quiet during dinner.
→黙っていたのは夕食の間ずっとなので"between"は不可
出来事を表わす"during"
"between"と"during"(4)
↑
"during"は継続した状態ではなく、単独で発生する出来事も表わします。ニュアンスは「ある期間中に何かを行なった、何かが発生した」です。
【例文】:学生時代に四回インドを旅して来ました。
【 × 】:I traveled in India four times between my time as a student.
【 ○ 】:I traveled in India four times during my time as a student.
→学生として学校に籍を置いていた期間中の話なので"between"は不可
時を表わす前置詞"since"(〜以来)と"from"(〜から)
「時」を表わす前置詞として使う場合、"since"も"from"も「〜から」と和訳することがあります。ニュアンスは微妙に違います。
since……物事の「継続」を表わす(〜から)
"since"と"from"(1)
↑
"since"のニュアンスは、「物事の始まった時点からある時点まで」です。「物事」が一定の期間続いていること、あるいは、続いたことを表わします。
"since"は「物事の継続」を表わすので、主に現在完了時制や過去完了時制で使います。
【例文】:I have watched television since 7 a.m.[※現在完了時制]
【和訳】:朝の七時からずっとテレビを見っぱなしだ。
→今も相変らずテレビを見ている
【例文】:I had watched television since 7 a.m.[※過去完了時制]
【和訳】:朝の七時からずっとテレビを見っぱなしだった。
→今は見ていないが朝の七時からずっとテレビを見ていた
from……物事の「起点」を表わす(〜から)
"since"と"from"(2)
↑
"from"のニュアンスは、「物事の始まった時点から」です。単に物事の「開始時点」を表わすだけです。継続したかどうかは特に明示しません。
"from"は物事の「開始時点」を表わすので、主に現在時制、過去時制、未来時制で使います。
【例文】:I watched TV from 7 a.m.[※過去時制]
【和訳】:朝の七時からテレビを見た。
→今テレビを見ているかどうかはわからない
【例文】:I watch TV from 7 a.m.[※現在時制]
【和訳】:朝の七時からテレビを見る。
【例文】:I will watch TV from 7 a.m.[※未来時制]
【和訳】:朝の七時からテレビを見よう。
"the"があるか、ないかでニュアンスがかなり異なる
"go to school"の意味は「学生が毎日中学や高校へ通って授業を受けて来る」です。
"go to the school"の意味は「学校を訪れる」です。その学校に「授業を受けに行く」わけではなく、たとえば、受験の下見などでその学校の様子を見に訪ねてみる、というニュアンスです。
【例文】:I went to school to study English.
【和訳】:英語を勉強するために学校へ行った。
→"I"(= 私)は学校の生徒だった
【例文】:I went to the school to meet the principal.
【和訳】:校長に会うために学校へ行った。
→"I"(= 私)は授業を受けるためではなく、何らかの用事で校長と面会した
なぜ、このようなニュアンスの差が出て来るのか。
「学校へ行く」は実は二つの意味がある
"go to school"と"go to the school"(1)
↑
"school"に"the"が付くと、「建物としての学校、校舎」のニュアンスが強く表われます。一方、"school"の"the"がなくなると、「建物」そのものを指すニュアンスは弱まり、「教育活動の場としての学校」のニュアンスが強く表われます。
# "the"ありの場合……単純に「物」として見る
# "the"なしの場合……その「物」がどういう働きをしているのかに重点を置く
まず、日本語で考えてみると「学校へ行く」は、
の二つの意味で使います。英語ではこの違いを"the"のある、なしで表現できます。
頻度を表わす副詞
通例、"sometimes"は「ときどき」、"often"は「しばしば」と訳し、どちらも物事が起こる「頻度」を表わします。
和訳のとき、この種の「頻度」を表わす単語は意味がごっちゃになりやすいので、よく見かけるものをまとめます。以下に「十のうち〜」とある「頻度」はあくまで目安です。
十のうち零回:never(決して〜ない、一度も〜ない)
頻度を表わす副詞(1)
↑
頻度ゼロを表わします。
【例文】:I never go to a movie on weekends.
【和訳】:週末に映画を見に行くことはない。
→一回もしたことがない
十のうち一〜二回:rarely, seldom(めったに〜ない、ほとんど〜ない)
頻度を表わす副詞(2)
↑
頻度が限りなくゼロに近いことを表わします。
【例文】:I rarely go to a movie on weekends.
【例文】:I seldom go to a movie on weekends.
【和訳】:週末はめったに映画を見に行かない。
→ゼロではないが限りなくゼロに近い
十のうち三〜五回:sometimes, occasionally(ときどき〜、たまに〜)
頻度を表わす副詞(3)
↑
頻度が半分以下であることを表わします。
【例文】:I sometimes go to a movie on weekends.
【例文】:I occasionally go to a movie on weekends.
【和訳】:週末はときどき映画を見に行きます。
→半分には行くか行かない程度
十のうち六〜七回:often, frequently(よく〜、しばしば〜)
頻度を表わす副詞(4)
↑
頻度が半分よりはやや多いことを表わします。
【例文】:I often go to a movie on weekends.
【例文】:I frequently go to a movie on weekends.
【和訳】:週末はよく映画を見に行きます。
→半分よりは多い
十のうち八〜九回:usually, generally(普通は〜、いつもは〜)
頻度を表わす副詞(5)
↑
頻度がほぼ毎回であることを表わします。
【例文】:I usually go to a movie on weekends.
【例文】:I generally go to a movie on weekends.
【和訳】:週末はだいたい映画を見に行きます。
→ほぼ毎回
十のうち十回:always, invariably(必ず〜、きっと〜)
頻度を表わす副詞(6)
↑
頻度が例外なく毎回であることを表わします。
【例文】:I always go to a movie on weekends.
【例文】:I invariably go to a movie on weekends.
【和訳】:週末は必ず映画を見に行きます。
→例外なく毎回
現在や過去、未来を表わす表現
時を表わす表現の中で、よく見かけるけれど意味や使う時制を間違えやすいものをまとめます。
"now"や"just"などは使う時制によって意味が微妙に変化します。"just now"や"recently"などは複数の意味があります。
今現在はそうであるを表わす
時を表わす表現(1)
↑
時の流れの中で、今現在の状況を表わす表現をまとめます。
# 今現在を表わす:now, just, just now, currently
"now"は話題にしている過去を「今」と表現することがあるので、過去時制や現在完了時制でも使います。和訳は「もう、すでに、あの時、その時」です。
"just"と"just now"は現在時制で使うと、意味は「ちょうど今(= at this moment)」です。二つともごく近い過去の「たった今(= a very short time ago)」を表わすこともできます→【参照】:時を表わす表現:今を基点にしてあの時はそうだった……just, just now, recently, ago, before
今現在を表わす"currently"はたいてい現在時制か現在進行時制で使います。
今を基点にしてあの時はそうだったを表わす
時を表わす表現(2)
↑
時の流れの中で、過去の特定の時点を指し示す表現をまとめます。
# 過去の特定の時点を表わす:just, just now, recently, ago, before
"just"と"just now"はごく近い過去の「たった今(= a very short time ago)」を表わす場合、"just"は主に現在完了時制で、"just now"は主に過去時制で使います。二つとも「ちょうど今(= at this moment)」を表わすこともできます→【参照】:『時を表わす表現:今現在はそうである……now, just, just now, currently』
"just"は"then"や"last week"など時を表わす表現の意味を強調することがあります。
【例】:just after 〜(〜の直後)、just before 〜(〜の直前)、just when 〜(ちょうど〜するとき)、just last night(つい昨日の夜)、just last week(つい先週)、be just about to 〜(ちょうど〜しようとする)
過去の一時点を表わす場合、"recently"と"ago"はたいてい過去時制で使います。"recently"は過去から現在までの継続を表わすを表わすこともできます→【参照】:『時を表わす表現:以前からずっとそうである……since, so far, thus far, as yet, recently, lately』
"ago"はたいてい数値や時の長さを表わす表現と一緒に使います。
【例】:a few moments ago(ついさっき), a short time ago(さっき), several minutes ago(数分前), three months ago(三カ月前), many years ago(何年も前), a while ago(昔), a long time ago(昔), a very long time ago(ずいぶん昔), many millions of years ago(大昔)
"before"が過去の特定の時点を表わす場合、過去のさらに過去を指し示すことが多いのでたいてい過去完了時制で使います。"before"は漠然と過去を表わすこともできます→【参照】:『時を表わす表現(3)今を基点にして漠然と昔はそうだったを表わす』
今を基点にして漠然と昔はそうだったを表わす
時を表わす表現(3)
↑
時の流れの中で、漠然と過去の一時期を指し示す表現をまとめます。
# 漠然と過去を表わす:before, in the past, previously
"before"は主に現在完了時制で使います。"in the past"と"previously"は主に過去時制や現在完了時制で使います。三語とも過去のさらに過去を表わすときは過去完了時制を使います。
"before"は"a week before"(一週間前)のように、過去の特定の時点を表わすこともできます→【参照】:『時を表わす表現(2)今を基点にしてあの時はそうだったを表わす』
以前からずっとそうであるを表わす
時を表わす表現(4)
↑
過去のある時点から話をしている時点までの時間の幅を指し示す表現をまとめます。
# 過去からの継続を表わす:since, so far, thus far, as yet, recently, lately
過去からの継続を表わすので、どの表現もたいてい現在完了時制や過去完了時制で使います。
"so far, thus far, as yet"は今現在の様子を強調するとき現在時制も使えます。"so far"と"thus far"はほぼ同じ意味です。
"since"は"ever"を追加して"ever since"としても意味はほぼ同じです。
"yet"には「まだ〜してない」という未完のニュアンスがあるので、"as yet"はたいてい否定文で使います。"as yet"は現在時制、過去時制、現在完了時制のいずれでも使えます。
過去からの継続を表わす場合、"recently"と"lately"はほぼ同じ意味です。"recently"は過去の特定の時点を表わすこともできます→【参照】:『時を表わす表現:今を基点にしてあの時はそうだった……just, just now, recently, ago, before』
今を基点にして過去か未来かのどこかを表わす
時を表わす表現(5)
↑
現在、過去、未来を問わず、ある一つの時点を指し示す表現をまとめます。
# 現在、過去、未来の特定の時点を表わす:ever, then
"ever"と"then"は二語とも未来を指すことがあるので、未来時制でも使うことができます。
"ever"はたいてい疑問文や否定文で使います。ニュアンスは「過去、現在、未来のいずれの時点においても」。和訳は「未だかつて、これまでに、一度でも、この先、これから、いずれ」などです。
"then"は過去や未来の特定の一時点を指します。"ever"とは異なり、いずれの時点でもというニュアンスはありません。
"then"は"since"や"until"などの時を表わす前置詞の目的語として使うことがあります。"since then"はたいてい現在完了時制で使います。
【例】:before then(その時よりも前に)
【例】:by then(その時までに)
【例】:until then(その時までずっと)
【例】:from then on(その時以降)
【例】:since then(その時以来)
予想や予定よりも早い遅いを表わす
時を表わす表現(6)
↑
思っていたよりも早い遅いや、期間の初めの頃や終わりの頃を表わす表現をまとめます。
# 予想や予定よりも早い遅いを表わす:early, late
早い遅いや期間の初めや終わりは現在、過去、未来を問わないので、"early"と"late"は現在時制や過去時制、未来時制、現在完了時制のいずれでも使えます。
完了、未完了、継続を表わす
時を表わす表現(7)
↑
物事が終了した、まだ終了していない、引き続き継続中であることを表わす表現をまとめます。
# 完了、未完了、継続を表わす:already, yet, still
完了を表わす"already"と継続を表わす"still"は現在時制や過去時制、未来時制、現在完了時制で使えます。
"yet"には「まだ〜していない」という未完了のニュアンスがあるので、たいてい疑問文や否定文で使います。時制は現在時制や、未来時制、現在完了時制が普通。過去時制で使うのはやや不自然。
継続を表わす"still"は否定文でも使うことができます。ニュアンスは「まだ〜していない、未だに〜から脱していない」です。似た意味の"yet"と比べると、"still"は「〜していない」状態が長く続くことを強調します。
"what"は形容詞か名詞、"how"は副詞
"what"は正体不明の物事について「それは何だ」と尋ねるときに使います。一方、"how"は物事を行う方法について「どうやるのか」と尋ねるときに、あるいは、物事の状態について「どんな様子なのか」と尋ねるときに使います。
what……物事の正体を知ろうとして「何が、何を」を尋ねる
疑問文で使う"what"と"how"(1)
↑
疑問文で使う"what"はたいてい代名詞、あるいは、形容詞です。なので、"what"の次に形容詞や副詞を置くことは原則としてありません。"what"の次には動詞や助動詞、名詞を置きます。
【例文】:What happened? I might have just broken my left arm.
【和訳】:どうしたの。どうも左腕の骨が折れたようです。
→日本語の「どうしたの」の意味は「どのようにしたの」ではなく「何が起こったの」
【例文】:What do you think about this shool rule? I think it is out of date.
【和訳】:この校則についてどう思いますか。時代遅れだと思います。
→日本語の「どう思いますか」の意味は「何を思いますか」
【例文】:What kind of music do you like? I like classical music.
【和訳】:どんなジャンルの音楽が好きですか。クラシックが好きです。
→日本語の「どんなジャンルの音楽が」の意味は「音楽のジャンルの中で何が」
how……物事のやり方や様子や程度を知ろうとして「どんな、どのくらい」と尋ねる
疑問文で使う"what"と"how"(2)
↑
疑問文で使う"how"はたいてい副詞として使います。なので、"how"の次に名詞を置くことは原則としてありません。"how"の次には形容詞や副詞、be動詞、助動詞を置きます。
【例文】:How are you going to meet the Prime Minister? First, I'll go to his official residence.
【和訳】:どうやって総理大臣に会うつもりですか。まず、官邸に行ってみるよ。
→"how"は方法を尋ねる
【例文】:How are you feeling today? I feel much better.
【和訳】:今日の気分はいかがですか。だいぶよくなりました。
→"how"は様子、容体を尋ねる
【例文】:How many people have ever been to the Moon? Maybe twenty or so.
【和訳】:今まで何人の人間が月に行きましたか。たぶん、二十人くらい。
→日本語の「何人の人間が」の意味は「どれくらいの人数が」
ピリオド(.)で区切るか、コンマ(,)で区切るか
"because"も"this is because"も原因や理由を導く表現です。
直前のセンテンスを受けで新たに別のセンテンスで原因や理由を説明するときは、"This is because"を使います。"because"単独でピリオド(.)を越えて前のセンテンスを受けることは通例ありません。
【例文】:夕焼けが鮮やかなので明日は晴れだ。
【 × 】:It's fine tomorrow. Because we can see the fiery red sunset.
【 ○ 】:Because we can see the fiery red sunset, it's fine tomorrow.
【 ○ 】:It's fine tomorrow, because we can see the fiery red sunset.
【例文】:明日は晴れだ。なぜなら、夕焼けが鮮やかだからだ。
【 × 】:It's fine tomorrow, this is because we can see the fiery red sunset.
【 ○ 】:It's fine tomorrow, because we can see the fiery red sunset.
【 ○ 】:It's fine tomorrow. This is because we can see the fiery red sunset.
"because"は"since"とほぼ同義
"because"と"This is because"(1)
↑
"because 〜"は"since 〜"とほぼ同じ意味を表わし、"This is because 〜"は"The reason is that 〜"とほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:台風が接近中なのでなので外は風が強い。
【英訳】:Since a typhoon is coming, it's windy outside.
(= Because a typhoon is coming, it's windy outside.)
【英訳】:It's windy outside, since a typhoon is coming.
(= It's windy outside, because a typhoon is coming.)
【例文】:外は風が強い。なぜなら、台風が接近中だからだ。
【英訳】:It's windy outside. The reason is that a typhoon is coming.
(= It's windy outside. This is because a typhoon is coming.)
"more"は「数や量、程度」、"better"は「質」を表わす
"more"も"better"も比較級です。"many"と"much"の比較級が"more"、"good"と"well"の比較級が"better"です。"more"は「数や量、程度、度合」を表わし、"better"は「質が良いこと」を表わします。
たとえば、「あなたよりびっくりした」は"I was surprised more than you."と言います。比較しているのはびっくりした「程度、度合」なので、"much"の比較級の"more"を使います。
一方、「あなたよりは歌が上手い」は"I can sing better than you."です。「歌が上手い」は数や量、程度ではなく「質、技量」を表わすので、"well"の比較級の"better"を使います。
比較級は"more"で作る
"more"と"better"(2)
↑
ほかの形容詞や副詞に付けて比較級を作るときは、もっぱら"more"を使います。
【例文】:経験は知識よりも貴重だ。
【 × 】:Experience is better precious than knowledge.
【 ○ 】:Experience is more precious than knowledge.
【例文】の場合、貴重であることの「程度、度合」がさらに上だと表現するので、"better"ではなく"more"を使います。
「すべての」以外の意味もある"all"
"all"は名詞のほか、形容詞や副詞としても使い、複数の意味を表わします。「すべての」という和訳では不可のこともあり。
all【副詞】:まったく〜、すっかり〜
all:「まったく〜、すっかり〜」という意味(1)
↑
"all"は副詞としても使います。和訳は「まったく〜、すっかり〜」。「強調」を表わします。
【例文】:The wall was painted all black.
【 × 】:すべての壁は黒く塗られていた。
【 × 】:その壁はすべて黒く塗られていた。
【 ○ 】:その壁は真っ黒に塗られていた。
【例文】の場合、"all"は形容詞"black"(黒い)の意味を補足説明します。意味は「黒い」を強調して「真っ黒の」です。「すべての壁」なら"all"は"wall"の前に置きます。
【例文】:All the walls were painted black.
【 × 】:壁は真っ黒に塗られていた。
【 ○ 】:すべての壁は黒く塗られていた。
もちろん、「すべての壁」なので"wall"は複数形の"walls"です。
all【形容詞】:すべての〜、全部の〜
all:「まったく〜、すっかり〜」という意味(2)
↑
形容詞の"all"は「すべての〜、全部の〜」と和訳します。ニュアンスは「例外は一つもなく全部の〜」。なので、「ほとんどの〜、たいていの〜、多くの〜」という訳は間違いです。
【例文】:I want to buy all the flowers in this shop.
【 × 】:この店にあるほとんどの花を下さい。
【 × 】:この店にあるたくさんの花を下さい。
【 ○ 】:この店にある花を全部下さい。
"all the flower"の意味は、売り物の花を一本残らずです。
"remind"の主語は思い出す「きっかけ」を表わす
よく見かける単語ですが、和訳がきわめてやりにくい単語です。
「主語 + remind + [人] + of 〜」の基本的な意味は、「主語をきっかけとして[人]が〜を思い出す」です。主語が何かを思い出すわけではありません。
【例文】:Tea reminds some people of Englnad.
【 × 】:紅茶は英国のいくらかの人々を思い出す。
【 ○ 】:紅茶といえば英国を思い出す人がいる。
【例文】の場合、主語の"tea"は思い出すきっかけを表わします。思い出すのは"some people"、思い出す対象は"England"です。
[人、もの] + remind + [人] + of 〜([人、もの]といえば[人]は〜を思い出す)
remind:「〜を思い出す」という意味ではない(1)
↑
よく見かける"remind"の構文は「[人、もの] + remind + [人] + of 〜」です。直訳は「[人、もの]は[人]に〜を思い出させる」です。[人]を主語にして「[人、もの]といえば[人]は〜を思い出す」と和訳すると、いっそう日本語らしくなります。
思い出すのはあくまで目的語の[人]です。主語の[人、もの]ではありません。
【例文】:A zoo reminds me of big elephants.
【 △ 】:動物園は私に大きなゾウさんを思い出させます。
【 ○ 】:動物園といえば私は大きなゾウさんを思い出す。
[人、もの] + remind + [人] + that 〜([人、もの]といえば[人]は〜を思い出す)
remind:「〜を思い出す」という意味ではない(2)
↑
"remind"はthat節も可能です。直訳は「[人、もの]は[人]に〜であることを思い出させる」です。「思い出す内容」が"of 〜"ではなく"that 〜"です。和訳はやはり[人]を主語にして、「[人、もの]といえば[人]は〜を思い出す」とすると、いっそう日本語らしくなります。
思い出すのはあくまで目的語の[人]です。主語の[人、もの]ではありません。
【例文】:A zoo reminds me that one of the tigers was white.
【 × 】:動物園といえば私はあの一つにトラが白いことを思い出す。
【 ○ 】:動物園といえばトラが一匹だけ白かったことを思い出す。
【例文】の場合、"one of"の"of"に釣られて妙な日本語になりがちですが、"remind"は"of"にかかりません。"of"は"one of 〜"の"of"(〜のうちの一つ)です。
[人] + be reminded of + 〜([人]は〜を思い出す)【受動態】
remind:「〜を思い出す」という意味ではない(3)
↑
"remind"は受動態も使えます。直訳は「[人]は〜を思い出させられる」です。このままだと日本語としてかなり不自然なので、簡潔に「[人]は〜を思い出す」と和訳します。
【例文】:I was reminded of a cake in the refrigerator.
【 △ 】:私は冷蔵庫にあるケーキを思い出させられた。
【 ○ 】:私は冷蔵庫にあるケーキを思い出した。
「〜を思い出させられる」=「〜を思い出す」でOKです。
複数の意味がある"then"
よく見かける単語ですが、意外に意味の取り違えが多く、和訳でミスをしやすい単語です。「それから、そして」以外の意味も複数あります。
then【指定した時】:その時、あの時
then:「その時に、その後に、要するに、その上」という意味(1)
↑
過去や未来を指して「その時、あの時」です。すでに話題に出ている「特定の時」を指します。
【例文】:Then I was browsing comic books at a convenience store near my house.
【 × 】:それから、私は近所のコンビニでマンガを立ち読みしていました。
【 ○ 】:その時、私は近所のコンビニでマンガを立ち読みしていました。
"then"は未来の「その時、あの時」を指すこともあります。
【例文】:I will have then got a driver's license and drive my car.
【和訳】:そのころには免許を取って自分のクルマを運転しているよ。
"at that time"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:At that time I was browseing comic books at a convenience store near my house.
【和訳】:その時、私はコンビニでマンガを立ち読みしていました。
【例文】:At that time I will have got a driver's license and drive my car.
【和訳】:そのころには免許を取って自分のクルマを運転しているよ。
then【順序、前後】:そのあとに、そして
then:「その時に、その後に、要するに、その上」という意味(2)
↑
「ある特定の時間」を指すのではなく、単に順序が「そのあと」という意味です。よく"and then"の形で使います。
【例文】:The car suddenly went into the opposite traffic lane, and then crashed into the signal.
【和訳】:クルマは急に反対車線にはみ出て、そして信号機にぶつかった。
"next"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:The car suddenly went into the opposite traffic lane. Next it crashed into the signal.
【和訳】:クルマは急に反対車線にはみ出て、そして信号機にぶつかった。
then【追加、付加】:その上、さらに、おまけに
then:「その時に、その後に、要するに、その上」という意味(3)
↑
今まで話にあと一言追加するニュアンスです。よく"and then"の形で使います。
【例文】:I went to watch soccer and then got the autograph of my favorite player.
【和訳】:サッカーを見に行って、おまけに好きな選手のサインをもらった。
"in addition"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I went to watch soccer and in addtion got the autograph of my favorite player.
【和訳】:サッカーを見に行って、おまけに好きな選手のサインをもらった。
then【結果、結末】:その結果、そのあと、そうして
then:「その時に、その後に、要するに、その上」という意味(4)
↑
物事の原因を述べたあとにその結果をまとめます。文頭にも文尾にも置くことができます。
【例文】:「ここには空いた席がありません」「それじゃ隣の車両に移ろう」
【和訳】:"There are no seats here." "Then we'll have to move to the next car."
【和訳】:"There are no seats here." "We'll have to move to the next car, then."
→"then"の位置は文頭も文尾も可能
"if"で表現した仮定法や条件文でよく使います。
【例文】:If all the ice in Antarctica melted, then the ocean would rise by about 70 meters.
【和訳】:もし南極の氷がすべて溶けると、その結果海がおよそ70メートルも高くなるだろう。
いろいろな意味がある"follow"
よく見かける単語ですが、機械的に「〜に従う、〜に続く」と和訳するとたいてい不自然な日本語になります。
"follow"の基本的な意味は「ある二つの人や物事について、一方が先で、もう一方が後だ」です。"A follow B"の場合、時間や順番は「Bが先、Aが後」です。
follow + 《物事》【従う、遵守】:〜に従う、〜を守る、〜を遵守する
follow:「〜のあとに付いて行く、〜のあとに発生する」という意味(1)
↑
目的語に「物事」、つまり、生き物以外を置きます。ニュアンスは「命令、忠告、提案、古くからの慣例、掟などに従う」です。
【例文】:You should follow your superior's order.
【和訳】:上司の命令には従うべきだ。
【例文】:Every high school has rules to follow.
【和訳】:どこの高校でも守るべき校則がある。
目的語に「人」を置いて、《人》に「従う、服従する、〜の言うことを聞く、〜の言いなりになる」という場合は通例、"obey"を使います。
【例文】:上司には従うべきだ。
【 × 】:You should follow your superior.
【 ○ 】:You should obey your superior.
follow + 《人、動物》【後続、追跡】:〜の後に行く、〜の後ろから付いて行く
follow:「〜のあとに付いて行く、〜のあとに発生する」という意味(2)
↑
目的語に「人」や「動物」など生き物を置きます。ニュアンスは「別の人間や動物を先に行かせて自分は後ろから付いて行く、お供する、送って行く」です。
"follow"の次の語句が人や動物など「生き物」のときはたいてい、「〜の後を付いて行く、〜の後ろを行く」の意味です。
【例文】:A black cat is following us.
【 × 】:黒猫が一匹私たちに従っているよ。
【 × 】:黒猫が一匹私たちに続いているよ。
【 ○ 】:黒猫が一匹僕たちの後を付いて来るよ。
"come after"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:A black cat is coming after us.
【和訳】:黒猫が一匹僕たちのあとを付いて来るよ。
follow + 《出来事》【時間の前後】:〜の後に起こる、〜次に存在する
follow:「〜のあとに付いて行く、〜のあとに発生する」という意味(3)
↑
目的語に「出来事」や「事件」などを置きます。"A follow B"の形の場合、時間的に見てBが先に発生し、続いてAが発生する、というニュアンス。つまり、「Aの前にBが発生する、先にBが起こって次にAが起こる」です。
【例文】:The earthquake followed a distant roaring sound.
【 × 】:地震が遠くの唸るような音に従った。
【 × 】:地震が遠くの唸るような音に続いた。
【 × 】:地震が遠くの唸るような音のあとから行った。
【 × 】:地震が遠くの唸るような音に付いて行った。
【 ○ 】:遠くでごうっと唸るような音がした後に地震が発生した。
【 ○ 】:地震に先立って遠くでごうっと唸るような音がした。
【例文】の場合、まず聞こえてきたのが「遠くで唸るような音」で、次にぐらりと「地震」がやって来たという意味です。"follow"を「続く」と和訳する場合、「遠くの唸るような音に続いて地震が発生した」ならOKです。「音」が先、「地震」が後です。
"happen after"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:The earthquake happened after a distant roaring sound.
【和訳】:遠くでごうっと唸るような音がした後に地震が発生した。
follow + 《物事》【結果、結末】:〜という結末になる、結果として〜になってしまう
follow:「〜のあとに付いて行く、〜のあとに発生する」という意味(4)
↑
"it follow that 〜"の形でよく使います。ニュアンスは「〜という状態や結果になる、結果として〜という状態や結末だ」です。
【例文】:Even if you have one meal a day, it doesn't follow that you will lose weight easily.
【 × 】:たとえ一日一食でも、それが簡単にやせるだろうことに従わない。
【 × 】:たとえ一日一食でも、簡単にやせることに続かない。
【 ○ 】:たとえ一日一食にしても、そう簡単にはやせられないということだ。
"it"は直前の語句やセンテンスを指します。【例文】では"Even if you have one meal a day"を指します。
"lead to the fact that"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:Even if you have one meal a day, it doesn't lead to the fact that you will lose weight easily.
【和訳】:たとえ一日一食にしても、そう簡単にはやせられないということだ。
follow + 《物事》【理解、把握】:〜を理解する、〜を飲み込む、〜をわかる
follow:「〜のあとに付いて行く、〜のあとに発生する」という意味(5)
↑
特に、「難解な説明や会話などを理解する」の意味です。この意味の場合、たいてい疑問文や否定文、あるいは、"easy to follow 〜", "difficult to follow 〜"の形で使います。
【例文】:I cannot follow words and phrases exclusively used by teenagers.
【 × 】:もっぱら若者が使う言葉に従うことはできん。
【 × 】:もっぱら若者が使う言葉に続くことはできない。
【 ○ 】:若者言葉はさっぱりわからん。
【例文】:It is difficult for me to follow words and phrases exclusively used by teenagers.
【 × 】:もっぱら若者が使う言葉に従うのはむつかしい。
【 × 】:もっぱら若者が使う言葉に続くのはむつかしい。
【 ○ 】:若者言葉を理解するのはむつかしい。
日本語でも「若者言葉にはついて行けない」という表現があります。意味を理解しようとして「若者言葉」の後を苦労しながら付いて行くイメージは英語と日本語で共通と思われます。
"grasp"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I cannot grasp words and phrases exclusively used by teenagers.
【和訳】:若者言葉はさっぱりわからん。
【例文】:It is difficult for me to grasp words and phrases exclusively used by teenagers.
【和訳】:若者言葉を理解するのはむつかしい。
文の区切りではないコンマ(,)
【例文】:The US has explored, or did explore at least until last year, Venus.
【 × 】:アメリカは金星を少なくとも去年までは探索していた。
【 × 】:アメリカは探索しているし、あるいは少なくとも去年までは金星を探索していた。
【 ○ 】:アメリカは金星を探索しているし、少なくとも去年までは金星を探索していた。
【例文】は"Venus"の前のコンマ(,)で文がいったん途切れるような気がします。そのため、"has explored"の目的語はなしと誤解釈するミス、あるいは、"has explored"の和訳自体が脱落するミスをよく見かけます。
挿入句を表わすコンマ(,)
【例文】を見て、"The US"が"has explored"と"did explore"の共通の主語であることはすぐにわかります。しかし、文尾の"Venus"が二つの動詞の共通の目的語であることは、見落としがちです。直前にコンマ(,)があるとそこで文が区切られ、なんだか"Venus"だけが孤立しているように感じます。
【例文】がどうやって作られるのか、くわしく見てみます。
【例文】の場合、二つのコンマ(,)は挿入句が来るよという“目印”です。文の「区切り」ではありません。
和訳のポイントは、"has explored"と"did explore"の共通の目的語が"Venus"であることを示して、「アメリカは金星を探索しているし、すくなくとも去年までは金星を探索していた」と表現することです。
いろいろな意味がある"only"
よく見かける単語ですが、機械的に「〜だけ、ただ〜である」と和訳すると、不自然な日本語になりがちです。
only【形容詞】【唯一、無二】:唯一の、〜のみの
only:「一人の〜、つい〜」という意味(1)
↑
形容詞の"only"です。ニュアンスは「一つしかない〜、ほかにはない〜、ただ〜のみの」です。この意味の場合、"only"は形容詞なので、必ず名詞のすぐ前に置きます。
【例文】:I was the only person at the movie theater near my house yesterday.
【 × 】:昨日、近所の映画館で人物はただ私だけだった。
【 × 】:昨日、近所の映画館で人物は私に過ぎないだった。
【 ○ 】:昨日、近所の映画館に行ったら、客は私一人だった。
→語順は"only the person"ではなく"the only person"
「ただ〜だけ、〜に過ぎない」と副詞的に和訳すると、日本語として不自然です。
"single"や"sole"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I was the single person at the movie theater near my house yesterday.
【例文】:I was the sole person at the movie theater near my house yesterday.
【和訳】:昨日、近所の映画館に行ったら、客は私一人だった。
ちなみに、日本語の「一人っ子」は英語で"an only child"です。この場合の"only"も形容詞。意味は「一人の〜」です。一方、「ただの子供、子供に過ぎない」は"only a child"と言います。"only"は"a"の前に置きます。"only"の品詞は副詞です。
【例文】:I am an only child.
【和訳】:私は一人っ子だ。
【和訳】:私に兄弟姉妹はいない。
→形容詞の"only"(一人の〜)
【例文】:I am only a child.
【和訳】:私はただの子供だ。
【和訳】:私は子供に過ぎない。
→副詞の"only"(ただの〜)
only【副詞】【時間の強調】:つい〜、たった〜、ちょうど〜、〜してようやく
only:「一人の〜、つい〜」という意味(2)
↑
副詞の"only"です。時を表わす表現(now, just, recently, then, etc)を補足説明するときには、「つい〜、たった〜」と和訳します。「ただ〜、〜だけ」とするとたいてい、日本語として不自然です。
この意味の場合、"only"は「強調」を表わします。
【例文】:Only recently I've found that I am a hay fever sufferer.
【 × 】:最近だけ、私は自分が花粉症であることに気づいた。
【 × 】:ただ最近、私は自分が花粉症であることに気づいた。
【 ○ 】:私は自分が花粉症であることに気づいたのはつい最近のことだ。
→"recently"は時を表わす副詞、意味は「最近、この前」
【例文】:It was only yesterday that I bought my cell phone.
【 × 】:自分の携帯電話を買ったのは昨日に過ぎない。
【 × 】:自分の携帯電話を買ったのはただ昨日だ。
【 ○ 】:自分の携帯電話を買ったのはつい昨日のことだ。
→"yesterday"は時を表わす副詞、意味は「昨日 」
【例文】:I only just went out of the book shop when the earthquake happened
【 × 】:地震が起こったとき、私はただちょうど本屋から出た。
【 × 】:地震が起こったとき、私はちょうど本屋から出たに過ぎない。
【 ○ 】:地震発生時、私はちょうど本屋を出たところだった。
→"just"は時を表わす副詞、意味は「ちょうど」
only【副詞】【専用、限定】:〜のみ、〜だけ、〜限定
only:「一人の〜、つい〜」という意味(3)
↑
副詞の"only"です。ニュアンスは「〜のみ専用、〜以外は使えない、〜以外はお断わり」です。
【例文】:This website is available to members only.
【 × 】:このホームページはただメンバーが利用可能です。
【 ○ 】:このホームページは会員のみ利用可能です。
"solely"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:This website is available to members solely.
【和訳】:このホームページは会員のみ利用可能です。
only【副詞】【少々、微量】:ただ〜だけ、ほんの〜に過ぎない
only:「一人の〜、つい〜」という意味(4)
↑
副詞の"only"です。ニュアンスは「〜以上ではない、実のところ〜にしか過ぎない、せいぜい〜だ」です。
【例文】:This cell phone cost only one yen.
【 × 】:この携帯電話は単なる一円だった。
【 ○ 】:この携帯電話はたった一円だった。
"merely"や"nothing but"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:This cell phone cost merely one yen.
【例文】:This cell phone cost nothing but one yen.
【和訳】:この携帯電話はたった一円だった。
いろいろな意味がある"life"
よく見かける単語ですが、「人生、生活」以外にも複数の意味があります。機械的に「人生、生活」と和訳すると、意味不明の日本語になりがちです。
life:生物、生き物
life:「生物、命、寿命」という意味(1)
↑
ニュアンスは「人間や動物、植物などの命がある生物」です。
【例文】:Until now we have not found any life on Mars.
【 × 】:現在まで、火星にいかなる生活も発見していない。
【 ○ 】:現在のところ、火星ではいかなる生物も発見されていない。
"creature"や"living thing"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:Until now we have not found any creature on Mars.
【例文】:Until now we have not found any living thing on Mars.
【和訳】:現在のところ、火星ではいかなる生物も発見されていない。
life:命、生命
life:「生物、命、寿命」という意味(2)
↑
ニュアンスは「生き物として生きる力」です。
【例文】:My brother almost lost his life in a traffic accident.
【 × 】:私の兄は交通事故で生活をほとんど落しました。
【 ○ 】:私の兄は交通事故で命を落しかけました。
life:寿命、一生、存命期間
life:「生物、命、寿命」という意味(3)
↑
ニュアンスは「人や動物、植物が生まれてから死ぬまでの期間」です。
【例文】:It is said that the life of a parrot is about forty years.
【 × 】:オウムの生活は約四十年と言われている。
【 ○ 】:オウムの寿命は約四十年と言われている。
life:寿命、有効期間、使用期限、存在時期
life:「生物、命、寿命」という意味(4)
↑
ニュアンスは「機械が正常に機能する時間の長さ、組織や団体が存在する期間」です。
【例文】:The life of a television has become twice as long as thirty years ago.
【 × 】:テレビの生活は三十年前と比べて倍になった。
【 ○ 】:テレビの寿命は三十年前と比べて倍になった。
life:生活、暮らし
life:「生物、命、寿命」という意味(5)
↑
ニュアンスは「毎日の生活、日々の暮らし、日常の営み」です。
【例文】:I cannot be used to urban life.
【 × 】:都会の人生には馴染めない。
【 ○ 】:都会の生活には馴染めない。
life:人生、生き様、生き方
life:「生物、命、寿命」という意味(6)
↑
ニュアンスは「何らかの特徴がある生活態度、人生の歩み方、今まで生きてきた方法」です。
【例文】:Lives of celebrated artists are quite different from those of ordinary people.
【 × 】:著名な芸術家の生活は凡人とはまったく異なる。
【 ○ 】:著名な芸術家の生き様は凡人とはまったく異なる。
いろいろな意味がある"with"
よく見かける単語ですが、「〜と一緒に、〜とともに」以外にも複数の意味があります。機械的に「〜と一緒に、〜とともに」と和訳すると、意味不明の日本語になりがちです。
with【手段、方法】:〜で、〜を使って、〜を用いて
with:「〜で、〜を持った、〜との」という意味(1)
↑
ニュアンスは「人やものを使って〜する」です。手段や方法を表わします。
【例文】:This graffiti on the wall was painted with crayons.
【 × 】:この壁の落書きはクレヨンと一緒に描かれている。
【 ○ 】:この壁の落書きはクレヨンで描かれている。
→"with crayons"は"was painted"(動詞)の補足説明
【例文】:I managed to study abroad with the help of my parents.
【 × 】:私は両親の助けと一緒に外国で勉強することがなんとかできました。
【 ○ 】:両親の援助のおかげで私は留学することができました。
→"with the help of my parents"は"managed"(動詞)の補足説明
with【所有、所持】:〜を持った、〜がある、〜が付いている、〜付きの
with:「〜で、〜を持った、〜との」という意味(2)
↑
ニュアンスは「人や動物、ものが〜を所有している、〜を持っている、〜を所持している」です。
【例文】:A waitress came with the menu in her hand.
【 × 】:ウエイトレスが手の中のメニューと一緒にやって来た。
【 ○ 】:手にメニューを持ったウエイトレスがやって来た。
→"with the menu"は"came"(動詞)の補足説明
【例文】:Our teacher lives in the house with a basement.
【 × 】:我々の先生は地下と一緒に家に住んでいる。
【 ○ 】:担任の先生は地下室がある住宅に住んでいる。
→"with a basement"は"house"(名詞)の補足説明
with【特徴、特色】:〜がある、〜を持つ、〜を備えている
with:「〜で、〜を持った、〜との」という意味(3)
↑
ニュアンスは「人や動物やものが〜な性質を備えている、〜な特徴を持っている」です。
【例文】:A hawk is the bird with extremely sharp eyes.
【 × 】:鷹はきわめて鋭い視力と一緒の鳥です。
【 ○ 】:鷹はきわめて優れた視力を持つ鳥です。
→"with extremely sharp eyes"は"bird"(名詞)の補足説明
【例文】:Saturn was thought to be the only planet with some rings in the solar system.
【 × 】:土星は太陽系の中で唯一輪と一緒にある惑星だと思われていた。
【 ○ 】:土星は太陽系の中でただ一つ輪を持つ惑星だと考えられていた。
→"with a ring"は"planet"(名詞)の補足説明
with【人間関係】:〜と、〜との、〜との間の
with:「〜で、〜を持った、〜との」という意味(4)
↑
親戚や友人、知人などの人間関係を表わします。
【例文】:Today we tend not to have close relationships with our neighbors.
【 × 】:今日、私たちは隣人と一緒に近い関係を持たない傾向にある。
【 ○ 】:最近、隣近所との親しい付き合いはなくなる傾向にある。
→"with our neighbors"は"relationships"(名詞)の補足説明
【例文】:I've still kept contact with some of my elementary school friends.
【 × 】:未だに小学校の友人の数人と一緒に接触を取っている。
【 ○ 】:今でも小学校時代の友達の何人かと連絡を取っています。
→"with my elementary school friends"は"contact"(名詞)の補足説明
with【対象、事象】:〜に関して、〜について
with:「〜で、〜を持った、〜との」という意味(5)
↑
興味や関心、話題、心配事などの対象を表わします。
【例文】:We inspected your laptop thoroughly, but there was nothing wrong with it.
【 × 】:あなたのノートパソコンを徹底的に検査したけれど、それと一緒に悪いのは何もなかった。
【 ○ 】:綿密に検査したけど、あなたのノートパソコンに関してどこにも異常はなかった。
→"with it"は"wrong"(形容詞)の補足説明
【例文】:Dad is bad at mathematics, so he can't help you with homework.
【 × 】:お父さんは数学が苦手だから、宿題と一緒にあなたを助けることはできない。
【 ○ 】:お父さんは数学が苦手だから、あなたの宿題を助けるのは無理ね。
→"with homework"は"help"(動詞)の補足説明
with【原因、理由】:〜で、〜のため、〜のせいで
with:「〜で、〜を持った、〜との」という意味(6)
↑
原因や理由を表わします。
【例文】:I stayed in the hospital with a bad cold for three days.
【 × 】:私は三日間悪い風邪と一緒に病院に滞在しました。
【 ○ 】:タチの悪い風邪のせいで三日間入院しました。
→"with a bad cold"は"stayed"(動詞)の補足説明
【例文】:My dog was shaking with a fear of roaring thunder.
【 × 】:私の犬は騒々しい雷の恐怖と一緒に震えていた。
【 ○ 】:家の犬はごろごろ鳴る雷鳴を怖がって震えていた。
→"with a fear of roaring thunder"は"was shaking"(動詞)の補足説明
with【物質、物体】:〜で、〜によって
with:「〜で、〜を持った、〜との」という意味(7)
↑
ニュアンスは「場所が一面〜で覆われている、容器などが〜で一杯である」です。
【例文】:The nearby park was covered with garbage and broken twigs after the typhoon.
【 × 】:台風のあと、近所の公園はゴミと壊れた小枝と一緒に覆われていました。
【 ○ 】:台風が通り過ぎたあと、近所の公園はゴミや折れた木の枝で覆われていた。
→"with garbage and boken twigs"は"was coverd"(動詞)の補足説明
【例文】:My canteen is filled with iced coffe.
【 × 】:私の水筒はアイスコーヒーと一緒に一杯である。
【 ○ 】:私の水筒の中身はアイスコーヒーだ。
→"with iced coffe"は"is filled"(動詞)の補足説明
likeには前置詞と動詞の両方の意味がある
よく見かける単語ですが、機械的に「〜ように、〜を好きだ」と和訳すると、不自然な日本語になりがちです。
"like 〜"が名詞を補足説明する場合、和訳は「〜のような」です。この時"like 〜"は形容詞として機能します。一方、"like 〜"が動詞を補足説明する場合、和訳は「〜のように」です。この時"like 〜"は副詞として機能します。
"like"は単独で動詞としても使えます。意味は「〜を好きである、〜が好みだ」です。
like【前置詞】:〜のような(形容詞的用法)
like:「〜のように、〜に似ている」という意味(1)
↑
形容詞的用法なので"like 〜"は名詞や代名詞を補足説明します。"like"は前置詞。和訳は「〜のような、〜に似ている、〜と同様の、〜と同じような、〜風の」です。
【例文】:This space probe was built to search for planets like Earth.
【 × 】:この無人探査機は地球のように惑星を見つけ出すために作られた。
【 ○ 】:この無人探査機は地球のような惑星を見つけ出すために作られた。
"like"を「〜のように」と和訳すると、ヘンテコリンな日本語になります。「地球のように惑星を見つけ出す」と来ると、まるで地球が自力で動き出し、ほかの惑星を探して宇宙をうろつくようなニュアンスです。
"like"を「〜のような」と和訳すると、「地球のような惑星」となり、自然な日本語に仕上がります。"like Earth"は形容詞として"planets"を補足説明します。【例文】のニュアンスは、「無人探査機は地球に似た惑星発見のために作られた」です。
like【前置詞】:〜のように(副詞的用法)
like:「〜のように、〜に似ている」という意味(2)
↑
副詞的用法なので"like 〜"は動詞を補足説明します。"like"は前置詞。和訳は「〜のように、〜と同様に、〜と同じように」です。
【例文】:I wonder whether any planet having seas like Earth can be found.
【 × 】:果たして、地球のような海がある惑星が見つかるだろうか。
【 ○ 】:果たして、地球のように海がある惑星が見つかるだろうか。
"like"を「〜のような」と和訳すると、意味があいまいな日本語になります。「地球のような海がある惑星」は「地球と同じように海を持つ惑星」と「地球ほどの大きさの海を持つ惑星」の意味の両方に解釈可能です。
"like"を「〜のように」と和訳すると、「地球のように海がある」となり、明確な日本語になります。"like Earth"は副詞として"having"を補足説明します。【例文】のニュアンスは、「地球と同じように海を持つ惑星の発見には疑問がある」です。
like【動詞】:〜を好きだ
like:「〜のように、〜に似ている」という意味(3)
↑
動詞として使う"like"の意味は必ず「〜を好きである、〜が好みだ」です。「〜のようである」は"look like 〜"を使います。
【例文】:You like seafood, don't you?
【 × 】:あなたはシーフードみたいだね。
【 ○ 】:シーフードが好きだよね。
→"like"は動詞、意味は「〜を好きである」
【例文】:The fluffy dog looks like a stuffed animal.
【 × 】:このモコモコの犬はぬいぐるみを好きなように見える。
【 ○ 】:このモコモコの犬はぬいぐるみみたいだ。
→"like"は前置詞、意味は「〜のような」
"look like 〜"の意味は「〜を好きなようである」ではなく、「〜のように見える、〜みたいだ」です。
いろいろな意味がある"just"
よく見かける単語ですが、機械的に「ちょうど〜、ぴったり〜」と和訳すると、不自然な日本語になりがちです。
just【少々、微量】:ほんの〜、たった〜、〜だけ、〜のみ
just:「ほんの〜、つい〜、今〜、まったく〜」という意味(1)
↑
量が少ないことや程度が小さいことを表わします。和訳は「ほんの〜、たった〜、〜だけ、〜のみ」です。
【例文】:I just want to know what you are thinking.
【 × 】:私はちょうどあなたが何を考えているのか知りたい。
【 ○ 】:私はただあなたが何を考えているのか知りたい。
"only"や"simply"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I only want to know what you are thinking.
【例文】:I simply want to know what you are thinking.
【和訳】:私はただあなたが何を考えているのか知りたい。
just【現在、現況】:今現在〜、今のところ〜、目下〜、ちょうど今〜
just:「ほんの〜、つい〜、今〜、まったく〜」という意味(2)
↑
時間的に現在進行中の物事を表わします。和訳は「今現在〜、今のところ〜、目下〜、ちょうど今〜」です。たいてい、現在時制や現在進行時制で使います。
【例文】:News of the massive forest fire is just coming in.
【 △ 】:大規模森林火災に関するニュースがちょうど入りつつある。
【 ○ 】:大規模森林火災に関するニュースがちょうど今入りつつある。
→「ちょうど」という和訳は「タイミングがよい」の意味にもなるのであいまい
【例文】:I'm just on my way home from work.
【 △ 】:ちょうど職場から帰宅しているところだ。
【 ○ 】:今現在、職場から帰宅しているところだ。
→「ちょうど」という和訳は「タイミングがよい」の意味にもなるのであいまい
just【ごく近い過去】:ついさっき〜、今しがた〜、ちょっと前〜
just:「ほんの〜、つい〜、今〜、まったく〜」という意味(3)
↑
時間的にごく近い過去に発生した物事を表わします。和訳は「ついさっき〜、今しがた〜、ちょっと前〜」です。たいてい、現在完了時制や過去完了時制で使います。
【例文】:The game has just begun.
【 △ 】:試合はちょうど始まったところだ。
【 ○ 】:試合はちょうど今始まったところだ。
【 ○ 】:試合はついさっき始まったところだ。
→「ちょうど」という和訳は「タイミングがよい」の意味にもなるのであいまい
【例文】:The neighbors had just put out the fire before the firemen arrived.
【 △ 】:消防隊が到着する前に近隣住民がちょうど火事を消し止めていた。
【 ○ 】:消防隊が到着する直前に近隣住民が火事を消し止めていた。
→「ちょうど」という和訳は「タイミングがよい」の意味にもなるのであいまい
just【単純な強調】:まったく〜、ひどく〜、本当に〜
just:「ほんの〜、つい〜、今〜、まったく〜」という意味(4)
↑
単純な強調を表わします。和訳は「まったく〜、ひどく〜、本当に〜」です。
【例文】:Evacuees just can't bear the cold.
【 × 】:避難者の方々はこの寒さにちょうど耐えられません。
【 ○ 】:避難者の方々はこの寒さに本当に耐えられません。
【例文】:It just doesn't matter what you are thinking.
【 × 】:あなたが何を考えているかは、ちょうどどうでもよい。
【 ○ 】:あなたが何を考えているかなど、まったくもってどうでもよい。
いろいろな意味がある"offer"
よく見かける単語ですが、意外に和訳しにくい単語です。機械的に「提供する」と和訳すると、不自然な日本語になりがちです。"offer"の基本的な意味は「与える、提供する、申し出る」です。"give"(与える)や"present"(提供する)に近い意味を表わします。
[主語] + offer A + B:[主語]がAにBを与える、提供する、用意する、出す
offer:「与える、申し出る、支払う」という意味(1)
↑
目的語を二つ取ることがあります。ニュアンスは、「人が人に何かを与える」です。
【例文】:The hotel manager offered the evacuated people rooms and meals.
(= The hotel manager offered rooms and meals to the evacuated people.)
【和訳】:ホテルの支配人は避難してきた人々に部屋と食事を提供した。
[主語] + offer B + to A:[主語]がAにBを与える、提供する、用意する、出す
offer:与える、申し出る、支払うの意味(2)
↑
「Aに」を前置詞の"to 〜"で表わすこともできます。ニュアンスは、やはり「人が人に何かを与える」です。
【例文】:The mayor should offer clear, immediate answers to an ombudsman.
(= The mayor should offer an ombudsman clear, immediate answers.)
【 × 】:市長はオンブズマンに対してはっきりとした即座の答えを提供すべきである。
【 ○ 】:市長はオンブズマンに対して速やかに明確な答えを出すべきである。
[主語] + offer + A + B + for 〜:[主語]が〜に対する金額BをAに支払う
offer:「与える、申し出る、支払う」という意味(3)
↑
前置詞の"for 〜"はお金を支払う「対象」を表わします。
【例文】:A certain collector offered me a million yen for my stamp collection.
【 × 】:ある収集家が私の切手のコレクションに百万円を提供した。
【 ○ 】:ある収集家が私の切手のコレクションに百万円を払ってくれた。
[主語] + offer + to不定詞:[主語]が自分で〜することを申し出る、〜してくれる
offer:「与える、申し出る、支払う」という意味(4)
↑
"offer"はto不定詞のみを目的語に取ることができます。ニュアンスは、「[主語]が自分で〜することを申し出る、[主語]が自分で〜してくれる」です。
【例文】:My big brother offered to lend me his car.
【 × 】:兄さんが彼のクルマを私に貸すことを提供した。
【 ○ 】:兄さんが自分の私にクルマを貸してくれた。
いろいろな意味がある"stand"
よく見かける単語ですが、けっこう色んな意味を持つ単語です。機械的に「立つ、立っている」と和訳すると、不自然な日本語になりがち。"stand"には「〜の状態である(= be)や「〜を我慢する(= bear)」の意味もあります。
[人] + stand:[人]が立つ、[人]が立ち上がる【起立、直立】
stand:「〜が存在する、様子や状態が〜である、〜に耐える」という意味(1)
↑
人や動物が二本足で立っている状態を表わします。立ち上がる動作を表わすときは、よく"stand up"を使います。
【例文】:It's unpleasant for you to eat something while standing.
【和訳】:立ったまま物を食べるのはみっともないよ。
【例文】:I tried to stand up quickly but my feet were so numb that I fell down.
【和訳】:急いで立ち上がろうとしたけど、足がしびれていたので転んでしまいました。
[物] + stand 〜:[物]が〜にある、[物]が〜に存在する【存在、状態】
stand:「〜が存在する、様子や状態が〜である、〜に耐える」という意味(2)
↑
生き物ではない物体がどこかの場所に存在することを表わします。単純に「立つ、立っている」と和訳すると、ヘンな日本語になりがち。たいてい、"stand"の次に場所を表わす前置詞句(on 〜やin〜)を置きます。
【例文】:A little pine tree stood on the beach after the tsunami ebbed away.
【 × 】:津波が引いたあと、海岸に小さな松の木が一本立っていました。
【 ○ 】:津波が引いたあと、海岸に小さな松の木が一本残っていました。
【例文】:A hundred or more beer bottles stand on the table.
【 × 】:テーブルの上には百本以上のビールが立っている。
【 ○ 】:テーブルの上には百本以上のビールが置かれている。
[人/物] + stand 〜:[人や物]が〜の状態である、[人や物]の様子が〜である【様子、状態】
stand:「〜が存在する、様子や状態が〜である、〜に耐える」という意味(3)
↑
人や動物、物の様子や状態を表わします。二本足や四つ足で立っている状態とは限りません。たいてい、"stand"の次に様子や状態を表わす名詞や形容詞、形容詞として使った分詞を置きます。
【例文】:Please stand still while taking an X-ray.
【 △ 】:レントゲン撮影中はどうかじっと立って下さい。
【 ○ 】:レントゲン撮影中は静止して動かないで下さい。
→"still"は形容詞、意味は「動かないで、静止して」
【例文】:The door stood open but the lights were off at the shop.
【 × 】:その店のその戸は開いて立っていたが、明りは消えていた。
【 ○ 】:店の戸は開いていたが、明りは消えていた。
→"open"は形容詞、意味は「戸が開いたままの、戸が開いている」
【例文】:Many professional basketball players stand over 200 cm.
【 × 】:多くのプロのバスケッボールの選手は二メートル以上立つ。
【 ○ 】:プロのバスケットボールの選手なら、身長二メートル以上はザラにいる。
→"over 200 cm"は名詞句、意味は「二メートル以上」
[人] + stand 〜:[人]が〜に関して意見を持つ【意見、考え】
stand:「〜が存在する、様子や状態が〜である、〜に耐える」という意味(4)
↑
ニュアンスは、人が物事に対して「何らかの意見や考え方を持つ」です。前置詞は"on"を使います。
【例文】:Where do you stand on introducing summer time?
(= What are your opinion on introducing summer time?)
【和訳】:サマータイムの導入についてどう思いますか。
[人] + stand 〜[人]が〜に賛成である、[人]が〜に反対である【賛成、反対】
stand:「〜が存在する、様子や状態が〜である、〜に耐える」という意味(5)
↑
他人の意見や考え方に賛成、反対することを表わします。賛成の場合は前置詞の"for"、反対の場合は前置詞の"against"を使います。
【例文】:I stand for introducing summer time.
(= I approve of introducing summer time.)
【 × 】:私はサマータイムの導入に向かって立ちます。
【 ○ 】:サマータイムの導入に賛成です。
【例文】:I stand against introducing summer time.
(= I disapprove of introducing summer time.)
【 × 】:私はサマータイムの導入に対抗して立ちます。
【 ○ 】:サマータイムの導入に反対です。
[人] + stand 〜:[人]が〜に耐える、[人]が〜に耐え忍ぶ【人間の忍耐】
stand:「〜が存在する、様子や状態が〜である、〜に耐える」という意味(6)
↑
「人が不愉快なことに耐える、困難な状況を耐え忍ぶ」を表わします。「人が耐える」の意味で使う場合、"stand"は他動詞として使うので前置詞なしで目的語を置きます。
「人が耐える」の意味の場合、たいてい、疑問文や否定文で使い、「そんなことはできるはずがない、そんなことができるのだろうか」という強調を表わします。
【例文】:Everybody can't stand hunger.
【 × 】:誰も空腹を立たせることはできない。
【 ○ 】:誰しも空腹には耐えられないものだ。
「[主語] + stand + [目的語] + ing形」も可能です。意味は「[目的語]が〜することに[主語]が耐える」です。
【例文】:Can't you stand a dog barking all night long?
【 × 】:あなたは一晩中吠える犬を立たせることはできませんか。
【 ○ 】:夜通し吠え続ける犬は我慢できませんよね。
"bear"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:Everybody can't bear hunger.
【和訳】:空腹には耐えられないものだ。
【例文】:Can't you bear a dog barking all night long?
【和訳】:夜通し吠え続ける犬は我慢できませんよね。
[物] + stand 〜:[物]が〜に耐える、[物]が〜に持ちこたえる【物体の耐性】
stand:「〜が存在する、様子や状態が〜である、〜に耐える」という意味(7)
↑
「人や動物ではなく物が何かに耐える、持ちこたえる」を表わします。「物が耐える」の意味で使う場合、"stand"は他動詞として使うので前置詞なしで目的語を置きます。
「物が耐える」の意味の場合、たいてい、疑問文や否定文で使い、「そんなことはできるはずがない、そんなことかできるのだろうか」という強調を表わします。
【例文】:This old cherry blossom tree won't stand another typhoon.
【 × 】:この年取った桜の木はもう一つの台風を立たせることはできないだろう。
【 ○ 】:この桜の老木は次の台風が来たら耐え切れずに倒れるだろう。
【例文】:Plastic bags don't stand the heat.
【 × 】:プラスチックのバッグは熱を立たせない。
【 ○ 】:レジ袋は熱に弱い。
"bear"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:This old cherry blossom tree won't bear another typhoon.
【和訳】:この桜の老木は次の台風が来たら耐え切れずに倒れるだろう。
【例文】:Plastic bags don't bear the heat.
【和訳】:レジ袋は熱に弱い。
いろいろな意味がある"as"
"as"は接続詞としてもよく見かける単語ですが、けっこう色んな意味があります。機械的に「〜すると同時に」や「〜なので」と和訳すると、不自然な日本語になることもある。"as"には「〜であるけれど(= though)」や「〜するように(= like)」の意味もあります。
as 〜【同時、並行】:〜しているときに、〜すると同時に
as:「〜だけれども、〜のように、〜のままで」の意味(1)
↑
二つの出来事がほぼ同時に起こること、あるいは、同時に進行していくことを表わします。"while"もほぼ同じ意味を表わします。"while"は主に「ある状態が続いている最中に何か別の物事が起こる」ことを表わします。
【例文】:As the sun set, the temperature has gone down.
【和訳】:陽が沈むと同時に、気温が下がってきた。
→「日没」の後に「気温の下降」
二つの物事が同時であることを強調するときは、"as soon as"を使います。
【例文】:As soon as the sun set, the temperature has gone down quickly.
【和訳】:陽が沈んだ直後から、気温が急激に下がった。
→「日没」の直後に「気温の急激な下降」
二つの物事が同時に進行していくときは、たいていどちらの物事も徐々に変化していくことを表わします。
【例文】:As spring comes, the color of flower gardens becomes vivid.
【和訳】:春が近づくにつれて、花壇の色も鮮やかになる。
→「春の到来」と「花壇の花が咲く」が同時進行
as 〜【原因、理由】:〜なので、〜だから、〜ゆえに
as:「〜だけれども、〜のように、〜のままで」の意味(2)
↑
原因や理由を表わします。"since"や"because"とほぼ同じ意味。"as, since"はどうなるのか、どうなったのかの結果を強調し、"because"はなぜなのか、なぜだったのかの原因を強調します。
【例文】:My eyes are itchy as I have hay fever.
(= My eyes are itchy since I have hay fever)
【和訳】:花粉症なので目がかゆい。
→真っ先に言いたいことは「目がかゆい」こと
【例文】:Because I have hay fever, my eyes are itchy.
【和訳】:目がかゆいのは花粉症のせいだ。
→真っ先に言いたいことは「原因は花粉症である」こと
as 〜【手段、方法】:〜するように、〜であるように、〜のとおりに、〜のままに
as:「〜だけれども、〜のように、〜のままで」の意味(3)
↑
何かを行う手段や方法を表わします。第三者に対してやるべき方法を示すときによく使います。
【例文】:You must do as I told you.
【 × 】:あなたは私があなたに言ったのでしなければならない。
【 ○ 】:言われた通りにやりなさい。
→"as I told you"の意味は「以前に話したやり方で」
【例文】:You can paint a picture as you please.
【 × 】:あなたが気に入るのであなたは絵を描くことができる。
【 ○ 】:好きなように絵を描いていいよ。
→"as you please"の意味は「あなたの好きなやり方で」
as 〜【様子、状態】:〜するように、〜であるように、〜するとおり
as:「〜だけれども、〜のように、〜のままで」の意味(4)
↑
物事の様子や状態を表わします。たいてい、何らかの関連がある別の話を引き合いに出すときに使います。
【例文】:As your lawyer told you, you are supposed to make your will.
【 × 】:あなたの弁護士が話したので、あなたは遺言書を作るべきだ。
【 ○ 】:弁護士が言ったとおり、自分の遺言書は作っておくべきだ。
【例文】:As I told you, listening to complaints of patients is a major part of doctors' jobs.
【 × 】:すでに話したので、患者の不平を聞くのも医者の重要な仕事の一つだ。
【 ○ 】:すでに話したとおり、患者の愚痴を聞くのも医者の重要な仕事の一つだ。
→"as I told you"の意味は「以前に話したとおり」
as【継続、持続】:〜の状態のまま、〜様子が続く
as:「〜だけれども、〜のように、〜のままで」の意味(5)
↑
"as it is"のような「as + 代名詞 + be動詞」の形で様子や状態が無変化であることを表わします。イディオム的な表現。ニュアンスは「進歩や変化なしで〜のままで、〜の状態を続けて、〜の様子でずっと」です。
# 継続、持続の"as"……「as + 代名詞 + be動詞」(〜の状態のまま)
【例文】:Put the pencils and erasers as they are.
【 × 】:彼らはいるので鉛筆と消しゴムは置いて下さい。
【 ○ 】:鉛筆と消しゴムは元のところにもどしておいて下さい。
【例文】:I'm greatly worried about our nation as it is now.
【 × 】:私はそれが今なのでわたしたちの国について非常に心配する。
【 ○ 】:この国はこのままで大丈夫であろうかとひどく心配になる。
as 〜【譲歩、意外】:〜であるけれども、〜なのだが
as:「〜だけれども、〜のように、〜のままで」の意味(6)
↑
「〜だけれども」という譲歩や意外を表わします。"as"が譲歩や意外を表わす場合はたいてい倒置を使います。語順は「形容詞や副詞 + as + 主語 + 動詞」です。「主語 + 動詞」の語順は変化させず、「形容詞や副詞 + as 」のみを文頭に出します。
# 譲歩、意外の"as"……「形容詞や副詞 + as + 主語 + 動詞 + 〜」(〜であるけれども)
【例文】:Sleepy as I am, I have a little homework to do.
(= Though I am sleepy, I have a little homework to do.)
【 × 】:眠いので、やり残した宿題が少しある。
【 ○ 】:眠いけれど、やり残した宿題が少しある。
【例文】:Much as the controller tried to contact the airliner, there was no response from it.
(= Though the controller tried to contact the airliner, there was no response from it.)
【 × 】:管制官は旅客機となんとか交信しようとしたので、応答はなかった。
【 ○ 】:管制官は旅客機となんとか交信しようとしたけれど、応答はなかった。
as 〜【同様、類似】:〜と同様に、〜と同じく
as:「〜だけれども、〜のように、〜のままで」の意味(7)
↑
「〜もまた」という同様や類似の意味を表わします。同様や類似を表わす場合はたいてい倒置を使います。語順は「as + 動詞 + 主語」です。"as"を前に出して次に「主語」と「動詞」の語順をひっくり返すだけです。やや堅苦しい表現。
# 同様の"as"……「as + 動詞 + 主語 + 〜」[※やや堅苦しい表現]
【例文】:These boys were playing in the schoolyard as were their classmates.[※やや堅苦しい表現]
(= These boys were playing in the schoolyard, and so were their classmates)
【 × 】:この男の子たちはクラスメートがいたので校庭で遊んでいました。
【 ○ 】:この男の子たちはクラスメートと同様に校庭で遊んでいました。
【例文】:I am opposed to the restart of the nuclear reactor as are other people living in this town.[※やや堅苦しい表現]
(= I am opposed to the restart of the nuclear reactor, and so are other people living in this town.)
【 × 】:この町のほかの住民がいるので私は原子炉の再稼働には反対です。
【 ○ 】:この町のほかの住民と同様に私も原子炉の再稼働には反対です。
よく見落とされる「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」で特殊なニュアンスを表わします。
和訳のとき、この構文はしょっちゅう見落とされます。
have + 目的語 + 動詞の過去分詞形【お願い、命令】:〜してもらう、〜させる
have:「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形(1)
↑
ニュアンスは、「他人にお願いして〜してもらう、他人に指示や命令を与えて〜させる」です。【お願い、命令】を表わします。自分ではできない作業を専門家に頼むときによく使います。
【例文】:整備士に車のブレーキを見てもらう必要がある。
【和訳】:I must have the brakes of my car checked by a mechanic.
→お願いや命令を表わす「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形……「〜してもらう、〜させる」【お願い、命令】』
【例文】:I must get the brakes of my car checked by a mechanic.
(= I must have the brakes of my car checked by a mechanic.)
【和訳】:整備士に車のブレーキを見てもらう必要がある。
have + 目的語 + 動詞の過去分詞形【被害、損害】:〜される
have:「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形(2)
↑
ニュアンスは、「事件や事故、災難や災害などが原因で〜されてしまった」です。【被害、損害】を表わします。
【例文】:The other day I had my car knocked by a hit-and-run driver.
【和訳】:先日、車に当て逃げされた。
→被害や損害を表わす「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形……「〜される」【被害、損害】』
【例文】:The other day I got my car knocked by a hit-and-run driver.
(= The other day I had my car knocked by a hit-and-run driver.)
【和訳】:先日、車に当て逃げされた。
have + 目的語 + 動詞の過去分詞形【完了、終了】:〜を終える、〜をすませる
have:「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形(2)
↑
ニュアンスは、「作業や仕事などを終える」です。【完了、終了】を表わします。
【例文】:You must have your teeth brushed before you go to bed.
【和訳】:寝る前に歯磨きをすませなさいよ。
→終了や完了を表わす「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形……「〜を終える、〜をすませる」【完了、終了】』
【例文】:You must get your teeth brushed before you go to bed.
(= You must have your teeth brushed before you go to bed.)
【和訳】:寝る前に歯磨きをすませなさいよ。
have + 目的語 + 動詞の過去分詞形【容認、許容】:〜させておく、〜するのを許しておく
have:「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形(4)
↑
ニュアンスは、「他人が〜するのを許す」です。【許容、容認】を表わします。
【容認、許容】はよく否定文で使い、「ほかのものが〜するのを許さない」の意味を表わします。主語はたいてい一人称の"I"か"we"、「固執」を表わす助動詞の"will"や"would"をよく一緒に使います。
【例文】:I won't have this old cherry tree cut down.
→容認や許容を表わす「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」、"will"は「現在の固執」を表わす
【和訳】:この桜の老木を切り倒すのは止めて欲しい。
"allow"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:I won't allow this old cherry tree to be cut down.
(= I won't have this old cherry tree cut down.)
【和訳】:この桜の老木を切り倒すのは止めて欲しい。
よく見落とされる「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」
「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」で特殊なニュアンスを表わします。
和訳のとき、この構文はしょっちゅう見落とされます。
get + 目的語 + 動詞の過去分詞形【お願い、命令】:〜してもらう、〜させる
get:「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形(1)
↑
ニュアンスは、「他人にお願いして〜してもらう、他人に指示や命令を与えて〜させる」です。【お願い、命令】を表わします。自分ではできない作業を専門家に頼むときによく使います。
【例文】:We will have that suspicious paper bag examined by the police.
【和訳】:あそこにある怪しい紙袋は警察に調べてもらいましょう。
→お願いや命令を表わす「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形……「〜してもらう、〜させる」【お願い、命令】』
【例文】:We will get that suspicious paper bag examined by the police.
(= We will have that suspicious paper bag examined by the police.)
【和訳】:あそこにある怪しい紙袋は警察に調べてもらいましょう。
get + 目的語 + 動詞の過去分詞形【被害、損害】:〜される
get:「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形(2)
↑
ニュアンスは、「事件や事故、災難や災害などが原因で〜されてしまう」です。【被害、損害】を表わします。
【例文】:The day before yesterday I almost got my house blown off in the typhoon.
【和訳】:おとといの台風で自宅がもう少しで吹き飛ばされるところでした。
→被害や損害を表わす「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形……「〜される」【被害、損害】』
【例文】:The day before yesterday I almost had my house blown off in the typhoon.
(= The day before yesterday I almost got my house blown off in the typhoon.)
【和訳】:おとといの台風で自宅がもう少しで吹き飛ばされるところでした。
get + 目的語 + 動詞の過去分詞形【完了、終了】:〜を終える、〜をすませる
get:「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形(3)
↑
ニュアンスは、「作業や仕事などを終える」です。【完了、終了】を表わします。
【例文】:I always get the bathing done before dinner and feel relieved.
【和訳】:いつも夕飯前に風呂をすませてサッパリする。
→終了や完了を表わす「get + 目的語 + 動詞の過去分詞形」
「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」もほぼ同じ意味を表わします→【参照】:『「have + 目的語 + 動詞の過去分詞形」という形……「〜を終える、〜をすませる」【完了、終了】』
【例文】:I always have the bathing done before dinner and feel relieved.
(= I always get the bathing done before dinner and feel relieved.)
【和訳】:いつも夕飯前に風呂をすませてサッパリする。
イディオムで意味が大化けする"bring"
よく見かける単語ですが、熟語になると意外な意味が出て来る単語です。"bring"の基本的な意味は「物や人を別の所へ持って行く」です。
bring about 〜(〜をもたらす、〜を引き起こす)
bring:「〜を引き起こす、〜を育てる、〜を制御する」(1)
↑
ニュアンスは「主語が何らかの物事を発生させる、主語がある出来事の原因となる」です。
【例文】:The Internet has brought about a big change in mail-order shopping.
【 × 】:インターネットは通信販売に大きな変化を持って回った。
【 ○ 】:インターネットは通信販売に大きな変化をもたらした。
"cause"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:The Internet has caused a big change in mail-order shopping.
【和訳】:インターネットは通信販売に大きな変化をもたらした。
bring up 〜(〜を育てる、〜を養育する)
bring:「〜を引き起こす、〜を育てる、〜を制御する」(2)
↑
ニュアンスは「一人前になるまで子供の面倒を見る」です。
【例文】:To tell the truth, our cat Hanako brought up our dog Tarou.
【 × 】:実を言うと、犬のタロウを持って上げたのはうちの猫の花子なんですよ。
【 ○ 】:実を言うと、犬のタロウを育てたのはうちの猫の花子なんですよ。
"rear"や"raise"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:To tell the truth, our cat Hanako reared our dog Tarou.
【例文】:To tell the truth, our cat Hanako raised our dog Tarou.
【和訳】:実を言うと、犬のタロウを育てたのはうちの猫の花子なんですよ。
"rear"も"raise"も「上の方へ上げる、高い所へ持ち上げる」という意味があります。英語では「育てる」=「上の方へ持って行く」という感覚があるのかもしれません。
bring 〜 under one's control(〜を制御する、〜を意のままに操る)
bring:「〜を引き起こす、〜を育てる、〜を制御する」(3)
↑
直訳の「彼らの管理の下へ持って来る」では日本語として意味不明です。日本語として通じるように和訳します。
【例文】:Still human beings cannot bring nature under their control.
【 × 】:まだ人類は自然を彼らの管理の下へ持って来ることはできない。
【 ○ 】:まだ人類は自然を制御することはできない。
"control"のみを動詞として使っても、ほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:Still human beings cannot control nature.
【和訳】:まだ人類は自然を制御することはできない。
イディオムで意味が大化けする"get"
よく見かける単語ですが、熟語になると意外な意味が出て来る単語です。"get"の基本的な意味は「自分の物にする、手に入れる」です。
get away(逃げる、離れる)
get:「逃げる、到着する、帰宅する、切り抜ける」(1)
↑
"get"は「ほかの場所へ移動する」というニュアンスを表わします。
【例文】:The masked man robbed the post office of thirty thousnad yen and got away.
【 × 】:覆面の男が郵便局で三万円を奪って取って離れた。
【 ○ 】:覆面の男が郵便局で三万円を奪って逃げた。
"get away"の場合、"get"自体に「物をつかむ」というニュアンスはほとんどありません。
"escape"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:The masked man robbed the post office of thirty thousnad yen and escaped.
【和訳】:覆面の男が郵便局で三万円を奪って逃げた。
get to(到着する、着く)
get:「逃げる、到着する、帰宅する、切り抜ける」(2)
↑
"get"は「ほかの場所へ移動する」というニュアンスを表わします。
【例文】:The train got to the station on schedule.
【 × 】:列車は定刻通り駅を取った。
【 ○ 】:列車は定刻通り駅に到着した。
"get to"の場合、"get"自体に「物をつかむ」というニュアンスはほとんどありません。
"arrive"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:The train arrived at the station on schedule.
【和訳】:列車は定刻通り駅に到着した。
get home(帰宅する、家に帰る)
get:「逃げる、到着する、帰宅する、切り抜ける」(3)
↑
"get"は「ほかの場所へ移動する」というニュアンスを表わします。
【例文】:My husband usually gets home after 12 p.m.
【 × 】:うちの亭主は普通、夜中の十二時過ぎに家を手に入れる。
【 ○ 】:うちの亭主は普通、夜中の十二時過ぎに帰宅する。
"get home"の場合、"get"自体に「物をつかむ」というニュアンスはほとんどありません。「家を手に入れる」を英語で表現すると、"get a home"、あるいは、"get my home"となります。
"come home"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:My husband usually comes home after 12 p.m.
【和訳】:うちの亭主は普通、夜中の十二時過ぎに帰宅する。
get back(元いた場所にもどる、帰る、帰宅する)
get:「逃げる、到着する、帰宅する、切り抜ける」(4)
↑
"get"は「ほかの場所へ移動する」というニュアンスを表わします。
【例文】:It's time to get back home.
【 × 】:それは家を取りもどす時間だ。
【 ○ 】:そろそろ、家にもどらないと。
「場所」以外に、「物事にもどる、中断していたことを再開する」の意味でも使えます。
【例文】:It's time to get back to work.
【 × 】:それは働くために取りもどす時間だ。
【 ○ 】:そろそろ、仕事にもどらないと。
"return"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:It's time to return home.
【和訳】:そろそろ、家にもどらないと。
【例文】:It's time to return to work.
【和訳】:そろそろ、仕事にもどらないと。
get through((苦しいことを)切り抜ける、(困難を)くぐり抜ける)
get:「逃げる、到着する、帰宅する、切り抜ける」(5)
↑
"get through"の場合、"get"自体には「物をつかむ」というニュアンスはほとんどありません。「生き抜く、困難に打ち勝つ」というニュアンスです。「〜を通して得る、〜を越える」という意味ではありません。
【例文】:Eskimos can get through this cold winter.
【 × 】:エスキモーたちはこの寒い冬を通じて得ることができる。
【 ○ 】:エスキモーたちはこの寒い冬を生き抜くことができる。
"survive"もほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:Eskimos can survive this cold winter.
【和訳】:エスキモーたちはこの寒い冬を生き抜くことができる。
「助ける人」が「主語」、「助けられる人」が「目的語」
"help"に続くto不定詞は「助けられる人」が行うことです。
# 「助ける人」=「helpの主語」、「助けられる人」=「helpの目的語」
【例文】:昨日、私はソクラテスの宿題を手伝ってあげた。
【 × 】:Socrates helped me to do his homework yesterday.
【 × 】:Socrates was helped me to do his homework yesterday.
【 ○ 】:I helped Socrates to do his homework yersterday.
日本語の【例文】の主語は「私」です。よって英文でも主語は"I"です。そして、「私」が助けるのは「ソクラテス」です。よって、英文では"help"の目的語が"Socrates"です。
助けられる「ソクラテス」を主語にするなら受動態を使います。
【例文】:Socrates was helped to do his homework by me yesterday.
【和訳】:昨日、ソクラテスは宿題を私に助けられた。
「助ける人」=「私」、「助けられる人」=「ソクラテス」の関係は変わりません。
"ask"の次に"for"があれば【依頼】、なければ【質問】
次に"for"がある、なしで意味が大きく異なります。
# 【依頼】ask A for 〜(Aに〜を求める、頼む)[※"for"あり]
# 【質問】ask A 〜(Aに〜を尋ねる、質問する)[※"for"なし]
"ask A for 〜"の形は、「Aに〜を求める、Aに〜をしてくれるよう頼む」の意味です。「頼む、求める」の場合は"for"を使います。
【例文】:ウエイトレスにメニューを持って来るよう頼んだ。
【 × 】:I asked a waitress the menu.
【 ○ 】:I asked a waitress for the menu.
「Aに〜を尋ねる、Aに〜を質問する、Aに〜を聞く」の意味の場合、"ask"に"for"を使いません。前置詞を使わずにそのまま目的語を二つ並べます。
【例文】:ウエイトレスに駅までの道を尋ねた。
【 × 】:I asked for a waitress the way to the station.
【 × 】:I asked a waitress for the way to the station.
【 ○ 】:I asked a waitress the way to the station.
"I"や"my"があれば【許可】、なければ【依頼】
"mind"の次に何が来るかで、意味が大きく異なります。
# 【許可】Would you mind + if I + 〜?(私が〜してもいいですか)
# 【許可】Would you mind + me 〜ing + 〜?(私が〜してもいいですか)
# 【許可】Would you mind + my 〜ing + 〜?(私が〜してもいいですか)[※堅苦しい言い方]
# 【依頼】Would you mind + 〜ing + 〜?(〜してもらえますか)
話し手が「〜してもいいですか」と許可を求める場合は、"mind"の次に"if I 〜"や""me/my 〜ing"を使います。
通例、許可とは「話し手」つまり「私」が「聞き手」に対して求めるので、"mind + if I 〜"や"mind + me/my 〜ing"の形を使います。ニュアンスは「私が〜してもいいですか」です。所有格の代名詞"my"を使うのは堅苦しい表現です。
【例文】:ここでたばこを吸ってもよろしいでしょうか。
【英訳】:Would you mind my smoking here?[※堅苦しい言い方]
【例文】:ここでたばこを吸ってもいいですか。
【英訳】:Would you mind me smoking here?
【英訳】:Would you mind if I smoked here?
通例、"mind"で「頼み事」を表わす場合、"〜ing"を"mind"のすぐ後ろに置きます。"〜ing"の前に"me"や"my"などは付けません。また、"mind"の次に"if 〜"を続けることもできません。
【例文】:タマネギをみじん切りにして下さいませんか。
【 × 】:Would you mind if you chopped the onions up?
→"mind + if"は「許可」を求める形なので不可
【 × 】:Would you mind you chopping the onions up?
→"mind + 目的格"は「許可」を求める形なので不可
【 × 】:Would you mind your chopping the onions up?
→"mind + 所有格"は「許可」を求める形なので不可
【 ○ 】:Would you mind chopping the onions up?
→"mind 〜ing"は「依頼」の形なので可
「何が増えるのか」必ず明示する
increase……何が増えるのか?(1)
↑
"increae"の意味は「増える」です。増えるのが「何か」はたいてい別に表現する必要があります。
【例文】:我が校の生徒は増えつつある。
(= 我が校の生徒の数は増えつつある)
【 × 】:The students of our school are increasing.
【 ○ 】:The number of the students of our school is increasing.
"the number of"が欠けると英語として不自然です。増えるのは「人数」であることを示すために"the number of"を必ず付け加えます。
反意語の"decrease"(減る)も同じ構文になります。
【例文】:我が校の生徒は減りつつある。
(= 我が校の生徒の数は減りつつある)
【 × 】:The students of our school are decreasing.
【 ○ 】:The number of the students of our school is decreasing.
"the number of"が欠けると英語として不自然です。減るのは「人数」であることを示すために"the number of"を必ず付け加えます。
"the number of"は単数扱い
increase……何が増えるのか?(2)
↑
"the number of"を主語にする場合、「数」は単数です。
【例文】:余震の発生回数増えつつある。
【 × 】:The number of aftershocks are increasing.
【 ○ 】:The number of aftershocks is increasing.
【例文】:余震の発生回数減りつつある。
【 × 】:The number of aftershocks are decreasing.
【 ○ 】:The number of aftershocks is decreasing.
動詞の「数」は、"aftershocks"ではなく、"the number"のほうに合わせて単数です。
「人口が増える」のときは"the number of 〜"は不要
increase……何が増えるのか?(3)
↑
「population(人口) + increase」の場合、"the number of"は不要です。
"population"(人口)は"the number"の意味を含むので、改めて"the number of"や"in number"などの表現を付け加える必要はありません。
【例文】:我が国の人口は増えつつある。
【 × 】:The number of population of our nation is increasing.
【 × 】:The population of our nation is increasing in number.
【 ○ 】:The population of our nation is increasing.
主語の前に助動詞を出さないこともある
"what"や"how"で疑問文を作る場合、語順は原則として「What/How + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」です。
# What + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?
# How + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?
ただし、"what"や"how"の部分が文全体の主語になる場合、語順は「What/How + 主語 + 動詞 + 〜?」です。平叙文と同じです。
# What 〜 + 動詞 + 〜?[※"What 〜"は主語]
# How 〜 + 動詞 + 〜?[※"How 〜"は主語]
疑問文で使う"how"は副詞なので、単独で主語になることはありません。主語になるときは、"how many people"や"how much money"のように「how + 形容詞 + 名詞」の形を使います→【参照】:『ゼロから始める疑問詞:howhow:【副詞】(どんな、どうやって)』
一方、疑問文で使う"what"は代名詞としても使うので、"what"一語でも主語になれます→【参照】:『ゼロから始める疑問詞:what【代名詞】(何が、何に、何を)【形容詞】(何の、どんな)』
what、あるいは、what 〜が主語の場合
whatとhow:疑問文での語順(1)
↑
【例文】:何が起こったの。
【 × 】:What did happen?
【 ○ 】:What happened?
→"What"は文全体の「主語」、語順は「What + 動詞 + ?」
【例文】を英訳する場合、「何が」は"what"で表わします。"what"は文全体の主語として機能するので"did"の追加は不要です。
【例文】:ガラパゴス諸島にはどんな動物が棲息していますか。
【 × 】:What kind of animals does live in the Galapagos Islands?
【 ○ 】:What kind of animals lives in the Galapagos Islands?
→What kind of animal"は文全体の「主語」、語順は「What 〜 + 動詞 + 〜?」
【例文】を英訳する場合、「どんな動物が」は"what kind of animals"で表わします。"what kind of animals"は文全体の主語として機能するので"does"の追加は不要です。
what、あるいは、what 〜が目的語の場合
whatとhow:疑問文での語順(2)
↑
【例文】:昨日の夕食は何を食べましたか。
【 × 】:What you had for supper last night?
【 ○ 】:What did you have for supper last night?
→"What"は"have"の「目的語」、語順は「What + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」
【例文】を英訳する場合、「何を」は"what"で表わします。"what"は文全体の目的語として機能するので"did"を追加します。
【例文】:どんなジャンルの小説を書いているんですか。
【 × 】:What sort of novel you write?
【 ○ 】:What sort of novel do you write?
→"What sort of novel"は"write"の「目的語」、語順は「What 〜 + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」
【例文】を英訳する場合、「どんなジャンルの小説を」は"what sort of novel"で表わします。"what sort of novel"は文全体の目的語として機能するので"do"を追加します。
how 〜が主語の場合
whatとhow:疑問文での語順(3)
↑
【例文】:何人の人がその野球の試合を見ていましたか。
【 × 】:How many people did watch the baseball game?
【 ○ 】:How many people watched the baseball game?
→"How many people"は文全体の「主語」、語順は「How 〜 + 動詞 + 〜?」
【例文】を英訳する場合、「何人の人が」は"how many people"で表わします。"how many people"は文全体の主語として機能するので"did"の追加は不要です。
how 〜が目的語、あるいは、howが副詞の場合
whatとhow:疑問文での語順(4)
↑
【例文】:自分の結婚式には何人を招待しましたか。
【 × 】:How many people you invited to your wedding?
【 ○ 】:How many people did you invite to your wedding?
→"How many people"は"invite"の「目的語」、語順は「How 〜 + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」
【例文】を英訳する場合、「何人を」は"how many people"で表わします。"how many people"は文全体の目的語として機能するので"did"を追加します。
【例文】:この味噌汁はどうやって作りましたか。
【 × 】:How you cooked this miso soup?
【 ○ 】:How did you cook this miso soup?
→"How"は副詞、語順は「How + 助動詞 + 主語 + 動詞 + 〜?」
【例文】を英訳する場合、「どうやって」は"how"で表わします。"how"は動詞の"cook"の意味を補足する副詞として機能するので"did"を追加します。
主語には必ず発生する「出来事」を置く
happen……何が起こるのか?(1)
↑
"happen"の意味は「〜が起こる、〜が発生する」です。主語には必ず「発生する物事」を置きます。「どこで発生するか、いつ発生するか」は通例、"at 〜"や"in 〜"などの前置詞句で表現します。
# [出来事] + happen + at/in/on 〜([出来事]が〜で発生する)
【例文】:月でも地震は発生するらしい。
【 × 】:I hear that also the moon sometimes happens earthquakes.
【 ○ 】:I hear that earthquakes sometimes happen also on the moon.
「発生する物事」は「地震」("earthquakes")で"happen"の主語です。「発生する場所」は「月」("the moon")なので、"on"と組み合わせて"on the moon"(月で)とします。
「月が地震を発生させる」わけではありません。「月で地震が発生する」です。
もう一つ例文を。
【例文】:火事は冬に発生しやすい。
【 × 】:Winter more often happens a fire.
【 ○ 】:A fire happens more often in the winter.
「発生する物事」は「火事」("fire")で"happen"の主語です。「発生する時」は「冬」("winter")なので、"in"と組み合わせて"in the winter"(冬に)とします。
「冬が火事を発生させる」わけではありません。「冬に火事が発生しやすい」です。
happenの受動態は不可
happen……何が起こるのか?(2)
↑
"happen"は目的語を取らないので通例、受動態を作ることができません。なので、"are happened"は不可。"happen"とします→【参照】:『ゼロから始める能動態と受動態:受動態が不可の場合』
「発生させられる」という日本語の表現は受動態っぽく感じますが、よくよく考えると受動態ではありません。「発生させられる」の意味は「ほかの何かが原因で〜が発生する」です。
【例文】:津波は地震によって発生させられることもある。
【 × 】:Some tsunamis are happened by earthquakes.
【 ○ 】:Some tsunamis happen because of earthquakes.
「津波は地震によって発生させられる」の意味は、「地震が原因で津波が発生する」です。受動態ではありません。
「発生させられる」は"cause"でも表現することができます。
【例文】:津波は地震によって発生させられることもある。
(= 津波は地震が原因で発生することもある。)
【英訳】:Some tsunamis are caused by earthquakes.
動詞"pay"の構文
動詞の"pay"の構文は間違えやすいのここでまとめます。前置詞の"for"は誰に対して支払うか(支払う相手)ではなく、何に対して支払うか(支払う対象)を表わします。
他動詞の"pay"なら"for 〜"は支払いの対象を表わす
pay:前置詞"for"は何を表わすのか?(1)
↑
"pay"を他動詞として使う場合、"for 〜"はたいてい「支払う金額」や「支払う相手」ではなく、「支払う対象」を表わします。たとえば、「スミスがトムに対してチケット代の三千円を払った」と表現する場合、"for 〜"は「チケット代」を表わします。「トム」や「三千円」ではありません。
# [主語] + pay + 支払う相手 + 金額 + for + 支払う対象
# [主語] + pay + 金額 + 支払う対象 + to + 支払う相手[※あまり使わない表現]
"pay"の場合、「支払う相手」を"to"で表現可能ですが、あまり使わない言い方です。
【例文】:スミスはトムにチケット代の三千円を払った。
【 × 】:Smith paid three thousand yen for Tom for the ticket.
【 × 】:Smith paid Tom for three thousand yen for the ticket.
【 △ 】:Smith paid three thousand yen to Tom for the ticket.[※あまり使わない表現]
【 ○ 】:Smith paid Tom three thousand yen for the ticket.
→"for 〜"は「支払う対象」=「チケット代」を表わす
「支払う対象」を明示せずに、「支払う相手」や「支払う金額」のみを表現するときは、たいてい"for 〜"を使いません。
【例文】:三千円払います。
【 × 】:I'll pay for three thousand yen.
【 ○ 】:I'll pay three thousand yen.
【例文】:あなたに三千円払います。
【 × 】:I'll pay you for three thousand yen.
【 × 】:I'll pay for you three thousand yen.
【 ○ 】:I'll pay you three thousand yen.
【例文】:タクシー代は払います。
【 × 】:I'll pay for the taxi driver.
【 ○ 】:I'll pay the taxi driver.
【例文】:借金を払って下さい。
【 × 】:You must pay for your debt!
【 ○ 】:You must pay your debt!
→いずれの場合でも"for"は不要
自動詞の"pay"でも"for 〜"は支払いの対象を表わす
pay:前置詞"for"は何を表わすのか?(2)
↑
目的語なしで"pay"を自動詞として使う場合も、"for 〜"はたいてい「支払う対象」を表わします。
# [主語] + pay for + 支払う対象
【例文】:スミスがチケット代を払った。
【英訳】:Smith paid for the ticket.
→"for 〜"は「支払う対象」=「チケット代」を表わす
【例文】:会社が旅費を払ってくれた。
【英訳】:My company paid for my travel expenses.
→"for 〜"は「支払う対象」=「旅費」を表わす
【例文】:スマートフォン代は現金で支払った。
【 × 】:I paid for cash for my smartphone.
【 ○ 】:I paid in cash for my smartphone.
【 ○ 】:I paid with cash for my smartphone.
【 ○ 】:I paid cash for my smartphone.
→"for 〜"は「支払う対象」=「スマートフォン代」を表わす
"pay"と"for"とto不定詞
pay:前置詞"for"は何を表わすのか?(3)
↑
to不定詞を使う「[主語」+ pay + for + A + to不定詞」で「[主語]はAが〜する費用を払う」です。"for + A"はto不定詞の主語を表わします。「Aのために」という意味ではありません。
# [主語」+ pay + for + A + to不定詞([主語]はAが〜する費用を払う)
【例文】:学校は私がイギリスに留学する費用を払ってくれた。
【英訳】:My school paid for me to study in UK.
→"for me"の意味は「私のために」ではない
【例文】:会社は私たちがファイナンシャルプランナーの資格を取る費用を負担してくれました。
【英訳】:My company paid for us to obtain the qualification of a financial planner.
→"for us"の意味は「私たちのために」ではない
"pay"が「償いや罰」を表わすとき
pay:前置詞"for"は何を表わすのか?(4)
↑
"pay"を「償いをする、罰を受ける」の意味で使う場合、"for 〜"は償いや罰の「対象」を表わします。
# [主語」+ pay + for + 〜([主語]は〜のことで償う、[主語]は〜のことで罰を受ける)
【例文】:この借りはきっと返すぞ。
(= これに対して償ってもらうぞ)
【英訳】:I'll make you pay for this!
→"for this"の意味は「このために」ではない
【例文】:遅刻したんでひどい罰を受けた。
【英訳】:I paid dearly for being late for class.
→"for this"の意味は「遅刻したために」ではない
「〜だろう」以外の意味を表わす"will"
"will"はよく「〜だろう」と和訳して、「現在の推量」や未来時制を表わします。ところが、「推量」や「未来」とはほとんど関係のない意味を表わすことがあります。
will【現在の習慣】:「よく〜する」
未来や推量ではない"will"(1)
↑
"will"は「現在の習慣」を表わすことがあります。ニュアンスは、「今現在しょっちゅう〜する、必ず〜する、よく〜する、たいてい〜する」です。
【例文】:Ian dislikes karaoke but he will sing a song while he is taking a bath.
【 × 】:イアンはカラオケが嫌いです。しかし、風呂に入っている間、歌を歌っているだろう。
【 ○ 】:イアンはカラオケが嫌いです。しかし、風呂に入っている間、よく歌を歌っている。
【例文】の場合、"will"の和訳は「〜だろう、〜らしい」ではなく、「よく〜する」です。"will"があるけど「現在」の話。【例文】の場合、"will"は"Ian"の「現在の習慣、くせ」を表わします。
【例文】:Our cat will jump onto the table when my family start eating dinner.
【 × 】:私たちの猫は私の家族が夕食を食べ始めるとき、テーブルの上にジャンプするだろう。
【 ○ 】:うちの猫は家族が夕飯を食べ始めると、いつもテーブルにジャンプして乗って来る。
【例文】の場合、"will"の和訳は「〜だろう、〜らしい」ではなく、「いつも〜する」です。"will"があるけど「現在」の話。【例文】の場合、"will"は"our cat"の「現在の習慣、習性」を表わします。
# will always 〜【現在の習慣、習性、くせ】:いつも〜する、必ず〜する
# will often 〜【現在の習慣、習性、くせ】:たいてい〜する、よく〜する
"will"が「現在の習慣、くせ」表わすとき、頻度を表わす副詞の"always"や"often"をよく一緒に使います。つまり、"will always 〜"や"will often 〜"はたいてい「現在の習慣、くせ」を表わします。
【例文】:Ian dislikes karaoke but he will often sing a song while he is taking a bath.
(= Ian dislikes karaoke but he will sing a song while he is taking a bath.)
【和訳】:イアンはカラオケが嫌いです。しかし、風呂に入っている間、よく歌を歌っている。
→"will often"は「現在の習慣、くせ」を表わす
【例文】:Our cat will always jump onto the table when my family start eating dinner.
(= Our cat will jump onto the table when my family start eating dinner.)
【和訳】:うちの猫は家族が夕飯を食べ始めると、いつもテーブルにジャンプして乗って来る。
→"will always"は「現在の習慣、習性」を表わす
will【現在の固執】:「どうしても〜しようとする」
未来や推量ではない"will"(2)
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"will"は「現在の固執」を表わすことがあります。ニュアンスは、「頑固に〜しようとする、〜するといって聞かない、意地でも〜しようとする、かたくなに〜しようとする」です。
ちなみに、「固執」という日本語の意味は「一つの物事にこだわること、執着すること」です。
【例文】:Though my daughter has a fever of 38 degrees, she will go to school.
【 × 】:娘は熱が三十八度あるにもかかわらず、彼女は学校へ行くだろう。
【 ○ 】:娘は熱が三十八度もあるのに、学校に行くと言って聞かない。
【例文】の場合、"will"の和訳は「〜だろう、〜のようだ」ではなく、「どうしても〜しようとする、〜するといって聞かない」です。"will"があるけど「現在」の話。【例文】の場合、"will"は"my daughter"の「現在の固執、こだわり」を表わします。
「現在の固執、こだわり」を表わす"will"は、人以外に動物や道具、機械などにも使えます。
【例文】:My laptop seems to be broken. It will not start.
【 × 】:私のノートパソンコンは壊れたらしい。それはいかなる始まらないだろう。
【 ○ 】:ノートパソコンが壊れたようだ。スイッチを入れてもまったく動こうしない。
【例文】の場合、"will"の和訳は「〜だろう、〜のようだ」ではなく、「どうしても〜しようとする、」です。"will"があるけど「現在」の話。【例文】の場合、"will"は"my laptop"の「現在の固執、こだわり」を表わします。
「〜だろう、〜しただろう」以外の意味を表わす"would"
"would"は"will"の過去形で「〜だろう、〜しただろう」と和訳し、現在や過去の推量を表わします。ところが、「推量」とはほとんど関係のない意味を持つこともあります。
would【過去の習慣】:「よく〜したものだった」
推量ではない"would"(1)
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"would"は現在はすでに止めてしまった「過去の習慣」を表わすことがあります。ニュアンスは、「昔はよく〜していたが、今はまったく〜はやっていない」です。"would"が「過去の習慣」を表わす場合、よく"often"を一緒に使います。
【例文】:I would often fish in this river when I was a child.
【 × 】:私が子供のころはこの川で釣りをしただろう。
【 ○ 】:私が子供のころはこの川でよく釣りをしていたものだ。
【例文】の場合、"would"の和訳は「〜であっただろう」ではなく、「(昔は)よく〜したものだ」です。【例文】の場合、"would"は主語の"I"の「過去の習慣」を表わします。
【例文】:You would help me when I was in trouble.
【 × 】:私が困ったときはあなたが私を助けてくれただろう。
【 ○ 】:困ったときにはよくあなたに助けてもらっていた。
【例文】の場合、"would"の和訳は「〜であっただろう」ではなく、「(昔は)よく〜した」です。【例文】の場合、"would"は主語の"you"の「過去の習慣」を表わします。
would【過去の固執】「どうしても〜しようとした」
推量ではない"would"(2)
↑
"would"は「過去の固執」を表わすことがあります。ニュアンスは、「昔は頑固に〜しようとした、どうしても〜しようとした、意地でも〜しようとした、かたくなに〜しようとした」です。"would"が「過去の固執」を表わす場合、よく否定文で使います。
ちなみに、「固執」という日本語の意味は「一つの物事にこだわること、執着すること」です。
【例文】:My daughter would eat ice cream at a family restaurant.
【 × 】:私の娘はファミレスでアイスクリームを食べたでしょう。
【 ○ 】:娘はファミリーレストランでアイスクリームを食べると言って聞かなかった。
【例文】の場合、"would"の和訳は「〜だっただろう」ではなく、「どうしても〜しようとした、〜すると言って聞かなかった」です。【例文】の場合、"would"は"my daughter"の「過去の固執、意地」を表わします。
「過去の固執、こだわり」を表わす"would"は、人以外に動物や道具、機械などにも使えます。
【例文】:The kitchen faucet would not shut off.
【 × 】:台所の水道の蛇口が止まらなかっただろう。
【 ○ 】:台所の水道の蛇口がどうしてもきちんと止まらなかった。
【例文】の場合、"would"の和訳は「〜だっただろう」ではなく、「どうしても〜しようとした」です。【例文】の場合、"would"は"the kitchen faucet"の「過去の固執、こだわり」を表わします。
「後ろ」以外の意味を表わす"after"
通例、"after"の意味は「(時間的に)〜の後で、(場所的に)〜の後ろに」です。ところが、「後で」や「後ろに」とは一見関係のなさそうな意味を持つことがあります。
after【追求、追跡】:「〜を求めて、〜を追って」
「後に、後で」の意味ではない"after"(1)
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"after"は何かを追いかける「追求、追跡」を表わすことがあります。ニュアンスは、「〜を探し求めて、〜を追い求めて」です。
【例文】:What are you after?
【 × 】:その後、あなたは何になるのだ。
【 ○ 】:あなたは何が欲しいのだ。
【例文】の場合、"after"の意味は「〜の後で、〜の後ろに」ではありません。「〜を求めて、探して」です。「何を求めているの = 何が欲しいの」と考えます。
「〜を求めて、〜を追って」の意味に、"after"の本来の意味「〜の後で、〜の後ろに」のニュアンスを含むこともあります。
【例文】:A private detective is after you.
【 × 】:私服の警官があなたの後ろにいるよ。
【 ○ 】:私服の警官があなたをつけているよ。
【例文】の場合、"after"の意味は「〜の後をつけている」です。位置的に「後ろ」というニュアンスも含みます。
after【類似、由来】:「〜にちなんで、〜にならって」
「後に、後で」の意味ではない"after"(2)
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"after"は「類似、由来」を表わすことがあります。ニュアンスは、「別の人や物事などをまねして、誰かのやり方や流儀や流派などに従って」です。
【例文】:My name is Benkei, after a famous samurai.
【 × 】:わたしの名前は「弁慶」、有名な侍の後です。
【 ○ 】:私の名前は有名な侍にちなんで「弁慶」といいます。
【例文】の場合、"after"は「自分の名前は昔の人にちなんで付けられた」というニュアンスです。"after"の本来の意味「〜の後で、〜の後ろに」をいくらか感じることができます。
【例文】:The sculpture is after Mr. Taro Okamoto.
【 × 】:その彫刻は岡本太郎氏の後にある。
【 ○ 】:その彫刻は岡本太郎氏風である。
【例文】の場合、「その彫刻は岡本太郎氏の作風をまねて作った」というニュアンスです。やはり、「先に手本があり、その後に〜」という意味なので、"after"の本来の意味「〜の後で、〜の後ろに」を少し感じることができます。
「しかし」以外の意味を表わす"but"
"but"は通例、接続詞として使い、意味は「しかし〜」です。ところが、「しかし〜」とはあまり関係のなさそうな意味を持つことがあります。
but【除外、例外】:「〜を除いて、〜以外に」
「しかし」の意味ではない"but"(1)
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"but"は「除外、例外」を表わすことがあります。ニュアンスは、「〜は別にして、〜は含まない」です。この場合、"but"は接続詞ではなく、前置詞として機能します。和訳は「しかし」ではなく「〜を除いて、〜以外に」です。
【例文】:All but one of the apples in the carton box were covered with mold.
【 × 】:すべての、しかし、ダンボール箱の中のリンゴの一つはカビだらけだった。
【 ○ 】:ダンボール箱の中のリンゴは一つを除いてすべてカビだらけだった。
【例文】の場合、"but"のニュアンスは「〜を除いて、〜以外は」です。
【例文】:Who but you can pack away this giant ice cream?
【 × 】:誰がしかしあなたがこの巨大なアイスクリームを食べることができるのか。
【 ○ 】:あなた以外にこの巨大アイスクリームを食べきれる人なんていない。
【例文】の場合、"but"のニュアンスは「〜以外に、〜のほかに」です。
"except"も前置詞の"but"とほぼ同じ意味を表わします。
【例文】:All except one of the apples in the carton box were covered with mold.
(= All but one of the apples in the carton box were covered with mold.)
【和訳】:ダンボール箱の中のリンゴは一つを除いてすべてカビだらけだった。
【例文】:Who except you can pack away this giant ice cream?
(= Who but you can pack away this giant ice cream?)
【 ○ 】:あなた以外にこの巨大アイスクリームを食べきれる人なんていない。
but【not A but B 構文】:「AではなくBだ」
「しかし」の意味ではない"but"(2)
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"but"は【not A but B 構文】を作ることがあります。ニュアンスは、「二つの物事に対して、こっちではなく、あっちだ」です。"not"とペアで使う場合、"but"に「しかし」の意味はほとんどありません。
【例文】:The capital of USA is not New York but Washington.
【 × 】:アメリカの首都はニューヨークではなく、しかしワシントンだ。
【 ○ 】:アメリカの首都はニューヨークではなく、ワシントンだ。
【例文】の場合、"not A but B"のニュアンスは「AではなくBだ」です。
【例文】:It is important not to make any mistakes but to avoid the same mistakes.
【 × 】:重要なのはいかなるミスを犯さないことだが、同じミスを避ける。
【 ○ 】:重要なのはミスを一つたりとも犯さないことではなく、同じミスを繰り返さないことです。
【例文】の場合、"not A but B"のニュアンスは「AではなくBだ」です。
"but"を使わずに"not"のみでも、ほぼ同じ内容を表わすことができます。
【例文】:The capital of USA is Washington, not New York.
(= The capital of USA is not New York but Washington.)
【和訳】:アメリカの首都はワシントンだ。ニューヨークではない。
【例文】:It is important to avoid the same mistakes, not to make any mistakes.
(= It is important not to make any mistakes but to avoid the same mistakes.)
【和訳】:重要なのは同じミスを繰り返さないことです。ミスを一つたりとも犯さないことではない。